ビジネスマンの心構え・判断の時
33回目のブログです。
先週のブログでは、安倍内閣の人事を前説で取りあげ、会社などの人事考課を本
文で取りあげましたところ、いろいろな反応をいただきました。そのなかで、S教授か
ら、政務の性格上からみると、論功行賞だけでは問題ではないだろうかとのご指摘
がありました。
メディアの幼稚な言葉遣いに激し、ついつい、筆足らずの表現をしてしました。ある
べきは、「論功行賞+適材適所(政務の性格と本人の素養)」だと考えます。
さて、秋本番となりました。こういう季節こそ、山歩き、丘歩きが楽しく、自分自身の
リフレッシュを実感できます。空をみあげれば秋晴れ、空気は清澄そのもの、耳に
聞こえる音はさざめき、気温は清涼、目には深みのある緑一色、これこそ快適な
「森」のイメージです。
古代においては、山は森そのものとして、神と考えられていました。私たち日本人
にとっては、神々をお祀りする神聖な場所、これこそ「自然」であったのです。私たち
の先人は、自然の恵みを、頭の天辺から足のさきに至る全身に浴び、長くて豊かな
歴史と伝統を育んできました。
その自然の恵みの最たるものが、「森」です。今や、森林は減少したと思われるで
しょうが、それでも国土の50%を森林が占めます。古より、わが国の先祖は、鎮守
の森あるいは鎮守の杜を据え、森を中心とした自然とともに生き、天地の平安と人
々の安寧を祈ってきています。(ちなみに、森は多くの木の集まった森林を意味し、
杜は木をひと所に集めたところという意味で、国字です。)
その意味において、私たちは、わが国における崇高なる信仰、祈りは、自然の営み
のなかにあることを認識し、この伝統を守り伝えなければならないと思います。
近年、環境問題が大きな課題として、論議されていますが、私たちは、これに対し
て、歴史に学ぶべきだと思います。すなわち、わが国は、太古より自然と共生し、
自然と調和してきたという誇るべき歴史と自然観を持っているのではないでしょうか。
そのなかに、解決のヒントがあると考えなければなりません。
そのためには、歴史を尊ぶ姿勢を自分自身が持つととともに、その姿勢を、子や
孫に、部下や関係者に示す必要があります。
歴史を尊び、歴史に学ぶということは、『栄光の歴史には誇りを、悲劇の歴史には
同情を』ということだと思います。そういう心構えでなければ、歴史というものを実感
できないのではないでしょうか。歴史を愛することが、国を愛することであり、また、
国を愛することが、歴史を愛することでもあります。
その第1歩が、鎮守の森を守り、鎮守の杜を維持することに堅い決意を示すこと
です。評論家的な他人まかせではなく、自分自身が先頭に立ってはじめて、環境
問題に発言する資格と、説得力が生まれるのではないでしょうか。
みなさんはどのようにお考えになりますか。
「君はサラリーマンかビジネスマンか」の第33回目です。
(毎週金曜日・30~40回を予定)
ビジネスマンへの道をしめせれば幸いです。
必ずお役に立ちます。ご期待ください。
『君はサラリーマンかビジネスマンか』…33
[9章]ビジネスマンの心構え
[9章-2]判断の時
サラリーマンとしてではなく、ビジネスマンとして、一番悩ましいのは、新規案件を進
めるべきかどうか、この得意先と提携するのがよいのか、というような大きな課題は
もちろんのこと、これを上司に報告すべきかどうか、この客先と取引すべきかどうか
などの比較的小さな課題に関して、いつ、どのように判断すればよいのかということ
です。
たとえば、ひとつの新規案件について考えてみましょう。最終案にまで纏め上げる
には、かなりの時間をかけ、エネルギーを大きく費やしてきたにちがいありません。
この時に至り、最終の判断をしなければなりませんが、判断の要諦はつぎの通りで
す。
① 関連する人の各様の意見を聞き、相談もしたか。
② すべてに亘り、ベストを尽くしたと言い切れるか。
③ 成功への確信を持っているか
④ 今、虚心坦懐になっているか。
自分自身の考えだけでは、落とし穴に陥る可能性があり、多くの関連する人達の
意見を求め、相談することは、極めて重要であり、安心感を持てるようにもなります。
もちろん、最後は、自分の考えを前面にださねばなりません。
すべてに亘り、ベストを尽くすことは、並大抵のことではありませんが、ベストを尽く
したかどうかを自問自答し、それに納得できれば、大きな自信につながると同時に、
説得力の大幅アップにもつながります。
成功への確信は、そうなかなか持てるものではありませんが、おぼろげであっても
よい、内心に確信を持てる段階に至る必要があります。
以上の三段階をへて、虚心坦懐、己を虚しゅうして、判断することが大事でしょう。
まずこれで、問題は無いと考えます。
それでも、最後に重要なことを指摘します。最終の判断、決断の時間は、先の人事
考課の項でも延べましたが、深夜は絶対に避け、昼間の明るい時、できれば昼食後
の太陽が天にある時に行わなければなりません。
夜は情痴の世界であり、実業の世界ではありません。また、人間は動物であり、動
物的勘は昼間に正常に働くと言われています。情痴、怨念の勘ではなく、正常な勘で
の判断こそ、成功への切符ではないでしょうか。
次回は
[9章]ビジネスマンのこころ構え
[9章―3]投資
です。
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