2025年3月 7日 (金)

“民の竈(かまど)は賑わいにけり”に学ぼう! 

 927回目のブログです。

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    (仁徳天皇・国見の図)

 “高き家に 登りて見れば 煙立つ 民の竈は 賑ひにけり”
            仁徳天皇『新古今和歌集』

 仁徳天皇(第16代天皇)がある時に山に登られ「国見」をされたところ、炊煙が上がっていない人家を見つけられました。この地域は水が少なく、災害や飢饉に見舞われており、食べるものも十分に手に入れることができていないために炊煙が上がっていないのだろう、と推測された仁徳天皇は3年間、この地域の税を免除されたのです。

 そして、民の生活が豊かになるまで食事も着物も倹約し、宮殿の修復も控えられました。民は天皇の御好意を知って、熱意を持って働くようになり、豊かさを回復。

 その後、再び「国見」をされた時、炊煙が豊かに上がっているのを確認され、上記の和歌を詠まれ、税制を戻されました。

 仁徳天皇の有名なお話です。

 歴史に学ぶならば、国民が苦しい状況にある時は税などを緩め、活力の回復を待つべきではないでしょうか。

 ところが、現在の政府(自由民主党+公明党)は「日本維新の会」と結託し、その「逆」のことをしているのです。この暗い闇について考えて見たいと思います。

 国民民主党は、国民生活の厳しい実態に対する切実な声に応えるべく、「年収103万円の壁」を178万円に引き上げるよう求め、2025年度予算案に賛成しない方針を貫いて、自民党を揺さぶってきました。これに対して、現役世代の手取り収入を増やしたくない石破首相は、「国民民主」を袖にして、「維新」と組む道を選んだのです。

 その背景には、財務省及び自民党石破首相の「緊縮財政至上主義」があります。国民民主党案(給与所得控除55万円+基礎控除48万円=年収103万円の壁⇒178万円)を採用すれば7兆5,000億円の財源を、維新の「高校授業料無償化」案ではわずか2,000億円の財源を。石破首相は、2,000億円の財源で済む維新を取り込むこととし、自・公・維の賛成でもって、3月4日予算案が衆議院を通過。これによって年度内に予算が成立することになりました。

 昨年12月、自民・公明・国民の3党幹事長間で、①103万円⇒178万円、②ガソリン税上乗せ課税中止、の合意が書面でかわされたのですが、この約束事はあっという間に雲散霧消したことになります。政党間、政治家の約束が如何に上滑りで軽いものであるかが証明されたと言えるでしょう。

 財務省の “財源はどうする”論から抜け出せない石破首相は、大多数の働き手の手取り増につながる国民民主の政策をないがしろにして、政局優先、私利私欲、維新と手を握ったと言わざるを得ません。

 世間では、間違いなく、石破、維新のせいで一般国民の望んだ減税が遠のいたと感じたに違いありません。

 国民民主党は「我が党の最大の味方は民意だ。参議院選で再び国民の判断を仰げばいい」と意気高く、参議院選に必勝を期すものと思われます。

 石破首相が、大多数の働き手の手取りを増す政策の国民民主を排除し、維新を選んだことは、党内の反主流や積極財政派の激しい反発を予感させます。

 例えば、高市早苗氏の投稿を。

 いわゆる「年収103万円の壁」を巡る自民党・公明党・国民民主党の3党協議に関する報道を見て、私だけではなく他の自民党所属国会議員達も落胆し、怒っています。

 ・私が知る限り3党協議前に平場(自民党所属国会議員が誰でも参加できる会議)は開催されておらず、自民党の提案とされる内容は、税制調査会のインナーと呼ばれる幹部数名で決めたのでしょうか。私も含めて報道で初めて知ったと憤る議員が多数です。

 そもそもの目的が曖昧になっており、かなり混乱しているように感じます。国民の皆様の手取りを増やして消費も増やすことによる経済成長(結果的に税収増にも繋がる)が目的なら、複雑な年収制限は効果的ではありません。人手不足対策が目的なら、税と社会保険を一体で見直さなければ、壁は残ります。物価高対策が目的なら、食料品やガソリン等を安くするための税の議論が必要。

 ・税制は、よりシンプルに、公正に、働く意欲を阻害しないものにしていくべきだと考えます。

 ・2021年の自民党総裁選では、岸田前総裁も私も、「分厚い中間層の再構築」を訴えていました。

 高市氏が、自民党・石破首相の政策を真っ向から批判していることに疑いはありません。いよいよ “石破おろし” が始まったとみるべきではないでしょうか。

 そして、財政にどのようなスタンスで臨むかが、政治家を判断する大切な基準になります。そこで、ここに積極財政派と緊縮財政派の分類をみてみましょう。

 ●積極財政派     ●中間派     ●緊縮財政派

【財政政策検討本部】 【旧岸田派】   【麻生派】
  故・安倍晋三     岸田文雄     麻生太郎
  高市早苗       木原誠二     鈴木俊一
  西田昌司       小野寺五典    河野太郎
  片山さつき     菅義偉     【財政健全化推進本部】
  青山繁晴      小泉進次郎     古川禎久
【旧安倍派幹部】    小林鷹之      小渕優子
  萩生田光一    【国民民主党】    稲田朋美
  世耕弘成       玉木雄一郎  【自民党税務調査会】
  西村康捻                宮沢洋一
【責任ある積極財政を            森山裕
  推進する議員連盟】         【反アベノミクス】
  城内実                 斎藤健
  中村裕之                村上誠一郎
【れいわ新選組】              石破茂
  山本太郎              【立憲民主党】
【立憲民主党】               野田佳彦
  江田憲司                安住淳
  小沢一郎              【日本維新の会】
                      前原誠司

 財政、金融理論から言えば、積極財政が正統であります。失われた30年を振り返ってみれば、積極財政に躊躇した理論不足、勇気の無さが惜しまれます。わが国は、本来、明晰な頭脳を発揮する若い人に恵まれており、そのような人物に大胆な力を発揮してもらうことが大事ではないでしょうか。

 今は、時代の大転換期。インターネットを渉猟していたら、来る参議院選にからんでのキーワードに当たりました。大政党の大敗が必至の予感がします。それも当然かもしれません。庶民、国民の竈を蔑ろにしているようでは、もはや、「国民政党」と言えませんから…。

 ① 自民党、議席崩壊
 ② 変革の胎動
 ③ 非拘束、魂の投票
 ④ 流転する野党の座
 ⑤ 揺らぐ、組織の変化
 ⑥ 選挙、知名度の呪縛
 ⑦ 世論、希望の予兆
 ⑧ 崩れ行く一強支配
 ⑨ デジタルの夜明け戦術、
 ⑩ 政策、信頼の終焉

 「民のかまど」から煙が立ちのぼるのは、いつのことになるのか!

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2025年2月21日 (金)

世界の十大リスク+日本のリスク!

 926回目のブログです。

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 “ 春霞 たつやおそきと 山川の 岩間をくぐる 音聞ゆなり ”
         和泉式部(平安中期・後拾遺和歌集)

 春霞が立つのが遅いといわんばかりに、春霞が立った途端、谷川の水の岩間をくぐるさわやかな音が聞えています…。

 雪解け水の爽やかな音と麗しい景色を詠んでいる見事な和歌です。

 まだまだ寒い日々が続き身体を縮めていますが、雪解けの爽やかな音とともに梅の花の可憐な姿を眼前に見たいものです。それにしても、王朝の歌人の雅な雰囲気を美しい言葉で微妙に表すことに感嘆せざるを得ません。この和歌の道がわが国の伝統文化のひとつとして永遠に続いていることは誠に喜ばしいことです。

 さはさりながら、年を明けてからの世界情勢は、米国トランプ大統領の矢継ぎ早の政策展開で、米国はもとより、わが国を含め世界各国が唖然、茫然とした有様です。

 しかしながら、わが国は石破首相をはじめ全体に緊張感に乏しく、メリハリのない政治状況となっているのではないでしょうか。

そこで、ユーラシア・グループの発表した『ことしの10大リスク』をご覧ください。

  1位:深まるGゼロ世界の混迷
  2位:トランプの支配
  3位:米中決裂
  4位:トランプノミクス
  5位:ならず者国家のままのロシア
  6位:追い詰められたイラン
  7位:世界経済への負の押し付け
  8位:制御不能なAI
  9位:統治なき領域の拡大
  10位:米国とメキシコの対立

 過去、2017年、トランプ大統領が登場した時も、1位:わが道を行くアメリカ、2位:中国の過剰反応、と、同じような項目が挙げられていました。

 トランプ大統領は、2017年は「America First(アメリカ第一主義)」、2025年は「Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)」。また、2017年は「中国の過剰反応」、2025年は「米中決裂」。米中関係について、今年のユーラシアGは「世界で最も重要な地政学的な関係において管理されない“デカップリング”が生じ、経済の混乱と危機のリスクが高まることになる」としています。

 さらに、世界の十大リスクに挙げられている第1位の深まるGゼロ世界の混迷とはどのようなものか考えて見たいと思います。

 Gゼロとは、グローバルな課題への対応を主導し、国際秩序を維持する意思・能力を持つ国家や国家の集まりが存在しない状態です。分かりやすく言えば国際政治における権力の空白を意味しています。

 自国の利益優先、自国の経済の優先、国内重視、国際秩序の軽視、他者の排除、右傾化、EU崩壊?も、

 2025年には地政学的不安定が常態化し、国連安全保障理事会、国際通貨基金(IMF)、世界銀行といった主要な国際機関が、もはや世界のパワーバランスを反映していないことを指摘し、それにより“ならず者国家”ロシアの存在が世界大戦を引き起こすとも。

 ユーラシア・グループは「Gゼロ世界」に関してこう締めくくっています。

 「私たちは、1930年代や冷戦初期に匹敵する、世界史上でも独特の危険な時代に突入しつつある。この地政学的現実こそが、今年の10大リスクの背後にある要因だ。そして、真に壊滅的な事態が発生するリスクは日々増大している」

 大変な国際情勢です。翻って『わが国のリスク』はどこにあるのか真剣に考えて見なければならないのではないでしょうか。

 石破首相は、最近、「楽しい日本」「令和の日本列島改造」と呆けたことを言っていますが、待ってほしい、そんな言葉遊びをしている間に、わが国の土台が崩れかかっていることを認識してほしいと思います。

 1月28日午前10時、埼玉県八潮市の県道交差点で、トラックが左折しようとしたその瞬間、道路が直径5m、深さ10mにわたって陥没するという大事故が発生。トラックは頭から穴の中に落下し、74歳の男性運転手が土砂に埋もれて安否不明になっています。

 連日テレビで放映され、国民は恐怖を感じたに違いありません。下水道管は約40年前に埋設されたもので、汚水から発生する硫化水素によりコンクリートが腐ったもの。下水道管の耐用年数は50年ですが場所によっては40年でも腐敗します。すなわち老朽化のせい。このような現象が全国いたる所で発生すると考えると背筋が寒くなります。

 わが国のインフラは、1955年から90年にかけての高度成長期に集中的に整備されため、老朽施設が急激に増え続けているのです。数字を見て見ましょう。

 下水道管      現在50年超が7% 20年後には40%
 橋梁(720,000)  2030年には50年超が55%
 トンネル(11,000)2030年には50年超が36%

 強烈な不安に襲われる数字であり、政府はこれが厳粛なる事実として認め緊急にも対策を講ずべきではないでしょうか。われわれ国民も、このような事故は発生しないと問題視しない傾向があるのは良くないことです。老朽インフラの管理、補修はまことに持って地味な仕事ではありますが極めて大事なことであることは言うまでもありません。

 老朽インフラの管理、補修は、待ったなし。とすれば、財源、技術系職員の確保に全力を上げなければなりません。しかしながら、困ったことに財務省は緊縮財政主義であり、国民の輿望を背景にした活力ある圧倒的な政治姿勢によって財務省を積極財政主義(長期建設国債発行など)に転換させなければ後顧の憂いをのこすことになるのではないでしょうか。

 わが国においては、老朽インフラの整備は最大のリスクのひとつとして位置づけられるものです。石破首相には “楽しい日本” の浮ついた夢を語るよりも、地味であっても暮らしをさえる政策「老朽インフラの整備」を積極的に推進してほしいものです。それが一番お似合いです…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2025年2月 7日 (金)

マスコミの闇…フジTV・文春・記者に見る!

 925回目のブログです。

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 “春霞 たてるやいづこ みよしのの 吉野の山に 雪はふりつつ”
               詠み人知らず(古今和歌集)

 もう春にはなったが、いったい春霞が立ちこめている所はどこにあるだろうか。この吉野の里の吉野山にはまだ雪がちらちら降っていて、いっこうに春めいても来ない…。

 立春とは名のみで、雪の消えない山里の人々が花咲く春の到来を待ち望んだ気持ちを詠んでいます。立春は、例年は2月3日ですが今年は暦の関係で2月2日。早く春の兆しを象徴する可憐な梅の花を目にしたいものです。

 年末、年始からマスコミ業界、いわゆるOLDメディアの実態が暴露され、その話題が2月になっても盛り上がり、未だに収束の気配を見せておりません。その話題とは、フジテレビの「中居正広氏性加害」をめぐる下記3点の騒動のことです。

 フジテレビの2回にわたる記者会見の「不様」極まりない姿。
 記者会見に出席した記者の「低レベル」の露見。
 週刊文春の信頼を失墜させた「フェイクニュース」。

 フジテレビの2回にわたる記者会見

 事件は、フジテレビの女性アナウンサーが受けた“性被害”。加害者は元スマップの中居正広氏であり、被害、加害の両者は既に9,000万円の示談金で和解済です。しかしながら、両者で和解済であっても、会社・フジテレビが関与していたのか、会社の人権意識はどうなっているのかなどの疑問点は残っています。

 そこで、1月17日、第1回目の記者会見が行われました。ところが、この会見は参加者を限定し、動画撮影すら禁じた「クローズド」の記者会見。質疑応答も生煮えであり、とうてい、記者の質問に真摯に答えたものとは言えません。ましてや “閉鎖会見” であり“自滅会見”と言える代物であり、ごうごうたる非難を受けたのです。

 当然と言わねばなりません。フジテレビは国からダダ同然で免許を受けた報道機関であり、動画さえ禁止するとは、誰が考えても言語道断と言わねばなりません。

 この会見が説明責任を果たしていないとして、トヨタ自動車、日本生命、アサヒGHD、サントリー、資生堂などの一流企業のスポンサー離れが加速。(今では75社超がACジャパン公共広告への差し替えになっていると言われています)

 そこで、1月27日、第2回目の記者会見が行われました。この会見は、一転して「フルオープン」既存メディア、フリー記者、海外メディア、ユーチューバーら191媒体437人の大人数。何と “地獄の10時間会見” という異様さ。これだけの長時間であれば、真摯な質問からアジ演説まで、硬軟織り交ぜて質疑応答か繰り返され、結果的にはある種の「ガス抜き」になったのではないかと考えられます。会見の主なやり取りは下記の通りです。

 トラブル把握後の対応(限定範囲でのみ情報を共有。社内コンプライアンス部門などとの情報共有行わず)
 中居さん出演番組の継続(唐突の終了は憶測を呼ぶと憂慮。特別番組の新規起用も行う)
 トラブルへのフジ社員の関与(トラブルの発端とされる食事会には関与せず)
 日枝相談役の責任(業務の執行に関わっておらず、今回の問題にも関与せず)
 信頼回復への道筋(会食・会合のルールの設定、コンプライアンス研修の徹底、改革チーム設置の検討、第三者委員会の設置)

 今後のフジテレビの再建は、上記のやり取りで示されたことを果敢に愚直に実行することでしょうが、日枝取締役相談役の退任が必須でしょう。フジテレビの社風、文化風土を根づかせたのは日枝相談役であることは周知の事実ですから、経営幹部社員、労組、こぞって、日枝氏に対して早急に退任を迫る必要があるのではないでしょうか。

 一部記者の質が低レベルであることが露見

 一部のフリージャーナリストは、フジテレビの闇を厳しく追及しました。厳しいというよりも大演説、糾弾と言うべきでしょう。彼らは「巨悪」を厳しく詰問し、精神的に揺さぶって言質を取ろうとするものです。そのやり方は、テレビで流れているACジャパンの「決めつけ刑事」の姿とまるで同じ。フジテレビの出席経営者はまだ犯罪者ではないのですから、威圧的な発言はやめるべきです。一部記者のレベルは低すぎるのではないでしょうか。

 週刊文春の信頼を失墜させた「フェイクニュース」

 数々のスキャンダルや、悪事の報道で他のメディアを圧倒する週刊文春は、その記事の信頼性が高く評価され、テレビなどでも度々引用されてきました。常に「真実」を掘り下げているものと思われていました。

 週刊文春は、12月26日号で、今回の疑惑の第一弾記事を掲載。その中で、中居正広氏と女性のトラブルの発端となった「食事会」について、フジテレビ幹部社員のA氏がセッティングしたと報じました。

 今回のトラブルが、中居氏とフジ女性アナウンサーの間のことなのか、フジテレビ幹部社員が関与したか否かは、大きな問題であり、この点はトラブルの核心部分と言わねばなりません。

 しかし、実は、週刊文春はその後の取材によって、この食事会については中居氏が女性を誘っていたことが判明したとして、1月8日号の記事からは誤報を修正、「しれっと誤りを上書きしていた」のです。これだけ世間を騒がせているにもかかわらず、しれっと上書きとは “不誠実極まりなし”、理解できません。

 ところが、週刊文春は、この「誤った情報」が掲載されていた第一弾記事の「訂正」を、フジテレビの2回目の会見が終わるまで「公表」しなかったのです。週刊文春電子版が昨年12月26日号の記事を訂正したのは1月28日。そう、フジテレビ経営陣が「A氏の関与」をめぐってつるし上げられた10時間会見の翌日でした。

 週刊文春の社会的信用はがた落ちオールドメディアの信頼が総崩れしている象徴のような気がします。それにしても、あの文藝春秋社もオールドメディアと呼ばれるのでしょうか。

 フジ・メディアHDは、時価総額3,959億円、株価/純資産倍率(PBR)0.41倍(1月17日現在)、株価の約2.5倍の純資産(多くは不動産)を持っているため、「フジテレビは安い買い物」として、テレビメディアに関心をもつ投資主体に買収される可能性があります。

 最後に、前々から述べているように、2024年~26年は、「時代適合」できない組織が崩壊していくのではないでしょうか。…政治、政党はご覧のように、メディア、金融、企業、その他もろもろ、大きな転換点を迎えました。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2025年1月24日 (金)

マスコミの腐敗と劣化…OLDメディアvs NEWメディア !

 924回目のブログです。

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  “何事も かはりはてたる 世の中を 知らでや雪の 白く降るらん”
                 佐々成政(戦国の武将)

 何もかも変わってしまった世の中なのに、そうとは知らないからであろうか、去年と同じように雪は白く降っている…。

 成政は織田信長の家臣で越中(富山県)を治めていた。本能寺の変以後は反豊臣秀吉陣営に組していたが、賤ヶ岳の戦いで秀吉に降伏する。その結果、越中は前田利家に奪われた。そのころ詠んだ歌です。

 秀吉の時代になり、自分の勢力が衰えると、昔の良き日々が思い出され、辛さがつのる。その一方そういう辛い事は何も無かったように白い雪は降っている。雪でもいい、この悔しさを知ってほしい…。

 1月20日は「大寒」。まだまだ寒い日々が続くのでしょうが、早く梅一輪の暖かさを待ちたいものです。

 さて、昨年は、いわゆるSNSが威力を発揮した年として後世に語り継がれることになるかも知れません。7月の東京都知事選で事前の予想に反して2位に食い込んだ石丸伸二氏。9月の自民党総裁選1回目投票で首位の高市早苗氏。10月の衆院選で公示前の4倍となる28議席を獲得した国民民主党の玉木雄一郎代表。そして11月、自らの「パワハラ疑惑」などに端を発する兵庫県知事選挙でまさかの再選を果たした斎藤元彦知事。

 石丸さん、高市さん、玉木さん、斎藤さん(応援の立花孝志さん周囲)、いずれも、YouTubeをうまく駆使し、これらの選挙戦では、「ネットの話題がニュースバリューを決める」と言われました。かつて、メディアの序列はマスコミが主でネットが従でしたが、今では逆転してネットが主でマスコミが従になって来たのです。

 また、これまで、候補者のストーリーを提示できるのは新聞・テレビなどのマスコミだけでしたが、時代は変わり、SNSもその役割を果たすようになりました。兵庫県知事選では、既得権を守ろうとする権力者たちによって斎藤氏は知事の座から引きずり下ろされたのだというSNSのストーリーが急速に広がりました。陰謀によってすべてを失い、どん底に堕ちた知事(主人公・ヒーロー)をみんなの力でもう一度輝かせるというのは、マンガやアニメで繰り返されてきた定番のストーリー。“ 推し活 ”の一員としてこの魅力的な物語に参加できるのです…。わくわくする物語の結果が知事再選となりました。

 一方、「斎藤知事を告発した元県民局長は不倫を隠したくて自殺したといった」という言説が流布され、その客観的な事実を確認するため、県議会の100条委員会で尋問された副知事は、元県民局長の公用PCを公開することを求めました。

 ところが、彼らにとって不都合だったのでしょう、公開を拒絶しました。加えて、読売新聞記者、朝日新聞記者、NHK記者も加勢、何と、議会とマスコミがタッグとは!

 既に、巷間に漏洩したPCデータ(文章・画像)は、一般的個人情報、クーデター計画書(斎藤知事追い落とし)、県民局長の不倫行為(乱倫・10年間7人の女性職員と)。極めて重要なポイントであるにもかかわらずいまだに未公開という有様です。

 どす黒いマスコミと議会の癒着。「真実を隠すマスコミ(OLDメディア)」対「真実を暴くネット(NEWメディア)」。それでもOLDメディアの肩を持ちますか!

 さて、話変わって、年末年始のトップニュースは、元SMAPの中居正広氏とフジテレビ幹部の性加害疑惑をおいて他にありません。

 年末に、芸能界とTV界を揺るがす驚くべきニュースが流れました。元スマップの中居正広氏が、ある女性と“トラブル”になり、何と、9000万円!もの示談金を支払ったということです。(報道は例によって週刊文春)

 9000万円といえばだれが考えても大事件。トラブルはフジテレビのアナウンサー(すでに退社)が受けた“性被害”。事件は、フジTV局の社員が企画した宴会で起きたものですが、他の社員は当日ドタキャン、中居氏と被害アナウンサーの2人きりとなった次第。

 これは、会社ぐるみで、前もって計画された女子アナ上納システムにのっとったものではないかとの疑惑がささやかれました。しかしながら、しばらくはテレビも新聞もだんまり。週刊文春が2弾、3弾と報道するに及び、フジテレビはもちろんのこと、テレビ業界、新聞、CM提供会社も大騒ぎとなっています。

 『女子アナ上納システム』が会社内で堂々と存在しているということ自体が奇異なことであり、社会的に見れば異様な犯罪と断じなければなりません。

 この事件に関して、テレビCM差し止めを決めた企業は、1/22現在75社を数えています。

  トヨタ自動車
  日本生命
  第一生命
  アフラック生命保険、
  NTT東日本
  アサヒGHD
  キリンHD
  花王
  サントリー
  資生堂
  ソニー損保
  ホンダ
  明治HD
  ライオン
     (他)

など。錚々たる大手一流企業が軒並みテレビCMを差し止め、ACジャパンの公共広告への差し替えを実施中。フジTVは超厳しい局面に立っていると言わなければなりません。

 令和5年(2023)3月に、イギリスBBC放送のテレビ番組に端を発した「ジャニーズの性加害問題」が大きな社会問題としてクローズアップしたばかりにもかかわらず、フジTVは、自社の根本的な問題点に目をつぶったままであることがはっきりしました。

 フジテレビが、自社の社員が性加害に遭ってもその相手をテレビ出演させてきたということは、「性加害を容認した」も同然であり、放送倫理どころか、社会倫理にも悖ると言わねばなりません。

 フジテレビは、1980年代から「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを掲げてきていますが、これでは、報道機関というよりもエンタメ企業です。

 と考えれば、この際、フジテレビから免許の剥奪も考慮し「電波オークション(競争入札)」も考えるべきではないでしょうか。主要国の中で電波オークションを行っていないのは日本だけです。

 「公共財である電波事業というのは、銀座の一等地にほぼ無償で与えられた土地で商売をするようなもの。そんな強大な利権は半永久的に続き、店舗の入れ替えもないに等しい」と言う識者の声もあります。

 マスコミの腐敗と劣化はとどまるところを知りません。フジテレビだけの問題ではないことに留意しましょう。OLDメディアの敗北が取りざたされ、 NEWメディアが注目を集めている今日です…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2025年1月10日 (金)

日本経済の未来…明るい最先端技術の展開!

 923回目のブログです。

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      “祝日の美しい風景”
(日の丸が並ぶ熊本県菊陽町の鉄砲小路)

 “ 新しき 年の初めに 豊の年 しるすとならし 雪の降れるは ”
     (葛井連諸会:ふじいのむらじもろあい・万葉集)

 新しい年の初めに、豊かな稔りの前兆となるのでしょう。こんなに雪が降り積もっているのは…。

 かつては、元旦の大雪は豊作の予兆とされていました。

 新しい年があけました。今年こそは “豊の年”…日本経済の飛躍の年になることを期待したいものです。みなさまには、引き続きご支援をお願い申し上げます。

【今年の暦】を見てみましょう。

   令和7年    (年号)
   皇紀2685年 (神武天皇ご即位を紀元・BC660)
   巳       (十二支・巳)
   乙巳      (十干十二支・きのとみ/いつし)
   西暦2025年 (キリスト生誕を紀元)

 乙(きのと)は、十干の2番目で「木」の要素を持ち、草木がしなやかに伸びる様子や横へと広がっていく意味を持ちます。また巳(み・へび)は、神様の使いとして大切にされてきた動物で、脱皮を繰り返すことから不老不死のシンボルともされています。

 したがって、「乙巳(きのとみ)」の年は『再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく』年になると考えられます。

 とすれば、わが国の運勢は、失われた30年が、再生や変化を柔軟に繰り返しながら復活へと大きく高く飛翔することが期待できるのではないでしょうか。新年くらいは、陰鬱な石破首相の顔に目を向けるのではなく、明るい日本経済の未来に目を向けてはいかがでしょう。

 その観点から、最先端の技術の展開を展望してみたいと思います。(money voice勝又氏論稿を参考)

 社会が発展する大きな要因のひとつに技術開発の進歩にあり、この発展は直線的に進むものではなく「休止期」を経て段階的に発展して行くものです。失われた30年が自民党政治、財務省権力による歪められたものであったにせよ、革新的技術の進展により、時代は大きく変動していく気配を示しています。

【水素エネルギー】

 戦後、原発がエネルギー革命の担い手として登場しましたが、主役は石油や石炭の化石燃料がシェアーを占め、現在、これらから大量のCo2を排出させ環境に悪影響をもたらせています。

 そこで登場したのが無公害(二酸化炭素ゼロ)エネルギーの水素。究極の無公害エネルギーの水素製造法として、高温ガス炉(原子力発電の一種)が脚光を浴びています。高温ガス炉は、発電するだけでなく水素も製造する。一人二役です。

 わが国は、3月28日、温度850度で水を分解して水素を製造する「高温ガス炉」の実験に成功。また、OECDと共同で、次世代原子炉と期待される高温ガス炉(HTTR、茨城県大洗町)の安全確認試験を行いました。2028年には、水素製造試験を始める計画とのこと。いよいよわが国が水素社会へ門を開いたと言えるのではないでしょうか。

 モビリティの代表は自動車。水素をエネルギー源にする自動車は、燃料電池車(FCV)と水素エンジン車があります。いずれも、トヨタ自動車が世界の先頭を切って開発。2014年に、FCV「MIRAI」を発売。また、トヨタは水素を使う燃料電池(FC)システムを、2030年に年間10万台を供給できる体制を整えつつあります。水素時代への準備が、着々と進んでいることは間違いありません。

【光半導体】

 現在、技術の分野では数々の新分野が登場し、その中でもAI(人工知能)の普及は驚異的ですが、このAIは莫大なエネルギーを消費するため、電力供給が待ったなしと言われています。

 そこで登場したのが、世界初でNTTが開発した「光半導体」。NTTは、半導体内の電子処理を電気信号から光に置き換える「光電融合技術」を開発し、大幅な消費電力の削減を実現させるメドがついたと言われています。NTTは、この技術を核にして次世代通信基盤「IOWN」(アイオン: 最先端の光技術を使って、医療から金融、教育、交通、エネルギーまで、豊かな社会を創るための構想)の実用化を目指しています。

 2028年度に伝送容量125倍、2032年度に電力消費100分の1、を達成の見込み。つまり、現在よりも「125倍のデータ伝送」を「1%の電力消費」で行う夢の実現が間近にきているのです。

 膨張する消費電力を削減するには、光技術を使った半導体量産が不可欠であることは言うまでもありません。

 今、半導体の日本が復活と、動きが急速になってきています。半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場は、2月に竣工。続いて第2工場、第3工場、第4工場は福岡県に。TSMC創業者である張忠謀氏は「日本は半導体製造に理想的な場所だ」と述べていますが、優位な点を要約しましょう。

 ・工業用水・水資源・工業用地・電力などが豊富
 ・専門技術者が多い
 ・設備・素材などの高い技術水準

※ 冒頭に掲げた“祝日の美しい風景”の写真は、TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場のある、「熊本県菊陽町」の鉄砲小路の見事な風景です。

 ラピダスは、北海道千歳市へ工場を建設、日本の半導体技術が現在「40ナノ」レベルを、「2ナノ」を足がかりにして、さらに「1ナノ」へステップ・アップする壮大な計画を推進中です。

 「半導体日本」…時代のムーブメントが、日本へ向っているのです。

【量子技術】(量子コンピューター)

 量子コンピューターは、スーパーコンピューターが1万年かかる演算をわずか3~4分で終えることができる「異次元」の技術です。理研、阪大、富士通、NTTなどが開発。日本が、2023年3月に量子コンピューター1号機(「叡」えい)を稼働させたことは、日本衰退論を跳ね返す上で十分な材料になったと言えるでしょう。

 量子コンピューターは、原子や分子レベルの小さな物体の動きを観測することで、現状のセンサーでは計測できなかった微弱な信号や生体内の活動などを調べられるという。その結果、これまで不可能であったことが、解決可能としている。まさに「魔法の手」です。

 米ボストン・コンサルティングGは、量子コンピューターがもたらす経済価値を今後15~30年以内に、最大8,500億ドル(約122兆4,000億円)と予測。日本政府も、2030年に量子技術の国内利用者を1,000万人、同技術による生産額を50兆円規模に見積もっています。この数字によって、日本の量子技術に賭ける期待度がいかに大きいかを示していると言えましょう。量子技術によって、高付加価値化経済を実現できる道筋が生まれることを期待したいものです。

 最後に、今、わが国の政治は、観光立国で経済を支えようとしていますが、これはオーバーツーリズム(観光公害)に遭遇したり、常に不安定な状況に置かれたりすることを考慮しなければなりません。したがって、わが国の政策としては、「観光立国」ではなく技術立国に基底を置かねばならないと考えます。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年12月27日 (金)

令和6年を振り返る! 

 922回目のブログです。

202412271

“明日よりは 春の初めと祝ふべし 今日ばかりこそ 今年なりけれ”
            藤原公実(平安後期・後撰和歌集)

 あすからは春の初めと祝おう。今日だけが今年となった…。

 大晦日に詠った歌…。過ぎし一年も、今日が大晦日であれば、明日は元旦あっという間の一年であったことを思わざるを得ません。考えて見れば単純明快な分かりやすい和歌ですが、逆に、それだけにこの一年の悩みや苦しみが心の底に思い出される微妙な和歌でもあります。

 上記の和歌の時は平安。今は令和6年、いろいろありました。世界は各地で戦争が継続、核兵器の脅しも現実化しており、いわゆる平和というには程遠い情勢にあります。

 一方、わが国の政治、経済、社会は今までの状況が激変する姿を見せつけています。まさしく、時代の大きな「転換点」に差し掛かっていると言っても過言ではないと思われます。

 そこで、何はともあれ、数日後には大晦日、令和6年(皇紀2684年、西暦2024年、辰年)が過ぎてゆきますので一年を振り返ってみたいと思います。恒例のごとく、小ブログから反響の大きかったものを3点選びました。

① ドイツは「NO原発・YES風車」で経済マヒ!(5/17)

 (10/20)ドイツのフォルクスワーゲンは、国内工場を閉鎖することを検討していましたが工場閉鎖は回避し、3万5000人以上の従業員を削減することに労使間で合意しました。ドイツ経済はのっぴきならない大変な苦境に陥っていることが明らかになりました。

 ドイツは、現在【連立政権】(2021年12月発足)にあります。

    首班 社会民主党(SPD) 中道左派
       緑の党(Greens)環境左派
       自由民主党(FDP) 自由市場主義

 連立政権の首班は、社会民主党のショルツ氏ですが、政権は緑の党に引きずられ、環境重視へ、昨年4月から「脱原発」、今年4月には「7基の石炭火力中止」、そして、風力、水素、電気自動車重視などですが、これではドイツの産業は維持できません。

 現実問題として、ドイツは昨年の4月に原発が無くなって以来、電気代の大幅な高騰と供給不安で、経済が急激に傾き始めています。この原因は、過激なエネルギー・環境政策にあります。ドイツの経済・社会調査・政策研究を行うIfo経済研究所は3月の経済予測で、ドイツ経済は麻痺状態で悪化中とのこと。

 脱原発⇒脱石炭⇒脱産業へ。環境左派である「緑の党」は、経済がボロボロになっても脱炭素に固執するという本末転倒の事象が生じており、今の政府があと1年以上も続けばドイツはもうもたないとの危機感が急激に強まっていると報じられています。

 わが国も、きれいごとの環境イデオロギーからは距離を置き、折角の反面教師として「ドイツ」に学ばねばなりません。

② 石破首相に鉄槌…与党過半数割る!(11/1)

 10月27日、衆議院議員選挙(総選挙)が投開票され、与党が過半数を大幅に割り、国内政局は「動乱」含みとなりました。

 【衆議院議員選挙】(定数465・過半数233)
        (獲得数)(公示前)
  与党  自民 191 (247)
      公明  24 ( 32)
      (合計215)(279)  ※過半数に▲18
  野党  (合計250)(186)

 【比例代表 党派別得票数・率】

         (今回)         (前回)
  自民 1458(万票)26.7(%) 1991(万票)34.6(%)
  立民 1156    21.2   1149    20.0
  国民  617    11.3    259      4.5
  公明  596    10.9    711    12.3
  維新  510      9.3    805    14.1
  れいわ 380      6.9    221      3.8
  共産  336      6.1    416      7.2
  参政  187      3.4     ―       ―
  保守  114      2.1     ―       ―
  社民   93      1.7    101      1.7

 比例の数字を見れば、自民の凋落、公明の大幅減、維新の天井打ち、国民、れいわの大幅増が一目瞭然。それでは、自民党敗北の原因を考えてみます。

 ①石破首相のブレにブレた言行不一致の政治姿勢、②政治資金不記載の処理、及び、恣意的で不明朗な党内処罰、の2点。これはすべて「石破首相/森山幹事長」の責任と言わねばなりません。

 石破首相は「アジア版NATO」「金融所得課税」「日米地位協定の改定」などの重要な政策はすべて撤回。石破首相の無責任な「夢想家」を露呈しました。

 自民党執行部(石破・森山、裏の岸田)は、今回の総選挙の争点を「政治と金」一本にしました。彼らの個利個略、派利派略の浅ましい欲呆けの結果が今回の総選挙と言えるでしょう。

 この大敗北にもかかわらず、石破首相は責任を取らず続投とは、全く理解に苦しみます。まさしく無責任の極み、厚顔、人間性を欠く、恥ずべき存在といっても過言ではないと考えます。

③ 時代は動いている!…兵庫県知事・再選に思う(11/29)

 「パワハラ疑惑による知事の失職」に伴う一地方の兵庫県知事選が全国的に注目を集め、斎藤元彦前知事が再選となりました。

 斎藤知事の基本戦略は、20年に亘る井戸県政のタブーである隠れ負債に果敢に挑戦、県幹部の定年規定を厳正に適用、県立大学の教育無償化の実施、県庁舎の建て替え(当初700億円⇒1,000億円⇒1,200億円)を中止し、その予算を遅れた教育環境の整備などに回すことでした。

 これに対して「県議会」「県庁(含むOB)」「マスコミ」タッグを組み、斎藤知事にパワハラ、それによる幹部の自死、土産物収賄の疑惑を執拗に追及したのです。

 斎藤知事は、パワハラやおねだりを一切否定。また、百条委員会の証人尋問を通じて、知事のパワハラ、おねだりの証拠は明らかにならず、県庁職員のアンケートもほとんどが伝聞であり証拠能力はなしとの結論に至っています。

 そして、人事権者・県民局長の不倫行為の明瞭な資料が「公用パソコン」で発覚。その内容から、県民局長が自殺したのは、不倫(10年間で7人の乱倫)がばれることを恐れたからと考える方が合理的と言えるでしょう。

 ところが、百条委員会やOLDメディア (テレビ・新聞)は、多数の県民がその内容の公開を求めたにもかかわらず、強圧的に拒否、隠蔽しました。

 しかし、今の時代、youtube、SNSなどのNEWメディアが大活躍、自然に公用パソコンの内容が明かされ、県民の大多数がその内容を知る事になり、斎藤知事の無実(幹部職員の自死要因・パワハラ・おねだり)を認識しました。その結果、斎藤知事の再選となったのです。

 「隠蔽」を良しとする古い体質のマスコミ、県議会、県庁OB、「公開」を良しとするSNS、youtube、斎藤知事サイド。結果は、OLDメディア (テレビ・新聞)側の敗北、NEWメディア側の勝利、となりました。それにしても、OLDメディア・マスコミの傲慢な姿勢をyoutubeで見るにつけ、まるで暴力団並みとの印象を強く持ちました。

 最後に、今、時代は転換期を迎えているのではないでしょうか。今年の国内政治を総括すれば…。

  東京都知事選における石丸旋風
  自民党総裁選での高市旋風
  衆議院議員選挙での国民民主党旋風
  兵庫県知事選挙での斎藤旋風

 議会(政治家)への不信、既存メディアの敗北、……そして侮れないネットの威力、いよいよ時代の転換点に差し掛かってきたのではないでしょうか。来年の参議院議員選挙、あるいは、予想される衆・参同時選挙、冷静に考えて大動乱の予感がしますが…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 令和6年を振り返りました。みなさまには今年1年お付き合いいただき有難うございました。

 それでは、佳いお年をお迎えください。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年12月13日 (金)

「エンゲル係数」…42年前に逆戻り!

 921回目のブログです。

202412131

  “ 為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり ”
               上杉鷹山(江戸中期・米沢藩主)

 やる気をだしてやろうと思えば何事もできるものである。できる事もやらなければ出来ない。出来ないのはやろうとしないからだ…。

 何事も、やろうと決意して目標に向かうことが成就の第一歩になります…。

 上杉鷹山は、アメリカの歴史上最も有名な大統領のひとりと言われるジョン・F・ケネディから厚い尊敬を得ていました。鷹山は上記の著名な箴言以外にも下記のような言葉を残しており、昨今の混迷する政治に“喝”を入れてくれます。

   “ 国家は私すべきものでは無之候(これなく候)”

 今、臨時国会が12月21日まで開かれていますが、衆参の政治家には“国家を私せず”虚心坦懐にお国のために勇気を振り払って欲しいと願わざるを得ません。と言いますのも、厚生労働省の調査によれば、日本の59.6%の世帯が生活の苦しさを訴え、特に子育て世帯と高齢者世帯で深刻さが増しており、その解決には力強い政治家の突破力が強く求められているからです。

 実態を見ていきましょう。

 ・『生活が苦しい』:59.6% (昨年:51.3%)
    「大変苦しい28.5% + やや苦しい33.1%」

 このうち18歳未満の子どものいる世帯で「苦しい」と回答した世帯は、前年より10.3ポイント高い65.0%となり、高齢者世帯で「苦しい」と回答した世帯は、前年より10.7ポイント高い59.0%となり、「子どもの貧困」「老後難民問題」が大きな問題に上っていることは間違いありません。

 ・エンゲル係数28.1%の衝撃をごらんください。
  (TOKYO Web 2024/10/11より)

202412132

  【エンゲル係数】
 家計の総消費支出のうち食料費が占める割合(ドイツの社会統計学者エンゲルが発表)一般に、所得が低いほど、生活に必要な食料費に多くの割合を費やすためエンゲル係数は高くなり、反対に所得が上昇するほどエンゲル係数は低くなる。⇒エンゲルの法則という。

 エンゲル係数という懐かしい用語に遭遇しました。そのエンゲル係数が42年前! の数字に逆戻りしているではありませんか。何という不様で情けない事実。上のグラフをご覧下さい。腹が立つやら、情けないやら。これは、失われた30数年、暗闇の30数年、劣後の30数年。⇒ そもそも30年もの長い間、賃金上昇が見られないことに問題があったと考えるべきであり、自民党、財務省、経済学者など国のリーダーは何を考えてきたのか、責任者出てこい! と言いたくなります。

 エンゲル係数、即ち、生活水準が42年前に舞い戻ったことに、驚きを隠せません。42年前と言えば、昭和57年(1982年)です。ほとんどの責任は政治にあると言っても過言ではありませんが、自民党「石破だらし内閣」の総選挙での与党過半数割れ出現と、国民民主党の国民目線での素晴らしい “玉木減税” 案により、その政治が良い方向に向かうかもしれません。これにより、日本人の貧困化を何としても食い止めなければなりません。

 生活の豊かさと言えば、給料から税金と社会保険料を引いた額、いわゆる “手取り額”、即ち、“人々の可処分所得” が増えることによる消費の伸びに影響されると思います。政党の掲げる政治課題として分かりやすいのが、国民民主党の“手取りを増やす ”減税案” です。ごらんください。

 ・“手取りを増やす” 国民民主党の減税案

202412133

202412134

 玉木減税案は所得税「控除」の拡大を提唱。基礎控除最大48万円+給与所得控除最低55万円=103万円(年収の壁)。現在の103万円に引き上げられた1995年以降の約30年で、最低賃金が1.73倍に上昇したことから178万円をはじき出したものです。

 ガソリン減税は、ガソリン価格の上昇が一定以上続いた場合、ガソリン税を一時的に引き下げるトリガー条項と呼ばれる仕組みがあります。その「トリガー条項」を発動し、ガソリン税上乗せ分25.1円/1リットルの課税を中止するというもの。

 今、与党(自民・公明)と野党の一部(国民民主)がパーシャル連合を組み、減税案についてガチンコ交渉の最中。財務省・自民は再来年に引き延ばすとともに引き上げ額を極小にすることを狙っています(?)。12/11、自民・公明・国民の3党は、『年収の壁』『ガソリン税』に関しての合意書を交わしました。

  【合意書】

 いわゆる「103万円」の壁は、国民民主党の主張する
   178万円を目指して、来年から引き上げる

  ② いわゆる「ガソリンの暫定税率」は廃止する

 よく読んでみてください。多くの罠が仕掛けてありますね。『年収の壁103万円』は、金額も未定なら、来年のいつからかなども未定です。『ガソリン税上乗せ分』についても、いつ廃止するのか明記されていません。

 まだまだ予断は許せません。過去、合意破棄の裏切りの歴史は数々ありますから油断は大敵です。

 与党である、自民党や公明党は、従来と同じ我が世の春をうたいあげ、一般国民を無視した政策に固執しているようでは、次の選挙によって、再度、壊滅的な鉄槌が下されることになるでしょう。一般国民はそうそう甘くはありませんから。

 何はともあれ、『年収の壁』『ガソリン税』は素晴らしい減税策です。国民民主党には、財務省や、自・公には決して裏切られないよう熱いエールを送ります。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月29日 (金)

時代は動いている!…兵庫県知事・再選に思う 

 920回目のブログです。

202411291

  “朝まだき 嵐の山の 寒ければ 紅葉の錦 着ぬ人ぞなき”
          藤原公任(平安中期・拾遺和歌集)

 朝がまだ早く嵐山のあたりは寒いので、山から吹き降ろす風のために紅葉が散りかかり、錦の衣を着ない人はいない…。

 紅葉の名所として有名な京都嵐山の晩秋の景観を詠んでいます。春は桜狩り、秋は紅葉狩り、毎年の恒例とはいうものの、その中に入ればいつ眺めても、自然の美しさに心が奪われてしまいます…。

 ところが、人間社会の動きは、今まさに「激動」という言葉に相応しい荒れようを示しているように思えます。例えば、11月17日投開票が行われた「パワハラ疑惑による知事の失職」に伴う兵庫県知事選について考えてみましょう。

 【兵庫県知事選:結果】

 斎藤 元彦(元総務省理事官)    1,113,911票(45.2%)
 稲村 和美(元兵庫県尼崎市長)    976,637票(39.6%)
 清水 貴之(元参議院議員)      258,388票(10.5%)
 大澤 芳清(尼崎医療生協病院長)    73,862票( 3.0%)
 立花 孝志(NHKから国民を守る党首   19,180票( 0.8%)
 福本 繁幸(レコード会社社長)      12,721票( 0.5%)
 木島 洋嗣(ニュース分析会社社長)        9,114票( 0.4%)
    投票率 55.7% (前回:41.1%)

 斎藤氏は、選挙戦当初は街頭でひとりぽっちの寂しい挨拶からスタートしましたが、中盤から勢いを増し、後半は街頭演説の聴衆も押すな押すなの大盛況、あれよあれよの劇的なトップ当選となったのです。結果的に、パワハラ疑惑をはねのけ、県民・市民の厚い信任を得たことになりました。

 斎藤知事の基本路線は、過去20年にわたる井戸前知事路線との明快な決別でした。

まず着手したのが地域整備事業と分収造林事業による、合計約1,500億円規模の「井戸時代の隠れ負債」の返済。これは、民間の乱開発を防ぐため、県が先回りして土地を買い取り開発した事業のことで、バブル崩壊後の地価下落で負債となっていました。井戸県政の「タブー」に果敢に挑戦したものとして注目されます。

県の外郭団体役員に対し、定年規定を「厳正に適用」。本来、県の内規では65歳定年のところ、井戸県政下で70歳以上にまで延長されていた慣行に、メスを入れました。これに県OBは反発。

県立大学の教育無償化の実施。教育無償化は大阪での維新の目玉政策で、齋藤知事も踏襲。若造に油を攫われたとして自民党文教族が猛反発しました。

県庁舎の建て替え(当初700億円⇒1,000億円⇒1,200億円に増額)を中止し、その予算を全国46位という遅れた教育環境の整備などに回すことにしました。これにも議会は、従来利権がうばわれることとして反発したのでしょう。

 上記の事柄などをバックグラウンドとして、兵庫県政(斎藤知事・県会議員・職員&OB・マスコミ&SNS・県民)に大きな『うねり』が生じたのです。経過をごらんください。

 3/12 西播磨県民局長が県会議員や報道機関などに匿名で
      齋藤知事のパワハラなど7項目に関する「告発文」を送付。
 5/07 県は内部調査を公表「事実ではない」との見解を示し、
        県民局長を停職3ヶ月の懲戒処分に。
 6/13 県議会が百条委員会を設置。
 ・7/07 県民局長が自殺。証人尋問の2週間前だった。
 ・8/30 斎藤知事が百条委員会に初出頭。
      「元県民局長の処分は適切だった」と主張。
 ・9/19 県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決
 9/30 斎藤知事が失職。
 ・11/17 県知事選投開票。斎藤氏が再選される。

 中央政界もガタガタ(日本の恥:石破首相の立ち居振る舞いのだらしなさを見よ!)ならば、それにならって地方政界もがたがた。そのポイントを指摘したいと思います。

 県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決したのですが、斎藤知事失職後の選挙で「再選」とは、まるで戯画(カリカチュア)! としか言いようがありません。少子は全く理解に苦しみます。このことを県会議員はどう考えているのか。

 ユダヤ人イザヤ・ベンダサン(山本七平)は『日本人とユダヤ人』で、「ユダヤ人の古い慣習では、全会一致の決議は無効としている」と記し、“全会一致の決定は場の空気が異論を封殺することで現出することが多い” と指摘しています。兵庫県の議員は田舎芝居ではなく知性ある議論をしてほしいものです。

 当初、斎藤知事の疑惑は、パワハラ(パワーハラスメント)と土産物収賄の疑惑でした。それをマスコミは面白おかしく、パワハラおねだりと称し、連日ワイドショーで視聴率稼ぎの材料にしました。そして、県民局長の自殺の原因を斎藤知事のパワハラにあると議会もマスコミも断定。本来、人の死というものはそんなに単純なものではなく、ましてや「自死」ともなればその因果関係には慎重に当たるべきことは言うまでもありません。

 斎藤知事は、パワハラもおねだりも否定し続けてきました。そして、百条委員会での尋問などのやり取りをめぐるなかで、県庁から支給されている県民局長の『公用パソコン』が俎上にのせられたのです。

 その内、公用PCの内容がどういう訳か漏れ出たのですが、それには戦慄すべき文章と画像が記録されていました。

  ① 一般的個人情報
  ② クーデター計画書(斎藤知事追い落とし)
  ③ 県民局長の不倫行為(乱倫・10年間7人の女性職員と)

 百条委員会の証人尋問を通じて、知事のパワハラ、おねだりの証拠は明らかにならず、県庁職員のアンケートでもほとんどが伝聞であり証拠能力はなしと言わざるを得ません。

 そして、ここで大問題が発生しました。人事権者:県民局長の不倫行為の明瞭な資料が発覚しました。ここで当然考えられるのは、県民局長が自殺したのは、不倫(乱倫)がばれることを恐れたからであり、決して単なるパワハラではなかったのではないかと考えるのが合理的だと考えます。

 百条委員会に尋問された副知事は、公用PCに記録された県民局長の不倫行為については、個人情報の範囲を考慮しつつも、広く県民に公開すべきであると強く主張しましたが、何と、百条委員会の奥谷委員長や、読売新聞記者朝日新聞記者NHK記者は、まるで脅すように、激しく拒否しました(youtubeをごらんください)。信じられません。まるで議会とマスコミがタッグを組んでいるかのように見えます。

 さて、このような雰囲気の中で選挙活動が行われましたが、立花孝志候補(NHKから国民を守る党党首)の、斎藤候補は悪くない、パワハラ・おねだりの証拠は無い、県民局長の自殺要因は自らの不倫関係が要因ではないのか、など、力強い名演説が連日県民の目と耳を引き付け黒山の人だかりを見せました。

 これをきっかけに、勢力は次のように明確に分かれました。

   古い体質利権・県議会・県庁OB・マスコミ(隠蔽)
   斎藤元彦前知事・SNS(youtube)   (公開)

 特に威力を発揮したのが『youtube』。その力をご覧ください。

  ・斎藤元彦の公式チャンネル   再生回数    119(万回)
  ・立花孝志(NHK党党首)動画                1499
      ・                  切り抜き動画                1299
  ・「虎ノ門ニュース」                    554
  ・高橋洋一教授                          201
                  (11/18毎日電子版)

 今回の兵庫県知事選を見て感ずるのは、SNS、特にyoutubeの威力をまざまざと見せつけられたことと、大手メディアのイデオロギーありきの傲慢な姿勢です。自ら発信してきた嘘に気づいているにもかかわらず事実を隠蔽し保身に走ろうとする姿勢は、誠実さの欠片もない極めて歪な存在だと言わざるを得ません。

 これらをまとめて眺めれば、今、時代は急速に動いているように思えてなりません。今年の国内政治を総括すれば、

  ① 東京都知事選における石丸旋風
  ② 自民党総裁選での高市旋風
  ③ 衆議院議員選挙での国民民主党旋風
  ④ 兵庫県知事選挙での斎藤旋風

 マスコミ不信、議会不信、大手メディアの敗北、……そして侮れないネットの威力、いよいよ時代の転換点に差し掛かってきたのではないでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 ご意見をお聞かせくだされば幸いです。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月15日 (金)

米・大統領選…トランプ氏圧勝!

 919回目のブログです。

202411151

“時ありて 花ももみぢも ひとさかり あはれに月の いつもかはらぬ”
               藤原為子(鎌倉・風雅和歌集)

 花も紅葉も、それぞれに決まった時期があって、盛りはひとときだ。ところがあわれ深いことに、月はいつも変わらぬ姿で空にあることです…。

 さまざまに咲き、散る人生。それを思う時、ひとり「月」はいつも変わらない姿で空にあることにあわれを感じさせます。

 有為転変は時の流れと申しますが、先月はわが国においては総選挙が行われ、与党が総崩れ、政局は混乱の極みの様相を示しており、一方、海を渡った米国では今月になって大統領選挙が行われ、マスメデイアの空虚な予想に反して、トランプ前大統領が圧勝するという場面となっています。

 そこで、アメリカ合衆国の大統領選について見ていきましょう。

 【大統領選の結果】
               選挙人数       獲得票数
  トランプ氏(共和党) 312人(58.0%) 7465万票
  ハ リ ス 氏(民主党) 226人(42.0%) 7091万票
        (※過半数270人)

 選挙人の過半数が270人であり、トランプ氏が圧勝となりました。加えて、上院も過半数確定、下院も過半数確保の予定であり、共和党のシンボルカラー赤色になぞらえて『トリプルレッド』の大勝利となりました。

 接戦州の7州を制するかどうかが勝負のわかれ目と言われていましたが、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナ、ジョージア、ネバダ、アリゾナの接戦、激戦7州においてトランプ氏が全勝したのです。見事と言わなければなりません。

 それでは、予測では歴史的な大激戦と言われていたのが、なぜ、共和党トランプ前大統領の地滑り的圧勝になったのか見ていきましょう。

 カマラ・ハリスは、従来のような多くの候補者の中から一人の候補者に選ばれたのではなく、バイデンの支持により多くの候補者との対決を経ずに民主党の大統領選の候補者になったのです。したがって、「台本」が無いと話ができないという致命的な能力不足が露呈しました。

 共和党は、有権者であることを証明するIDの確認を徹底するなどの不正選挙の防止策を強化。(米国では投票にあたっては有権者登録が必要)

 前回の大統領選では、SNSでのトランプ側の情報発信は厳しく制限され、トランプ自身がTwitterから排除されて、情報発信できなくなっていました。今回は、イーロン・マスクがTwitterを買収し、Twitter⇒X、になり、自由な言論空間が確保され、トランプ氏も情報発信が思いのまま出来るようになりました。同じように、Facebookもザッカーバーグが詫びを入れ、トランプは自由な言論活動が可能になりました。トランプ陣営にとっては大きなプラスです。

 トランプ氏勝利の主要な要因のひとつに経済問題が挙げられます。まず、雇用問題ですが、現在の失業率は歴史的に低く、完全雇用と言われる地域も多い。しかし、フルタイムの高給が得られないために、サービス産業で働く若者が多く、人々の心理としては満足には程遠い状況です。したがって、新卒採用の環境や再就職、転職も厳しく、若者の不満は拡大しています。加えて貧富の顕著な格差。

 次に、経済の問題に対する問題は「インフレ・物価高」。ウクライナ戦争を契機としてエネルギーのコストが上昇、高騰した運送費が価格に転嫁。さらに、人件費の高騰があります。わが国では考えられないのですが、ファストフードを含む外食のコストは、コロナ禍前の150%~200%と顕著になっています。ニューヨークでは、ハンバーガーに飲料をつける昼食代が20ドル(3000円以上)というのが常態化しているようです。

 経済に自信を示すのがトランプ氏です。雇用と物価の沈静化に言及したのがトランプ、最新の生活実感の肌感覚から乖離したのがハリス。イデオロギーを超えた国民の切実な要望が経済問題であるとすれば、それに応じたトランプには余裕があり、ハリスは弱点を晒したと言えるのではないでしょうか。

 人種問題については、トランプ氏は相変わらず差別的発言が続きました。ところが「ハイチ移民が犬猫を食べている」「プエルトリコはゴミの島」などの今回の発言は、“エンタメ芸”として受け止められ失点とはならなかったのです。

 そんな中で、ハリス氏の票は、決戦州のジョージア州、ペンシルベニア州では、黒人票も、ヒスパニック票も、4年前のバイデン氏ほどの集票に至らず、これでは、決選州が全てトランプ氏となり、トランプの勝利につながりました。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題と言わねばなりません。バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人。1,100万人+910万人=2,010万人≒2,000万人

 このまま不法移民を青天井に受け入れ、野放しにしていたら、アメリカ合衆国はどうなるのでしょうか。民主党、共和党、の考え方は下記の通りですが、わたしは、アメリカ合衆国の崩壊を招く恐れのある「国家」の重大事と考えます。どうにも、民主党の不法移民青天井受け入れ策は理解できません。

 『民主党』:米国の繁栄への究極の方法は1,100万人ともされる不法入国者に市民権を与え、米国に貢献させることだ(民主党上院・シューマー院内総務)

 『共和党』:不法入国者は民主主義の敵である。不法入国者は速やかに強制送還する。不法入国者の投票防止策を講ずる。不法移民の流入を防ぐため国境の壁を建設する。(トランプ前大統領)

 ・日米のマスメデイアでは、日米両方で「大接戦」と予想していましたが、結果はまるで異なりました。トランプ氏に対しては「民主主義の敵」「ヒトラー」「嘘つき」というヘイトスピーチのオンパレードですが、これはまさに反トランプ錯乱症(TDS:Trump Derangement Syndrome)と言わねばなりません。大統領候補者トランプ氏に投票した米国民7,465万人の人々に対して余りにも失礼ではないでしょうか。品性を疑いたいと思います。

 わが国マスメデイアの偏向の要因は米国のメデイアの偏向をそのまま受け入れていることにあります。右派・共和党系はFOXNEWSのみ、左派・民主党系はHAFFPOST、MSNBC、NEW YORKER、the new york times、VOX、abcNEWS、Bloomberg、CBS NEWS、CNN、The Guardian、NBC NEWS、POLITICO、TIME、USA TODAY、yahoo! News、…。

 さて、先日、石破首相が、トランプ次期米国大統領に、大統領当選の祝福の電話を掛けました。その時間が双方の通訳を含め、合計で5分間………。お互いに同盟国ですから胸襟を開いて緊密さを内外にアピールしてほしいものです。

 内政、外政、共に多事多端わが国の舵取りはどうなるのでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月 1日 (金)

石破首相に鉄槌…与党過半数割る!

 918回目のブログです。

20241111

 “あをによし 奈良の都に たなびける 天の白雲 見れど飽かぬかも”
                   詠み人知らず(万葉集)

 美しい奈良の都の大空に棚引く白雲、あの白雲はいくら見ても見飽きることがない…。

 「あをによし」は奈良の枕詞。本格的な秋空になってきました。その秋空を眺めて見れば、青い空にたなびく白雲の美しさには目を奪われます。古の奈良の都の時も、令和の今日も秋空の美しさに変わりはないのでしょうが、地上における人間模様は大きく違っているのかも知れません。

 10月27日、衆議院議員選挙(総選挙)が投開票され、与党が過半数を大幅に割り、国内政局は動乱含みとなりました。

◎獲得議席数の結果は次の通り。(定数465・過半数233)

         (獲得数)(公示前)
 与党    自民 191 (247)
       公明  24 ( 32)
       (合計215)  ※過半数に▲18
 野党・他  立民 148 ( 98)
       維新  38 ( 44)
       国民  28 (  7)
       れいわ  9 (  3)
       共産   8 ( 10)
       参政   3 (  1)
       保守   3 (  0)
       社民   1 (  1)
       無・他 12 ( 22)
       (合計250)

◎比例代表 党派別得票数・率

         (今回)         (前回)
  自民 1458(万票)26.7(%) 1991(万票)34.6(%)
  立民 1156    21.2   1149    20.0
  国民  617    11.3    259      4.5
  公明  596    10.9    711    12.3
  維新  510      9.3      805    14.1
  れいわ 380      6.9    221      3.8
  共産  336      6.1      416      7.2
  参政  187      3.4     ―      ―
  保守  114      2.1       ―      ―
  社民   93      1.7    101      1.7

 数字を眺めると、自民は247⇒191と▲56の大幅減、公明も32⇒24と▲8の大幅減。与党は完敗、壊滅的敗北というべきでしょう。一方、立民は98⇒148と◎50の大幅増、国民は7⇒28と、これまた◎4倍の大幅増。維新は44⇒38と不振。

 比例代表の数字を見れば、自民の凋落、公明の大幅減、維新の天井打ち、国民、れいわの大幅増が目立ちます。

 何故、このような結果となったのでしょうか。石破首相は、敗北の原因は、自民党一部議員の政治資金不記載(俗に裏金という)が国民の怒りを買ったのだと述べていますが、果してそうなのかどうか、良く考えて見たいと思います。

 結論的に言えば、自民党敗北の原因は、石破首相のブレにブレた言行不一致の政治姿勢、政治資金不記載(裏金)の処理、及び、恣意的で不明朗な党内処罰、の2点にあったのではないかと考えます。これは、すべて「石破首相/森山幹事長」の責任と言わねばなりません。

 ・ “ 衆議院解散日の設定 ” について、石破首相は、「全閣僚出席型の予算委員会というものを一通りやり、国民の判断材料を提示し、決して国民に不誠実な態度だけは取りません」と繰り返し述べたにもかかわらず、予算委員会も開かず、超早期の解散を行ったのです。開いた口が閉じられないとはこのこと。国民はバカではない、舐めるなと言いたい。

 「アジア版NATOをつくる」「金融所得課税」「日米地位協定の改定」などの重要な政策はすべて撤回。石破首相は高尚な理想を語っていると自負しているのでしょうが、政治家の理想は現実化してはじめて評価されるものです。石破氏のビヘイビアは、無責任な「夢想家」と断じざるを得ません。いい加減にしてほしいものです。石破首相の政治課題が何なのかは皆目不明、政治家の風上にも置けない言行不一致を露呈しています。こんなに“信”の置けない政治家は、わたしの永い人生で見たこともありません。

 自民党執行部(石破・森山、裏の岸田)は、今回の総選挙の争点を政治と金一本にしました。立憲民主党などの野党にしてみればこんなに美味しいテーマはありません。マスコミも援護射撃してくれ、掘れば掘るほど粗が出てくる可能性もあり、立民などにマイナスはほとんどゼロです。これを争点にした自民執行部の個利個略、派利派略の自らまいた浅ましい欲呆けの結果が今回の総選挙と言えるでしょう。

 本来ならば、国民のために、自民党のために、国家のために、という観点で選挙対策を練るべきであり、永年の怨念や他派征伐としての術策から有益なものは生まれてきません。

 政治資金不記載の件について。東京地検に立件起訴された、安倍派、二階派、岸田派それぞれの会計責任者についてはこれで法的には決着させる。(自民党議員の処理は)不記載分はすべて「使途不明金」として、延滞分も含めた税金を納税することとする。…とすれば、何の問題もなかった。税金をごまかそうとする卑しい心根が政治家の足元をすくうことになったのです。

 選挙戦の最後に自民党の足元を掬ったのはしんぶん赤旗の驚愕のスクープ。自民党が、裏金問題で非公認とした候補者が代表を務める党支部に、公示後になって2,000万円を振り込んでいたと報じたのです。

 いわゆる裏金議員を非公認にすると決めたのは、総選挙の直前に開かれた石破首相・森山幹事長・小泉選対委員長の会議。その時に2,000万円の活動費の支給を、『岸田前首相の方針』として引き継ぐことに決まったのです。

 裏金に反省の色がない自民党。国民が、使途不明金、脱税、に疑惑を持っている時、2,000万円という大金を燃料投下、めらめらと燃え盛るのは誰が見ても想像がつくもの。石破・森山・岸田各氏の感受性の無さにはあきれてものも言えません。政治家なんてやはり極めて鈍感な人達なのでしょうか。

 石破総理へ。虚ろな目と猜疑心ありありの顔、その陰鬱な表情はもう見たくもないという、わたし達国民の評価が、今回の総選挙に表れたものではないでしょうか。即刻、内閣総理大臣を辞任して頂くことが国民の負託にこたえることになるものと考えます。

 石破総理は壊滅的な大敗を喫した翌日、記者会見で何と続投を示しました。総理自身が設定した与党過半数(233議席)という勝敗ラインを割り込む大敗の責任をとらずに、政権に居座ろうとするのは大いなる間違いであり、潔く辞職すべきです。選挙は「信」を問うものであり、不信任となれば、正統性はないという最大の審判が下されたことになります。憲政、選挙の常道に従うべきではないでしょうか。

 石破総理! 日本国民のトップとしての矜持を示すべきです。速やかに決断のほどを。日本国民の全てがそれを待っています。

 加えて公明党も惨憺たる有様。議席数は32⇒24、▲8と大幅減。比例についても、前回711万票⇒今回596万票、▲115万票と大幅減。さらに、石井啓一代表、佐藤茂樹副代表も落選するとは、創価学会の高齢化による弱体化著しく、「公明党」そのものの政界からの引退を検討する段階に来ていることを示唆していると思われます。

 最後に、悠久の歴史のなかの今日、この秋の清涼な季節において、万葉集に繋がる青い空と白い雲を虚心坦懐に眺めるためにも、落ち着いた政治(まつりごと)が行われる地上であってほしいと願うものです。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年10月18日 (金)

石破内閣に「信」はあるか‥衆議院選に問う!

 917回目のブログです。

202410181

 “鳴き弱る 籬の虫も 止めがたき 秋の別れや かなしかるらむ
             紫式部(平安中期「紫式部集」)

 (詞書)その人、遠きところへ行くなり。
     秋の果つる日来たるあかつき、虫の声あはれなり。

 垣根のキリギリス(コオロギ、鈴虫などを含む)の鳴き声が弱まっている。それにつけても秋の別れを止めることは出来ないものだなあ…。

 朝晩は涼しさを増し、凌ぎやすい気候になってきました。それにしても、もう10月の中旬ですから本格的な秋となってもおかしくありません。

 ところで、秋の虫の音を美しいと思うのは、日本人とポリネシア人のみであり、わたしたち日本人は「左脳」で認知するため、「美しい」と感ずるようです。欧米人は、虫の音を「右脳」で認識するため、「雑音」として聞き流してしまうと言われています。日本人の繊細さがここでも発揮されていると考えれば生まれつきの幸運を喜びたいものです。それにしても、秋をもっとゆっくりと鑑賞したいものです。

 さて、いよいよ総選挙(衆議院議員選挙)が行われますが、新しく総理大臣になった自民党の石破茂総裁の発言がブレにブレぶれ、物議をかましていますので、注目したいと思います。

(1)衆議院解散日の設定

 解散時期について、石破氏は「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」(9/27)、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」(8/24)

 それが、あろうことか、石破氏は、解散は10月12日、選挙は10月27日と決定。そして、全閣僚出席型の予算委員会を開き国民に向かって目指すところを示すという誠実な態度は一切示さず、国民を裏切りました。

 組閣(大臣の任免)と解散(議員の任期停止)は、首相のもっとも重要な2つの仕事ですが、解散の日程を決めることができなかった石破氏は実質的な首相権限をもっておらず、決めたのは、森山幹事長と言われています。何たる不様なことでしょうか。

(2)日銀の独立(金融オペレーションに政府は関与しないこと)

 植田日銀総裁と会って、当面、緩和的に(=利上げをせず)にいくとして、日銀の金融政策に関与。

 日銀の株式は、財務省が55%を持つので、政府の連結子会社です。総裁・副総裁も政府が任命。これを見れば、日銀が政府から独立しているのというのは、国民向けの嘘です。その嘘を、自分が就任したあと株価が下がって選挙に悪影響があるということから金融筋が予想していた12月利上げ(8月以来の0.25%→0.50%)はなく、0.25%の緩和のままとして、前言を撤回しました。

(3)「アジア版NATOをつくる」

 石破首相は「所信表明演説」で触れず! どういうこと?

(4)「金融所得課税」

 これも「所信表明演説」で触れず! やる気なし どういうこと?

(5)「日米地位協定の改定」

 これも「所信表明演説」で触れず! どういうこと?

(6)「政治資金不記載」(いわゆる裏金問題)に関して

 「政治資金不記載」については、派閥として東京地検に立件起訴されたのは、安倍派、二階派、岸田派それぞれの会計責任者です。

 そして、4月4日、自民党の処分としては下記のとおり。

    離党勧告         2名
    党員資格の停止(1年間) 2名
       〃   (半年間) 1名
    党の役職停止(1年間)  9名
       〃  (半年間)  8名
    戒告          17名 (合計39名)

 加えて、今回の総選挙においての収支報告書 不記載自民党前議員に対する処罰は下記のとおりとなりました。

   党から公認されず、無所属で立候補   10人
   党から公認も、重複立候補認められず  34人

 党執行部である、石破(総理)・森山(幹事長)・小泉(選対委員長)は、基本的に『どんな事情があったとしても収支報告書に記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない』と合意したうえで、「不記載があった議員を公認する場合は,比例での重複立候補は不可とする」「特定の条件を満たす議員については公認を認めない」と決定。上記のような線引きとなったものです。

 これに該当する前議員のほとんどは清話会(いわゆる安倍派)、彼らの怒りはすさまじく選挙後は大変な抗争になるのではないでしょうか。

 しかし、不記載(いわゆる裏金)は、岸田氏の派閥や石破氏においても生じており、彼らは「単純なる事務的なミス」だとして逃れようとしていますが、それは “ダブルスタンダード” “不誠実” “不道徳” というものではないでしょうか。

 それにしても、石破首相は、BBS(ブレ/ブーメラン/スキャンダル)、変節の名手、すべてにブレブレ、こんなに言葉の軽い総理大臣を見たことがありません。『綸言汗の如し』(天子の言葉は、出た汗が体内に戻らないように、一度口から出れば取り消すことができない)という言葉もあります。言行不一致もいいところ、私たち国民を見下げないでいただきたいものです。

 失礼ついでに。石破総理は、重要閣僚である総務大臣に村上誠一郎氏を抜擢しました。村上氏は安倍首相の国葬の折、故安倍晋三元総理大臣に対して国賊” と罵倒し、役職停止1年の処分を受けた経緯があります。このような非礼極まりない人物を重要閣僚に抜擢する石破総理は、人間として正常な判断力を有しているとは思えません。正常な心をお持ちになり、わたし達国民を舐めないでいただくことを切望します。

 さいごに。総選挙の結果がどのようになるのか、10月27日の投開票日を待ちたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年10月 4日 (金)

自民党総裁選…異聞!

 916回目のブログです。

20241041

 “すむとても いくよもあらじ 世のなかに 曇りがちなる 秋の夜の月”
              藤原公任(平安中期・三十六歌仙)

 仲秋の八月、月が雲に隠れたのを見て詠んだ歌。

 月がよく澄むといっても幾夜もあるまい。雲に隠れて光を失うことの多い秋の夜の月なのだ…。(人がこの世に住むといってもそう長くはあるまい。人生もいろいろ支障が多く心身をそこなうものだ)。

 

 漸く秋の肌寒さを感ずる季節になりました。それでも、日中は夏日を示す日々が続いており、今年の天気予報では秋が短いそうで、紅葉のタイミングを上手く選び、今年こそは情趣に富む紅葉狩りと行きたいものです。

 9月27日、候補者が9名も立候補するという狂騒の自民党総裁選の投票が行われ新総裁が選出されました。

 まず、総裁選の結果を見てみましょう。

 【開票結果】(有効投票総数735票)

         (議員票)(党員票)   (合計)
 高市早苗    72   109   181
 石破 茂    46   108   154
 小泉進次郎   75    61   136
 林 芳正    38    27    65
 小林鷹之    41    19    60
 茂木敏充    34    13    47
 上川陽子    23    17    40
 河野太郎    22     8    30
 加藤勝信    16     6    22

 ※過半数獲得者なしにより、上位2名で決選投票。

 【決戦投票結果】(有効投票総数409票)

       (議員票)(都道府県票)(合計)
 石破 茂   189    26   215
 高市早苗   173    21     194

 さて、ここで総裁選の異聞を記してみたいと思います。

 1回目の投票で、高市早苗氏がトップでしたが、決選投票で石破茂氏に逆転されました。高市氏を支援した純粋保守派はもとより、高市早苗さん自身も悔しい思いをしたのではないかと思います。この裏にどのような工作やかけひきがあったのでしょうか。

 投票日の2~3日前から、決選投票について、反高市のグループが、高市氏に投票しそうな議員に対して、「中国が右派の高市に反発している。公明党・学会は高市を支持する議員には選挙協力はできないと言っている。落選してもいいのか…」との恫喝まがいの言葉を吐いているとのうわさが広がっていました。中国共産党の動き、それを受けた自民党媚中派の動き、怖いですね…。

 アメリカの高官が、高市氏の靖国参拝に厳しい異議を唱え、内政干渉を積極化していると言われています。確かに、過去何度も、アメリカは日本の政治に容喙(くちばしをいれること)してきましたし、また、それを許してきました。その意味では「日本」は半人前の独立国と言うべきかもしれません。

 そもそも、今回の新総裁選びは、不承々々退任する岸田首相の言葉によれば、自民党の「刷新感」を醸し出すことでした。

    女性ならば ⇒ 高市早苗さん、上川陽子さん
    若手ならば ⇒ 小林鷹之氏49歳、小泉進次郎氏43歳

ではなかったのでしょうか。ところが、ふたを開けて見れば、岸田首相は、古いイメージのベテラン石破茂氏を自分が率いる旧派閥ぐるみで推し…。そのうえ、岸田首相はキングメーカーに鎮座するという、したたかなやり口、まさに口あんぐり、公よりも私に傾き過ぎていると言わざるを得ません。

 最下位の加藤勝信氏の得票をご覧ください。議員票で16票しか投票されていないんです。候補者は立候補するためには20人の推薦人を集めなければなりません。得票数の中には、候補者加藤氏の1票がふくまれていますので、5人が加藤氏に「背信」したことになります。義理も人情もなく、誠実さも真摯さもない人間の屑とも言える自民党議員が少なくとも5人は存在することは明らかです。加藤氏に投票しないのであれば推薦人になるべきではありません。国会議員は公的存在ですから。

 決選投票で石破氏215票、高市氏205票。石破氏の投票数から僅か11票が高市氏側に留まっていれば高市氏が当選していたことになります。

 その点を考えるうえで、高市早苗さんの選挙参謀を担った選挙の神様藤川晋之助氏の発言は示唆に富んでいます。(ユーチューブチャンネル「選挙ドットコム」より)

 決選投票直前の石破氏と高市氏の演説について「2人ともあまり格調高くないなと思った。1番注目される時ですから。これが歴史に残る言葉だから、党員がグッとくるキーワードが少なかった」と苦言を。

 藤川氏は「彼女は日本初の女性総理の実現ということを一切使わないんです。上川陽子さんはずっと言ってた。(高市氏は)男女関係ない。能力のある人が頑張るべきというのが彼女の思想。それはいいんだけど。

 一般大衆に訴えるのに女性初の総理というのは、あの時こそ言って。
  “日本が変わっていく大きなきっかけになる。
  “私はその使命を背負ってる。

ぐらいのことを言ってたら、もうちょっと違ってたかな」と悔やんでいます。

 悔やんでも悔やみきれない票差ですが、捲土重来を期していただきたいと切望します。

 最後に、9/27日の新総裁選出後の会見で石破氏は、解散時期について「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」

 8月には、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」

 「総理に就任したら衆議院を解散する前に国会で全ての閣僚が出席して質疑を行う予算委員会を開催する」と繰り返し述べていたのです。

 ところが、あろうことか、9/30日、石破氏は、衆院を早期解散し10月27日に投開票を行うことを表明したのです。国民を無視、党内を優先。何と、わずか3日での手のひら返し

 新総理大臣・石破茂氏は、しょっぱなから国民を裏切りました。

    『民信無くば立たず』(論語・顔淵)

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年9月20日 (金)

自民党総裁選…石破・高市・小泉の接戦?

 915回目のブログです。

20249201

 “世の中は なにか常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる”
              詠み人知らず(古今和歌集)

 この世の中は、いったい何が変わらないのか、不変のものは何一つない。飛鳥川の流れも昨日淵であった所が今日はもう浅瀬に変わっている…。

 世の中の移り変わりが速いことを詠んだものです。

 季節はもう秋という絶好の時を迎えているにもかかわらず、世のなかは、自民党総裁選で盛り上がり、ヒートアップも尋常ではなく、未だに暑い日々が続いています。

 9月12日、総裁選の告示日に、何と9人という多数の候補者が立候補しました。いままで人材が不足していると指摘されてはいましたが、老若男女、左派リベラルから右派保守系まで、この9人、ある意味でバラエティに富んでいるのではないでしょうか。

 ここで、信頼性の高いと言われている情勢調査を見てみましょう。

 【党員・党友:日テレ情勢調査:JX通信社】
      9月5日(告示日前)

  石破 茂(元幹事長67)    28(%)
  小泉進次郎(元環境相43)   18
  高市早苗(経済安全保障相63) 17
  上川陽子(外相71)       7
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5
  林 芳正(官房長官63)     4
  河野太郎(デジタル相61)    3
  青山繁晴(参議院議員72)    3
  茂木敏充(幹事長68)      2
  加藤勝信(元官房長官68)    2
  野田聖子(元総務相64)     1
  斎藤 健(経済産業相65)    0

 【党員・党友:日テレ情勢調査:JX通信社】
        9月13日(告示日後)

  石破 茂(元幹事長67)    25(%)
  高市早苗(経済安全保障相63) 22
  小泉進次郎(元環境相43)   19
  上川陽子(外相71)       9
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5
  林 芳正(官房長官63)     5
  河野太郎(デジタル相61)    3
  茂木敏充(幹事長68)      3
  加藤勝信(元官房長官68)    1

 JX通信社は選挙情勢調査では定評があります。

 小子は、いつも疑問に思っているのですが、自民党の総裁は自民党の党員・党友が選ぶものであり、マスコミは、支持率調査に関しては一般有権者ではなく、自民党員・党友を対象に調査すべきではないのでしょうか。そう考えれば、上の日テレが委託したJX通信社の情勢調査は党員・党友に限っての調査ですから、妥当な調査とみることができます。

 告示日前と後では、上位の順位が大きく変わり、告示日後では、①石破茂、②高市早苗、③小泉進次郎、となっていることに注目しましょう。

 マスコミの従来の一般国民の情勢調査では小泉進次郎氏を最有力視していましたが、それが崩れつつある理由を考えて見ます。

聖域なき規制改革として「整理解雇」の要件緩和をかかげましたが、進次郎氏以外の候補者から総スカンをくらい、「緩和ではなく見直しだ」と大幅にトーンダウン。メインの政策を4日で引っ込めるなんて、出鱈目、軽薄の誹りを免れません。ネットでは「前言撤回が早すぎる」「言葉が軽すぎる」「やっぱり知的レベルが低い」など非難囂々。もう、小泉発言はボロボロ、これでは米国大統領、プーチン大統領、習近平主席などと肩を並べられないのではないか。

選択的夫婦別姓を積極的に推進し1年以内に結論を出す」と明言したことで、小泉支持者の党員が大幅に離反したと判断されています。

いわゆる「進次郎構文」の不明朗さと幼稚さ。語彙力の低さが露呈して、情報としての機能を為していない言葉が多い。(たとえば、上川外相から、首相になれば来年のカナダG7サミットで何を発信するのかと問われて)「トルドー首相が就任した歳が43歳で、わたしは今、43歳だ。トップ同志が胸襟を開き、新たな未来志向の外交を開いていく」また、他の構文では「政治に無関心であることは政治に無関心のままでいられる」…など、とほほという以外の言葉しかありません。

自民党が小泉氏を総裁(総理)に担ぎあげようとするのは国民に対して不誠実な対応と言わねばなりません。若さに優れたものがあると言ってもものには限度があるのではないか。

 失われた30年を取り戻すには、積極経済が求められます。この観点から、企業経営者サイドから見た自民党総裁候補者を上げてもらったデータをご覧ください。

 【自由民主党の総裁選挙について:東京商工リサーチ】9月9日
 日本経済・貴社ビジネスの発展に寄与すると思うのは誰ですか

  高市早苗(経済安全保障相63) 24.3(%)1,447(社)
  石破 茂(元幹事長67)    16.9   1,005
  小泉進次郎(元環境相43)    8.3     492
  青山繁晴(参議院議員72)    6.2     367
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5.2     310
  河野太郎(デジタル相61)    4.8     286
  林 芳正(官房長官63)     4.0     239
  上川陽子(外相71)       3.1     186
  茂木敏充(幹事長68)      2.6     156
  斎藤 健(経済産業相65)    1.4      83
  加藤勝信(元官房長官68)    0.6      35
  野田聖子(元総務相64)     0.5      29
   寄与すると思う人物はいない  21.7

 増税路線にSTOP! を掛けるのは下記の2氏のみ。

     茂木敏充(幹事長)    『増税ゼロ宣言』を
   高市早苗(経済安全保障相)『積極財政路線』を

他の方は増税論者です。したがって、失われた30年を取り戻し、成長路線に引き戻すには大変勇気ある人物でなければならないと思います。

 さあ、果たして誰が日本丸の船長に選ばれ、荒れ狂う大海原を無事航海できるのでしょうか。期待を込めて、政局を見守りたいと思う次第です。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年9月 6日 (金)

岸田首相の“功”と“罪“!

 914回目のブログです。

2024961

 “荻の葉の そよぐ音こそ 秋風の 人の知らるる 始めなりけれ”
                  紀貫之(拾遺和歌集)

 荻の葉が風にたなびき、そよそよと立てる音こそ秋風が人に気づかれる最初のことであった…。

 初秋とは言っても、今回の台風10号ののろのろ迷走は困ったもので、大型の風、竜巻、豪雨、洪水、地すべりなどにより私たちの日常生活は大変なことを強いられました。天が狂い、地も狂う。史上空前というべきこの現象は、何やら昨今の政治情勢、政局を象徴しているようにも思えてなりません。

 8月14日、岸田文雄首相(自民党総裁)は、9月に予定される総裁選に出馬せず、退陣すると表明しました。自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受け「組織の長としての責任を取る」としたものですが、今頃になっての自己責任論とは、不承不承の感は免れません。

 ここで、在任期間およそ3年弱の岸田首相の功罪について考えて見たいと思います。

 まず、功罪の “功” を見てみましょう。

(1) 防衛力の抜本的強化

   ・反撃能力の保有(国家安全保障戦略など3文書を改定)
     安倍政権からの引き次ぎとは言え大きな実績でしょう。
   ・防衛費のGDP比2%への増額を明記

(2) エネルギー政策の大転換

   ・原発の再稼働
   ・次世代原発の開発、建設の検討
   ・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出の断行

(3) 外交の成果

   ・日韓関係の改善(慰安婦、徴用工、ホワイト国指定)
   ・ウクライナ訪問
   ・広島サミット(バイデン米大統領らを原爆資料館へ)
     本来なら、世界に広く認知されていない長崎で行うべき。

 次に、功罪の “罪” を見てみましょう。

(1)大幅増税路線を歩んだこと

   ・たばこ増税、所得増税、復興特別所得税の延長、
    給与所得控除の廃止、配偶者控除の廃止、生保控除の廃止、
    退職金の非課税枠を廃止、扶養控除の縮小、法人増税、
    法人税の控除縮小、後期高齢者医療保険の負担増、
    生前贈与の持ち戻し期間延長、教育資金一括贈与廃止、
    結婚/子育て資金の贈与特例廃止、介護保険料負担増、
    国民年金納付期間延長、公的医療保険の上乗せ、
    森林環境税の創設、厚生年金支給減額、
    走行距離課税の新設、ケアプランの有料化

   ※あるは、あるは……、
    財務省のポチ⇒増税メガネ⇒増税クソメガネ⇒増税王
    と、国民から糞味噌に言われたのも肯けます。

(2)LGBT法の拙速な成立

  ・バイデン大統領の原爆資料館訪問のバーターとして、米民主党肝いりの「LGBT法」を党内議論をほとんど行わず強権的に成立させました。ご存知のように、広島は岸田首相の選挙区。これは、私益を国益に優先させたもの。これにより、コア保守層は嫌&反岸田となりました。文化破壊の元凶として罪を問われなければなりません。

(3)移民政策の積極的推進

 ・岸田首相は「外国人は日本の宝」というフレーズを多用し、わが国の人口政策を移民によって解決しようとする姿勢に前のめりです。

 わが国においてつい最近生じた移民の暴動がどんなものか、今一度、振りかえってみましょう。埼玉県川口市で昨年7月、トルコの少数民族クルド人ら約100人が病院周辺に殺到、県警機動隊が出動する騒ぎとなり、救急の受け入れが約5時間半にわたってストップしました。同市では近年、クルド人と地域住民との軋轢が表面化しています。(日本国内の外国人のうち約7万人が不法滞在者!)

 このような状況が各地で多発しているにもかかわらず、政府は、外国人を日本に派遣する会社を支援しようとする『外国人支援コーディネーターの養成の在り方等に関する検討会』を開きました。外国人を日本に派遣する派遣事業者への支援のために、多額の金額を投入することを検討。ところが、何ということか、岸田文雄首相の実の弟である岸田武雄氏は、外国人を日本に派遣する会社「フィールジャパンwith k」の社長なのです。つまり、移民政策を拡大すれば拡大するほど、喜ぶのは岸田武雄氏(弟)というわけです。

 岸田首相の功と罪を見てきましたが、そこに見えるのは、「公」よりも「私」国益よりも私益、一族益ではないでしょうか。折角、外交に手腕を発揮しようとしてはいたのでしょうが、これでは国民の信を得られず、残念ながら、政権は瓦解と相なりました。

 岸田首相は、就任時、誰よりも「聞く力」「聞く耳」を持っていると豪語していましたが、今は跡形もありません。

 考えても見てほしい。もしも、岸田首相が国民の声を聞く力を持っていたならば、政治資金の裏金処理で安倍、二階派議員ら39人を処分しながら、自らを処分の対象外にしたことなどは、無責任の極みと言わねばなりません。それを、今頃になって、総裁選に不出馬することで責任を取ったことにするとは、その責任感の鈍感さにあきれ果てる次第です。

 自民党総裁選の結果がどうなるか、興味津々です。国家観、歴史観の確りした方が新総裁に選出されることを望みたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年8月23日 (金)

大乱戦・自民党総裁選はどうなる…予測を見てみよう!

 913回目のブログです。

20248231

 “吹く風の 涼しくもあるか おのづから 山の蝉鳴きて 秋は来にけり”
             源実朝(鎌倉三代将軍・金槐和歌集)

 吹く風は涼しいことだ。いつのまにか山の蝉が鳴き出して秋はやってきたのだなあ…。

 相変わらず、熱暑、猛暑、酷暑が続き、熱中症に気を付けながらの毎日です。こんな時ですから頭がぼーとして、難しい思考はとても出来ず、どうしようかと迷っていた時に、試しにインターネットを渉猟してみました。

 政界は、今、自民党総裁選で大盛り上がり。未だ候補者も確定していない段階であるにもかかわらず、総裁選に関する興味あるデータが見つかりましたので、暑気払いにご参考ください。

【清水克彦氏(政治・教育ジャーナリスト)の採点を参考】(8/15)

 (1)経験値、(2)新鮮度、(3)外交力(特に対米、対中)、(4)安全保障に関する知見、(5)内政(経済対策、少子化対策、DX、防災等)の5つの観点から、A(十分5点)、B(まあまあ十分4点)、C(普通3点)、D(不十分2点)、E(未知数・判定不能3点)で採点してみる。

河野太郎デジタル相(61) ジョージタウン大卒
  (1)A (2)B (3)A (4)A (5)A  24点

高市早苗経済安保相(63) 神戸大経営卒
  (1)B (2)B (3)B (4)A (5)A  22点

上川陽子外相(71) 東大教養卒、ハーバード大院修了
  (1)B (2)B (3)A (4)B (5)B  21点

石破茂元幹事長(67) 慶大法卒
  (1)A (2)D (3)B (4)A (5)C  19点

小林鷹之前経済安保相(49) 東大法卒、ハーバード大院修了
  (1)D (2)A (3)D (4)A (5)E  17点

野田聖子元少子化担当相(63) 上智大外国語卒
  (1)B (2)B (3)D (4)D (5)A  17点

小泉進次郎元環境相(43) 関東学院大経済卒、コロンビア大院修了
  (1)D (2)A (3)E (4)E (5)D  15点

【自民党総裁選】高橋洋一教授のミカタ(8/17)

 5段階評価の人物評・点数

             (経験)(新鮮)(内政)(外交) (計)
高市早苗経済安保相(63)  5  5  4  4  18

河野太郎デジタル相(61)  5  3  3  4  15

上川陽子外相(71)     3  5  4  2  14

茂木敏充幹事長(68)    5  1  4  4  14

石破茂元幹事長(67)    5  1  4  3  13

小林鷹之前経済安保相(49) 2  5  3  3  13

加藤勝信元官房長官(68)  3  3  3  3  12

林芳正官房長官(63)    5  1  4  2  12

小泉進次郎元環境相(43)  2  5  2  1  10

【自民党総裁選】KSI(紀尾井町戦略研究所)(8/16)

 ◎全国18歳以上の男女1000人を対象に緊急オンライン調査

   【全体】(%)      【自民党支持層】(%)

石破 茂   15.4      高市早苗   19.7
高市早苗   11.8      石破 茂     13.9
菅 義偉    6.9      河野太郎   12.7
小泉進次郎   6.8      菅 義偉   12.7
河野太郎    6.1      小泉進次郎  11.6 
上川陽子    5.3      上川陽子    4.6
小林鷹之    1.3      茂木敏充    2.9
茂木敏充    1.2      野田聖子    1.7
青山繁晴    1.0      小林鷹之    1.2
林 芳正    0.9      青山繁晴    0.6 
野田聖子    0.7      福田達夫    0.6
福田達夫    0.2      林 芳正    0.0
齋藤 健    0.2      齋藤 健    0.0
加藤勝信    0.0      加藤勝信    0.0
上記以外の人 11.4      上記以外の人  2.3
わからない  30.8      わからない  15.6

 政治/教育ジャーナリスト・清水克彦氏と、著名な数量経済学者・高橋洋一教授の人物評の採点を眺めますと、マスコミの評価とギャップがあるように感じます。マスコミは世論調査においては丁寧な調査と的確な分析を行ってほしいと思います。自らのイデオロギーに社会を引っ張っていこうとするのは避けるべきではないでしょうか。

 3点目のKSI(紀尾井町戦略研究所)の緊急オンライン調査は大変参考になります。国内全体では石破氏がトップですが、自民党支持層に限定すれば高市氏がリードしていることを明瞭に示しています。自民党総裁選は、自民党員と国会議員によって行われるものであり、自民党支持層の人気度が問われているのではないでしょうか。

 それにしても、大乱戦の様相を呈している総裁選。これから1ヶ月、各候補者に政策において大いなる論争を期待します。大事なことは、立派な首相を選ぶことであり、間違っても私利私欲に走る人物を選ばないで欲しいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年8月 9日 (金)

トランプかハリスか…その時「日本」はどうする! 

 912回目のブログです。

2024891

 “夏と秋と 行きかふ空の かよひぢは かたへ涼しき 風や吹くらむ”
             凡河内躬恒(平安前期・古今和歌集)

 去る夏と、来る秋とがすれ違う空の通路では、片側は来る秋で涼しい風が吹いていることだろう…。

 現在の8月7日立秋の前日に詠んだ歌。

 猛暑、熱暑、酷暑、うだるような日が連日のように続いていますが、平安の古においては、立秋の言葉を聞けば、涼しき風が秋の側から吹いてくるのでしょうか。…雅な心境ですね。

 茹だる夏と言えば、株価の暴落、日銀・政府の政策間違い、米大統領戦の行く末、相変わらずの世界各地の戦争、そして、パリ五輪の熱狂、など挙げれば枚挙にいとまもありません。

 さて、熱戦続く米大統領選に目を向けたいと思います。

 民主党は、バイデン氏の大統領選撤退宣言から副大統領のハリス氏の登場で、1週間で300億円の資金調達を果たすなど、好感度急上昇が伝えられており、カマラ・ハリス氏が8/6、正式に民主党の大統領候補になりました。

 世論調査ではハリス氏がトランプ氏に追いつきそうだとの観測をしていますが、米国のマスコミは圧倒的に民主党支持であり、また今は、ハリス氏のハネムーン期間であることを勘案すれば、真の人気度が分かるのは今少し時間がかかるのではないでしょうか。

 今回の大統領選挙の国民の主な関心は、経済(インフレ)、不法移民、中絶権利です。経済(インフレ)に関しては民主党も共和党も同じ対処、中絶権利もトランプが民主党に妥協し各州の判断に任せるとしていますからほぼ同じ、不法移民だけは民主、共和で対処は大きく異なります。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題。わたしたち日本人は、島国に住んでいる関係上この問題に極めて鈍感ですが、移民問題は世界的なテーマでもあり実態を素直に注視しなければなりません。

 バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度と言われていました。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は公式カウントで730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人、したがって、不法移民は総計で2,000万人を越える人数であり、これが犯罪やギャングの温床になるのは火を見るよりも明らかです。

 さすがに、バイデン大統領は、6月4日、何と“トランプの移民法”を採用し、メキシコ経由の難民希望者の受け入れを制限する大統領令を発令したのです。

 ところで、過去、カマラ・ハリス氏は2017年何百万人もの難民に背を向けることはできないとトランプ氏を厳しく非難。2018年には、民主党の議員たちも、トランプ氏が亡命の廃止を求めて「偏見の火種」を煽っていると非難しました。不法移民について、ハリス氏は何も解決策を提示せず流れに任したままであり、まるで不法移民の認識を持っていないように見えます。

 ハリス氏とトランプ氏は不法移民の受け入れに対しては真逆の姿勢。果たしてハリス氏が正しいのかトランプ氏が正しいのか、9月に行われるであろうハリスとトランプの丁々発止の討論会が見ものです。

 もしも、トランプ氏が大統領になったらわが国は米国にどう対応すればよいのでしょうか。トランプ氏の主張に耳を傾けて見ましょう。

 トランプ氏の主張「中国から製造業を取り戻す」「不法移民の流入を防ぎ雇用を取り戻す」「シェールオイルの採掘の復活」「EV優先政策を終了」「世界の警察を辞める」(守って欲しいならば金を払え)「中国製品への高関税」

 …わが国は、トランプの主張に積極的に従わざるを得ないのではないか。安全保障については早急に自立の道を模索しなければならないだろう。

 トランプ氏「ウクライナ支援の中止」(ウクライナ/ロシア戦争)「イスラエルへの資金援助を凍結」(イスラエル/ハマス戦争)」

 …わが国は、それぞれの戦争の締結に賛意を表す以外に道はない。トランプ氏が、国際金融資本、軍産複合体、巨大IT企業、グローバリズムと対立していることをわれわれは認識しなければならないだろう。

 トランプ氏「国連に懐疑」(国連、および配下の諸機関)

 …中国が国連の諸機関に資金提供で懐柔していることに留意し、わが国は、米国以上に国連に警戒感を持たねばならない。

 トランプ氏「米国は自国ファーストでいく」「地球温暖化に疑義」(温室効果ガス排出削減パリ協定離脱)「自動車産業の救済」

 …米国がトランプ大統領ならば、わが国も自国ファーストでいくことを求められるに違いなく、それに速やかに対処しなければならない。

 トランプ氏「日本の自立を求める」(日本の問題は日本で解決せよ)

 …長期的に考えると、トランプ氏は、米軍の海外基地を整理したいと考えているのではないか。また、NATOからの脱退も視野に入れているかもしれない。

 …台湾有事についても、その時、米国が即時に対応してくれるかは不透明である。「台湾有事は日本有事」と日本が考えるならば、まず、日本が動かなければならないことを覚悟しなければならない。とすれば、早急な “憲法改正” に踏み込むことを決断しなければならないのではないか。

 もしも、トランプ氏が大統領に就任すれば、日本は自立を余儀なくされるのは間違いないと思われます。誠に残念ながら、もう、安倍首相はおられません! ある意味で、わが国はチャンスを迎えたことにもなりますが、重い~重い課題を背負うことにもなるのではないでしょうか。

 そう考えれば、今回の自民党総裁選(即ち次期内閣総理大臣選択)は、我欲からではなく日本の国益を忠実に守る立場からの選択を望みたいと思います。

 最後に、アメリカは、過去、多くの戦争を引き起こしたリベラル民主党のハリス氏を選ぶのか、戦争を回避しようとする共和党のトランプ氏をえらぶのか、果たしてどのような結果になるのか、息をひそめて見守りたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年7月26日 (金)

「既存政党」の終わりの始まり…石丸ショック!

 911回目のブログです。

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  “蓮葉の にごりの染まぬ 心もて なにかは露を 玉と欺く”
                                     遍昭(平安前期・古今和歌集)

 蓮の葉(はちすのは)は、濁った水の中に生えていながら、濁りに染まらない清らかな心を持っている。なのに、葉に置く露を玉に見せかけて、人の目を欺くのはどうしてだろうか…。

 作者は平安時代六歌仙の一人。この歌は『法華経』の中のある経文を典拠とし、「世間の法に染まざること、蓮華の水に在るが如し」…蓮の葉にある露のきらりとした品のある美しさを見事に歌い上げたものです。

 相変わらず暑い日が続きますが、熱戦、激戦を繰り広げた7月7日(七夕の日)の東京都知事選を振り返ってみたいと思います。都知事選は、56人の立候補者の選挙ポスター掲示板の数不足、猥褻な写真の掲示、掲示板の売買、学歴詐称、二重国籍、「女の闘い」などなど、従来にない猥雑な都知事選が繰り広げられました。そして、結果は、極めて興味深いものになりました。

  ① 小池百合子 2,918,015(票)(当選)
  ② 石丸伸二  1,658,363
  ③ 蓮舫    1,283,262

 特に、マスコミの注目を集めたのは、石丸伸二・前安芸高田市長の初挑戦とは思えない刮目すべき選挙戦の盛り上がりと、その結果の165万票というとてつもない獲得票です。

 石丸氏は、広島県の安芸高田市長を1期務めましたが、とにかく、議会とは徹底して対立姿勢を貫き、議員に向かって「恥を知れ!恥を!」という過激な言葉を発するほどでした。

 一般的に言えば、地方議会は馴れ合いで事を進めることが普通ですが、その馴れ合い政治を一貫して否定したのです。したがって、議員とはそりが合わず、そればかりか、メディア(安芸高田市では中国新聞)とも丁々発止とやりあいました。

 この姿を見れば、何とも幼稚、傲慢、上から目線に見えるかもしれません。石丸氏の考えは、相手を職業人として対等に議論しようとすることのようで、本人は何も突飛な、いじけた人格の持ち主ではないと自己判断しています。

 石丸氏は、毀誉褒貶、都知事選後マスメディアから、対話の手法や「石丸構文」という特異な論理展開で、物議をかましています。彼の人間性、人格というものがどのようなものであるか、彼がトリックスターか否か。youtubeで下記を検索して、石丸市長の講演から判断してみることをお薦めします。

        youtube『あきたかた二十歳のつどい』
     石丸伸二市長メッセージ(2024年1月7日)
     広島県安芸高田市公式ちゃんねる(登録者数23.5万人)

 今回の都知事選の姿を点描してみれば、自民党は立候補者さえ出せず、古い金権体質を引きずったまま、自民党・公明党はステルス(裏)で小池氏を支援というどす黒さ。蓮舫氏は、立憲民主党および共産党、俗にいう「立憲共産党」の支援を受け、街宣車に両党の幹部が同乗、これでは無党派層はドン引き。石丸氏は、SNSを駆使するなど、独自の選挙戦略をたて、際立った存在をアピール。既存メディアは、石丸氏がこれほどの票を獲得するかまったく読めず、選挙判断力の無さを露呈、メディアとしては完敗。

 なぜ、このような選挙戦になったのか、考えて見ましょう。

 ・石丸陣営の布陣

   石丸伸二(京大・三菱銀行・ニューヨーク駐在・安芸高田市長)
   鳥羽博道(ドトールコーヒー創業者)
   藤川晋之助(選挙プランナー・“選挙の神様” 選対事務局長)
   小田全宏(実業家・松下政経塾・選挙本部長)
    エール /堀江貴文(実業家)ひろゆき(実業家)

 これは、共産党から自民党までを含む「旧来の既存の政治」の外側に、新たな対立軸が現れて来ていると見ることもできます。これまで百数十の選挙に携わった  “選挙の神様”  藤川晋之助氏が、①ボランティアが5500人(!)も駆け参じポスター貼りなど行ったこと、②228回に及ぶ街頭演説に立錐の余地のない多数の聴衆が耳を傾けたこと、③WEBでの政治献金が3億円以上も集まったこと…など、過去にない異例な現象に涙を浮かべている映像は感動的でした。

 この動きは、これまで政治に関心を寄こさなかったグループの鮮烈な政治活動の胎動を暗示するものではないでしょうか。このグループの人々は、SNSで活動する個人、起業家、スタートアップ企業・IT企業のメンバーなどの世の中の勝ち組であり、デジタルイノベーションを本旨とするものだと考えられます。

   『デジタルイノベーション』(digital innovation)
    デジタル技術を駆使して、新しい価値を生み出し、
    社会に変化をもたらすこと。

 ここで、著名な実業家・堀江貴文氏の注目すべき発言をご覧ください。

 「(自民党に対抗できる勢力は)マネーと志と戦略があったら作れる。前明石市長の泉房穂さんは、次の総選挙で政権を取れるぐらいの発言をしている。(中略)彼のところに前澤友作のような人が1,000億円を入れると言ったら政治は変わる。そこにインフルエンサーも絡んできたら、小選挙区も比例も一気に獲得して、政権交代する可能性はあると思う。」(23/12/1『ABEMA TIMES』)

 政界においては、一寸先は闇といわれています。30年間ほとんど変化のなかった日本社会、今、変革の時代、転換点を迎えたように思いますが、みなさん如何でしょうか。

 最後に、メディアと石丸氏との応答を。

メディア
 「得票は予想を上まわったか」
石丸氏
 『なんという愚問か。最初から負けることを考えるバカはいない』

日テレ:コメンターター社会学者の古市憲寿氏
 「どうやら石丸さんが2位らしい。嬉しかったですか」
石丸氏
 『メディアへの苦言だが、勝ち負けなどと言うあくまで候補者目線の小さな話をする。そういう煽り方をするから国民の意識がダダ下がりなんですよ。いい加減にわかってください』

 司会者やコメンテーターはコテンパン、形なし。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年7月12日 (金)

奇妙なアメリカの移民問題!…共和・民主の正義はいずこに

 910回目のブログです。

20247121

 “世のなかに かしこきことも はかなきも 思ひしとけば 夢にぞありける”
                源実朝(三代将軍・『金槐和歌集』)

 世の中にあるすぐれたことも、とるに足らぬことも、悟ってしまえば夢のようにはかないものだ…。

 世の中には、価値のあるもの、確実なものがあり、一方、無価値な、不確かなものもありますが、これは相対的なものであり、執着するに足りないということを詠っています。

 国内の政局では、7月7日(たなばたの日)、東京都知事選が行われ、極めて興味深い結果となりました。

   ① 小池百合子 2,918,015(票)(当選)
   ② 石丸伸二  1,658,363
   ③ 蓮舫    1,283,262

 投票率は前回よりも5.65%アップの60.62%という高い数値。前知事の小池氏が圧勝したのですが、バックにいる自民党隠しのステルス戦術など各種の戦術が功を奏したものと言えるでしょう。興味深いのは石丸氏の2位と蓮舫氏の3位です。石丸氏は浮動票、若者、SNSの強い支持によって2位という驚くべき次点者となりました。蓮舫氏は、共産党と立憲民主党を強烈なバックとして選挙戦に臨みましたが、多くの浮動票を集めることができませんでした。選挙カーに乗っているのが共産党幹部と立憲民主党幹部ですから、これ、まさしく「立憲共産党」、これで浮動票は逃げてしまいました。戦術の誤りと言わねばなりません。

 さて、米大統領選に向けた1回目の討論会が6月27日行われました。トランプ前大統領とバイデン大統領が、例によって丁々発止のやり取りを期待されていましたが、それは望むべくもありませんでした。と言うのも、バイデン大統領の年齢からくるのか、トランンプ前大統領の口撃や司会者の質問に対して、意味不明の回答や、だらだらした回答や、答えが見つからない無言が続くなど、年齢からくるものか病気からのものか、全く見るも無残な精彩を欠くものでした。

 この討論会の主催者である民主党支持のCNN司会者が最初に取り上げた話題は、有権者が特に重視する「経済と移民問題」。これは、トランプ前大統領が有権者から比較的信頼されているテーマなだけに、この展開はバイデン氏にいっそう不利に作用しました。

 トランプ前大統領はバイデン氏のまとまりのない発言を捉え、「彼が最後に何と言ったのか私は本当に分からない。本人も分かってるとは思えない」と皮肉を言うほどひどいものでした。

 一事が万事。バンデン氏はトランプ氏の攻勢をかわすことが出来ないまま討論会は終了しました。以後直ちに、民主党陣営から、バイデン氏を大統領選から降ろす議論が沸騰しています。

 テレビ画面から見るだけですが、バイデン大統領が、よろけたり、言いよどんだり、言い間違えたり、無言になったり、…、この健康状態では大統領職を全うすることは困難かも知れません。とすれば、替わりの候補者は誰なのかに注視したいと思います。

 今、アメリカの移民問題を考えて見ましょう。アメリカや欧州で大問題となって久しい不法移民や難民を巡るトラブル。…しかしこれらの実情を報ずる日本のメディアは少なく、したがって、わが国民はこの問題に極めて「鈍感」であることも事実です。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題と言わねばなりません。わたしたち日本人は、島国に住んでいる関係上この問題に鈍感ですが、移民問題は世界的なテーマでもあり実態を素直に注視することが大切ではないでしょうか。

 バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度と言われていました。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人。バイデン大統領の下でアメリカに入国した不法移民の数を集めて都市を作ったとしたら、アメリカで1番目に大きな都市になります。(参考:ニューヨーク8,804,190人)

 このまま不法移民を青天井に受け入れ、野放しにしていたら、アメリカ合衆国はどうなるのか、民主党、共和党、の政党の問題ではありません。アメリカ合衆国の崩壊を招く恐れのある国家の重大事と言わねばなりません。

 そこで、バイデン大統領は、6月4日、何と “トランプの移民法” を採用へ。民主党の歴史的な政策転換とまで言われる大統領令を出して米国内で大論争が起こっているにもかかわらず、日本の大マスコミは注目していないのです。マスゴミ!と言われる所以ではないでしょうか。

 バイデン米大統領は6月4日、メキシコ経由の難民希望者の受け入れを制限する大統領令を発令しました。

 今までは、不法入国で捕まった人も難民申請をすれば米国内に釈放されていました。釈放は後日に米国内の指定された裁判所に出頭する事を条件としています。しかしながら、ほとんどの不法移民はそのまま米国に隠れて出頭していませんでした(キャッチ・アンド・リリース問題)。

 バイデン大統領は演説で次のように語りました。

 『単純な真実は、世界的な移民の危機があるということだ。もし米国が国境を安全なものにしなければ、ここに来ようとする人々の数は青天井になる』

 今回のバイデン氏の発表は、アメリカは移民の国であると長年主張してきた大統領と政党(民主党)にとって驚くべき政策転換です。バイデン氏のような民主党議員やその支持者たちは、国境閉鎖に執着するトランプ氏を長年にわたって非難してきました。

 カマラ・ハリス氏(現副大統領)は2017年、「何百万人もの難民に背を向けることはできない」とトランプ氏を非難。2018年、民主党の議員たちは、トランプ氏が亡命の廃止を求めて「偏見の火種」を煽っていると非難。

 しかし、記録的な数の移民が国境を越え、はるか彼方の都市にまで広がるにつれ、移民をめぐる政治は変化してきました。バイデン氏はそれに合わせて調整したのです。(MAG2NEWS大沢氏論稿より)

 アメリカの移民問題は綺麗ごとの人権問題ではなく、国家防衛の課題であり、正義は民主党ではなく共和党にあると考えざるを得ません。

 わが国も、岸田総理の呆けた移民政策を続けていけば「日本国」の崩壊につながるのではないでしょうか。

 埼玉県のクルド人事件を見よ! 欧州各国の移民事件続発を見よ! アメリカの国境崩壊を見よ!

 わたしたちは、もっと真剣に国の将来を、子どもの将来を考えなければならないのではないでしょうか。

 それにしても、なぜ、わが国の大手メディアは世界の重要なニュース(真実)を報道し、それによって、わが国の重要課題の解決に資することをしないのでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年6月28日 (金)

自民党は「自滅」?…それは安倍晋三元首相の暗殺からだった

 909回目のブログです。

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“あじさゐの 八重咲くごとく 弥つ代にを いませ我が背子 みつつ偲はむ”
                       橘諸兄(万葉集)

 紫陽花(あじさい)の花が八重に咲くように、いついつまでも栄えてください。あなた様を見仰ぎつつお慕いいたします…。

 いよいよ梅雨シーズンに入り、あちこちで紫陽花の花を見かけます。紫陽花は日本原産ですから素朴でおおらかな感じがします。あじさいは別名、七変化とも言われ、あじさいの花の色が時期によって変化することから付けられたと言われています。母の日に贈られる紫陽花の色ごとの花言葉は、「青=辛抱強い愛情」「ピンク=元気な女性」「白=寛容」。紫陽花の風情を楽しみたいものです。

 さて、通常国会も終わりを告げ、岸田首相は地力の解散も打てず、周りを見渡しても身の回りを見ても、他党はもとより自民党内からも浮いた存在に陥り、今や四面楚歌といった状況です。

 それは国民による岸田内閣の支持率に明瞭に現れています。世論調査で定評のある時事通信の世論調査(6/7~6/10)を覗いてみましょう。

              支 持    不支持
  【岸田内閣の支持率】  16.4%  57.0%

 16.4%の超低空飛行とは! 岸田内閣の発足半年後の支持率は50%を、不支持率は20%を示していますから、今の数字は異様としか言えません。もはや国民から見放された状況にあると断言できるのではないでしょうか。

 岸田内閣、自民党が、何故このような体たらくになってしまったのかについて考えて見たいと思います。

 自民党が奈落の底へ落ち込む切っ掛けとなったのは、令和4年(2022)7月8日、安倍元首相が暗殺された時からと見ることができます。保守派の主軸、リーダーを失い茫然自失の自民党は、このような危機こそ、あらためて「日本の羅針盤」を掲げて前進すべきではなかったでしょうか。それが、安倍首相へ報いるせめてもの誠意というものだったはずです。

 国家としてのガタガタを天下に示したのが安倍晋三元首相の国葬儀についての国内の騒々しい議論でした。本来、葬儀というものは静謐のなかで粛々と執り行われるべきものが低俗なイデオロギー論争に陥ってしまい、品位を下げたのではないでしょうか。安倍晋三元総理の暗殺は政治的暗殺であったということは決して忘れるべきではありません。

 ところが、どうでしょう。自民党の議員は局面打開のために武者振るい、勇気を持って突き進んだかと言えばそうではありません。岸田首相を筆頭に迷走に次ぐ迷走を重ね今日の事態に至っているのが現状ではないでしょうか。

 まず、岸田首相の本質をどこにあるのか、ちょっと覗いてみましょう。岸田氏には、国益や党益、いわゆる “公益” の観点はありません。基本的に明快な国家観は無く、あるのは、個益、一族益、選挙区益のみです。

 以前の小ブログでも述べましたが、①長男・翔太郎氏の公邸でのどんちゃか騒ぎに参加、②「LGBT法案」を生贄に、バイデン大統領の来日を懇願、そのために岸田夫人の米国派遣と民主党活動家・LGBT推進派バイデン夫人との会談を設定、さらにエマニュエル駐日米国大使の内政干渉を黙認。③外国人移民政策を拡大することにより、実弟の経営する会社(外国人を日本に派遣する業務)に便益を。

 この半年間、政局はパーテイ券裏金問題1色。内外共に課題続出の中でパーテイ券のみで大騒ぎとは、あきれてものも言えません。

 この問題の根本は、上が上なら下も下。自民党総裁(内閣総理大臣)である岸田氏が責任を一切感じておらず、自らに処分もしていない面妖さにあります。そうであれば、いわゆる安倍派5人衆も中途半端な処分で終わり。他の関係議員も軽い処分。(岸田首相は、首相になれば自発的に派閥の会長を辞するという慣例に従わず無視。…見事なほどの鉄面皮、厚顔無恥を示しました)

 要するに、本来は、総裁の立場で自民党を守り正道に戻すことに力を入れるところを、ライバル派閥(清和政策研究会・旧安倍派)壊滅に向けて、嬉々として爪と牙を剥いた岸田宏池会会長の陰湿さに違和感を持ちます。当初、岸田氏は、旧安倍派、二階派などには解散を求めながら自派は知らんぷりでした。

 この無責任極まりない岸田氏の体質は国民、それも保守層、中間層からも冷ややかな目で見られるようになり、それが支持率の低下に表れてきているものと考えられます。

 例えば、岸田首相は、いわゆる減税4万円(年間)の実施をさもお上からの善政のように得意げに語っています。

 ところが、前々回の小ブログで示したように、たばこ増税・所得増税・復興特別所得税の延長・給与所得控除の廃止・配偶者控除の廃止・生命保険料控除の廃止・退職金の非課税枠を廃止・扶養控除の縮小・法人増税・法人税の控除縮小・後期高齢者医療保険の負担増・生前贈与の持ち戻し期間延長・結婚/子育て資金の贈与特例廃止・教育資金一括贈与廃止・介護保険料負担増・国民年金納付期間延長・公的医療保険の上乗せ・森林環境税の創設・厚生年金支給減額・走行距離課税の新設・ケアプランの有料化、など「ステルス増税」のラッシュが明らかになりました。

 これを見て、岸田首相の国民に対する偽善的態度に大きな疑問を挟むのは当然と言わねばなりません。減税の裏に増税あり。減税(プラス)+増税(マイナス)=ゼロ(0)ならばまだ良いのですが、“ 小減税 ”の裏に“ 大増税 ”ですから、岸田首相のしれっとした冷酷な姿勢に反感を抱くのは、国民として当たり前ではないでしょうか。有権者の多くが「岸田政権の減税政策=偽減税だ」と考えていることは間違いありません。庶民は、国民は馬や鹿ではなく、豊かな直観力の持ち主でもあることをゆめゆめ忘れるべきではありません。

 さて、先日、通常国会が無事おわりました。

 まずこれからは猥雑な都知事選挙。緑の古狸(小池氏・みどり色)か赤い狐(蓮舫氏・共産党大支援)か、あるいは他の候補者か。学力詐称あり、二重国籍あり、なんでもあり、玉はなく石ころばかりの今回の都知事選に見えますが、はたして、どのような結果になりますか、見守りたいと思います。

 都知事選の後は、自民党総裁選へ一直線。総裁には最低限、新しい顔であること、そして、国家観、歴史観を持ち、世界を強力にリードする総裁を望みたいものです。はたして、どうなりますか…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年6月14日 (金)

靖国神社の「落書き事件」は「放尿テロ事件」だ!

 908回目のブログです。

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 “ますらをの 愛しき命 積み重ね 積み重ねまもる 大和島根を”
         三井甲之(歌人・明治16年~昭和28年)

 ますらおの犠牲を積み重ね積み重ねして守ってきた日本…。これこそ靖国神社精神そのものであり、目的はあくまでも国家のために命を落とした方々の御霊を祀り崇めることにあります。

 ところが、去る5月31日深夜、とんでもない事件が生じました。中国人の男が靖国神社と彫られた石柱に「放尿」した後、「トイレ」とスプレー落書きし、立ち去る映像が中国のSNSで拡散されたのです。

 警視庁は中国人の犯人を追いかけましたが、時すでに遅く、犯人は既に帰国した後と判明しました。

 ここで、問題なのは、日本のマスメディアの報道です。マスメディアのほとんどは、揃いも揃って、タイトルを『落書き事件』『落書き男』『靖国落書き』と  “落書き ” という表現に矮小化し、“ 放尿 ”というタイトルにしなかったのです。

 「落書き」か「放尿」か、どちらがエグイ表現かは言わずもがな。わが国のマスコミは、中華人民共和国様、日本国外務省、左翼政治家のご機嫌を損ねないように、「放尿」のようなきつい言葉を避け、単なる「落書き」という当りの柔らかい言葉を使い、極上の忖度を示したと云えます。

 ご存知のように、靖国神社は厳かな宗教施設です。そこには亡くなった人たちの魂があるとされ、多くの人が参拝をしている事実を認めなければなりません。そういう「信仰」や「死者の魂」に対して放尿をするという “ 侮辱行為 ” は、通常の「日本政府への抗議」いう次元とはまったく異なる、日本国、日本民族、日本精神、日本歴史に対する極めて悪質な犯罪と言わねばなりません。

 中国に鎮座ましましている習近平総書記も、激しく憎しみ合うような国家・民族間であっても、相手の信仰や尊厳を「放尿」で貶めるというのは人として超えてはいけない一線であることは分かっているようで、日本社会がどのような反応を起こすかじっと眺めているのではないでしょうか。

 世界の放尿事件を見てみましょう。

 2012年、アメリカ海兵隊の兵士が、戦闘で亡くなったタリバン兵遺体に放尿をする動画が流出すると、アメリカは国際社会で大きな批判に晒され、オバマ大統領が謝罪に。

 タイ・バンコクの観光スポットであるチャクリー・マハ・プラサート宮殿でも「中国人の放尿」が問題に。

 昨年10月、中国のSNSにショッキングな動画が投稿。中国を代表するビール青島ビールの製造工場で、青い作業服を着た男性が、大きな原料倉庫のようなものの中に勢いよく放尿をしている映像が。「青島ビール」不買運動まで発展。中国には、残念ながら放尿の文化があり、中国文化の下劣さのひとつと言われています。

 2014年4月、香港の繁華街で中国人観光客が、尿意を催した子どもに路上で立ちションをさせた。その様子を香港人が撮影した動画がネットで拡散して、「本土の連中はもう来ないでくれ」と反中感情に一気に火がつき、「道路で大便、小便をするな!」のシュプレヒコールが上がったと云う。(Daimond online窪田氏論稿)

 ところで、岸田首相や日本政府は、「中国人の放尿事件」を大きな問題として中国政府に突き付けることは一切していません。そういう道を選ばず、自ら「落書き」として騒ぎを小さくしたのです。岸田首相や上川外務大臣には、ここぞという外交力を発揮してほしいものです。本来ならば、岸田首相や上川外務大臣は、習近平総書記や王毅外相に対して、厳かな宗教施設である靖国神社の門柱への中国人の放尿事件に対して怒りの声を上げなければならないのではないでしょうか。あまりにも気弱すぎると考えます。

 気弱と言えば、わが国のマスコミの姿勢ではないでしょうか。気弱というよりも偏向著しいという方がぴったりとするかも知れません。

 わが国のマスメディアがどのような位置にあるのかを見て見ましょう。そのためには世界報道自由度ランキングが一番だと思います。これは、国境なき記者団(RSF)と専門家委員によって世界中の国と地域を報道自由指数(Press Freedom Index)として数値化しものです。評価基準は「政治的背景」「法的枠組み」「経済的背景」「社会文化的背景」「安全性」の5つ。

 それによりますと、世界180ヶ国中、日本は“70位”と先進国中ずば抜けて低いことが指摘されています。とにかく、自主規制、忖度、横並び、「記者クラブ」、お上の言う通り、が蔓延しており、自主独立の精神なんて伺うことができません。

 有力国のランクを見て見ましょう。1位~10位は、ノルウエー、デンマーク、スウェーデン、オランダ、フィンランド、エストニア、ポルトガル、アイルランド、スイス、ドイツ。

 14位カナダ、21位フランス、23位イギリス、27位台湾、39位オーストラリア、46位イタリア、55位アメリカ、61位ウクライナ、70位日本、

 135位香港、159位インド、162位ロシア、172位中国、176位イラン、177位北朝鮮、

 今、中国の「愛国教育」はすさまじいものがあります、また、対日憎悪教育も半端ではありません。そしてそれは、世界戦略として、世界覇権として日々実行されていることを認識する必要があります。

 例えば、8月5日、ロンドン観光名所、イーストエンド。ある夜、突然壁が真っ白に塗りつぶされ、そこに赤いスプレーで「富強」「民主」「文明」「和諧」「自由」「平等」「公正」「法治」「愛国」「敬業」「誠信」「友善」という漢字24文字の落書きが現れました。実行したのは、英国王立芸術大学に留学中の中国人学生。それらの文字の脇には、Socialism Core Values(社会主義核心価値観…これは習近平が推進する政治スローガン)とあります。

 世界覇権への大きな爪と牙に警戒を怠るべきではありません。

 国を滅ぼすのは直接的な「侵略」だけではありません。その国の人々が大切にしている宗教や、先祖への尊崇の気持ちを侮辱して、誇りを捨てさせることも国家滅亡につながっていくことを忘れるべきではありません。

 岸田政権においては、責任感は保持されていると思いますが、国家についての危機感においてはかなり希薄なようで、厳しい認識を望みたいと思う次第です。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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