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2006年7月 7日 (金)

ビジネスマン必勝法・ごまのすりかたABC

19回目のブログです。

 早いもので、ブログをはじめてから、早4ヶ月がたちました。週1回のペースということ
であり、それなりにゆとりがあります。ところが結局は、追い込まれる前日に書き上げ
る(というより、パソコン打ちこみというべきでしょうか)状況です。
 人間だらしないもので、追い込まれないと、真剣に対応しませんね。これは私の性格
なのかもしれません。

 ところで、先日、予備校の理事長(大学教授)との会合で、面白い話を聞きました。
 「最近、予備校で、1年間でものすごく成績がのびる予備校生が激増している。その
理由は、現代社会が週休2日制で、全体にゆとりがあり、勉強する時間がかなり減っ
てきている。そのために、本来的な学力は潜在的にはもっているが、高校時代の3年
間で、実力としての学力を備えるに至っていない。したがって、予備校1年間で成績が
かなり伸びる予備校生が増えている」とのことです。

 私は4月28日のブログ前説で、文科省の寺脇研氏が推進した「ゆとり教育」を大批
判しましたが、同意を得たり、やはり、悪質な文部官僚の教育実験による、若人のス
ポイルは許せないことと考えます。

 先日も、日経新聞がこのようなゴリッパな高級文部官僚を重用する記事を、大きく
全面に載せましたので、編集局に抗議の手紙を出しました。メディアって問題意識が
極めて薄い
ものですね。返信用封筒を同封していましたので、丁重な返答がありま
したが、中身は言い訳でした。彼がわが国教育界を悪化させてきた張本人の一人で
あると、新聞社は一応は考えてはいるが、彼のような人物でも重用するのは、やはり、
肩書きがあるので、仕方ないんだとのことです。メディアって、本来は、国のリーダー
ではないのでしょうかね。

 世の中を良くするには、メディアをウオッチし、問題提起した方がよいと思います。
 みなさまのご意見はいかがでしょうか。

「君はサラリーマンかビジネスマンか」の第19回目です。
(毎週金曜日・30~40回を予定)
ビジネスマンへの道を示せれば幸いです。
必ずお役に立ちます。ご期待ください。

『君はサラリーマンかビジネスマンか』…⑲
[7章]
ビジネスマン必勝法
[7章―2]
ごまのすりかたABC

  バブル崩壊後十数年を経、やっと経済も持直しの兆しをみせてきました。この激動
のなかで、旧来の価値観が大きく変化しようとしていると言われていますが、本当に
本質的な面まで変わろうとしているのでしょうか。また、変わったのでしょうか。

  人間の本質、特に日本人の体質は、その根本のところは、時代が変わってもそんな
に変わるものではないとおもいます。
 ひとつの例が戦後もてはやされた経営学のなかの人間関係論です。今から二千数
百年前に著わされた中国の古典中の古典である論語には、人間関係の本質の全て
が書かれています。それに書かれている内容は、今読んでも現代にも通ずる人間関
係のエッセンスそのものです。それだけ人間の営みや考え方、感じ方は数千年前と
そう変化していないことを意味しているのではないでしょうか。

 現在社会の混乱は、社会意識のドラスティックな変革、すなわち、企業、組織に対
する忠誠心を基本とする日本型経営システムから、米国型自己責任主義(これを称
してグローバルスタンダードといいます)に、無批判に変革しようとすることから生じて
いることです。

 本題に入りたいと思います。人間は大きな存在ではありますが、極めて小さなもの
でもあります。小さいが故に、有史以来人間関係は、常にギクシャクするもので、何か
潤滑油を必要としていました。その潤滑油が“ごますり”だったのです。あなたの身の
回りを見れば、一目瞭然、理解して頂けるでしょう。

 例えば、営業部門の人事をみてみます。営業というものは、明確に実績がでる部門
ですが、その実績を挙げた有能な営業マンが必ずしも出世していないのが現実です。
 人の足を引っ張り、業績も今ひとつの営業マンが何か分からないが、出世している
ことが多いのではないでしょうか。これは、ひとつには、使い勝手の良さであり、一つは
“ごますり”をうまくやったことを意味しています。

今時のごますりの仕方ABCを記してみよう。

① 社内の上司には、贈り物も考えてみては!

       いまではどの企業も、表向きは、実力主義、成果主義を標榜し、会社によっては
   年俸制を取る会社もあります。しかし余程人間のできたといわれる人でも、好き
   嫌いの気持ちを打ち消すことはできません。また周囲もそういう雰囲気に満ち溢
   れており、したがって、同じ位の力であれば、好きな方を選ぶのが普通です。
   上司の引きが無ければ、出世すらおぼつきません。

       そこで役立つのが、贈答という名の潤滑油です。人間いかにモノに弱いかという
   ことです。古今東西、贈答のない社会はありませんでした。一般的には、社内贈
   答は禁止されていますが、禁止の通達が出ること自体、社内贈答がなされてい
   ることを意味しており、そんなに気にしなくても良いのではないでしょうか。

       とはいうものの、ただ単にモノを贈ればよいわけではありません。相手の趣味、
       嗜好、属性などを充分理解した上で、本当にこちらの誠意が伝わるようにしな
       ければならないことは言うまでもないことです。

② ウラ読みに徹しよう!

       わが国の社会は、第二次大戦後民主化し、現代化し、垢抜けしてきたと言われ
       ていますが、本当にそうでしょうか。日常の生活、心構え、処世術などは民主化
       とか民主主義などと大上段に構える理屈ではなく、現実を見れば分かることで
       す。先にも記したように、わたしたちの現実の感覚は、昔に較べてもそんなに
       変化していないと見るべきです。

       周りをよく見ていただきたいと思います。あなたの上司にはウラ・オモテがないで
    しょうか。真実をありのままに伝達、指示しているでしょうか。誠実で素直そのも
    のの人柄の持ち主でしょうか。 もしもそんな人がいたら、お目にかかりたいもの
    です。

        よく宴会やパーティーで、「今日は無礼講でいくから、好きなことを、思いの丈、
    言いたいだけ言っていいよ。」と言われますが、もしも、その通り実行し、会社、
    上司、同僚の批判、悪口を言えば、明日から睨まれること必定でしょう。
        こんなことは常識なのです。無礼講でいいよというのは、無礼講に注意しなさ
        い、駄目ですよ。ということなのです。なぜならば、無礼講は和を乱すからです。
       すなわち、イイヨ、ワルイヨは関係ない言葉であり、これがウラ読みというもの
       です。

        ウラ読みが出来なければ、世渡りに躓くことになるでしょう。残念ではあります
        が、オモテは当然のこと、常にウラをも読む習慣をつけることが大切です。

③ 一番のゴマスリは情報提供である!

        究極のゴマスリ、一番のゴマスリは、上司の為になり、上司に恥じをかかさない
    情報の提供です。上司の所属する組織の周辺の変化、反応、評価、評判など、
    ありとあらゆる情報を届ける必要があります。
        今話題になっている本のことや、もっと陰湿なことで言えば、社内の噂話に至る
    まで、ナンデモアリなのです。
        たとえくだらないと思われる情報でも価値があると考えなければなりません。

④ トップの最大の喜びはメディアに出ることと知るべし!

        極めつけのゴマスリを記しましょう。日本企業の経営者のなかで、社長とか会長
     といわれる人はそれぞれの企業、組織のトップに位置しており、ある意味で、
     位人臣を極めたと言って差し支えないと思います。

    その人達の最後の喜びは名誉を得ることであり、それはすなわち、業界団体
         の長になることと叙勲です。この人達は、これらに推薦される時には、一応、
    辞退の素振りはみせますが、内心は本当に心待ちにしているものなのです。
    この心情には充分理解を示すとともに、深く敬意と尊敬の気持を表わす必要
    があります。

         業界団体の最高幹部になったり、受賞したり、たとえ、どんな位階であっても
         叙勲された時の、晴れ晴れとした顔は普段と違った人間の自然な姿を示して
         いると言えるのではないでしょうか。

        しかし、忘れないで欲しいことがあります。もっと「してやったり」の嬉しい顔を
         示すのは、TV、新聞、雑誌などのメディアに出た時です。これは他の人を凌駕
         した喜びと満足の顔とみてよいでしょう。
        たとえば、日経、朝日、読売、産経、毎日、などに載ると、自分は既に社会の
    中枢に近い存在になった感覚を持つそうです。われわれ凡人は新聞に出た
    くらいで大したこととは考えませんが、トップは何故だかよく分かりませんが、
    満足そうに、にこにこするらしいのです。

         ここでゴマが必要になるのです。トップの載った新聞、雑誌が店頭に並んだら、
         即時買い集め、ご本人の机の前に並べなければなりません。たとえ、それが
         マイナーな雑誌やローカルな新聞であっても、ぜひ購入して欲しいと思います。
         なぜなら、メディアは、現代の第4権力者と言われていますが、実質は、現代
         の第一権力者であり、ご本人はそれに認められたと思っているからです。

         ある会社のエピソードを記します。その社長の記事があるマイナーな雑誌に
     掲載されたのですが、総務の人は、マイナー雑誌だからいいだろうと思い、
    その雑誌を購入しなかったのです。
        ところが取引先の人がその記事に気付き、雑誌を、直接社長に見せたそう
     です。さあ、社長の怒るまいか。総務の担当者は即左遷と相成った次第です。
         心していい意味のゴマをすらなければなりません。

◎次回は
[7章]ビジネスマン必勝法
[7章ー3]スピード
です。

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