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2006年11月 3日 (金)

ビジネスマンの心構え・宗教

 36回目のブログです。

 最近のマスメディアから世相を見ていますと、賛同するかどうかは別にして、そ
れなりに強固であったと思われる、戦後の表面的な、平和民主主義の枠組みが、
ガタガタと音をならし、崩壊の寸前に来ているように感じます。

 教科書偽装履修問題、尊属殺人問題、いじめ自殺問題、自治体汚職構造、自
治体長期偽病欠容認構造、年金記録偽装問題、ODA献上問題、北方・竹島・尖
閣領土なしくずし問題、中国反日主権問題、南北朝鮮核問題などなど挙げれば
切がありません。

 わたしは、このような問題をもっと、もっと表面に出すべきであり、まだまだ数限
りない問題が隠蔽されたままになっていると思っています。これらは、いわゆる戦
後民主主義の結果であり、果実でもあると言えましょう。
そのように見れば、いわゆる戦後民主主義は完全に行き詰まったと判断できるで
しょうし、また、完全に間違いだったと断定すべきではないでしょうか。一旦、地に
落ち始めるとそれを食い止め、回復、再生するることはなかなか容易なことでは
ありません。

戦後民主主義を高らかに歌い上げ、推進していったリーダーはだれなのか。昔の
上方漫才にありました“責任者、出てこい!”と言いたくなります。それを推進した
人々は、おそらく、こっそりと頬かぶりし、時流に合わせて行くんでしょうね。

 これらを解決するには、政治が力を発揮しなければなりません。今や、政治の
季節が到来
したと言えるでしょう。政治の季節ならばということで、わたしも、遅れ
ばせながら、次の本を昨日読み終わったところです。

      著 者  安倍晋三(総理大臣)
      書 名  『美しい国へ』
             ――自信と誇りのもてる日本へーー
      
出版社  文春新書(文藝春秋社)
      価 格  730円+税

 結構わかりやすく、おもしろく読めました。この本について、安倍首相は「本書は、
いわゆる政策提言のための本ではない。わたしが十代、二十代の頃、どんなこと
を考えていたか、わたしの生まれたこの国に対してどんな感情を抱いていたか、
そしていま、政治家としてどう行動すべきなのかを正直につづったものだ。…政治
は未来のためにある。…」と巻末に記しています。政策論ではなく、政治家として歴
史の焦点での立ち位置を率直に語ったものとして、それなりに好感が持てました。
びっくりしましたが、50万部も売れているそうです。国民は、時代のリーダーに率直
さを求めているとみるべきでしょうか。

 こういう混迷のご時勢です。国政を預かる人だけでなく、地方政治に携わってい
る政治家も、安倍総理の著書にならって、安倍総理とは異なるであろう、自分の
政治家としての志、感懐を、包み隠すことなく、率直に語っていただけないでしょう
か。
 そうすれば、まちがいなく、政治がダイナミックに動き始めるでしょう。
 今、わが国に欠けているのは“政治のダイナミズム”だと考えます。

 みなさんは、どのようにお考えになりますか。

「君はサラリーマンかビジネスマンか」の第36回目です。
(毎週金曜日・38回を予定)
ビジネスマンへの道をしめせれば幸いです。
必ずお役に立ちます。ご期待ください。

『君はサラリーマンかビジネスマンか』…36
[9章]ビジネスマンの心構え
[9章-5]宗教

 国内においては、宗教の知識がなくても、また宗教への信仰心がなくても、何ら
困ることはありません。ビジネスの世界では、むしろそれに触れない方がよいとも
言われます。ビジネスの表舞台である商談の場では、禁じられていることが、二つ
あります。

 一つは政治、宗教の話はしないことです。自分の支持政党であるとか、応援する
政治家などを明らかにすべきではありません。これは、思想の琴線に触れるから
です。たまたま相手と同じであれば問題はありませんが、そうではないときは、相
手を極めて不快にし、商談が上手くいきません。二つ目は、相手の肉体上の欠陥
や触れられたくない経歴を俎上にのせることです。これも相手に極めて不快な感
情を持たせることになります。

 商談というものは、もちろんのこと、商品、サービスを取引することですが、それ
を行うのはあくまで生きた人間です。生身の人間です。人間の嫌がる行為は、
ビジネスの上では避けなければなりません。もちろん、これはビジネス上でのことで
あり、国家主権に基づく行為などは、それよりも上位に位置する概念であり、別の
価値観で判断すべきです。

 宗教を話題にすることはなくても、ビジネスマンが自分自身において、信仰心を持
つことは、これこそ、重要なことだと思います。日常のビジネス生活において、悩み
や苦しみが多々あり、それを精神的な信仰心で克服しようとすることは、好ましい
ことと言えるのではないでしょうか。

 日本人は、ほとんどの人が自分自身は無宗教だと考えていますが、外国人、特
に欧米の人から見れば、宗教心はあると見ています。神社、仏閣への初詣には、
なんと8000万人が毎年参拝します。また、今や写経がブームになり、薬師寺
だけでも、累計800万人が納経しています。また、環境問題への解決のヒントを、
自然の森、神社の杜などに求めようとする動きも顕著になってきています。

 ところが一方、カルト宗教と言われるものも、若者を中心に盛んになっています。
これらは、新聞紙上を賑わし、社会的軋轢を生じているのも事実です。しかしなが
ら、わたし達のなかで、カルトの定義を知っている人はほとんどおりません。ところ
が、カルト宗教が社会問題となり、国レベルでの対応をおこなっているのはフラン
スです。
 
 世界に目を向ければ、宗教を機軸にした対立や戦争、テロが相次いでいます。
この対立は、冷戦構造が収束した時からますます激化しているように思えます。

 わが国では、宗教的情操教育を放棄し、それを悪の権化とみなしたために、世
界の宗教の基礎的な知識すら持ち合わせていないのが現状でしょう。したがって、
政治学者ハンチントンが唱えた8大文明論(西欧・ロシア正教会・ラテンアメリカ・
イスラム・ヒンドゥー・中華・日本・アフリカ)を理解するのもなかなか骨が折れるの
ではないでしょうか。これで、世界を股にかけた大型ビジネスを展開できるのか、
いささか心配になるところです。

 このような観点から、ビジネスマンは宗教に、どのように対応すべきかを述べて
みたい。
 
 ① 基本的な宗教知識を持つように努める。
    (神道・仏教・新宗教・他の各世界宗教・カルト・宗教テロ)
 ② 神社、仏閣への参拝マナー(手洗い、二礼二拍手一礼など)を知る。
 ③ わが国の神社、仏閣は歴史があり、単なる死んだ遺物ではなく、周辺の雰囲
    気を含め、今も生きており、信仰の対象となっていることを実感すること。
 ④ 民俗文化と生活を象徴する神道に付随する自然の森、神社の杜と、直面
    する環境問題に思いを馳せる。
 ⑤ カルトに引っかからないようにする。カルトに入ると悲劇が生じることに留意
    する。
      ※ カルト識別のチェックポイント
          ・ 教団名を秘匿して勧誘する
          ・ 従来の人間関係との絶縁を迫る
          ・ カルトの教えのみを善とする
          ・ 思考力を奪う
          ・ 危機感を煽る
          ・ 退会が困難
 ⑥ 宗教ぬきの歴史、宗教ぬきの世界はありえない。今まで習った歴史などは、
    あまりにも偏っており、世界に通用しないことを知り、あらためて勉強すべ
    きである。
 ⑦ 先祖を崇拝し、自然を愛し、人をも愛することが大切であり、その縁が宗教的
    信仰心であることを認識し、宗教的雰囲気、すなわち、お祭り、お彼岸、
    法要などの宗教行事や神社、仏閣などの神域を大切に取り扱わなければ
    ならない。

次回は
[9章]ビジネスマンの心構え
[9章―6]文化と教養

 (「君はサラリーマンかビジネスマンか」の小論はあと2回で終わります)

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