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2006年7月28日 (金)

ビジネスマン必勝法・約束と取り決め

 22回目のブログです。

 最近、企業経営者の方々にお会いすると、ご自分の会社の人材教育に悩んでいる
ことを率直にお話されます。私も、このブログで、人財、人材、人罪などの用語を使い、
2・2・6の組織理論を援用した小論を展開しましたが、人材教育はなかなか難しいも
のです。

 歴史的に見ましても、教育に勢いがあったのは江戸時代と明治時代でしょう。江戸
の教育は庶民文化に華が咲き、明治の教育は国造りの元となり、偉大な時代精神
の基礎であったと言えると思います。
 翻って、平成の御世をみてみますと、その教育の力が弱まり、偏り、歪んできている
のが実態ではないでしょうか。

 こういう時代背景のなかで、人材育成を行うには、かなりのエネルギーと、それなり
の工夫が必要になります。しかし、企業、組織の維持、発展を期するならば、これは
避けて通ることはできません。

 先日、テレビ東京系のTV番組「カンブリア宮殿」(村上龍さん、小池栄子さん司会)
を見ました。顕著な実績を挙げているヘッドハンター会社、縄文アソシエイツ株式会
社の古田社長の出演です。言葉と行動力の豊かな人であり、なかなかの人物だと思
います。

 古田社長の話のなかで、一つだけ記憶に残っています。「社員教育システムで教育
する人材教育は、それなりに価値はあるが、真の人材教育は9時~5時以外の時間
での直接対話である。昼はドライ、夜はウエットであり、真の人材教育はウエットの側
面が多い。」と

 わが意を得たり。わたしも、4月28日のブログ“「After Five」の見方”のなかで、ビジ
ネスマンとサラリーマンの After Five に対する見方の差異について記しました。古田
社長がおっしゃるように、真の人材教育は、アフターファイブで、マンツーマンで行うべ
きであると思います。
 
 TVからの印象を記しました。
 みなさんはどのようにお考えですか。

「君はサラリーマンかビジネスマンか」の第22回目です。
(毎週金曜日・30~40回を予定)
ビジネスマンへの道を示せれば幸いです。
必ずお役に立ちます。ご期待ください。

『君はサラリーマンかビジネスマンか』…22
7章]
ビジネスマン必勝法
[7章―5]
約束と取り決め

 現代のビジネス社会は約束の社会ですが、もっと厳密に言えば、法律という掟に守
られた社会とも言えます。もちろん、法律と約束は異なります。法律は人間社会の最
低限の道徳と言われますが、その法律に信頼感を加えたものが約束と言えるでしょう。

 サラリーマンは会社に対し、自分自身の労働力、仕事の遂行力を提供します。一方、
会社はそれに対して報酬を支払います。これも約束ごとなのですが、さらに法律的な
裏付けとして、就業規則などを確認するのが普通でしょう。約束と法律とはこのように
ニュアンスと意味合いが違ってきます。

 結論的に言えば、ビジネス社会は約束で成り立っていると言っても過言ではありま
せん。ビジネスマンが約束でもって組織(会社)に属し、日々の仕事においても約束を
基準に行動します。面談の場所、時間、相手のメンバーは言うまでもなく、商談の内
容についても大枠を約束してから交渉に入るのが普通です。

 この約束を取り交わすこと、守ることが一番大切なことであり、相手の信頼感を獲得
し、良い結果を生むのです。また、約束を守らなかった時は、責任者すなわち上層部
が潔く責任を取らねばなりません。
 わが国が奇蹟と言われる高度成長を遂げたのも、約束を守る信頼社会がこの国に
実存していたからとも言えます。

 この約束社会、信頼社会はわが国でほとんど確立していると思われていましたが、
バブル崩壊後から今日、なし崩しに崩れてきたようです。
 官僚の世界を見てみましょう。エイズ、狂牛病、外郭団体の増殖、ゆとり教育、建築
安全基準偽装、国益保全外交、金融システム悪用などなど数えればきりがないほど
責任感の欠如を露呈しています。
 金融業界も見てみましょう。自分の銀行に税金が何兆円投入されようが、蚊に刺さ
れたくらいにしか認識していないようでした。その税金を投入し国民に感謝、お詫びの
言葉は、ついぞ聞くことはありません。
 政治家も劇場政治として田舎芝居を演じているだけに過ぎません。国家存亡の時、
年金、国家安全保障、領土、地方問題などなど、課題は先送りの一方です。
 ビジネスの世界においても、安直、弛緩ムードは払拭され切っていません。何とも
精神的に緊張感を欠く無残な状態に陥っています。
 これは国家や国民、社員などに対しての約束を果たすという使命(Mission)を失った
ことが原因であると思われます。

 演歌の言葉を借りるわけではありませんが、「凛とした約束社会」「凛然たる信頼国
家」は今いずこに行ったのでしょうか。

 ビジネスマンがこの社会を盛り返さなければ、わが国の本格的な回復、回帰もあり
えないのではないでしょうか。わが日本文明は今、危うい段階に差し掛かっており、
没落への岐路にあるとも言われています。ビジネスマンの奮起が望まれる所以です。

◎次回は
[7章]ビジネスマン必勝法
[7章ー6]商品知識よこんにちわ、ハートよさようなら?
です。



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