2024年11月29日 (金)

時代は動いている!…兵庫県知事・再選に思う 

 920回目のブログです。

202411291

  “朝まだき 嵐の山の 寒ければ 紅葉の錦 着ぬ人ぞなき”
          藤原公任(平安中期・拾遺和歌集)

 朝がまだ早く嵐山のあたりは寒いので、山から吹き降ろす風のために紅葉が散りかかり、錦の衣を着ない人はいない…。

 紅葉の名所として有名な京都嵐山の晩秋の景観を詠んでいます。春は桜狩り、秋は紅葉狩り、毎年の恒例とはいうものの、その中に入ればいつ眺めても、自然の美しさに心が奪われてしまいます…。

 ところが、人間社会の動きは、今まさに「激動」という言葉に相応しい荒れようを示しているように思えます。例えば、11月17日投開票が行われた「パワハラ疑惑による知事の失職」に伴う兵庫県知事選について考えてみましょう。

 【兵庫県知事選:結果】

 斎藤 元彦(元総務省理事官)    1,113,911票(45.2%)
 稲村 和美(元兵庫県尼崎市長)    976,637票(39.6%)
 清水 貴之(元参議院議員)      258,388票(10.5%)
 大澤 芳清(尼崎医療生協病院長)    73,862票( 3.0%)
 立花 孝志(NHKから国民を守る党首   19,180票( 0.8%)
 福本 繁幸(レコード会社社長)      12,721票( 0.5%)
 木島 洋嗣(ニュース分析会社社長)        9,114票( 0.4%)
    投票率 55.7% (前回:41.1%)

 斎藤氏は、選挙戦当初は街頭でひとりぽっちの寂しい挨拶からスタートしましたが、中盤から勢いを増し、後半は街頭演説の聴衆も押すな押すなの大盛況、あれよあれよの劇的なトップ当選となったのです。結果的に、パワハラ疑惑をはねのけ、県民・市民の厚い信任を得たことになりました。

 斎藤知事の基本路線は、過去20年にわたる井戸前知事路線との明快な決別でした。

まず着手したのが地域整備事業と分収造林事業による、合計約1,500億円規模の「井戸時代の隠れ負債」の返済。これは、民間の乱開発を防ぐため、県が先回りして土地を買い取り開発した事業のことで、バブル崩壊後の地価下落で負債となっていました。井戸県政の「タブー」に果敢に挑戦したものとして注目されます。

県の外郭団体役員に対し、定年規定を「厳正に適用」。本来、県の内規では65歳定年のところ、井戸県政下で70歳以上にまで延長されていた慣行に、メスを入れました。これに県OBは反発。

県立大学の教育無償化の実施。教育無償化は大阪での維新の目玉政策で、齋藤知事も踏襲。若造に油を攫われたとして自民党文教族が猛反発しました。

県庁舎の建て替え(当初700億円⇒1,000億円⇒1,200億円に増額)を中止し、その予算を全国46位という遅れた教育環境の整備などに回すことにしました。これにも議会は、従来利権がうばわれることとして反発したのでしょう。

 上記の事柄などをバックグラウンドとして、兵庫県政(斎藤知事・県会議員・職員&OB・マスコミ&SNS・県民)に大きな『うねり』が生じたのです。経過をごらんください。

 3/12 西播磨県民局長が県会議員や報道機関などに匿名で
      齋藤知事のパワハラなど7項目に関する「告発文」を送付。
 5/07 県は内部調査を公表「事実ではない」との見解を示し、
        県民局長を停職3ヶ月の懲戒処分に。
 6/13 県議会が百条委員会を設置。
 ・7/07 県民局長が自殺。証人尋問の2週間前だった。
 ・8/30 斎藤知事が百条委員会に初出頭。
      「元県民局長の処分は適切だった」と主張。
 ・9/19 県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決
 9/30 斎藤知事が失職。
 ・11/17 県知事選投開票。斎藤氏が再選される。

 中央政界もガタガタ(日本の恥:石破首相の立ち居振る舞いのだらしなさを見よ!)ならば、それにならって地方政界もがたがた。そのポイントを指摘したいと思います。

 県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決したのですが、斎藤知事失職後の選挙で「再選」とは、まるで戯画(カリカチュア)! としか言いようがありません。少子は全く理解に苦しみます。このことを県会議員はどう考えているのか。

 ユダヤ人イザヤ・ベンダサン(山本七平)は『日本人とユダヤ人』で、「ユダヤ人の古い慣習では、全会一致の決議は無効としている」と記し、“全会一致の決定は場の空気が異論を封殺することで現出することが多い” と指摘しています。兵庫県の議員は田舎芝居ではなく知性ある議論をしてほしいものです。

 当初、斎藤知事の疑惑は、パワハラ(パワーハラスメント)と土産物収賄の疑惑でした。それをマスコミは面白おかしく、パワハラおねだりと称し、連日ワイドショーで視聴率稼ぎの材料にしました。そして、県民局長の自殺の原因を斎藤知事のパワハラにあると議会もマスコミも断定。本来、人の死というものはそんなに単純なものではなく、ましてや「自死」ともなればその因果関係には慎重に当たるべきことは言うまでもありません。

 斎藤知事は、パワハラもおねだりも否定し続けてきました。そして、百条委員会での尋問などのやり取りをめぐるなかで、県庁から支給されている県民局長の『公用パソコン』が俎上にのせられたのです。

 その内、公用PCの内容がどういう訳か漏れ出たのですが、それには戦慄すべき文章と画像が記録されていました。

  ① 一般的個人情報
  ② クーデター計画書(斎藤知事追い落とし)
  ③ 県民局長の不倫行為(乱倫・10年間10人の女性職員と)

 百条委員会の証人尋問を通じて、知事のパワハラ、おねだりの証拠は明らかにならず、県庁職員のアンケートでもほとんどが伝聞であり証拠能力はなしと言わざるを得ません。

 そして、ここで大問題が発生しました。人事権者:県民局長の不倫行為の明瞭な資料が発覚しました。ここで当然考えられるのは、県民局長が自殺したのは、不倫(乱倫)がばれることを恐れたからであり、決して単なるパワハラではなかったのではないかと考えるのが合理的だと考えます。

 百条委員会に尋問された副知事は、公用PCに記録された県民局長の不倫行為については、個人情報の範囲を考慮しつつも、広く県民に公開すべきであると強く主張しましたが、何と、百条委員会の奥谷委員長や、読売新聞記者朝日新聞記者NHK記者は、まるで脅すように、激しく拒否しました(youtubeをごらんください)。信じられません。まるで議会とマスコミがタッグを組んでいるかのように見えます。

 さて、このような雰囲気の中で選挙活動が行われましたが、立花孝志候補(NHKから国民を守る党党首)の、斎藤候補は悪くない、パワハラ・おねだりの証拠は無い、県民局長の自殺要因は自らの不倫関係が要因ではないのか、など、力強い名演説が連日県民の目と耳を引き付け黒山の人だかりを見せました。

 これをきっかけに、勢力は次のように明確に分かれました。

   古い体質利権・県議会・県庁OB・マスコミ(隠蔽)
   斎藤元彦前知事・SNS(youtube)   (公開)

 特に威力を発揮したのが『youtube』。その力をご覧ください。

  ・斎藤元彦の公式チャンネル   再生回数    119(万回)
  ・立花孝志(NHK党党首)動画                1499
      ・                  切り抜き動画                1299
  ・「虎ノ門ニュース」                    554
  ・高橋洋一教授                          201
                  (11/18毎日電子版)

 今回の兵庫県知事選を見て感ずるのは、SNS、特にyoutubeの威力をまざまざと見せつけられたことと、大手メディアのイデオロギーありきの傲慢な姿勢です。自ら発信してきた嘘に気づいているにもかかわらず事実を隠蔽し保身に走ろうとする姿勢は、誠実さの欠片もない極めて歪な存在だと言わざるを得ません。

 これらをまとめて眺めれば、今、時代は急速に動いているように思えてなりません。今年の国内政治を総括すれば、

  ① 東京都知事選における石丸旋風
  ② 自民党総裁選での高市旋風
  ③ 衆議院議員選挙での国民民主党旋風
  ④ 兵庫県知事選挙での斎藤旋風

 マスコミ不信、議会不信、大手メディアの敗北、……そして侮れないネットの威力、いよいよ時代の転換点に差し掛かってきたのではないでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 ご意見をお聞かせくだされば幸いです。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月15日 (金)

米・大統領選…トランプ氏圧勝!

 919回目のブログです。

202411151

“時ありて 花ももみぢも ひとさかり あはれに月の いつもかはらぬ”
               藤原為子(鎌倉・風雅和歌集)

 花も紅葉も、それぞれに決まった時期があって、盛りはひとときだ。ところがあわれ深いことに、月はいつも変わらぬ姿で空にあることです…。

 さまざまに咲き、散る人生。それを思う時、ひとり「月」はいつも変わらない姿で空にあることにあわれを感じさせます。

 有為転変は時の流れと申しますが、先月はわが国においては総選挙が行われ、与党が総崩れ、政局は混乱の極みの様相を示しており、一方、海を渡った米国では今月になって大統領選挙が行われ、マスメデイアの空虚な予想に反して、トランプ前大統領が圧勝するという場面となっています。

 そこで、アメリカ合衆国の大統領選について見ていきましょう。

 【大統領選の結果】
               選挙人数       獲得票数
  トランプ氏(共和党) 312人(58.0%) 7465万票
  ハ リ ス 氏(民主党) 226人(42.0%) 7091万票
        (※過半数270人)

 選挙人の過半数が270人であり、トランプ氏が圧勝となりました。加えて、上院も過半数確定、下院も過半数確保の予定であり、共和党のシンボルカラー赤色になぞらえて『トリプルレッド』の大勝利となりました。

 接戦州の7州を制するかどうかが勝負のわかれ目と言われていましたが、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナ、ジョージア、ネバダ、アリゾナの接戦、激戦7州においてトランプ氏が全勝したのです。見事と言わなければなりません。

 それでは、予測では歴史的な大激戦と言われていたのが、なぜ、共和党トランプ前大統領の地滑り的圧勝になったのか見ていきましょう。

 カマラ・ハリスは、従来のような多くの候補者の中から一人の候補者に選ばれたのではなく、バイデンの支持により多くの候補者との対決を経ずに民主党の大統領選の候補者になったのです。したがって、「台本」が無いと話ができないという致命的な能力不足が露呈しました。

 共和党は、有権者であることを証明するIDの確認を徹底するなどの不正選挙の防止策を強化。(米国では投票にあたっては有権者登録が必要)

 前回の大統領選では、SNSでのトランプ側の情報発信は厳しく制限され、トランプ自身がTwitterから排除されて、情報発信できなくなっていました。今回は、イーロン・マスクがTwitterを買収し、Twitter⇒X、になり、自由な言論空間が確保され、トランプ氏も情報発信が思いのまま出来るようになりました。同じように、Facebookもザッカーバーグが詫びを入れ、トランプは自由な言論活動が可能になりました。トランプ陣営にとっては大きなプラスです。

 トランプ氏勝利の主要な要因のひとつに経済問題が挙げられます。まず、雇用問題ですが、現在の失業率は歴史的に低く、完全雇用と言われる地域も多い。しかし、フルタイムの高給が得られないために、サービス産業で働く若者が多く、人々の心理としては満足には程遠い状況です。したがって、新卒採用の環境や再就職、転職も厳しく、若者の不満は拡大しています。加えて貧富の顕著な格差。

 次に、経済の問題に対する問題は「インフレ・物価高」。ウクライナ戦争を契機としてエネルギーのコストが上昇、高騰した運送費が価格に転嫁。さらに、人件費の高騰があります。わが国では考えられないのですが、ファストフードを含む外食のコストは、コロナ禍前の150%~200%と顕著になっています。ニューヨークでは、ハンバーガーに飲料をつける昼食代が20ドル(3000円以上)というのが常態化しているようです。

 経済に自信を示すのがトランプ氏です。雇用と物価の沈静化に言及したのがトランプ、最新の生活実感の肌感覚から乖離したのがハリス。イデオロギーを超えた国民の切実な要望が経済問題であるとすれば、それに応じたトランプには余裕があり、ハリスは弱点を晒したと言えるのではないでしょうか。

 人種問題については、トランプ氏は相変わらず差別的発言が続きました。ところが「ハイチ移民が犬猫を食べている」「プエルトリコはゴミの島」などの今回の発言は、“エンタメ芸”として受け止められ失点とはならなかったのです。

 そんな中で、ハリス氏の票は、決戦州のジョージア州、ペンシルベニア州では、黒人票も、ヒスパニック票も、4年前のバイデン氏ほどの集票に至らず、これでは、決選州が全てトランプ氏となり、トランプの勝利につながりました。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題と言わねばなりません。バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人。1,100万人+910万人=2,010万人≒2,000万人

 このまま不法移民を青天井に受け入れ、野放しにしていたら、アメリカ合衆国はどうなるのでしょうか。民主党、共和党、の考え方は下記の通りですが、わたしは、アメリカ合衆国の崩壊を招く恐れのある「国家」の重大事と考えます。どうにも、民主党の不法移民青天井受け入れ策は理解できません。

 『民主党』:米国の繁栄への究極の方法は1,100万人ともされる不法入国者に市民権を与え、米国に貢献させることだ(民主党上院・シューマー院内総務)

 『共和党』:不法入国者は民主主義の敵である。不法入国者は速やかに強制送還する。不法入国者の投票防止策を講ずる。不法移民の流入を防ぐため国境の壁を建設する。(トランプ前大統領)

 ・日米のマスメデイアでは、日米両方で「大接戦」と予想していましたが、結果はまるで異なりました。トランプ氏に対しては「民主主義の敵」「ヒトラー」「嘘つき」というヘイトスピーチのオンパレードですが、これはまさに反トランプ錯乱症(TDS:Trump Derangement Syndrome)と言わねばなりません。大統領候補者トランプ氏に投票した米国民7,465万人の人々に対して余りにも失礼ではないでしょうか。品性を疑いたいと思います。

 わが国マスメデイアの偏向の要因は米国のメデイアの偏向をそのまま受け入れていることにあります。右派・共和党系はFOXNEWSのみ、左派・民主党系はHAFFPOST、MSNBC、NEW YORKER、the new york times、VOX、abcNEWS、Bloomberg、CBS NEWS、CNN、The Guardian、NBC NEWS、POLITICO、TIME、USA TODAY、yahoo! News、…。

 さて、先日、石破首相が、トランプ次期米国大統領に、大統領当選の祝福の電話を掛けました。その時間が双方の通訳を含め、合計で5分間………。お互いに同盟国ですから胸襟を開いて緊密さを内外にアピールしてほしいものです。

 内政、外政、共に多事多端わが国の舵取りはどうなるのでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月 1日 (金)

石破首相に鉄槌…与党過半数割る!

 918回目のブログです。

20241111

 “あをによし 奈良の都に たなびける 天の白雲 見れど飽かぬかも”
                   詠み人知らず(万葉集)

 美しい奈良の都の大空に棚引く白雲、あの白雲はいくら見ても見飽きることがない…。

 「あをによし」は奈良の枕詞。本格的な秋空になってきました。その秋空を眺めて見れば、青い空にたなびく白雲の美しさには目を奪われます。古の奈良の都の時も、令和の今日も秋空の美しさに変わりはないのでしょうが、地上における人間模様は大きく違っているのかも知れません。

 10月27日、衆議院議員選挙(総選挙)が投開票され、与党が過半数を大幅に割り、国内政局は動乱含みとなりました。

◎獲得議席数の結果は次の通り。(定数465・過半数233)

         (獲得数)(公示前)
 与党    自民 191 (247)
       公明  24 ( 32)
       (合計215)  ※過半数に▲18
 野党・他  立民 148 ( 98)
       維新  38 ( 44)
       国民  28 (  7)
       れいわ  9 (  3)
       共産   8 ( 10)
       参政   3 (  1)
       保守   3 (  0)
       社民   1 (  1)
       無・他 12 ( 22)
       (合計250)

◎比例代表 党派別得票数・率

         (今回)         (前回)
  自民 1458(万票)26.7(%) 1991(万票)34.6(%)
  立民 1156    21.2   1149    20.0
  国民  617    11.3    259      4.5
  公明  596    10.9    711    12.3
  維新  510      9.3      805    14.1
  れいわ 380      6.9    221      3.8
  共産  336      6.1      416      7.2
  参政  187      3.4     ―      ―
  保守  114      2.1       ―      ―
  社民   93      1.7    101      1.7

 数字を眺めると、自民は247⇒191と▲56の大幅減、公明も32⇒24と▲8の大幅減。与党は完敗、壊滅的敗北というべきでしょう。一方、立民は98⇒148と◎50の大幅増、国民は7⇒28と、これまた◎4倍の大幅増。維新は44⇒38と不振。

 比例代表の数字を見れば、自民の凋落、公明の大幅減、維新の天井打ち、国民、れいわの大幅増が目立ちます。

 何故、このような結果となったのでしょうか。石破首相は、敗北の原因は、自民党一部議員の政治資金不記載(俗に裏金という)が国民の怒りを買ったのだと述べていますが、果してそうなのかどうか、良く考えて見たいと思います。

 結論的に言えば、自民党敗北の原因は、石破首相のブレにブレた言行不一致の政治姿勢、政治資金不記載(裏金)の処理、及び、恣意的で不明朗な党内処罰、の2点にあったのではないかと考えます。これは、すべて「石破首相/森山幹事長」の責任と言わねばなりません。

 ・ “ 衆議院解散日の設定 ” について、石破首相は、「全閣僚出席型の予算委員会というものを一通りやり、国民の判断材料を提示し、決して国民に不誠実な態度だけは取りません」と繰り返し述べたにもかかわらず、予算委員会も開かず、超早期の解散を行ったのです。開いた口が閉じられないとはこのこと。国民はバカではない、舐めるなと言いたい。

 「アジア版NATOをつくる」「金融所得課税」「日米地位協定の改定」などの重要な政策はすべて撤回。石破首相は高尚な理想を語っていると自負しているのでしょうが、政治家の理想は現実化してはじめて評価されるものです。石破氏のビヘイビアは、無責任な「夢想家」と断じざるを得ません。いい加減にしてほしいものです。石破首相の政治課題が何なのかは皆目不明、政治家の風上にも置けない言行不一致を露呈しています。こんなに“信”の置けない政治家は、わたしの永い人生で見たこともありません。

 自民党執行部(石破・森山、裏の岸田)は、今回の総選挙の争点を政治と金一本にしました。立憲民主党などの野党にしてみればこんなに美味しいテーマはありません。マスコミも援護射撃してくれ、掘れば掘るほど粗が出てくる可能性もあり、立民などにマイナスはほとんどゼロです。これを争点にした自民執行部の個利個略、派利派略の自らまいた浅ましい欲呆けの結果が今回の総選挙と言えるでしょう。

 本来ならば、国民のために、自民党のために、国家のために、という観点で選挙対策を練るべきであり、永年の怨念や他派征伐としての術策から有益なものは生まれてきません。

 政治資金不記載の件について。東京地検に立件起訴された、安倍派、二階派、岸田派それぞれの会計責任者についてはこれで法的には決着させる。(自民党議員の処理は)不記載分はすべて「使途不明金」として、延滞分も含めた税金を納税することとする。…とすれば、何の問題もなかった。税金をごまかそうとする卑しい心根が政治家の足元をすくうことになったのです。

 選挙戦の最後に自民党の足元を掬ったのはしんぶん赤旗の驚愕のスクープ。自民党が、裏金問題で非公認とした候補者が代表を務める党支部に、公示後になって2,000万円を振り込んでいたと報じたのです。

 いわゆる裏金議員を非公認にすると決めたのは、総選挙の直前に開かれた石破首相・森山幹事長・小泉選対委員長の会議。その時に2,000万円の活動費の支給を、『岸田前首相の方針』として引き継ぐことに決まったのです。

 裏金に反省の色がない自民党。国民が、使途不明金、脱税、に疑惑を持っている時、2,000万円という大金を燃料投下、めらめらと燃え盛るのは誰が見ても想像がつくもの。石破・森山・岸田各氏の感受性の無さにはあきれてものも言えません。政治家なんてやはり極めて鈍感な人達なのでしょうか。

 石破総理へ。虚ろな目と猜疑心ありありの顔、その陰鬱な表情はもう見たくもないという、わたし達国民の評価が、今回の総選挙に表れたものではないでしょうか。即刻、内閣総理大臣を辞任して頂くことが国民の負託にこたえることになるものと考えます。

 石破総理は壊滅的な大敗を喫した翌日、記者会見で何と続投を示しました。総理自身が設定した与党過半数(233議席)という勝敗ラインを割り込む大敗の責任をとらずに、政権に居座ろうとするのは大いなる間違いであり、潔く辞職すべきです。選挙は「信」を問うものであり、不信任となれば、正統性はないという最大の審判が下されたことになります。憲政、選挙の常道に従うべきではないでしょうか。

 石破総理! 日本国民のトップとしての矜持を示すべきです。速やかに決断のほどを。日本国民の全てがそれを待っています。

 加えて公明党も惨憺たる有様。議席数は32⇒24、▲8と大幅減。比例についても、前回711万票⇒今回596万票、▲115万票と大幅減。さらに、石井啓一代表、佐藤茂樹副代表も落選するとは、創価学会の高齢化による弱体化著しく、「公明党」そのものの政界からの引退を検討する段階に来ていることを示唆していると思われます。

 最後に、悠久の歴史のなかの今日、この秋の清涼な季節において、万葉集に繋がる青い空と白い雲を虚心坦懐に眺めるためにも、落ち着いた政治(まつりごと)が行われる地上であってほしいと願うものです。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年10月18日 (金)

石破内閣に「信」はあるか‥衆議院選に問う!

 917回目のブログです。

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 “鳴き弱る 籬の虫も 止めがたき 秋の別れや かなしかるらむ
             紫式部(平安中期「紫式部集」)

 (詞書)その人、遠きところへ行くなり。
     秋の果つる日来たるあかつき、虫の声あはれなり。

 垣根のキリギリス(コオロギ、鈴虫などを含む)の鳴き声が弱まっている。それにつけても秋の別れを止めることは出来ないものだなあ…。

 朝晩は涼しさを増し、凌ぎやすい気候になってきました。それにしても、もう10月の中旬ですから本格的な秋となってもおかしくありません。

 ところで、秋の虫の音を美しいと思うのは、日本人とポリネシア人のみであり、わたしたち日本人は「左脳」で認知するため、「美しい」と感ずるようです。欧米人は、虫の音を「右脳」で認識するため、「雑音」として聞き流してしまうと言われています。日本人の繊細さがここでも発揮されていると考えれば生まれつきの幸運を喜びたいものです。それにしても、秋をもっとゆっくりと鑑賞したいものです。

 さて、いよいよ総選挙(衆議院議員選挙)が行われますが、新しく総理大臣になった自民党の石破茂総裁の発言がブレにブレぶれ、物議をかましていますので、注目したいと思います。

(1)衆議院解散日の設定

 解散時期について、石破氏は「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」(9/27)、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」(8/24)

 それが、あろうことか、石破氏は、解散は10月12日、選挙は10月27日と決定。そして、全閣僚出席型の予算委員会を開き国民に向かって目指すところを示すという誠実な態度は一切示さず、国民を裏切りました。

 組閣(大臣の任免)と解散(議員の任期停止)は、首相のもっとも重要な2つの仕事ですが、解散の日程を決めることができなかった石破氏は実質的な首相権限をもっておらず、決めたのは、森山幹事長と言われています。何たる不様なことでしょうか。

(2)日銀の独立(金融オペレーションに政府は関与しないこと)

 植田日銀総裁と会って、当面、緩和的に(=利上げをせず)にいくとして、日銀の金融政策に関与。

 日銀の株式は、財務省が55%を持つので、政府の連結子会社です。総裁・副総裁も政府が任命。これを見れば、日銀が政府から独立しているのというのは、国民向けの嘘です。その嘘を、自分が就任したあと株価が下がって選挙に悪影響があるということから金融筋が予想していた12月利上げ(8月以来の0.25%→0.50%)はなく、0.25%の緩和のままとして、前言を撤回しました。

(3)「アジア版NATOをつくる」

 石破首相は「所信表明演説」で触れず! どういうこと?

(4)「金融所得課税」

 これも「所信表明演説」で触れず! やる気なし どういうこと?

(5)「日米地位協定の改定」

 これも「所信表明演説」で触れず! どういうこと?

(6)「政治資金不記載」(いわゆる裏金問題)に関して

 「政治資金不記載」については、派閥として東京地検に立件起訴されたのは、安倍派、二階派、岸田派それぞれの会計責任者です。

 そして、4月4日、自民党の処分としては下記のとおり。

    離党勧告         2名
    党員資格の停止(1年間) 2名
       〃   (半年間) 1名
    党の役職停止(1年間)  9名
       〃  (半年間)  8名
    戒告          17名 (合計39名)

 加えて、今回の総選挙においての収支報告書 不記載自民党前議員に対する処罰は下記のとおりとなりました。

   党から公認されず、無所属で立候補   10人
   党から公認も、重複立候補認められず  34人

 党執行部である、石破(総理)・森山(幹事長)・小泉(選対委員長)は、基本的に『どんな事情があったとしても収支報告書に記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない』と合意したうえで、「不記載があった議員を公認する場合は,比例での重複立候補は不可とする」「特定の条件を満たす議員については公認を認めない」と決定。上記のような線引きとなったものです。

 これに該当する前議員のほとんどは清話会(いわゆる安倍派)、彼らの怒りはすさまじく選挙後は大変な抗争になるのではないでしょうか。

 しかし、不記載(いわゆる裏金)は、岸田氏の派閥や石破氏においても生じており、彼らは「単純なる事務的なミス」だとして逃れようとしていますが、それは “ダブルスタンダード” “不誠実” “不道徳” というものではないでしょうか。

 それにしても、石破首相は、BBS(ブレ/ブーメラン/スキャンダル)、変節の名手、すべてにブレブレ、こんなに言葉の軽い総理大臣を見たことがありません。『綸言汗の如し』(天子の言葉は、出た汗が体内に戻らないように、一度口から出れば取り消すことができない)という言葉もあります。言行不一致もいいところ、私たち国民を見下げないでいただきたいものです。

 失礼ついでに。石破総理は、重要閣僚である総務大臣に村上誠一郎氏を抜擢しました。村上氏は安倍首相の国葬の折、故安倍晋三元総理大臣に対して国賊” と罵倒し、役職停止1年の処分を受けた経緯があります。このような非礼極まりない人物を重要閣僚に抜擢する石破総理は、人間として正常な判断力を有しているとは思えません。正常な心をお持ちになり、わたし達国民を舐めないでいただくことを切望します。

 さいごに。総選挙の結果がどのようになるのか、10月27日の投開票日を待ちたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年10月 4日 (金)

自民党総裁選…異聞!

 916回目のブログです。

20241041

 “すむとても いくよもあらじ 世のなかに 曇りがちなる 秋の夜の月”
              藤原公任(平安中期・三十六歌仙)

 仲秋の八月、月が雲に隠れたのを見て詠んだ歌。

 月がよく澄むといっても幾夜もあるまい。雲に隠れて光を失うことの多い秋の夜の月なのだ…。(人がこの世に住むといってもそう長くはあるまい。人生もいろいろ支障が多く心身をそこなうものだ)。

 

 漸く秋の肌寒さを感ずる季節になりました。それでも、日中は夏日を示す日々が続いており、今年の天気予報では秋が短いそうで、紅葉のタイミングを上手く選び、今年こそは情趣に富む紅葉狩りと行きたいものです。

 9月27日、候補者が9名も立候補するという狂騒の自民党総裁選の投票が行われ新総裁が選出されました。

 まず、総裁選の結果を見てみましょう。

 【開票結果】(有効投票総数735票)

         (議員票)(党員票)   (合計)
 高市早苗    72   109   181
 石破 茂    46   108   154
 小泉進次郎   75    61   136
 林 芳正    38    27    65
 小林鷹之    41    19    60
 茂木敏充    34    13    47
 上川陽子    23    17    40
 河野太郎    22     8    30
 加藤勝信    16     6    22

 ※過半数獲得者なしにより、上位2名で決選投票。

 【決戦投票結果】(有効投票総数409票)

       (議員票)(都道府県票)(合計)
 石破 茂   189    26   215
 高市早苗   173    21     194

 さて、ここで総裁選の異聞を記してみたいと思います。

 1回目の投票で、高市早苗氏がトップでしたが、決選投票で石破茂氏に逆転されました。高市氏を支援した純粋保守派はもとより、高市早苗さん自身も悔しい思いをしたのではないかと思います。この裏にどのような工作やかけひきがあったのでしょうか。

 投票日の2~3日前から、決選投票について、反高市のグループが、高市氏に投票しそうな議員に対して、「中国が右派の高市に反発している。公明党・学会は高市を支持する議員には選挙協力はできないと言っている。落選してもいいのか…」との恫喝まがいの言葉を吐いているとのうわさが広がっていました。中国共産党の動き、それを受けた自民党媚中派の動き、怖いですね…。

 アメリカの高官が、高市氏の靖国参拝に厳しい異議を唱え、内政干渉を積極化していると言われています。確かに、過去何度も、アメリカは日本の政治に容喙(くちばしをいれること)してきましたし、また、それを許してきました。その意味では「日本」は半人前の独立国と言うべきかもしれません。

 そもそも、今回の新総裁選びは、不承々々退任する岸田首相の言葉によれば、自民党の「刷新感」を醸し出すことでした。

    女性ならば ⇒ 高市早苗さん、上川陽子さん
    若手ならば ⇒ 小林鷹之氏49歳、小泉進次郎氏43歳

ではなかったのでしょうか。ところが、ふたを開けて見れば、岸田首相は、古いイメージのベテラン石破茂氏を自分が率いる旧派閥ぐるみで推し…。そのうえ、岸田首相はキングメーカーに鎮座するという、したたかなやり口、まさに口あんぐり、公よりも私に傾き過ぎていると言わざるを得ません。

 最下位の加藤勝信氏の得票をご覧ください。議員票で16票しか投票されていないんです。候補者は立候補するためには20人の推薦人を集めなければなりません。得票数の中には、候補者加藤氏の1票がふくまれていますので、5人が加藤氏に「背信」したことになります。義理も人情もなく、誠実さも真摯さもない人間の屑とも言える自民党議員が少なくとも5人は存在することは明らかです。加藤氏に投票しないのであれば推薦人になるべきではありません。国会議員は公的存在ですから。

 決選投票で石破氏215票、高市氏205票。石破氏の投票数から僅か11票が高市氏側に留まっていれば高市氏が当選していたことになります。

 その点を考えるうえで、高市早苗さんの選挙参謀を担った選挙の神様藤川晋之助氏の発言は示唆に富んでいます。(ユーチューブチャンネル「選挙ドットコム」より)

 決選投票直前の石破氏と高市氏の演説について「2人ともあまり格調高くないなと思った。1番注目される時ですから。これが歴史に残る言葉だから、党員がグッとくるキーワードが少なかった」と苦言を。

 藤川氏は「彼女は日本初の女性総理の実現ということを一切使わないんです。上川陽子さんはずっと言ってた。(高市氏は)男女関係ない。能力のある人が頑張るべきというのが彼女の思想。それはいいんだけど。

 一般大衆に訴えるのに女性初の総理というのは、あの時こそ言って。
  “日本が変わっていく大きなきっかけになる。
  “私はその使命を背負ってる。

ぐらいのことを言ってたら、もうちょっと違ってたかな」と悔やんでいます。

 悔やんでも悔やみきれない票差ですが、捲土重来を期していただきたいと切望します。

 最後に、9/27日の新総裁選出後の会見で石破氏は、解散時期について「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」

 8月には、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」

 「総理に就任したら衆議院を解散する前に国会で全ての閣僚が出席して質疑を行う予算委員会を開催する」と繰り返し述べていたのです。

 ところが、あろうことか、9/30日、石破氏は、衆院を早期解散し10月27日に投開票を行うことを表明したのです。国民を無視、党内を優先。何と、わずか3日での手のひら返し

 新総理大臣・石破茂氏は、しょっぱなから国民を裏切りました。

    『民信無くば立たず』(論語・顔淵)

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年9月20日 (金)

自民党総裁選…石破・高市・小泉の接戦?

 915回目のブログです。

20249201

 “世の中は なにか常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる”
              詠み人知らず(古今和歌集)

 この世の中は、いったい何が変わらないのか、不変のものは何一つない。飛鳥川の流れも昨日淵であった所が今日はもう浅瀬に変わっている…。

 世の中の移り変わりが速いことを詠んだものです。

 季節はもう秋という絶好の時を迎えているにもかかわらず、世のなかは、自民党総裁選で盛り上がり、ヒートアップも尋常ではなく、未だに暑い日々が続いています。

 9月12日、総裁選の告示日に、何と9人という多数の候補者が立候補しました。いままで人材が不足していると指摘されてはいましたが、老若男女、左派リベラルから右派保守系まで、この9人、ある意味でバラエティに富んでいるのではないでしょうか。

 ここで、信頼性の高いと言われている情勢調査を見てみましょう。

 【党員・党友:日テレ情勢調査:JX通信社】
      9月5日(告示日前)

  石破 茂(元幹事長67)    28(%)
  小泉進次郎(元環境相43)   18
  高市早苗(経済安全保障相63) 17
  上川陽子(外相71)       7
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5
  林 芳正(官房長官63)     4
  河野太郎(デジタル相61)    3
  青山繁晴(参議院議員72)    3
  茂木敏充(幹事長68)      2
  加藤勝信(元官房長官68)    2
  野田聖子(元総務相64)     1
  斎藤 健(経済産業相65)    0

 【党員・党友:日テレ情勢調査:JX通信社】
        9月13日(告示日後)

  石破 茂(元幹事長67)    25(%)
  高市早苗(経済安全保障相63) 22
  小泉進次郎(元環境相43)   19
  上川陽子(外相71)       9
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5
  林 芳正(官房長官63)     5
  河野太郎(デジタル相61)    3
  茂木敏充(幹事長68)      3
  加藤勝信(元官房長官68)    1

 JX通信社は選挙情勢調査では定評があります。

 小子は、いつも疑問に思っているのですが、自民党の総裁は自民党の党員・党友が選ぶものであり、マスコミは、支持率調査に関しては一般有権者ではなく、自民党員・党友を対象に調査すべきではないのでしょうか。そう考えれば、上の日テレが委託したJX通信社の情勢調査は党員・党友に限っての調査ですから、妥当な調査とみることができます。

 告示日前と後では、上位の順位が大きく変わり、告示日後では、①石破茂、②高市早苗、③小泉進次郎、となっていることに注目しましょう。

 マスコミの従来の一般国民の情勢調査では小泉進次郎氏を最有力視していましたが、それが崩れつつある理由を考えて見ます。

聖域なき規制改革として「整理解雇」の要件緩和をかかげましたが、進次郎氏以外の候補者から総スカンをくらい、「緩和ではなく見直しだ」と大幅にトーンダウン。メインの政策を4日で引っ込めるなんて、出鱈目、軽薄の誹りを免れません。ネットでは「前言撤回が早すぎる」「言葉が軽すぎる」「やっぱり知的レベルが低い」など非難囂々。もう、小泉発言はボロボロ、これでは米国大統領、プーチン大統領、習近平主席などと肩を並べられないのではないか。

選択的夫婦別姓を積極的に推進し1年以内に結論を出す」と明言したことで、小泉支持者の党員が大幅に離反したと判断されています。

いわゆる「進次郎構文」の不明朗さと幼稚さ。語彙力の低さが露呈して、情報としての機能を為していない言葉が多い。(たとえば、上川外相から、首相になれば来年のカナダG7サミットで何を発信するのかと問われて)「トルドー首相が就任した歳が43歳で、わたしは今、43歳だ。トップ同志が胸襟を開き、新たな未来志向の外交を開いていく」また、他の構文では「政治に無関心であることは政治に無関心のままでいられる」…など、とほほという以外の言葉しかありません。

自民党が小泉氏を総裁(総理)に担ぎあげようとするのは国民に対して不誠実な対応と言わねばなりません。若さに優れたものがあると言ってもものには限度があるのではないか。

 失われた30年を取り戻すには、積極経済が求められます。この観点から、企業経営者サイドから見た自民党総裁候補者を上げてもらったデータをご覧ください。

 【自由民主党の総裁選挙について:東京商工リサーチ】9月9日
 日本経済・貴社ビジネスの発展に寄与すると思うのは誰ですか

  高市早苗(経済安全保障相63) 24.3(%)1,447(社)
  石破 茂(元幹事長67)    16.9   1,005
  小泉進次郎(元環境相43)    8.3     492
  青山繁晴(参議院議員72)    6.2     367
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5.2     310
  河野太郎(デジタル相61)    4.8     286
  林 芳正(官房長官63)     4.0     239
  上川陽子(外相71)       3.1     186
  茂木敏充(幹事長68)      2.6     156
  斎藤 健(経済産業相65)    1.4      83
  加藤勝信(元官房長官68)    0.6      35
  野田聖子(元総務相64)     0.5      29
   寄与すると思う人物はいない  21.7

 増税路線にSTOP! を掛けるのは下記の2氏のみ。

     茂木敏充(幹事長)    『増税ゼロ宣言』を
   高市早苗(経済安全保障相)『積極財政路線』を

他の方は増税論者です。したがって、失われた30年を取り戻し、成長路線に引き戻すには大変勇気ある人物でなければならないと思います。

 さあ、果たして誰が日本丸の船長に選ばれ、荒れ狂う大海原を無事航海できるのでしょうか。期待を込めて、政局を見守りたいと思う次第です。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年9月 6日 (金)

岸田首相の“功”と“罪“!

 914回目のブログです。

2024961

 “荻の葉の そよぐ音こそ 秋風の 人の知らるる 始めなりけれ”
                  紀貫之(拾遺和歌集)

 荻の葉が風にたなびき、そよそよと立てる音こそ秋風が人に気づかれる最初のことであった…。

 初秋とは言っても、今回の台風10号ののろのろ迷走は困ったもので、大型の風、竜巻、豪雨、洪水、地すべりなどにより私たちの日常生活は大変なことを強いられました。天が狂い、地も狂う。史上空前というべきこの現象は、何やら昨今の政治情勢、政局を象徴しているようにも思えてなりません。

 8月14日、岸田文雄首相(自民党総裁)は、9月に予定される総裁選に出馬せず、退陣すると表明しました。自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受け「組織の長としての責任を取る」としたものですが、今頃になっての自己責任論とは、不承不承の感は免れません。

 ここで、在任期間およそ3年弱の岸田首相の功罪について考えて見たいと思います。

 まず、功罪の “功” を見てみましょう。

(1) 防衛力の抜本的強化

   ・反撃能力の保有(国家安全保障戦略など3文書を改定)
     安倍政権からの引き次ぎとは言え大きな実績でしょう。
   ・防衛費のGDP比2%への増額を明記

(2) エネルギー政策の大転換

   ・原発の再稼働
   ・次世代原発の開発、建設の検討
   ・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出の断行

(3) 外交の成果

   ・日韓関係の改善(慰安婦、徴用工、ホワイト国指定)
   ・ウクライナ訪問
   ・広島サミット(バイデン米大統領らを原爆資料館へ)
     本来なら、世界に広く認知されていない長崎で行うべき。

 次に、功罪の “罪” を見てみましょう。

(1)大幅増税路線を歩んだこと

   ・たばこ増税、所得増税、復興特別所得税の延長、
    給与所得控除の廃止、配偶者控除の廃止、生保控除の廃止、
    退職金の非課税枠を廃止、扶養控除の縮小、法人増税、
    法人税の控除縮小、後期高齢者医療保険の負担増、
    生前贈与の持ち戻し期間延長、教育資金一括贈与廃止、
    結婚/子育て資金の贈与特例廃止、介護保険料負担増、
    国民年金納付期間延長、公的医療保険の上乗せ、
    森林環境税の創設、厚生年金支給減額、
    走行距離課税の新設、ケアプランの有料化

   ※あるは、あるは……、
    財務省のポチ⇒増税メガネ⇒増税クソメガネ⇒増税王
    と、国民から糞味噌に言われたのも肯けます。

(2)LGBT法の拙速な成立

  ・バイデン大統領の原爆資料館訪問のバーターとして、米民主党肝いりの「LGBT法」を党内議論をほとんど行わず強権的に成立させました。ご存知のように、広島は岸田首相の選挙区。これは、私益を国益に優先させたもの。これにより、コア保守層は嫌&反岸田となりました。文化破壊の元凶として罪を問われなければなりません。

(3)移民政策の積極的推進

 ・岸田首相は「外国人は日本の宝」というフレーズを多用し、わが国の人口政策を移民によって解決しようとする姿勢に前のめりです。

 わが国においてつい最近生じた移民の暴動がどんなものか、今一度、振りかえってみましょう。埼玉県川口市で昨年7月、トルコの少数民族クルド人ら約100人が病院周辺に殺到、県警機動隊が出動する騒ぎとなり、救急の受け入れが約5時間半にわたってストップしました。同市では近年、クルド人と地域住民との軋轢が表面化しています。(日本国内の外国人のうち約7万人が不法滞在者!)

 このような状況が各地で多発しているにもかかわらず、政府は、外国人を日本に派遣する会社を支援しようとする『外国人支援コーディネーターの養成の在り方等に関する検討会』を開きました。外国人を日本に派遣する派遣事業者への支援のために、多額の金額を投入することを検討。ところが、何ということか、岸田文雄首相の実の弟である岸田武雄氏は、外国人を日本に派遣する会社「フィールジャパンwith k」の社長なのです。つまり、移民政策を拡大すれば拡大するほど、喜ぶのは岸田武雄氏(弟)というわけです。

 岸田首相の功と罪を見てきましたが、そこに見えるのは、「公」よりも「私」国益よりも私益、一族益ではないでしょうか。折角、外交に手腕を発揮しようとしてはいたのでしょうが、これでは国民の信を得られず、残念ながら、政権は瓦解と相なりました。

 岸田首相は、就任時、誰よりも「聞く力」「聞く耳」を持っていると豪語していましたが、今は跡形もありません。

 考えても見てほしい。もしも、岸田首相が国民の声を聞く力を持っていたならば、政治資金の裏金処理で安倍、二階派議員ら39人を処分しながら、自らを処分の対象外にしたことなどは、無責任の極みと言わねばなりません。それを、今頃になって、総裁選に不出馬することで責任を取ったことにするとは、その責任感の鈍感さにあきれ果てる次第です。

 自民党総裁選の結果がどうなるか、興味津々です。国家観、歴史観の確りした方が新総裁に選出されることを望みたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年8月23日 (金)

大乱戦・自民党総裁選はどうなる…予測を見てみよう!

 913回目のブログです。

20248231

 “吹く風の 涼しくもあるか おのづから 山の蝉鳴きて 秋は来にけり”
             源実朝(鎌倉三代将軍・金槐和歌集)

 吹く風は涼しいことだ。いつのまにか山の蝉が鳴き出して秋はやってきたのだなあ…。

 相変わらず、熱暑、猛暑、酷暑が続き、熱中症に気を付けながらの毎日です。こんな時ですから頭がぼーとして、難しい思考はとても出来ず、どうしようかと迷っていた時に、試しにインターネットを渉猟してみました。

 政界は、今、自民党総裁選で大盛り上がり。未だ候補者も確定していない段階であるにもかかわらず、総裁選に関する興味あるデータが見つかりましたので、暑気払いにご参考ください。

【清水克彦氏(政治・教育ジャーナリスト)の採点を参考】(8/15)

 (1)経験値、(2)新鮮度、(3)外交力(特に対米、対中)、(4)安全保障に関する知見、(5)内政(経済対策、少子化対策、DX、防災等)の5つの観点から、A(十分5点)、B(まあまあ十分4点)、C(普通3点)、D(不十分2点)、E(未知数・判定不能3点)で採点してみる。

河野太郎デジタル相(61) ジョージタウン大卒
  (1)A (2)B (3)A (4)A (5)A  24点

高市早苗経済安保相(63) 神戸大経営卒
  (1)B (2)B (3)B (4)A (5)A  22点

上川陽子外相(71) 東大教養卒、ハーバード大院修了
  (1)B (2)B (3)A (4)B (5)B  21点

石破茂元幹事長(67) 慶大法卒
  (1)A (2)D (3)B (4)A (5)C  19点

小林鷹之前経済安保相(49) 東大法卒、ハーバード大院修了
  (1)D (2)A (3)D (4)A (5)E  17点

野田聖子元少子化担当相(63) 上智大外国語卒
  (1)B (2)B (3)D (4)D (5)A  17点

小泉進次郎元環境相(43) 関東学院大経済卒、コロンビア大院修了
  (1)D (2)A (3)E (4)E (5)D  15点

【自民党総裁選】高橋洋一教授のミカタ(8/17)

 5段階評価の人物評・点数

             (経験)(新鮮)(内政)(外交) (計)
高市早苗経済安保相(63)  5  5  4  4  18

河野太郎デジタル相(61)  5  3  3  4  15

上川陽子外相(71)     3  5  4  2  14

茂木敏充幹事長(68)    5  1  4  4  14

石破茂元幹事長(67)    5  1  4  3  13

小林鷹之前経済安保相(49) 2  5  3  3  13

加藤勝信元官房長官(68)  3  3  3  3  12

林芳正官房長官(63)    5  1  4  2  12

小泉進次郎元環境相(43)  2  5  2  1  10

【自民党総裁選】KSI(紀尾井町戦略研究所)(8/16)

 ◎全国18歳以上の男女1000人を対象に緊急オンライン調査

   【全体】(%)      【自民党支持層】(%)

石破 茂   15.4      高市早苗   19.7
高市早苗   11.8      石破 茂     13.9
菅 義偉    6.9      河野太郎   12.7
小泉進次郎   6.8      菅 義偉   12.7
河野太郎    6.1      小泉進次郎  11.6 
上川陽子    5.3      上川陽子    4.6
小林鷹之    1.3      茂木敏充    2.9
茂木敏充    1.2      野田聖子    1.7
青山繁晴    1.0      小林鷹之    1.2
林 芳正    0.9      青山繁晴    0.6 
野田聖子    0.7      福田達夫    0.6
福田達夫    0.2      林 芳正    0.0
齋藤 健    0.2      齋藤 健    0.0
加藤勝信    0.0      加藤勝信    0.0
上記以外の人 11.4      上記以外の人  2.3
わからない  30.8      わからない  15.6

 政治/教育ジャーナリスト・清水克彦氏と、著名な数量経済学者・高橋洋一教授の人物評の採点を眺めますと、マスコミの評価とギャップがあるように感じます。マスコミは世論調査においては丁寧な調査と的確な分析を行ってほしいと思います。自らのイデオロギーに社会を引っ張っていこうとするのは避けるべきではないでしょうか。

 3点目のKSI(紀尾井町戦略研究所)の緊急オンライン調査は大変参考になります。国内全体では石破氏がトップですが、自民党支持層に限定すれば高市氏がリードしていることを明瞭に示しています。自民党総裁選は、自民党員と国会議員によって行われるものであり、自民党支持層の人気度が問われているのではないでしょうか。

 それにしても、大乱戦の様相を呈している総裁選。これから1ヶ月、各候補者に政策において大いなる論争を期待します。大事なことは、立派な首相を選ぶことであり、間違っても私利私欲に走る人物を選ばないで欲しいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年8月 9日 (金)

トランプかハリスか…その時「日本」はどうする! 

 912回目のブログです。

2024891

 “夏と秋と 行きかふ空の かよひぢは かたへ涼しき 風や吹くらむ”
             凡河内躬恒(平安前期・古今和歌集)

 去る夏と、来る秋とがすれ違う空の通路では、片側は来る秋で涼しい風が吹いていることだろう…。

 現在の8月7日立秋の前日に詠んだ歌。

 猛暑、熱暑、酷暑、うだるような日が連日のように続いていますが、平安の古においては、立秋の言葉を聞けば、涼しき風が秋の側から吹いてくるのでしょうか。…雅な心境ですね。

 茹だる夏と言えば、株価の暴落、日銀・政府の政策間違い、米大統領戦の行く末、相変わらずの世界各地の戦争、そして、パリ五輪の熱狂、など挙げれば枚挙にいとまもありません。

 さて、熱戦続く米大統領選に目を向けたいと思います。

 民主党は、バイデン氏の大統領選撤退宣言から副大統領のハリス氏の登場で、1週間で300億円の資金調達を果たすなど、好感度急上昇が伝えられており、カマラ・ハリス氏が8/6、正式に民主党の大統領候補になりました。

 世論調査ではハリス氏がトランプ氏に追いつきそうだとの観測をしていますが、米国のマスコミは圧倒的に民主党支持であり、また今は、ハリス氏のハネムーン期間であることを勘案すれば、真の人気度が分かるのは今少し時間がかかるのではないでしょうか。

 今回の大統領選挙の国民の主な関心は、経済(インフレ)、不法移民、中絶権利です。経済(インフレ)に関しては民主党も共和党も同じ対処、中絶権利もトランプが民主党に妥協し各州の判断に任せるとしていますからほぼ同じ、不法移民だけは民主、共和で対処は大きく異なります。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題。わたしたち日本人は、島国に住んでいる関係上この問題に極めて鈍感ですが、移民問題は世界的なテーマでもあり実態を素直に注視しなければなりません。

 バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度と言われていました。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は公式カウントで730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人、したがって、不法移民は総計で2,000万人を越える人数であり、これが犯罪やギャングの温床になるのは火を見るよりも明らかです。

 さすがに、バイデン大統領は、6月4日、何と“トランプの移民法”を採用し、メキシコ経由の難民希望者の受け入れを制限する大統領令を発令したのです。

 ところで、過去、カマラ・ハリス氏は2017年何百万人もの難民に背を向けることはできないとトランプ氏を厳しく非難。2018年には、民主党の議員たちも、トランプ氏が亡命の廃止を求めて「偏見の火種」を煽っていると非難しました。不法移民について、ハリス氏は何も解決策を提示せず流れに任したままであり、まるで不法移民の認識を持っていないように見えます。

 ハリス氏とトランプ氏は不法移民の受け入れに対しては真逆の姿勢。果たしてハリス氏が正しいのかトランプ氏が正しいのか、9月に行われるであろうハリスとトランプの丁々発止の討論会が見ものです。

 もしも、トランプ氏が大統領になったらわが国は米国にどう対応すればよいのでしょうか。トランプ氏の主張に耳を傾けて見ましょう。

 トランプ氏の主張「中国から製造業を取り戻す」「不法移民の流入を防ぎ雇用を取り戻す」「シェールオイルの採掘の復活」「EV優先政策を終了」「世界の警察を辞める」(守って欲しいならば金を払え)「中国製品への高関税」

 …わが国は、トランプの主張に積極的に従わざるを得ないのではないか。安全保障については早急に自立の道を模索しなければならないだろう。

 トランプ氏「ウクライナ支援の中止」(ウクライナ/ロシア戦争)「イスラエルへの資金援助を凍結」(イスラエル/ハマス戦争)」

 …わが国は、それぞれの戦争の締結に賛意を表す以外に道はない。トランプ氏が、国際金融資本、軍産複合体、巨大IT企業、グローバリズムと対立していることをわれわれは認識しなければならないだろう。

 トランプ氏「国連に懐疑」(国連、および配下の諸機関)

 …中国が国連の諸機関に資金提供で懐柔していることに留意し、わが国は、米国以上に国連に警戒感を持たねばならない。

 トランプ氏「米国は自国ファーストでいく」「地球温暖化に疑義」(温室効果ガス排出削減パリ協定離脱)「自動車産業の救済」

 …米国がトランプ大統領ならば、わが国も自国ファーストでいくことを求められるに違いなく、それに速やかに対処しなければならない。

 トランプ氏「日本の自立を求める」(日本の問題は日本で解決せよ)

 …長期的に考えると、トランプ氏は、米軍の海外基地を整理したいと考えているのではないか。また、NATOからの脱退も視野に入れているかもしれない。

 …台湾有事についても、その時、米国が即時に対応してくれるかは不透明である。「台湾有事は日本有事」と日本が考えるならば、まず、日本が動かなければならないことを覚悟しなければならない。とすれば、早急な “憲法改正” に踏み込むことを決断しなければならないのではないか。

 もしも、トランプ氏が大統領に就任すれば、日本は自立を余儀なくされるのは間違いないと思われます。誠に残念ながら、もう、安倍首相はおられません! ある意味で、わが国はチャンスを迎えたことにもなりますが、重い~重い課題を背負うことにもなるのではないでしょうか。

 そう考えれば、今回の自民党総裁選(即ち次期内閣総理大臣選択)は、我欲からではなく日本の国益を忠実に守る立場からの選択を望みたいと思います。

 最後に、アメリカは、過去、多くの戦争を引き起こしたリベラル民主党のハリス氏を選ぶのか、戦争を回避しようとする共和党のトランプ氏をえらぶのか、果たしてどのような結果になるのか、息をひそめて見守りたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年7月26日 (金)

「既存政党」の終わりの始まり…石丸ショック!

 911回目のブログです。

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  “蓮葉の にごりの染まぬ 心もて なにかは露を 玉と欺く”
                                     遍昭(平安前期・古今和歌集)

 蓮の葉(はちすのは)は、濁った水の中に生えていながら、濁りに染まらない清らかな心を持っている。なのに、葉に置く露を玉に見せかけて、人の目を欺くのはどうしてだろうか…。

 作者は平安時代六歌仙の一人。この歌は『法華経』の中のある経文を典拠とし、「世間の法に染まざること、蓮華の水に在るが如し」…蓮の葉にある露のきらりとした品のある美しさを見事に歌い上げたものです。

 相変わらず暑い日が続きますが、熱戦、激戦を繰り広げた7月7日(七夕の日)の東京都知事選を振り返ってみたいと思います。都知事選は、56人の立候補者の選挙ポスター掲示板の数不足、猥褻な写真の掲示、掲示板の売買、学歴詐称、二重国籍、「女の闘い」などなど、従来にない猥雑な都知事選が繰り広げられました。そして、結果は、極めて興味深いものになりました。

  ① 小池百合子 2,918,015(票)(当選)
  ② 石丸伸二  1,658,363
  ③ 蓮舫    1,283,262

 特に、マスコミの注目を集めたのは、石丸伸二・前安芸高田市長の初挑戦とは思えない刮目すべき選挙戦の盛り上がりと、その結果の165万票というとてつもない獲得票です。

 石丸氏は、広島県の安芸高田市長を1期務めましたが、とにかく、議会とは徹底して対立姿勢を貫き、議員に向かって「恥を知れ!恥を!」という過激な言葉を発するほどでした。

 一般的に言えば、地方議会は馴れ合いで事を進めることが普通ですが、その馴れ合い政治を一貫して否定したのです。したがって、議員とはそりが合わず、そればかりか、メディア(安芸高田市では中国新聞)とも丁々発止とやりあいました。

 この姿を見れば、何とも幼稚、傲慢、上から目線に見えるかもしれません。石丸氏の考えは、相手を職業人として対等に議論しようとすることのようで、本人は何も突飛な、いじけた人格の持ち主ではないと自己判断しています。

 石丸氏は、毀誉褒貶、都知事選後マスメディアから、対話の手法や「石丸構文」という特異な論理展開で、物議をかましています。彼の人間性、人格というものがどのようなものであるか、彼がトリックスターか否か。youtubeで下記を検索して、石丸市長の講演から判断してみることをお薦めします。

        youtube『あきたかた二十歳のつどい』
     石丸伸二市長メッセージ(2024年1月7日)
     広島県安芸高田市公式ちゃんねる(登録者数23.5万人)

 今回の都知事選の姿を点描してみれば、自民党は立候補者さえ出せず、古い金権体質を引きずったまま、自民党・公明党はステルス(裏)で小池氏を支援というどす黒さ。蓮舫氏は、立憲民主党および共産党、俗にいう「立憲共産党」の支援を受け、街宣車に両党の幹部が同乗、これでは無党派層はドン引き。石丸氏は、SNSを駆使するなど、独自の選挙戦略をたて、際立った存在をアピール。既存メディアは、石丸氏がこれほどの票を獲得するかまったく読めず、選挙判断力の無さを露呈、メディアとしては完敗。

 なぜ、このような選挙戦になったのか、考えて見ましょう。

 ・石丸陣営の布陣

   石丸伸二(京大・三菱銀行・ニューヨーク駐在・安芸高田市長)
   鳥羽博道(ドトールコーヒー創業者)
   藤川晋之助(選挙プランナー・“選挙の神様” 選対事務局長)
   小田全宏(実業家・松下政経塾・選挙本部長)
    エール /堀江貴文(実業家)ひろゆき(実業家)

 これは、共産党から自民党までを含む「旧来の既存の政治」の外側に、新たな対立軸が現れて来ていると見ることもできます。これまで百数十の選挙に携わった  “選挙の神様”  藤川晋之助氏が、①ボランティアが5500人(!)も駆け参じポスター貼りなど行ったこと、②228回に及ぶ街頭演説に立錐の余地のない多数の聴衆が耳を傾けたこと、③WEBでの政治献金が3億円以上も集まったこと…など、過去にない異例な現象に涙を浮かべている映像は感動的でした。

 この動きは、これまで政治に関心を寄こさなかったグループの鮮烈な政治活動の胎動を暗示するものではないでしょうか。このグループの人々は、SNSで活動する個人、起業家、スタートアップ企業・IT企業のメンバーなどの世の中の勝ち組であり、デジタルイノベーションを本旨とするものだと考えられます。

   『デジタルイノベーション』(digital innovation)
    デジタル技術を駆使して、新しい価値を生み出し、
    社会に変化をもたらすこと。

 ここで、著名な実業家・堀江貴文氏の注目すべき発言をご覧ください。

 「(自民党に対抗できる勢力は)マネーと志と戦略があったら作れる。前明石市長の泉房穂さんは、次の総選挙で政権を取れるぐらいの発言をしている。(中略)彼のところに前澤友作のような人が1,000億円を入れると言ったら政治は変わる。そこにインフルエンサーも絡んできたら、小選挙区も比例も一気に獲得して、政権交代する可能性はあると思う。」(23/12/1『ABEMA TIMES』)

 政界においては、一寸先は闇といわれています。30年間ほとんど変化のなかった日本社会、今、変革の時代、転換点を迎えたように思いますが、みなさん如何でしょうか。

 最後に、メディアと石丸氏との応答を。

メディア
 「得票は予想を上まわったか」
石丸氏
 『なんという愚問か。最初から負けることを考えるバカはいない』

日テレ:コメンターター社会学者の古市憲寿氏
 「どうやら石丸さんが2位らしい。嬉しかったですか」
石丸氏
 『メディアへの苦言だが、勝ち負けなどと言うあくまで候補者目線の小さな話をする。そういう煽り方をするから国民の意識がダダ下がりなんですよ。いい加減にわかってください』

 司会者やコメンテーターはコテンパン、形なし。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年7月12日 (金)

奇妙なアメリカの移民問題!…共和・民主の正義はいずこに

 910回目のブログです。

20247121

 “世のなかに かしこきことも はかなきも 思ひしとけば 夢にぞありける”
                源実朝(三代将軍・『金槐和歌集』)

 世の中にあるすぐれたことも、とるに足らぬことも、悟ってしまえば夢のようにはかないものだ…。

 世の中には、価値のあるもの、確実なものがあり、一方、無価値な、不確かなものもありますが、これは相対的なものであり、執着するに足りないということを詠っています。

 国内の政局では、7月7日(たなばたの日)、東京都知事選が行われ、極めて興味深い結果となりました。

   ① 小池百合子 2,918,015(票)(当選)
   ② 石丸伸二  1,658,363
   ③ 蓮舫    1,283,262

 投票率は前回よりも5.65%アップの60.62%という高い数値。前知事の小池氏が圧勝したのですが、バックにいる自民党隠しのステルス戦術など各種の戦術が功を奏したものと言えるでしょう。興味深いのは石丸氏の2位と蓮舫氏の3位です。石丸氏は浮動票、若者、SNSの強い支持によって2位という驚くべき次点者となりました。蓮舫氏は、共産党と立憲民主党を強烈なバックとして選挙戦に臨みましたが、多くの浮動票を集めることができませんでした。選挙カーに乗っているのが共産党幹部と立憲民主党幹部ですから、これ、まさしく「立憲共産党」、これで浮動票は逃げてしまいました。戦術の誤りと言わねばなりません。

 さて、米大統領選に向けた1回目の討論会が6月27日行われました。トランプ前大統領とバイデン大統領が、例によって丁々発止のやり取りを期待されていましたが、それは望むべくもありませんでした。と言うのも、バイデン大統領の年齢からくるのか、トランンプ前大統領の口撃や司会者の質問に対して、意味不明の回答や、だらだらした回答や、答えが見つからない無言が続くなど、年齢からくるものか病気からのものか、全く見るも無残な精彩を欠くものでした。

 この討論会の主催者である民主党支持のCNN司会者が最初に取り上げた話題は、有権者が特に重視する「経済と移民問題」。これは、トランプ前大統領が有権者から比較的信頼されているテーマなだけに、この展開はバイデン氏にいっそう不利に作用しました。

 トランプ前大統領はバイデン氏のまとまりのない発言を捉え、「彼が最後に何と言ったのか私は本当に分からない。本人も分かってるとは思えない」と皮肉を言うほどひどいものでした。

 一事が万事。バンデン氏はトランプ氏の攻勢をかわすことが出来ないまま討論会は終了しました。以後直ちに、民主党陣営から、バイデン氏を大統領選から降ろす議論が沸騰しています。

 テレビ画面から見るだけですが、バイデン大統領が、よろけたり、言いよどんだり、言い間違えたり、無言になったり、…、この健康状態では大統領職を全うすることは困難かも知れません。とすれば、替わりの候補者は誰なのかに注視したいと思います。

 今、アメリカの移民問題を考えて見ましょう。アメリカや欧州で大問題となって久しい不法移民や難民を巡るトラブル。…しかしこれらの実情を報ずる日本のメディアは少なく、したがって、わが国民はこの問題に極めて「鈍感」であることも事実です。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題と言わねばなりません。わたしたち日本人は、島国に住んでいる関係上この問題に鈍感ですが、移民問題は世界的なテーマでもあり実態を素直に注視することが大切ではないでしょうか。

 バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度と言われていました。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人。バイデン大統領の下でアメリカに入国した不法移民の数を集めて都市を作ったとしたら、アメリカで1番目に大きな都市になります。(参考:ニューヨーク8,804,190人)

 このまま不法移民を青天井に受け入れ、野放しにしていたら、アメリカ合衆国はどうなるのか、民主党、共和党、の政党の問題ではありません。アメリカ合衆国の崩壊を招く恐れのある国家の重大事と言わねばなりません。

 そこで、バイデン大統領は、6月4日、何と “トランプの移民法” を採用へ。民主党の歴史的な政策転換とまで言われる大統領令を出して米国内で大論争が起こっているにもかかわらず、日本の大マスコミは注目していないのです。マスゴミ!と言われる所以ではないでしょうか。

 バイデン米大統領は6月4日、メキシコ経由の難民希望者の受け入れを制限する大統領令を発令しました。

 今までは、不法入国で捕まった人も難民申請をすれば米国内に釈放されていました。釈放は後日に米国内の指定された裁判所に出頭する事を条件としています。しかしながら、ほとんどの不法移民はそのまま米国に隠れて出頭していませんでした(キャッチ・アンド・リリース問題)。

 バイデン大統領は演説で次のように語りました。

 『単純な真実は、世界的な移民の危機があるということだ。もし米国が国境を安全なものにしなければ、ここに来ようとする人々の数は青天井になる』

 今回のバイデン氏の発表は、アメリカは移民の国であると長年主張してきた大統領と政党(民主党)にとって驚くべき政策転換です。バイデン氏のような民主党議員やその支持者たちは、国境閉鎖に執着するトランプ氏を長年にわたって非難してきました。

 カマラ・ハリス氏(現副大統領)は2017年、「何百万人もの難民に背を向けることはできない」とトランプ氏を非難。2018年、民主党の議員たちは、トランプ氏が亡命の廃止を求めて「偏見の火種」を煽っていると非難。

 しかし、記録的な数の移民が国境を越え、はるか彼方の都市にまで広がるにつれ、移民をめぐる政治は変化してきました。バイデン氏はそれに合わせて調整したのです。(MAG2NEWS大沢氏論稿より)

 アメリカの移民問題は綺麗ごとの人権問題ではなく、国家防衛の課題であり、正義は民主党ではなく共和党にあると考えざるを得ません。

 わが国も、岸田総理の呆けた移民政策を続けていけば「日本国」の崩壊につながるのではないでしょうか。

 埼玉県のクルド人事件を見よ! 欧州各国の移民事件続発を見よ! アメリカの国境崩壊を見よ!

 わたしたちは、もっと真剣に国の将来を、子どもの将来を考えなければならないのではないでしょうか。

 それにしても、なぜ、わが国の大手メディアは世界の重要なニュース(真実)を報道し、それによって、わが国の重要課題の解決に資することをしないのでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年6月28日 (金)

自民党は「自滅」?…それは安倍晋三元首相の暗殺からだった

 909回目のブログです。

20246281

“あじさゐの 八重咲くごとく 弥つ代にを いませ我が背子 みつつ偲はむ”
                       橘諸兄(万葉集)

 紫陽花(あじさい)の花が八重に咲くように、いついつまでも栄えてください。あなた様を見仰ぎつつお慕いいたします…。

 いよいよ梅雨シーズンに入り、あちこちで紫陽花の花を見かけます。紫陽花は日本原産ですから素朴でおおらかな感じがします。あじさいは別名、七変化とも言われ、あじさいの花の色が時期によって変化することから付けられたと言われています。母の日に贈られる紫陽花の色ごとの花言葉は、「青=辛抱強い愛情」「ピンク=元気な女性」「白=寛容」。紫陽花の風情を楽しみたいものです。

 さて、通常国会も終わりを告げ、岸田首相は地力の解散も打てず、周りを見渡しても身の回りを見ても、他党はもとより自民党内からも浮いた存在に陥り、今や四面楚歌といった状況です。

 それは国民による岸田内閣の支持率に明瞭に現れています。世論調査で定評のある時事通信の世論調査(6/7~6/10)を覗いてみましょう。

              支 持    不支持
  【岸田内閣の支持率】  16.4%  57.0%

 16.4%の超低空飛行とは! 岸田内閣の発足半年後の支持率は50%を、不支持率は20%を示していますから、今の数字は異様としか言えません。もはや国民から見放された状況にあると断言できるのではないでしょうか。

 岸田内閣、自民党が、何故このような体たらくになってしまったのかについて考えて見たいと思います。

 自民党が奈落の底へ落ち込む切っ掛けとなったのは、令和4年(2022)7月8日、安倍元首相が暗殺された時からと見ることができます。保守派の主軸、リーダーを失い茫然自失の自民党は、このような危機こそ、あらためて「日本の羅針盤」を掲げて前進すべきではなかったでしょうか。それが、安倍首相へ報いるせめてもの誠意というものだったはずです。

 国家としてのガタガタを天下に示したのが安倍晋三元首相の国葬儀についての国内の騒々しい議論でした。本来、葬儀というものは静謐のなかで粛々と執り行われるべきものが低俗なイデオロギー論争に陥ってしまい、品位を下げたのではないでしょうか。安倍晋三元総理の暗殺は政治的暗殺であったということは決して忘れるべきではありません。

 ところが、どうでしょう。自民党の議員は局面打開のために武者振るい、勇気を持って突き進んだかと言えばそうではありません。岸田首相を筆頭に迷走に次ぐ迷走を重ね今日の事態に至っているのが現状ではないでしょうか。

 まず、岸田首相の本質をどこにあるのか、ちょっと覗いてみましょう。岸田氏には、国益や党益、いわゆる “公益” の観点はありません。基本的に明快な国家観は無く、あるのは、個益、一族益、選挙区益のみです。

 以前の小ブログでも述べましたが、①長男・翔太郎氏の公邸でのどんちゃか騒ぎに参加、②「LGBT法案」を生贄に、バイデン大統領の来日を懇願、そのために岸田夫人の米国派遣と民主党活動家・LGBT推進派バイデン夫人との会談を設定、さらにエマニュエル駐日米国大使の内政干渉を黙認。③外国人移民政策を拡大することにより、実弟の経営する会社(外国人を日本に派遣する業務)に便益を。

 この半年間、政局はパーテイ券裏金問題1色。内外共に課題続出の中でパーテイ券のみで大騒ぎとは、あきれてものも言えません。

 この問題の根本は、上が上なら下も下。自民党総裁(内閣総理大臣)である岸田氏が責任を一切感じておらず、自らに処分もしていない面妖さにあります。そうであれば、いわゆる安倍派5人衆も中途半端な処分で終わり。他の関係議員も軽い処分。(岸田首相は、首相になれば自発的に派閥の会長を辞するという慣例に従わず無視。…見事なほどの鉄面皮、厚顔無恥を示しました)

 要するに、本来は、総裁の立場で自民党を守り正道に戻すことに力を入れるところを、ライバル派閥(清和政策研究会・旧安倍派)壊滅に向けて、嬉々として爪と牙を剥いた岸田宏池会会長の陰湿さに違和感を持ちます。当初、岸田氏は、旧安倍派、二階派などには解散を求めながら自派は知らんぷりでした。

 この無責任極まりない岸田氏の体質は国民、それも保守層、中間層からも冷ややかな目で見られるようになり、それが支持率の低下に表れてきているものと考えられます。

 例えば、岸田首相は、いわゆる減税4万円(年間)の実施をさもお上からの善政のように得意げに語っています。

 ところが、前々回の小ブログで示したように、たばこ増税・所得増税・復興特別所得税の延長・給与所得控除の廃止・配偶者控除の廃止・生命保険料控除の廃止・退職金の非課税枠を廃止・扶養控除の縮小・法人増税・法人税の控除縮小・後期高齢者医療保険の負担増・生前贈与の持ち戻し期間延長・結婚/子育て資金の贈与特例廃止・教育資金一括贈与廃止・介護保険料負担増・国民年金納付期間延長・公的医療保険の上乗せ・森林環境税の創設・厚生年金支給減額・走行距離課税の新設・ケアプランの有料化、など「ステルス増税」のラッシュが明らかになりました。

 これを見て、岸田首相の国民に対する偽善的態度に大きな疑問を挟むのは当然と言わねばなりません。減税の裏に増税あり。減税(プラス)+増税(マイナス)=ゼロ(0)ならばまだ良いのですが、“ 小減税 ”の裏に“ 大増税 ”ですから、岸田首相のしれっとした冷酷な姿勢に反感を抱くのは、国民として当たり前ではないでしょうか。有権者の多くが「岸田政権の減税政策=偽減税だ」と考えていることは間違いありません。庶民は、国民は馬や鹿ではなく、豊かな直観力の持ち主でもあることをゆめゆめ忘れるべきではありません。

 さて、先日、通常国会が無事おわりました。

 まずこれからは猥雑な都知事選挙。緑の古狸(小池氏・みどり色)か赤い狐(蓮舫氏・共産党大支援)か、あるいは他の候補者か。学力詐称あり、二重国籍あり、なんでもあり、玉はなく石ころばかりの今回の都知事選に見えますが、はたして、どのような結果になりますか、見守りたいと思います。

 都知事選の後は、自民党総裁選へ一直線。総裁には最低限、新しい顔であること、そして、国家観、歴史観を持ち、世界を強力にリードする総裁を望みたいものです。はたして、どうなりますか…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年6月14日 (金)

靖国神社の「落書き事件」は「放尿テロ事件」だ!

 908回目のブログです。

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 “ますらをの 愛しき命 積み重ね 積み重ねまもる 大和島根を”
         三井甲之(歌人・明治16年~昭和28年)

 ますらおの犠牲を積み重ね積み重ねして守ってきた日本…。これこそ靖国神社精神そのものであり、目的はあくまでも国家のために命を落とした方々の御霊を祀り崇めることにあります。

 ところが、去る5月31日深夜、とんでもない事件が生じました。中国人の男が靖国神社と彫られた石柱に「放尿」した後、「トイレ」とスプレー落書きし、立ち去る映像が中国のSNSで拡散されたのです。

 警視庁は中国人の犯人を追いかけましたが、時すでに遅く、犯人は既に帰国した後と判明しました。

 ここで、問題なのは、日本のマスメディアの報道です。マスメディアのほとんどは、揃いも揃って、タイトルを『落書き事件』『落書き男』『靖国落書き』と  “落書き ” という表現に矮小化し、“ 放尿 ”というタイトルにしなかったのです。

 「落書き」か「放尿」か、どちらがエグイ表現かは言わずもがな。わが国のマスコミは、中華人民共和国様、日本国外務省、左翼政治家のご機嫌を損ねないように、「放尿」のようなきつい言葉を避け、単なる「落書き」という当りの柔らかい言葉を使い、極上の忖度を示したと云えます。

 ご存知のように、靖国神社は厳かな宗教施設です。そこには亡くなった人たちの魂があるとされ、多くの人が参拝をしている事実を認めなければなりません。そういう「信仰」や「死者の魂」に対して放尿をするという “ 侮辱行為 ” は、通常の「日本政府への抗議」いう次元とはまったく異なる、日本国、日本民族、日本精神、日本歴史に対する極めて悪質な犯罪と言わねばなりません。

 中国に鎮座ましましている習近平総書記も、激しく憎しみ合うような国家・民族間であっても、相手の信仰や尊厳を「放尿」で貶めるというのは人として超えてはいけない一線であることは分かっているようで、日本社会がどのような反応を起こすかじっと眺めているのではないでしょうか。

 世界の放尿事件を見てみましょう。

 2012年、アメリカ海兵隊の兵士が、戦闘で亡くなったタリバン兵遺体に放尿をする動画が流出すると、アメリカは国際社会で大きな批判に晒され、オバマ大統領が謝罪に。

 タイ・バンコクの観光スポットであるチャクリー・マハ・プラサート宮殿でも「中国人の放尿」が問題に。

 昨年10月、中国のSNSにショッキングな動画が投稿。中国を代表するビール青島ビールの製造工場で、青い作業服を着た男性が、大きな原料倉庫のようなものの中に勢いよく放尿をしている映像が。「青島ビール」不買運動まで発展。中国には、残念ながら放尿の文化があり、中国文化の下劣さのひとつと言われています。

 2014年4月、香港の繁華街で中国人観光客が、尿意を催した子どもに路上で立ちションをさせた。その様子を香港人が撮影した動画がネットで拡散して、「本土の連中はもう来ないでくれ」と反中感情に一気に火がつき、「道路で大便、小便をするな!」のシュプレヒコールが上がったと云う。(Daimond online窪田氏論稿)

 ところで、岸田首相や日本政府は、「中国人の放尿事件」を大きな問題として中国政府に突き付けることは一切していません。そういう道を選ばず、自ら「落書き」として騒ぎを小さくしたのです。岸田首相や上川外務大臣には、ここぞという外交力を発揮してほしいものです。本来ならば、岸田首相や上川外務大臣は、習近平総書記や王毅外相に対して、厳かな宗教施設である靖国神社の門柱への中国人の放尿事件に対して怒りの声を上げなければならないのではないでしょうか。あまりにも気弱すぎると考えます。

 気弱と言えば、わが国のマスコミの姿勢ではないでしょうか。気弱というよりも偏向著しいという方がぴったりとするかも知れません。

 わが国のマスメディアがどのような位置にあるのかを見て見ましょう。そのためには世界報道自由度ランキングが一番だと思います。これは、国境なき記者団(RSF)と専門家委員によって世界中の国と地域を報道自由指数(Press Freedom Index)として数値化しものです。評価基準は「政治的背景」「法的枠組み」「経済的背景」「社会文化的背景」「安全性」の5つ。

 それによりますと、世界180ヶ国中、日本は“70位”と先進国中ずば抜けて低いことが指摘されています。とにかく、自主規制、忖度、横並び、「記者クラブ」、お上の言う通り、が蔓延しており、自主独立の精神なんて伺うことができません。

 有力国のランクを見て見ましょう。1位~10位は、ノルウエー、デンマーク、スウェーデン、オランダ、フィンランド、エストニア、ポルトガル、アイルランド、スイス、ドイツ。

 14位カナダ、21位フランス、23位イギリス、27位台湾、39位オーストラリア、46位イタリア、55位アメリカ、61位ウクライナ、70位日本、

 135位香港、159位インド、162位ロシア、172位中国、176位イラン、177位北朝鮮、

 今、中国の「愛国教育」はすさまじいものがあります、また、対日憎悪教育も半端ではありません。そしてそれは、世界戦略として、世界覇権として日々実行されていることを認識する必要があります。

 例えば、8月5日、ロンドン観光名所、イーストエンド。ある夜、突然壁が真っ白に塗りつぶされ、そこに赤いスプレーで「富強」「民主」「文明」「和諧」「自由」「平等」「公正」「法治」「愛国」「敬業」「誠信」「友善」という漢字24文字の落書きが現れました。実行したのは、英国王立芸術大学に留学中の中国人学生。それらの文字の脇には、Socialism Core Values(社会主義核心価値観…これは習近平が推進する政治スローガン)とあります。

 世界覇権への大きな爪と牙に警戒を怠るべきではありません。

 国を滅ぼすのは直接的な「侵略」だけではありません。その国の人々が大切にしている宗教や、先祖への尊崇の気持ちを侮辱して、誇りを捨てさせることも国家滅亡につながっていくことを忘れるべきではありません。

 岸田政権においては、責任感は保持されていると思いますが、国家についての危機感においてはかなり希薄なようで、厳しい認識を望みたいと思う次第です。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年5月31日 (金)

岸田内閣の支持率↓・賃金↓・増税↑!

 907回目のブログです。

20245311

 “明日ありと 思ふ心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは”
       親鸞(鎌倉前期~中期、浄土真宗の宗祖)

 今日も美しく咲き誇っている桜であるが、明日もまだ見られるだろうと思っていても、その夜のうちに嵐が吹いて強い風を受けて散ってしまうかもしれない…。

 未来の不確実さ、人生の無常を説いた歌です。

 さて、安倍首相の時は、自民党は選挙に圧勝を続け自公連立で悠々とした過半数を占め、政局をリードしてきた感があります。ところが、私利私欲、無責任を露骨に表面に出してきた昨今の岸田首相は、自民党の裏金問題や経済社会政策に関して国民から総スカンの状況に陥っているように思えます。

 去る4月28日の衆院補欠選挙では、島根1区で敗北、長崎3区で不戦敗、東京15区でも不戦敗、自民党は全敗という不様な結果となりました。

 そして、つい先日の5月26日の静岡県知事選挙では、立憲民主党・国民民主党が推薦する候補者が、自民党推薦の候補者を破り当選しました。

 今の岸田内閣および自民党はがたがたの状態であり、危機的な状況にあると言わねばなりません。とりあえず、世論調査を見ましょう。

 【5月度世論調査】(時事通信)

     ≪政党支持率の推移≫ %

          3月   4月   5月
  自 民 党  17.7 15.3 15.7
  立憲民主党   4.7  3.8  5.1
  日本維新の会  3.6  3.5  2.1
  公 明 党   2.8  3.6  2.6
  共 産 党   1.6  1.6  1.2
  国民民主党   1.0  0.7  0.9
  れいわ新選組  1.6  1.2  0.8
  参 政 党   0.3  0.7  0.8
  支 持 な し    64.8  66.9 66.9

岸田文雄首相に自民党総裁任期が切れる9月以降も続けてほしい
 との回答はわずか「6.0%」だった。

岸田内閣の支持率は、「支持する18.7%」「不支持55.6%」

政治資金規正法の首相の対応 、
         「評価する8.7%」「評価しない72.9%」

政権のあり方 「自民党中心の政権33.2%」 「政権交代43.9%」

 吃驚したのは、岸田首相に自民党総裁任期が切れる9月以降も続けてほしいとの回答がわずかに6%!とは。すでに人心が遠のき、国民からの岸田首相への信頼感が無くなっている証左かも知れません。まさに、今、信なくば立たずではないでしょうか。

 【賃金の動向に関して】

 岸田首相はことあるごとに「賃金と物価の好循環」を目指していると述べていますが、果たしてどうなっているのか実態を見て見ましょう。 厚生労働省が4月8日発表した2月の毎月勤労統計調査によりますと、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比1.3%減少し、減少は過去最長に並ぶ23カ月連続となったのです。

 実質賃金が23ヶ月減少しては、個人消費を拡大し日本経済を成長軌道に乗せることは出来ません。ともかく、安定した賃上げの継続が不可欠であり、来年以降もその持続力が求められているのではないでしょうか。

 それには「春闘」の活性化が必要です。春闘とは、労働組合と企業の経営陣が賃金の引き上げなどを交渉する「春季労使交渉」のことです。そして、本来は労使間で交渉が行われるものですが、10年前から、政府が経済界に賃金の引き上げを要請するという「官製春闘」が行われています。なぜ政府から指導されなければならないのか、経営者の自立心の欠如、労働組合の堕落をここに見る思いがします!

 2023年の春闘では、賃上げ率が3.6%と30年ぶりの高水準となり、24年も5%を超える賃上げが見込まれています。しかし、春闘での賃上げが経済全体の賃上げを必ずしも反映しておらず、「賃金構造基本統計調査」によると、23年の賃上げ率は、小企業で3.3%、中企業で2.8%であったのに対して、大企業ではマイナス0.7%でした(35~54歳年齢層でマイナス、非正規雇用での穴埋めによる)。

 【増税路線】

 岸田政権の最大の問題は、裏金問題ではなく増税路線であり、それも、世に言う「ステルス増税」ではないでしょうか。岸田首相の増税による日本潰しがどれほど過酷で巧妙なものか、長くなりますが、とりあえずご覧ください。(納税通信第3799号より)

 ≪ステルス増税構想≫

たばこ増税
  本体は健康の観点からたばこの消費を抑制するためのものだが、
  防衛費の財源として24年より増税予定。

所得増税
  防衛費を確保するため24年から増税は決定しているが、定額減税
  が所得税から行われるため矛盾するとして時期検討中。

復興特別所得税の延長
  3.11復興目的に37年までの予定だが、防衛費増のために
  14~20年延長が議論中。

給与所得控除の廃止
  現行は30%控除されているが3%に減率することでサラリーマン
  には大打撃の可能性。

配偶者控除の廃止
  扶養控除のない15歳以下との公平性確保と女性の「年収の壁」
  問題解消のために廃止を検討。

生命保険料控除の廃止
  生命保険は元本よりも大きなお金がもらえる可能性がある点が
  個人投資と変わらないとされ、見直しを検討中。

退職金の非課税枠を廃止
  「勤続年数×40万円」の控除が認められていたが、雇用の流動性を
  妨げているとして廃止が検討されている。

扶養控除の縮小
  扶養控除の縮小が見直される見込み。一方、児童手当を高校生
  まで支給対象に広げ控除縮小とのバランスが問われている。

法人増税
  防衛費確保のため付加税方式で4%~4.5%予定。
  中小企業などへの配慮として、上乗せ分を計算する際、
  法人税額から「所得が2400万円の相当の税額」控除予定。

法人税の控除縮小
  賃上げによる税優遇措置で3%以上賃上げした大企業の
  控除縮小案が中小企業への優遇と同時に検討されている。
  大企業には実質的に増税になる可能性がある。

後期高齢者医療保険の負担増
  出産育児一時金の一部を75歳以上も負担するようになる。
  段階的に負担対象者を増やす方針で、24年4月からは年収
  211万円超の人を対象に月平均430円を徴収。25年4月からは
  年収153万円超の人を対象に付き平均430円を徴収。

生前贈与の持ち戻し期間延長
  生前贈与制度に関するもので死亡の3年前から7年前に
  課税対象期間を延長する。

結婚・子育て資金の贈与特例廃止
  1千万円以下は非課税だった結婚・子育て資金の一括贈与特例を廃止。

教育資金一括贈与廃止
  教育資金の一括贈与が26年3月末で廃止予定。

介護保険料負担増
  1割負担から2割負担に移行する対象者を大幅に拡大する見込み。

国民年金納付期間延長
  少子化よる財源不足の補填策として保険老の納付期間を
  5年延長して65歳までとする。

公的医療保険の上乗せ
  「異次元の少子化対策」として財源を探し回った結果、
  歳出改革後の足りない分を「支援金制度」という名目で
  国民一人約500円程度の増額が検討されている。

森林環境税の創設
  23年度に終了予定の特別復興住民税に替わり、森林環境贈与税
  とは同額の森林環境税が新設される。

厚生年金支給減額
  現行で平均14万6000円支給されている厚生年金額を見直す。
  保険料負担は重くなる一方、受給額が減額される。

走行距離課税の新設
  車の走行距離に合わせて課税しようというもの。
  しかし従来の車とハイブリッド、電気自動車等の問題や
  カーシェアリングなど課題は残る。

ケアプランの有料化
  介護保険サービスを受ける際のケアプラン(介護計画)費用の
  有料化を検討中。

 唖然、茫然、ステルス増税花盛り。まだまだ隠された案件がごろごろ地下に潜っているのでしょうか。岸田首相に日本丸を任せるのは危険極まりないと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年5月17日 (金)

ドイツは「NO原発・YES風車」で経済マヒ!

 906回目のブログです。

20245171

  “春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり”
             道元(鎌倉初期・曹洞宗の開祖)

 詞書…本来の面目を詠ず。

 自然は美しくて良いものだ。春は野や山に美しい花が咲いて、心がなぐさめられる。夏には鳥が来てホトトギスもさえずり日々の暮らしに潤いをもたらしてくれる。秋は月を愛でながらしみじみと昔を想い出す。冬は雪が降ってもその冬景色は美しい。こういった事が自然の姿である。自然を大切にして子々孫々まで残し自然と共に生きて行きたいものだ…。

 明治神宮外苑の再開発をめぐり、およそ3000本の樹々が伐採されるということで住民の多くが反対の意見を都に申し入れました。自然を大切に子々孫々に残すことの意味を心静かに考えてほしいと思います。小池都知事には、歴史的な景観を踏まえ、従来からの、私利、私欲とパフォーマンスから離れ、日本国民、東京都民のための政治を志向してほしいと思う次第です。

 小池女史と言えば、いわゆるクールビズや太陽光発電推進のパフォーマンスを思い浮かべますが、今、欧州のドイツにおいては環境・エネルギー問題をめぐって大きな分岐点にかかっていることに注目しなければなりません。

 前々から指摘されていますが、ドイツは、環境やエネルギーで急進的な政策をとり、脱原発から脱石炭、そして「脱産業」が始まってきていると言われています。

 4月1日、ドイツは新たに7基の石炭火力を止めました。これを主導しているのは、経済・気候保護省のロバート・ハーベック大臣(緑の党)。ドイツ政府はメルケル政権時に2038年までの脱石炭を決めましたが、緑の党は、それでは遅いとクレーム、2030年までにすべての石炭火力を停止することを主張。緑の党のたっての要求で、連立協定に「理想としては2030年に脱石炭」という文言が組み込まれ、現在、経済・気候保護省ハーベック大臣(緑の党)は、その方針に従って、積極的に脱石炭を進めているのです。

 【ドイツ連立政権】(2021年12月発足)

   首班 社会民主党(SPD) 中道左派
      緑の党(Greens)環境左派
      自由民主党(FDP) 自由市場主義

 連立政権の首班は、社会民主党のショルツ氏ですが、政権は緑の党に引きずられ、環境重視の経済志向へ、脱原発、脱石炭、そして、風力、水素、電気自動車重視などですが、世界は激動の時、平時のように思い通りにはいかないことは現実を見れば明白です。

 こんな時の3党連立は与党内調整にも苦心するのではないでしょうか。ましてや、現実無視の環境イデオロギー政党「緑の党」を説得するのは至難の業と言わねばなりません。

 現実問題として、ドイツは昨年の4月に原発が無くなって以来、電気代の大幅な高騰と供給不安で、経済が急激に傾き始めています。ドイツの経済・社会調査・政策研究を行うIfo経済研究所は3月の経済予測で、ドイツ経済は麻痺状態で悪化中、対して欧州の他国は上向き傾向を示しているとのことです。

 ところが、ハーベック経済・気候保護相(緑の党)は馬耳東風。昨年、産業界からの反対の声を無視して、原発を止め、産業界に大混乱をもたらしましたが、今でも、脱原発は良いことだったと思っており、したがって、脱石炭も、良いことであり、緑の党が政権にいる間にできる限り進めようと必死だそうです。そして、今や、全土に張り巡らされているガスの導管まで次第に撤去していくとのこと。

 現政権、とりわけ緑の党は電力を何で代替するのか明確な計画は持ち合わせていないのです。これでは産業界は大惨事。そこで、電機やガスを多く使う大企業が工場を国外へ急遽移転する始末です。脱原発⇒脱石炭⇒脱産業。経済がボロボロになっても脱炭素に固執するという本末転倒の事象が生じており、今の政府があと1年以上も続けばドイツはもうもたないとの危機感が急激に強まっていると報じられています。

 誤った環境政策、誤ったエネルギー政策は国家の存立を危うくすることに繋がります。

 風車(風力発電)についても、ハーベック経済相(緑の党)は力を入れていますが、ご存知のように “無風” に対する解決策はまだ無いまま、風車の建設や送電線の建設が滞っているから電気が足りないのだとの考えで突っ走っています。

 ドイツが2023年のCO2排出量で前年比10%減少したことでハーベック経済相は大喜びしましたが、何のことはありません。それは、電力輸入の増加や暖冬、そして1番の理由は、エネルギー多消費の産業が生産を縮小したり、国外に生産拠点を移したり、あるいは倒産の多発にあることを理解しなければなりません。

 ドイツは次第に自由経済の国から計画経済の国に変わりつつあります。計画経済は失敗するという歴史の教訓をなぜ学ばないのでしょうか。

 他人事ではありません。わが国の心配事です。

 先日、わが日本国の岸田首相が訪米し、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進で日米の政策協調を進めると報道されました。ドイツの間違いは、まさにこの不毛な環境優先政策にあります。ドイツは反面教師、わが国は、なぜドイツの失敗に学ばないのでしょうか。

 日本には緑の党はなく、一部には偏狭な環境左派が蠢いていますが、岸田首相がGXに安易にのめりこむのは無責任極まりないと言わざるを得ません。岸田首相には、誤った環境イデオロギーを排除し、確かな知性と科学的良心及び日本人の心性に基づいた政治を望みたいと思います。

 ドイツ政治は、今、「ヨーロッパの優等生」から「ヨーロッパの病人」への道を歩んでいると指摘されています。

 わが国は、失われた30年を猛省し、現岸田首相や次期首相には、確かな知性と科学的良心及び日本人の心性に基づいた政治により、失われた30年を取り戻していただきたいと望むものです。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年5月 3日 (金)

「信なくば立たず」…衆院3補選 岸田自民全敗!

 905回目のブログです。

2024531
 「論語解義」簡野道明著

 『民無信不立』(民、信なくんば立たず) 論語

子貢、政を問う。
子日く、食を足し、兵を足し、民之を信にす。
子貢日く、必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於て何をか先にせん。
子日く、兵を去らん。
子貢日く、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於て何れをか先にせん。
子日く、食を去らん。古より皆死有り、民信無くんば立たず。

 論語は、孔子や孔子の門弟の言行を記したものであり、儒家の聖典とされ、四書の一つ。『民、信なくんば立たず』という言葉は顔淵第十巻にあります。

 4月28日、自民党の政治資金パーティー裏金事件発覚後初の国政選挙が実施され、衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙で、自民党は全敗(東京15区、長崎3区は不戦敗)という不様な結果となりました。

 【衆院補選 東京15区】(江東区)

 (当)酒井菜摘  49,476票  立憲
    須藤元気  29,669票  無所
    金沢結衣  28,461票  維新
    飯山 陽  24,264票  諸派
    乙武洋匡  19,655票  無所
    吉川里奈    8,639票  参政
    秋元 司    8,061票  無所
    福永活也    1,410票  N国
    根本良輔    1,110票  諸派

 【衆院補選 島根1区】

 (当)亀井亜紀子 82,691票  立憲
    錦織功政  57,897票  自民

 【衆院補選 長崎3区】

 (当)山田勝彦  53,381票  立憲
    井上翔一朗 24,709票  維新

 投票率】(3選挙区とも過去最低を記録

          (今回) (これまでの最低投票率) (差)
 東京15区  40.70%  55.59%   ▲14.89%
 島根 1区  54.62%  57.94%   ▲ 3.32%
 長崎 3区  35.45%  51.58%   ▲16.13%

 永年、押しも押されもしない与党第1党の地位にいる自民党が、政治資金パーティー券をめぐる問題で右往左往、屋台骨もガタガタ、見るも無残な醜態を晒していることは連日の報道でご存知の通りです。

 その結果が上記の衆院選補欠選挙で明らかになりました。そこで、自民党の敗因の根本について考えて見たいと思います。

 政治資金パーティー券の還流分(いわゆるキックバック)について、派閥の幹部は、揃いも揃って「すべて政治活動に使っており使途については知らぬ存ぜぬ」「納税するつもりはありません」と明言。その他議員も右へ倣えという訳で、法もルールも無視。

 これでは一般国民は怒りと嫌悪から恨みと憎悪へ一直線。民間の場合であれば、税法上、使途不明金には課税されるのが当然というものです。それが不可能というのであれば、全く持って、政治家に倫理と道徳を求めることは出来ません。脱税、責任のがれ…まさしく薄穢い不実の極みと言わねばなりません。国民が政治家に不信感を持つのは当たり前であり、今回の選挙で「自民党にNO!」を突き付けたことに十分理解できます。

 加えて、政治家に理解してほしいのは一般国民の生活が非常に苦しくなっていることです。まずグラフをごらんください。

 【実質賃金減少、最長に並ぶ 23カ月連続】

2024532
  2月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、
  現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた
  実質賃金は、前年同月比1.3%減少。(厚生労働省)

 名目賃金の伸びが、物価上昇に追い付いていないため、実質賃金の減少は過去最長に並ぶ23カ月連続となっているのです。この実態を、岸田首相、自民党は厳しく認識するとともに、財務省にも大きな一因があることを理解しなければなりません。そして、救国のため、積極経済に転換させるべく、財務省と真剣勝負を行う必要があります。財務省の掌でもてあそばれているようでは自民党の将来はないといえるのではないでしょうか。

 さいごに、今回の自民党政治資金問題について、派閥側で在宅起訴されたのは、旧安倍派「清和政策研究会」の会計責任者、二階派「志帥会」の会計責任者、そして、略式起訴されたのは、岸田派「宏池政策研究会」の元会計責任者です。

 そして、二階派、及び旧安倍派の幹部はそれなりの責任を取らされました。しかしながら、何と、岸田文雄氏は自らに対しては “処分なし。政界を揺るがすこれだけの大問題を生じさせたことを考えれば、普通の一般常識ではありえないこと。この鈍感さと悪辣さには呆れて言葉も出ず、自らに大甘とはこれ如何に!

 これでは、自民党が瓦解するのも時間の問題でしょうか。こんな無責任な総裁・総理大臣が過去居たでしょうか、小生、寡聞にして知りません。

 岸田文雄氏は、令和3年(2021)9月17日、自民党総裁選の告示日第一声において、次のように所信表明演説をしました。(一部抜粋)

 【信なくば立たず】

 『政治の根幹である国民の信頼が大きく崩れ、我が国の民主主義が危機に瀕しているのではないか。強い危機感を持つに至りました。

 今こそ、国民政党として、国民の声を聞く、丁寧で謙虚な政治、多様な意見に寛容な政治が求められているのではないでしょうか。

 求められる政治は、自分のやりたいことを、「俺についてこい」と強引に押し付ける政治ではありません。ましてや、「俺が正しいんだ」と国民をねじ伏せる政治でもない。

 一人一人の国民に寄り添い、その多様な声を真摯に受け止める。そうした、寛容の政治が求められています』

 岸田氏の過去の言や良し、しかし、岸田氏の今の言行は真逆、…まるで パロディー というべきか、国民を舐めているように思えてなりません。

 岸田首相、いい加減、辞職を覚悟されてはいかがでしょうか!

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年4月19日 (金)

リニア開業の大幅遅れ…親中派知事の大罪!  

 904回目のブログです。

20244191
    桜・散る散る

 “見るままに 花も霞みも なかりけり 春をおくるは 峰の松風”
                  藤原良経(平安中期)

 みるみるうちに桜の花も霞もなくなってしまった。峰を吹く松風のみが行く春を送っている…。

 京都の美麗な櫻もほとんど散ってしまい、もう少し桜を眺めていたかったなという残念な気持ちがするこの頃です。しかしながら、桜のあとには、皐(さつき)や躑躅(つつじ)いう華やかな花が待っており、その風景をゆっくりと堪能したいものです。

 今、東京~名古屋~大阪間の「超電導リニア新幹線」の開発、開業が待たれています。それは、超電導リニアの技術が大きなイノベーションであり、その経済的効果が計り知れないものであるからに他なりません。

 ところが、静岡県知事の「川勝平太氏」は、県内のトンネル工事のスタートに待ったをかけ、数々の難癖をつけ、開通を遅らせ続けてきました。

 その静岡県知事の川勝平太氏が自らの差別発言を批判され、4月10日突然辞表を提出したのです。ここで、川勝平太氏の特異な思想、キャラクターについて述べたいと思います。

 ・川勝氏は、自分の最も尊敬する人物に数千万人を虐殺した独裁者「毛沢東」を挙げ、習近平国家主席を礼賛するバリバリの親中派です。その証拠に習近平主席から「中国友好交流提携賞」を授与されていることからも分かります。

 2019年11月には、川勝氏は王毅国務委員と会談「静岡県は中国との経済、文化、観光など幅広い分野での交流を推進しており、今後も両地域の発展に貢献したい」「習主席の静岡訪問を要請したい」と属州のように媚びています。

 2023年2月には、孔鉉佑駐日中国大使と会見「静岡県が中国との交流を一段と強化する」と、同じく中国に媚びを。

 中国は、60兆円規模で上海市〜寧波市のリニア開発、開業は2035年を目指しています。リニア技術は世界に輸出できる国家的産業であり、中国はどうしても日本のリニア開通を遅らせたいと考えており、それに呼応したのが川勝知事だと言えましょう。

 …と見れば、中国にいわれた通り、日本のリニア開通を妨害し徹底的に遅らせることに成功した川勝知事の「中国への貢献」は極めて大きいと言えるかも知れません…。

 2027年の名古屋-東京間の開業が大幅に遅れ、それから10年後の開業となれば、経済的損失は約10兆円にのぼると言われています。輝かしい未来を見据えた時代の転換点を中国かぶれ、親中派の知事ひとりに崩された悲劇に対し、私たちは厳しい目を向けなければなりません。

 つぎに、川勝知事の問題発言、キャラクターについて。

『県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、基本的に皆さんは頭脳、知性の高い方』(今年4月1日、静岡県入庁式での訓示・これが辞任の発端)
『ヤクザ、ゴロツキが多い』(自民党会派)
『顔のきれいな子は、賢いことを言わないときれいに見えない』
『御殿場市はコシヒカリしかない。ただ飯だけ食って、それで農業だと思っている。こちらには米や魚など何でもある』
『菅首相の教養レベルが露見した』(日本学術会議任命拒否の問題において)
『11倍の倍率を通ってくるんですから、皆きれいです』(学長を務めていた大学の女子学生について)
『ボールを蹴るのが一番重要なこと、勉強よりも何よりも』(県内のサッカー強豪校に触れたとき)

 上の問題発言をよくご覧ください。川勝知事には “差別発言” の何と多いことでしょう。川勝知事はオックスフォード大学でドクターを取っていることが自慢で、世界のトップクラスの大学で学んだ人は尊敬しますが、それ以外の人は見下しています。全てが上から目線の傲慢な性格と言えます。

 県のトップを務めているにしては、川勝知事は知識が無さすぎます。今時、毎日毎日のほほんと、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりする人はいません。より良い野菜作りに工夫を加えたり、牛の衛生環境に配慮したり、寸分の狂いのないモノを作るべく懸命の努力を重ねていることを馬鹿にしていませんか。

 職業差別は断じて許されません。

 さいごに、川勝知事がリニア工事を妨害するために動かし続けたゴールポストについて触れてみたいと思います。

2014年に完成した環境影響評価書を元に、JR東海と静岡県の利水関係者は基本協定を結ぶところまで来ていたが、静岡県にメリットがなく協力できないとして基本協定というゴールを動かした。

他県の駅は最小限の設備でJR東海が全額負担し、周辺設備は自治体負担とした。しかし静岡県には駅がないので駅の半分の金銭を補償金として要求した。

川勝知事は大井川流域の利水には満足できても、南アルプスの「人以外の生物も守れ」と新たな要求をだした。生態環境については2014年の環境影響評価書で一度解決済みだったにもかかわらずそれを蒸し返した。

トンネルから掘り出した土の処遇を、JR東海に任せきりにはしたくないから対策を講じ開示せよと求めた。

「大規模災害が起きたらどうするのか」という「5つめのゴールポスト」を設定した。

 一旦合意に近づいても、①~⑤まで次から次にゴールポストを変更!。

 工事中の「水の全量戻し」については、JR東海は、大井川の田代ダムから取水する東京電力リニューアブルパワーの協力を得て、田代ダムの取水を制限し、代替水源にするという案を提案。これに対して川勝知事は、これは静岡県と東電の問題だとし、立腹。

 やることなすこと、無茶苦茶。巷間、揶揄されている「通うせんぼおじさん」の面目躍如。

 何はともあれ、バックに静岡県経済界のドンを仰ぐ、ひとりの知事の親中思想、非科学的、野蛮な言動などによる国益の損失は計り知れません。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

 

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2024年4月 5日 (金)

「家族の解体」を考える!…LGBT、夫婦別姓、など 

 903回目のブログです。

2024451

 “またや見む 交野のみ野の 桜狩り 花の雪降る 春の曙”
       藤原俊成(平安後期~鎌倉初期・歌人)

 また再びこのような情景に出会うことがあろうか、望めはしまい。交野の桜狩の、桜の花が雪のように散る、この春の曙の美しい景色よ…。

 桜のシーズンがやって参りました。今年も「桜狩り」という粋な言葉に合う桜の名所を訪ねたいと思っています。古き日本人は、「桜狩り」「紅葉狩り」「鷹狩り」「きのこ狩り」「みかん狩り」…など、桜や紅葉のもとに遠くまで出かけることに対し美しい言葉で表現しました。日本語の美意識の豊かさにあらためて頷かされます。

 さて、昨今の世相を眺めてみますと、組織の中ではびこっていた影の部分が続々と顕在化し、いわゆる古い秩序が続々と崩壊し始めてきました。

 まずは自民党の派閥解散パーテイー券裏金事件をめぐり、責任の所在は不明のまま、旧安倍派、岸田派、二階派が消滅するという異例の事態となり、自民党がガタガタという体たらくです。安倍総理が暗殺されてからの岸田首相をはじめとする派閥幹部の呆けた言動には目も当てられません。あらためて安倍元総理の偉大さに気づかされています。

 次に、ジャニーズ事務所の消滅。大手芸能事務所ジャニーズ事務所の創設者・ジャニー喜多川が行った長期的かつ常習的な児童性的虐待とメディアの隠蔽問題。

 さらに、宝塚歌劇団。2023年9月に劇団員・有愛きいさんが自殺したことをきっかけに、宝塚歌劇団の長期かつ広範囲にわたるパワハラ、モラハラが暴露されました。

 さらに、吉本興業。現在、松本人志さんのセクハラ疑惑で大騒ぎになっており、事態は進行中となっています。

 これらを俯瞰してみると、今、問題になっていることは、政治家も、ジャニーズも、宝塚も、吉本興業も、以下のような穢い生き方をすれば生き残れない時代になってきていることを示しているのではないでしょうか。

  不正(脱税・不公正)
  セクハラ(セクシュアルハラスメント)
  パワハラ(パワーハラスメント)
  モラハラ(モラルハラスメント)

 古い秩序が続々と崩壊し始めていることは確かだと思いますが、それは、古いことが全て悪いことだという意味ではありません。悪いのは、常識を欠き、良識を欠き、人間性を欠く振る舞いであり、そのことが国民から嫌悪されているということに他なりません。

 今、政局は『1嫌 多弱』と揶揄され、“自民党大嫌い、しかし野党は多いが弱い”と見られています。

そして、政治に求められているのは、『信頼』と『力』と『自立』であるにもかかわらず、政治家が諸外国に媚びて社会の破壊を推しすすめている事例が頻発していることに留意したいと思います。

 昨年6月に成立したLGBT法は『性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律』と呼ばれます。

 これに呼応するかのように、今年3月14日、札幌高裁は、同性婚を認めない民法などの規定は「違憲」だとの判断を下しました。

 同性の結婚を無条件に許容するところまで行ってしまうと、「家族の破壊」や「家族の解体」に繋がるものになるのではないでしょうか。

 LGBT法をやれと命令していたのはアメリカ。アメリカの大使も露骨に内政干渉し、アメリカのポチと言われる岸田首相は「やれ」と言われたら尻尾を振って迅速に応えたという経緯があります。

 スパイ防止法は必要なのにまったくやらず、LGBT法みたいなものは、大した議論もしないで情けないほどの対米従属の姿勢によって「伝統的な家族観の破壊」が進んでいくのみです。これもあって岸田首相は国民に見捨てられて支持率が地に墜ち、自民党の岩盤保守層も愛想がつき自民党もガタガタの体たらくです。

 自民党には “偽保守” が多く、LGBT法に積極的に加担した稲田朋美女史は、性懲りもなく夫婦別姓(選択的夫婦別氏制度)も促進しています。…これが自称「保守派」?とは。これを進めることによって “家族の崩壊” や “家族の解体” が加速されるはずです。

 いまや、大家族 ⇒ 核家族 ⇒ 単身化、孤立化の時代。そして、いわゆるフェミニストも家族破壊に力を注いでいることに注意しなければなりません。

    【生涯未婚率の増加】(家族形態の変化)単位 %

              男 性   女 性
  平成12年(2000)  12.6   5.8
    17年(2005)  16.0   7.3
    22年(2010)  20.1  10.6
    27年(2015)  24.2  14.9
  令和 2年(2020)  26.6  17.8
     7年(2025)  27.4  18.9
    12年(2030)  27.6  18.8
    17年(2035)  29.0  19.2
      50歳時点で一度も結婚をしたことのない人の割合
      平成28年版 総務省国勢調査

 上表のように生涯未婚率も3割近くへ、離婚率も3割超えへ。今や、大家族から核家族へ、そして核家族から単身世帯へ。単身世帯が増えるということは、企業が儲かることを意味します。例えば、大家族であれば一つの冷蔵庫、核家族ならば家族ごとに冷蔵庫が売れる、それが単身世帯になれば家族も解体されて個人個人それぞれに冷蔵庫が売れるのです。

 私たちは企業の提案するライフスタイルに乗って自分らしさを追求できるようになった代わりに、「単身世帯の増加」「離婚の増加」「孤独死の増加」という社会現象に巻き込まれるようになりました。成り行きにまかせて良いのでしょうか。

 『企業は儲かるから家族を破壊する。フェミニストは家族という縛りを憎んでいるから家族を破壊する。政治家は諸外国に媚びて家族を破壊する。家族を守る存在は消えた。だから、家族は破壊される一方となるだろう』(鈴木傾城氏の論稿より)

 誰が家族を守るのか。誰が国を守るのか。

 真剣に考え、行動する時が訪れて来たように思えます。!

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年3月22日 (金)

品性なき政治家の言葉!…“心なき言葉” “卑しき言葉” 

 902回目のブログです。

20243221

 “ 桃園の 桃の花こそ 咲きにけれ ”(頼慶法師)
   “ 梅津の梅は 散りやしぬらん ”(大江公資)
         <金葉和歌集・連歌>

 桃園の桃の花が咲いた。梅津の里の梅はもう散ってしまっただろうか…。

 自然の情趣は、上品な梅の花から可憐な桃の花へ、そして気品漂う桜の花へと移りゆく麗しいものを感じさせる素晴らしい季節となってまいりました。

 とはいえ、政局のガタガタは、目を覆いたくなるほど乱れ切っており、世のなかのリーダーはもとより、私たち一般国民も気を引き締める必要がありそうです。

 政局は、自民党の政治資金問題により、与党第1党と野党第1党の支持率がいずれも低水準という事態を来していますが、過去の政党支持率をめぐる構図の変化を見てみましょう(日経3/12)

  2004年【2大政党】(自民・民主 /公明/共産/社民)
  2014年【1強多弱】(自民 /民主/共産/維新/公明/みんな)
  2024年【1嫌多弱】(自民 /立民/維新/公明/共産/国民/他)

 【2大政党】【1強多弱】⇒そして現在の構図が1嫌多弱。自民党はもう大嫌い、しかし、野党は多党に分かれて弱い。…これを称して1嫌多弱、なかなか言い得て妙、座布団3枚と言うべきかも知れません。

 さて、ここで岸田首相の言動について目を向けて見ましょう。

 岸田首相は、昨年暮れ、自民党の不明朗な政治資金問題に鑑み、『政治資金パーティはもちろん、忘年会や新年会も自粛していただきたい』と、大いに反省した振りをしました。

 しかしながら、彼、岸田首相は、自民党議員には忘年会や新年会の自粛を求めながら、経済3団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)の新年会に出席したのです。これを厚顔無恥と言わずして何と言えばよいのか。能登半島地震による行方不明者が多数の段階では、VTR出席にとどめるべきではなかったのでしょうか。何とも「言動が軽すぎる」気がしてなりません。

 また、岸田首相は、1/4夜、BSフジに田崎史郎氏と共に生出演し、総裁選への思いなどを時折「笑みを浮かべ」ながら喋っています。被災者の気持ちを少しでも考えたら、この時、総裁選の話をするタイミングでは無いはずであり、SNSが炎上することに理解を示したいと思います。

 3月7日、国会質疑における岸田総理の発言が物議を醸しています。1月1日に生じた能登半島地震から2カ月以上経った今も1万1000人を超える人々が避難生活を余儀なくされている中、被災者の支援についての質疑応答の中で岸田総理が「そもそも保険共済に入ってない国民が悪い」というような事を言った?とかでSNSは炎上騒ぎになりました。

 しかし、さすがに岸田総理が実際に言った言葉はこの通りではなく「実際の発言」は次のとおりでした。

 『災害が多い地域において、そもそも保険とか共済、こういったこの制度への加入、これも重要であるという観点、さらにはこの被災者生活再建支援金、これはこの災害による財産の補填、損失を補填するというものではなくして、被災者を側面的に支援するという性格のお金であるということ』

 みなさんは、この岸田首相の発言に対してどのように考えられますか。わたしの感想は下記のとおりです。

 被災された方に、今、保険だとか共済だとかは酷な言葉ではないでしょうか。今更どうしようも出来ず「無慈悲」の感は拭えません。

 被災者生活再建支援法は、もともとは生活支援ということであり、ことさら側面的支援を強調する必要はないはずです。

 岸田発言をよく読めば、岸田首相は被災者に対して、保険とか共済を強調、また、被災者生活再建支援法は側面的支援であることを強調、これらはいずれも「自己責任論」を唱えていることを意味し、国としての金銭的な援助を出し渋っていると見えます。

 要するに、岸田氏は!財務省の掌にのせられて、できるだけ能登半島地震の出費、予算を計上しない、大規模災害の補正予算を組むことを避けるつまり、失われた30年を反省することなく、緊縮財政を極論まで進めていくことを堅持する方針のようです。

 それにしても、被災者に対して、国民に対して、あまりにも心が無く可斂誅求のむごい政治と言わねばなりません。

 岸田総理には、心なき言葉、心なき行いは払い除けていただき、本当の意味で国民に寄り添った総理を望みたいものですが、蛙の面でしょうか…。

 さて、次に、自民党の裏金問題で、多くの国会議員に本来課税対象となる真っ黒な収支が見つかったことで、「政治家の脱税許すまじ」の声がSNS上に飛び交っていることについて考えて見ましょう。

 自民党世耕弘成前参院幹事長は、清話会の政治資金パーティーで世耕氏側が1542万円のキックバックを受けていたにもかかわらず、政治資金収支報告書に不記載。3/14、参院政治倫理審査会に出席した世耕氏は『すべて政治活動に使った』『納税するつもりはない』と主張しました。

 清話会の前座長・塩谷立氏も『私自身はしっかりとそれを政治活動に使用しておりますので、納税するつもりはございません』と明言。その他の幹部も徹底して口裏合わせをしているように見受けられますが、これは、誰かひとりが裏切って納税したら大混乱を引き起こすからでしょう。“何に使ったか不明”としておきながら、一方で“全て政治活動費として使った”と言い切ることがいかに「矛盾」しているか。国民をバカにしているとしか思えません。

 塩谷氏をはじめとした政治家たちは、その使途については「知らぬ存ぜぬ」で一貫しています。であれば、税法上では「税務署に経費を否認されること、イコール課税」、即ち「使途不明金には課税される」のが当たり前です。分かりやすく言えば使い道を明かせない裏金は納税義務とセットだと言うことになります。

 政治家のみなさん! 中学生の時に習った憲法の一文を思い出してみましょう。「納税の義務」を忘れてはいませんか。

      【国民の三大義務】

    ・「教育の義務」(26条)
    ・「勤労の義務」(27条)
    ・「納税の義務」(30条)

 脱税という『卑しい心』を払い除け『納税の義務』を果たしましょう。

 『納税の義務』さえ果たせば、今回の政治資金騒動は、何の問題もありませんから。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年3月 8日 (金)

「日本の隆盛」のために!…先端テクノロジー開発の実態から

 901回目のブログです。

2024381

  “ 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出立つをとめ ”
                   大伴家持(万葉集)

 春の園が桃の花の匂いで満ちている。その下の道も紅色に輝いていて、そこに立つ乙女の姿といったら…。

 3月3日はひな祭り。近くの庭園ではで春の空のもとに桃の花か可憐に咲き誇り、穏やかな一日となりました。日ごろからこのようにゆったりとした一日を過ごしたいものです。

 国内政局から【2月度・内閣支持率+自民党支持率=青木率】

        内閣支持率 自民党支持率  青木率
  毎日     14.0(%)16.0(%)30.0(ポイント)
  時事     16.9   16.3   33.2
  共同     20.0   23.3   43.3
  朝日     21.0   21.0   42.0
  産経/FNN    22.4   24.8   47.2
  TBS/JNN   23.7     24.4   48.1
  読売       24.0     24.0   48.0
  日経/テレ東     25.0   25.0       50.0
  NHK      25.0   30.5     55.5

 内閣支持率が毎日の調査で14.0%、時事で16.9%。大変な事態になって参りましたが、岸田総理には私利私欲を離れ、虚心坦懐に出処を決断してほしいものです。

 今、世界は、国内政局に構う余裕はありません。先進国は、半導体はもとより、AI、ロボット、ブロックチェーン、量子コンピューティング、再生可能エネルギー、指向性エネルギーといった第4次産業革命の真っ只中で技術開発の凌ぎを削っています。

 前回のブログで「オーストラリア戦略政策研究所」のレポートから、先端的テクノロジー44分野の開発状況を総攬しました。結果は、首位の数で、中国が37分野米国が7分野、何と、悲しいかな、日本はゼロという状態です。…今、政局は政治資金の隠蔽やらで大騒ぎしていますが、政治家の議論の方向は完全に狂っているとしか言いようがありません。

 さて、わが国の先端テクノロジーがどの位置にあるのか見ていきたいと思います。(%は220万の研究論文うちの各国の占める割合)

 【日本がベスト10に入っている重要な分野】

 <量子コンピューティング>

  1. アメリカ 33.9%
  2. 中国   15.0%
  3. イギリス   6.2%
  4. ドイツ    5.5%
  5. カナダ    4.1%
  6. 日本     4.0%
  7. スイス    3.3%
  8. オランダ   3.0%
  9. フランス   2.8%
  10. 豪州     2.7%

 <ポスト量子暗号>

  1. 中国     31.0%
  2. アメリカ   13.3%
  3. イギリス     6.8%
  4. ドイツ      4.7%
  5. インド      3.7%
  6. カナダ      3.7%
  7, フランス     2.7%
  8. シンガポール   2.5%
  9. 日本       2.5%
  10. オランダ      2.2%

 <量子通信>

  1. 中国     31.5%
  2. アメリカ   16.7%
  3. イギリス     7.7%
  4. ドイツ      6.5%
  5. オランダ     3.8%
  6. オーストリア   3.8%
  7. カナダ      3.6%
  8. イタリア     3.9%
  9. スイス      2.6%
  10. 日本        2.2%

 <量子センサー>

  1. アメリカ 23.7%
  2. 中国   23.3%
  3. ドイツ    7.8%
  4. 日本     4.3%
  5. イギリス   4.3%
  6. インド    3.9%
  7. スイス    2.7%
  8. イタリア   2.7%
  9. フランス   2.6%
  10. オランダ    2.5%

 <高度集積回路設計と製造>

  1. アメリカ 24.2%
  2. 中国   21.2%
  3. インド    7.2%
  4. ドイツ    4.5%
  5. イタリア   3.6%
  6. 韓国     3.5%
  7. 日本     3.1%
  8. イギリス   3.0%
  9. 台湾     2.7%
  10. スペイン    2.6%

 <極超音速の探知、追跡、特性評価>
 
    1. 中国   73.3%
  2. アメリカ 14.1%
  3. イギリス   4.1%
  4. ドイツ    1.0%
  5. スイス    1.0%
  6. イタリア   0.7%
  7. 日本     0.6%

 <先進航空機エンジン(極超音速を含む)>

  1. 中国     48.5%
  2. アメリカ   11.7%
  3. インド      7.0%
  4. イギリス     3.9%
  5. イラン      3.6%
  6. イタリア     2.5%
  7. 日本       2.2%
  8. ドイツ      2.2%
  9. ロシア      2.1%
  10. シンガポール    2.1%

 ご覧ください。トップ10を列挙した24分野のうち、日本がトップ10にランクインしたのは7分野にしかすぎません。(・量子コンピューティング6位、・ポスト量子暗号9位、・量子通信10位、・量子センサー4位、・高度集積回路設計と製造7位、・極超音速の探知・追跡・特性評価7位、・先進航空機エンジン(極超音速を含む)7位)

 他の分野では日本はトップ10にランクインしていません。(・極超音速の探知・追跡・特性評価、・コーティング、・自律型水中ロボット、高度海底無線通信、・ソナーとアコースティクセンサー、・空気非依存型推進力、・自律システム運用技術、・高度なロボット工学、・ドローン・群ロボット・協働ロボット、・人工知能・アルゴリズムとハードウェアアクセラレータ、・高度なデータ分析、・機械学習(ニューラルネットワークとディープラーニングを含む)、・自然言語処理、・サイバーセキュリティ技術、・敵対的AIリバースエンジニアリング、・電子戦技術、・指向性エネルギー技術(レーザーなど))

 わが国がこのままの惰性で進んで行くとすれば、科学技術の進展は望み薄だと言わねばなりません。衰退する日本、危ういかな日本。このランキングを見れば、もはや、悠長な時間はありません。このままでは隆盛どころか衰退の一途をたどるのではないでしょうか。

 では、根本的にどう対応すればよいのか。

  長期国債発行による大胆な財政支援により、国是として新技術開発に積極的に取り組むことを明確に示すこと。
  経済安全保障のセキュリティ・クリアランスの今国会での成立を期するとともに、「スパイ防止法」の成立を。
  学術会議を解体、もしくは民間組織に改組し、国家の要請に基づく軍事的安全保障の研究を自由に行えるようにする。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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