ビジネスマンの武器・ビジネスマナー
15回目のブログです。
梅雨前の一時でしょうか、連日暑い日が続きますが、6/5月曜日、ついに、俗称
“村上ファンド”の村上世彰が逮捕されました。暑い日に熱い話題で、うんざりします
が、新聞、TV、雑誌とは異なった観点でみてみたいと思います。
村上世彰は最初の志は立派であったでしょうが、いまやグリーンメーラー(脅迫的
高値買取要求を主眼)というべきでしょう。
村上世彰は、①インサイダー取引、②重要事項報告義務違反、③脅迫的取引強
要、の3点の罪を重ねたと考えます。いずれも重大なことであり、したがって、いず
れも刑事罰対象となります。
株式市場のよって立つところは、、①投資家の保護、②公正さ、透明性の確保、
③流通の円滑であり、すべての市場関係者は留意しなければなりません。
6月5日の逮捕直前の村上世彰は、記者会見で、所見を述べましたが、100%
言い逃れに終始し、終いには“ミステーク”だったと言い放ちました。本人として罪
を認めたのであれば、人間らしい謙虚さを表すべきではないのでしょうか。又、
彼は、自分自身を“プロ中のプロ”と豪語していました。本当のプロはそんなことは
言いません。本当の職人は、自分自身をプロなどと公言、豪語などせず、謙虚さの
なかにゆるぎない自信をもっているのではないでしょうか。
したがって、彼は傲慢そのものであり、罪を犯した意識はなく、反省の意など、毛
頭もないものと読みました。そうであるならば、罪も認めず、反省もしない方がよか
ったのではありませんか。
しかしながら、村上世彰はまだましの方でしょうか。
その日、メディアは、村上世彰を当初から支援したオリックス宮内会長にコメント
を求めましたが、断固拒否しました。宮内氏は政府審議会などの要職にある立場
であり、政策の方向と先端に介入できるばかりか、情報入手までできる公の立場
にいます。その彼が記者会見を拒否したのです。おそらく何か後ろ暗いものがある
のでしょうが、会見をして、堂々と所見を述べてはいかがでしょうか。もしも所見表
明を行わないのであれば、彼が一番の“悪”であり、紳士の仮面を被った“胡散臭
い政商”だと判断せざるを得ません。
碩学、警世の京大教授、故高坂正堯先生はいまから18年前に言っておられます。
「最近とみに私論と公論、私益と公益の区別がつかなくなってきた。今日では私論
を合わせれば世論となり、私益を合計すれば公益になるかのように考えられている。
しかし、実はそうではない。政治や経済、さらには教育や文化の問題を論ずるとき
には、公共の利益が存在することを前提にし、公共の立場に立つように努力しなけ
ればならない。」(「現代日本の政治経済」PHP)と。
阪神電鉄が鉄道だから公益の観点を、ということではなく、どのようなことであれ、
「公」の観点を失わないでほしいものです。
みなさまのご意見はいかがでしょうか。
「君はサラリーマンかビジネスマンか」の第15目です。
(毎週金曜日・30~40回を予定)
ビジネスマンへの道を示せれば幸いです。
必ずお役に立ちます。ご期待ください。
『君はサラリーマンかビジネスマンか』…⑮
[6章]
ビジネスマンの武器
[6章ー3]
ビジネスマナー
人と人が肘を突きあわせればギスギスします。夏目漱石の「草枕」ではありません
が、“とかくこの世は住みにくい”ものですね。このギスギスした、住みにくい世の中で、
スムーズにことを運ぶには、どうすればよいのでしょうか。また、何に気をつければ
よいのでしょうか。
それはマナーです。人間にマナーがあればこそ、それが潤滑油となって、ことが円
滑に進みます。
一般の社会生活においては、それぞれが家庭環境や教育環境によって身に付け
たマナーでこと足りるでしょう。たとえば食事のマナーであるとか、公衆道徳であると
かで、身近な社会生活は充分スムーズに送れるに違いありません。
社会は個人の集まりであり、その個々人のマナー、礼儀が集合されて、穏やかで
安寧で平和な社会がつくられています。
ところで、ビジネス社会にはビジネス社会としてのマナーがあるということを知る
必要があります。
マナーはルールとは異なり、自然で協調的な対応姿勢であり、これを詳しく書け
ば優に一冊の本になるほどです。したがって、ここでは詳しくは述べませんが、ビジ
ネスマナーが第三の武器であることを念頭に、抜き書きしてみましょう。
① 社会人としての基本的な心得
・相手に好印象を与える身だしなみを常に心掛ける
・勤務時間は仕事の時間であることを認識する
・5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)が全ての基本である
② コミュニケーション
・挨拶とおじぎの仕方
・ことばづかい(日常語と敬語)
・報告、連絡、相談、(報連相、ほうれんそう)
③ 電話の応対
・真心をこめる
・メモをとり、間違いを防ぐ
・5W1H(マニュアルによる訓練が必要)
④ 来客への応対
・準備を万全に
・応接室の席順などの知識を
・『丁寧なお見送り』
・お茶の出し方にも作法あり
⑤ 訪問の仕方
・会社の代表選手の意識
・アポイントメント
・名刺の出し方、受取り方
・面談時間
・最後が大事
これらのポイントについて、詳しく書けばきりがありませんが、ひとつだけ取って
おきの話を書いて、拙論に目を通していただいている方々にプレゼントしたいと思
います。
上に記した④の、来客への応対での三項目に『丁寧なお見送り』」という言葉が
あります。これは書いてある通り、お客様に対して、丁寧にお見送りしようというこ
とです。
お客様は、わざわざ当方の会社まで出向いて下さったのですから、心からお礼
と感謝の気持を示さなければなりません。そのためには、お見送りする場合、お客
様が完全に見えなくなるまでお見送りすべきだと言うことなのです。これは、なかな
か出来るようで出来ないのではないでしょうか。
私の経験から言いますと、お客が車に乗られたらすぐ踵を返す人が多いように思
います。
お客の立場に立ってみましょう。訪問した会社を辞する時、車に乗ったら、一度か
二度は必ず後ろを振り向くに違いありません。これを「後引き気配」と言います。
人間は別れる時は後ろ髪を引かれます。きぬぎぬの別れというような、優雅な関
係の恋人であるなら尚更ではありますが、たとえそうでなくても、振り返ったその時、
相手が誰も見送っていなければ、心寂しいものです。心の隙間にスーと一陣の冷
たい風が通り過ぎるような気持ちになるのではないでしょうか。
したがって、折角お見送りするのですから、お客様が見えなくなるまで、すなわち
最後の最後まで見送るべきなのです。それがお客様に対して印象を強くする秘訣
でもあります。
これは、基本的なビジネスマナーではありますが、私たちは、これを単に、ビジネ
スマナーとして捉えるだけでなく、人のあり方として、人としての誠意を形で表したも
のとして捉えるべきではないでしょうか。
このようなことを自然な姿勢でずっと実行したのは、かの大経営者である松下幸
之助であり、偉大な作家である三島由紀夫でした。二人は、活躍の分野は異なって
はいますが、お客様を見送りする時は、見えなくなる最後まで見送りしたといわれて
います。この二人の傑物は、わが国の歴史に残る大人物でありますが、人を接遇
するにあたり、心より誠を尽くしたということは、事実としていくら強調してもし過ぎる
ことはありません。
名は体を表わし、体は心を表わすといいます。その意味で、丁寧なお見送りの態
度、姿勢が、健全、謙虚で豊かな精神を表わすといってもよいでしょう。
わたし達は、優れた大先達にならってこのマナーを見習うべきです。ぜひ実行して
欲しいと思います。相手に心の誠を示す機会はそんなに多くなく、そのチャンスを逃
がすことなく実行すれば、本当に充実感溢れる気持ちの良さを感ずるでしょう。それ
が結果として、ビジネスに大きくプラスになるに違いありません。
◎次回は[6章ー4]
コミュニケーション
です。
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コメント
いつも参考にしております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
投稿: ビジネスマナー | 2010年7月 2日 (金) 23時56分