労働組合よどこへいく!
73回目のブログです。
いよいよ参議院議員選挙が始まりました。参議院議員選挙は、本来国政選挙
ですから、広範な政策により選ばれるべきものです。外交、財政、教育、憲法、
社会保障、官と民、都市と地方など、多岐にわたるテーマは、それぞれが国の
基盤であるとともに国民生活に直結するものと言えましょう。しかし、残念ながら、
今回の争点は年金問題一色となりそうです。
この年金問題と言えば、社会保険庁が槍玉にあがっていますが、連日、TVや
新聞などのマスメディアで、これでもか、これでもかと報道されており、少々食傷
気味になっています。政府もやっと本腰で対応しようとしていますから、何とか解決
するでしょう。
それにしても、社会保険庁は腐りきった伏魔殿ですね。上も上なら、中も中、
そして、当然ながら下も下。この下とは、自治労国費協議会という「組合」です。
パソコン操作5000タッチ以内、残業拒否、コンピュータ導入による労働強化拒否、
時間内休息時間完全確保等の「やさしい労働」の覚書(104件)を締結するなど、
民間では信じられない組合体質を有しています。問題が漏れてしまい、逃げられ
なくなりましたので、組合は、年金記録問題の本質と認識について、一応反省した
そぶりは見せていますが、5項目の理由をあげて、自らの責任には全く言及して
いません。官公庁労組の正体見たりということでしょうか。
労働組合とは何でしょう。何を目的にし、どんな存在理由があるのか、ここで考え
てみたいと思います。(わたしは、学生時代、労働経済学のゼミでした。)
わが国の労働組合法では、「労働組合とは、労働者が主体となって自主的に
労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として
組織する団体又はその連合団体をいう」と定義されています。
労働条件の維持改善と労働者の経済的地位の向上、これが本来の労働組合の
目的であり、そこにこそ存在価値があると言えるでしょう。しかしながら、現在の労
働組合にそれに応えられるだけのものがあるでしょうか。わたしは、非常に疑問に
思っています。
わが国の労働組合の総元締である、日本労働組合総連合会(連合)のホーム
ページを覗いてみましょう。最初の印象が、“古いなー、30年前と同じ、変化もなけ
れば進歩もないなー”でした。その理由はつぎの通りです。
① 使用する用語がいかにも古臭いし、黴が生えている。
「機関会議 5月22日 第5回戦術委員会」
「 〃 5月24日 第6回中央闘争委員会」
「2007春季生活闘争方針」
「2007春季生活闘争 当面の方針」
② リンク先の政党が、民主党と社会民主党だけである。
古いですね。旧態依然としていますね。「戦術」「闘争」などの言葉は、一昔前の
社会主義イデオロギー派の用語であり、今や、一般国民の意識から遠い存在では
ないでしょうか。もっと時代に適した言葉があるはずです。未だにこのような言語が
飛び交っている『連合』って何ですか。言葉は体を表わすと言いますから、30年前
の認識から一歩も出ていないことを示しています。
更に、民主党と社民党(旧社会党)にしかリンクできないとは、時代認識が遅れて
いるとしか言いようがありません。今や、労働条件とか、経済的地位の向上に対し
ては、自民党、公明党の与党や、分離政党である国民新党、共産党などとの連携
も必要なのではないでしょうか。労働組合と言えば野党、野党と言えば民主党・
社民党という、なんとかの一つ覚えでは、余りにも旧態依然、時代の進展に取り残
されているように思えてなりません。
そう言えば、最近、労働組合がメディアの表面に出て、労働者を代弁しての経済
的側面から、国政や地方政治に積極的に提言する、真摯な姿勢を見たことがあり
ません。労働組合の存在感が余りにも薄くなってきたのでしょう。
それは組織率に如実に表れています。わが国全体として、大東亜戦争(第2次
世界大戦)直後は60%以上に達していましたが、2005年末現在では18.7%に
下落しています。(あの悪名高き、教育劣化の最大の元凶である日教組でさえ、
28.8%となっています。)
労働組合、組合はどうあるべきか、わたしなりの考えを述べてみます。
① 労働組合は、純粋に本来の目的(労働条件の維持改善その他経済的地位
の向上を図ること)に戻るべきである。
戻らないのであれば、労働組合は不要である。(労組不要論)
② 労使協調という名目での御用組合、第2人事部は厳しく排除されるべきで
ある。
③ 思想的、政治的な要求や現実離れした要求を振りかざす、イデオロギー
労組は、これも厳しく排除されなければならない。
④ 公務員においては、中央、地方ともども、人事院や人事委員会が機能して
おり、且つ、民間とは異なり解雇などがなく手厚く処遇されているのである
から、労働組合の必要性を認めない。解散させるべきである。
(社会保険庁のサボタージュ、大阪・奈良・京都の超短時間勤務、大阪・
岐阜などの裏金問題、専従の2重給与などは、組合を隠れ蓑にした、
極めて悪質な行為であり、全国的に蔓延している。反国民、反国家的
行為は、それこそ枚挙にいとまがない。組合があるために、国民経済
的には大きなマイナスとなっている。)
⑤ 教師は、文字通り“教える師”として最も尊敬されるべき存在であり、
教育という国の根幹にかかわり、国の将来を託されているため、純粋に
教育に専念すべきである。したがって、日教組などというイデオロギー的
労働組合の存在を認めるべきでない。これも解散させるべきである。
⑥ 労働組合は、社会的正義、良識に従わなければならない。
(最近蔓延してきている偽装請負については、民間主力労働組合が黙認
してきたという、極めて不誠実な事実がある。)
⑦ 労組幹部は、本来「労働貴族」であってはならないことを認識し、また、
既得権益の死守などという行為をすべきではない。
(労働貴族が存在し、既得権益化しているとの風評をしばしば耳にする。)
⑧ 労働組合は、経営陣との間で緊張感ある関係を保ち、『国民経済』をベース
に論陣を張るべきである。
⑨ 労働組合は、現代に生きる組合であってほしい。
(上述のように、現在の組合はあまりにも旧態依然としている。)
勝手なことを並べたようですが、みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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コメント
奥田様
わたしの拙いブログをお読みいただきありがとうございます。
いつまで続けることが出来るか、心許ないものがありますが、
みなさまのご声援が想像以上に多々有り、頑張りたいと思います。
ところで、超、永らくごぶさたですね。
名簿に入れていただけるなんて、願ってもないことです。
よろしくお願いします。
お役には立てないでしょうが、奥田様のお仕事のご関係ある方に、
わたしのブログをご紹介していただければ、幸いです。
投稿: のんちゃん | 2007年7月26日 (木) 06時47分
野宗様
前略
DNP中退組です。
以前、退職後に保険の話で繊維工場へお邪魔しました。
斉藤甚太郎さんとの交流が続いていますが、今回彼より
野宗さんのブログを転送していただき、一部拝読いたしました。
けっこう、私にとっては重たい内容です。逆にいうと、
考えずに生きていると言うことなのでしょう、
勉強させていただきました。
退職20年(S63.11)当時より、DNP・OBのみなさまの
名簿を集めています。200名ほどになりましたでしょうか、
5月に、OB会を行い、14名集まり楽しいひとときを過ごしました。
津田佳以千さん、林かずさん、細さん、太田さん、山本均さん・・・
今回、ご紹介により、名簿に入れてもよろしいでしょうか?
特に、活動をしている訳ではありません
年に数回、私のPRを含めて、DMを発送させていただいています。
年齢、57歳、そろそろ、リタイアを視野に入れております。
投稿: 奥田 博美 | 2007年7月24日 (火) 17時31分