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2007年1月12日 (金)

時事エッセー・色彩のことば

 46回目のブログです。

 いよいよ今週から実質的な仕事始めだと思いますが、新年早々お詫びすること
から始めます。実は、45回目(1月5日)のブログー正月考―において、パソコン
の打ち間違いが5ヶ所あり、ご覧になった方からご指摘を受けました。
       (誤)            (正)
   ・紀元2677年(2ヶ所)   ・紀元2667年
   ・百人一種(2ヶ所)      ・百人一首
   ・犬飼節            ・犬養節 

 早速訂正しました。今年の正月は、例年は日本酒とビールですが、横浜の知人
ソムリエから頒けていただいた美味しいワインも加わり、かなりご機嫌だったため
に、チェックも疎かであったと反省仕切りです。校正(後世)恐るべしという、出版
印刷業界の格言もありますので、心したいと思います。

 さて、この正月三が日に、全国の主な神社・仏閣に初詣でに出掛けた人の数は、
何と9795万人である
と報道されました。その他の神社・仏閣を加えると、1億人
の人々が、友人、家族、会社の人たちと参拝したことになります。世の中は荒れ
狂ってはいますが、まだ、かすかな安心と希望もあるということでしょう。

 1月5日のブログー正月考―で記しましたが、こういう心落ち着く時には、わが
国の伝統的な遊びである、百人一首のかるた遊びなどが格好ではないでしょうか。
かるた遊びは、百人の著名な歌人が詠んだ和歌を、その上の句と下の句をあわ
せるという極めて単純なゲームですが、内容は濃密なものがあります。その雰囲
気は、叙情と叙景、豊かで悠遠典雅、素晴らしいわが国固有の文化遺産と言え
ます。

 百人一首の和歌の心に加えて、目を向けたいのが、その煌びやかで、繊細、
悠遠な色彩ではないかと思います。(わたしは、パリ・コレに繋がるファッション
ビジネスに携ったことがあり、色彩に関しては特に興味をもっています。)

 最近の色彩用語は、カタカナ表現が多く、語彙が極めて少ないのが特徴です。
たとえば、赤系で言えば、レッド、ワインレッド、ピンク、サーモンピンクなど、大
雑把であり、身の回りの豊かな四季の色と関係のない言葉、用語となっている
のではないでしょうか。

 それに較べ、わが国の伝統色は極めて豊富、繊細であり、また独特の表現と
なっています
。ここに、たとえば、赤系だけを記してみます。(それも一部です)

    牡丹色(ぼたんいろ)
    躑躅色(つつじいろ)
    紅色  (べにいろ)
    緋色  (ひいろ)
    猩々緋(しょうじょうひ) 猿に似た猩々の鮮明な冴えた赤
    朱色  (しゅいろ)
    辰砂  (しんしゃ)      水銀と硫黄からなる鉱物の深紅色 
    蘇芳色(すおういろ)  すおうのきの実の紫がかった赤色
    葡萄色(えびいろ)
    茜色  (あかねいろ)
    臙脂色(えんじいろ) 
    檜皮色(ひわだいろ)  檜の皮の赤褐色
    栗色  (くりいろ)
    小豆色(あずきいろ)  赤小豆の鈍い紅赤色
    退紅  (たいこう)    淡い紅花染で褪めた紅色
    薄紅  (うすくれない)
    撫子色(なでしこいろ)
    紅梅色(こうばいいろ)
    薄紅梅(うすこうばい)
    桃色  (ももいろ)
    桜色  (さくらいろ)
    一斤染(いっこんぞめ) 紅花1斤で絹1疋を染めた淡紅色
    鴇色  (ときいろ)    鴇の翼の内側にある薄紅色
    東雲色(しののめいろ)
    珊瑚色(さんごいろ)
    灰桜  (はいざくら)

 現代のわたし達は、この用語のほんの一部しか使っていませんが、じつに見事
なものですね。赤系のすべてを書き出せば切りがありませんが、この一部を見た
だけでも、先人の豊かな色彩感覚に、驚嘆を覚えます。
 ここには、花鳥風月があります。
 日本の豊かな精神は、自然の恵みを自らの心と肌に実感し、目を通してみる色
彩に、花鳥風月そのものを充てるという、えも言えない天賦の才能を示しているの
ではないでしょうか。このような自然を微妙に実感する言葉を日ごろより使うなら
ば、環境問題などに対する処方箋の標などもでてくるように思えます。わたし達は、
今一度、伝統的な色彩の言葉を再検討すべきだと考えます。

 ところで、現代社会の指導者は言葉をどのように思っているのでしょうか。最近、
インテリ長官と揶揄される塩崎官房長官は、カタカナ言葉の連発で、失笑を買っ
ています。わたしもTVで記者会見を見ましたが、以下のような言葉の連発です
から、余りにもお粗末です。

   センシティブ(微妙)
   インテリジェンス(機密情報)
   キック・オフ・スピーカー(冒頭発言者)
   ウイン・ウイン(双方有利)
   フォーミュラ(計算式)
   エクスパーティーズ(専門知識)
   カウンター・インテリジェンス・ポリシー(情報保全方針)

 感性も、理性も、何も感じられません。聞いている人(国民)は誰も分らないで
しょう。誰に向かって言葉を発しているのか、皆目検討がつきません。ご自分が
ハーバード大学を出られたので、カタカナ、英語には、特段に堪能だとは思いま
すが、国民に理解を得るという、日本国広報担当大臣たる官房長官の真の役目
を果たしてほしいものです。

 明治の文豪、夏目漱石は、ロンドンに留学したこともあり、和漢洋の知識と教
養は十分過ぎるほど有していましたが、日本人として肝要なことは、一に「和」、
二に「漢」、三に「洋」
であると指摘したと言われています。塩崎長官には、日本国
官房長官らしい『和』(日本)を一番にした表現を期待します。出過ぎたことをいう
つもりは毛頭ありませんが、そのためには、わが国の伝統色などに、百人一首の
かるた遊びなどを通じて触れられてはいかがでしょうか。

 みなさんはどのようにお考えになられますか。

次回は
時事エッセー
です。

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