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2007年9月28日 (金)

名誉回復は事実の直視と勇気から!

 83回目のブログです。

 9月も終わりとなり、やっと秋らしさを風を肌に感ずるようになってきました。秋と
言えば読書ですが、この夏の暑さがずっと続いており、なかなかエンジンがかり
ませんが、ぼつぼつスタートというところでしょうか。

 最近気づくところですが、わが国(ということは、わが国民ということを意味します)
は、アメリカ、中国、南北朝鮮などから、数十年前・数百年前の件で謝罪や補償を
求められ、その対応に苦慮しているように思えます。

 アメリカにおいては、去る7月30日、下院が、『従軍慰安婦問題』に関する決議
案を採択しました。決議内容は、戦時中の日本軍が強制した慰安婦と呼ばれる
「性奴隷」への謝罪表明と責任負担を行うことや、この戦争犯罪を教育実施する
ことを命じたものです。わが国政府や有識者が従軍慰安婦は事実ではないと強く
主張したにもかかわらず、それには全く耳をかさず国会決議まで行いました。

 わが国は、60年前の敗戦後、米国の占領下でしたが、いまは一応完全な独立
国です。一方、アメリカは、戦勝国ですが、わが国の同盟国として、これまた一応
最恵友好の関係にあるといえるでしょう。したがって、まさかこんな理不尽な決議
などは決して行わないだろうと思っていましたが、中国を中心とするアジア系の
積極的なロビー活動もあって、あにはからんや、内政干渉、主権侵害まがいの挙
に出たのです。

 この従軍慰安婦問題は、わが国のある1人物が嘘話をしたものを、マスメディア
では最高権威である朝日新聞が、自虐的に、反日的に、意識的に、大々的に取
り上げ、国内はもとより世界に喧伝しました。

 従軍慰安婦は、日本軍が関与したものでないことは、今や確実に証されており
ますが、新聞は、のらりくらり、訂正に応じていません。その結果、このような事態
に至り、わが国の名誉、わが国民の名誉が大きく傷ついたわけです。なぜ、新聞
などのメディアは事実を直視しないのかよくわかりません。

 目を近隣諸国の中国に向けてみましょう。中国(中華人民共和国)は以前から、
日本軍による30万人という『南京大虐殺事件』を梃子に、わが国に対し、ことある
ごとに刃を突きつけてきています。その象徴的な事件が、日本軍将校の「100人
斬り」であり、この事件はさらに「殺人ゲーム」として世界に喧伝されるようになり
ました。私はまだ現地を見ていませんが、南京大虐殺記念館には、この将校の
写真が等身大に展示されているそうです。

 南京大虐殺が事実かどうか、今もホットに論争されていますが、中国は、これを
抗日、反日、体制維持の重要な材料として利用しています。わが国で最初に疑問
を投げかけたのは、ジャーナリスト・鈴木明氏の「南京大虐殺のまぼろし」でしょう。

 南京大虐殺の象徴とも言われる100人斬り事件について、つい先日、次の本を
読みました。大変分かりやすく、著者の誠実一途な心情が窺えます。

   著 者  稲 田 朋 美(弁護士・現衆議院議員)
   書 名  『百人斬り裁判から南京へ』
           ――新聞の無責任と司法の不可解と国家の怠慢――
   出版社  文藝春秋
   価 格  720円+税
   書 式  文春新書(2007年4月初版)

 向井敏明少尉、野田毅少尉、田中軍吉大尉は、昭和23年異国の地、南京郊外
で、南京大虐殺に関連する戦犯として、向井・野田両少尉は100人斬り競争、
田中大尉は300人斬りの罪で処刑。

 稲田弁護士は、向井・野田少尉の遺族の「100人斬りの新聞報道が虚偽であり、
それによる遺族の人権侵害」の訴えを弁護したものです。被告は、朝日新聞、
本多勝一氏(「中国の旅」を朝日に連載、100人斬りを殺人ゲームとした内容)、
毎日新聞(昭和12年東京日日新聞として、100人斬り記事を掲載)、柏書房
(「南京大虐殺否定論13のウソ」出版)の4者です。日本を代表するジャーナリズム
と言えるでしょう。

 裁判の結果は敗訴となり、遺族の人権は認められず、今も本多勝一元朝日新聞
記者の著書などは販売され続けているのが実情です。

 著者は以下の四つの点で、この事件は虚報(虚偽報道)であると主張しています。
毎日新聞もそれは認めていますが、責任は認めておりませんし、朝日新聞はこの
事件は事実かどうかを検証していないと言っています。(詳しくは、本をお読みくだ
さい)

 「中国の旅」を本多記者が取材した時期は、朝日新聞だけが特派員として許さ
   れ、自由な取材ができていない。
 日本刀の性能からして、鉄兜もろともの唐竹割など、荒唐無稽を通り越し、
   空想戯言である。
 陸軍の組織上、少尉の任務として、軍刀で中国兵を斬る競争はありえない。
 南京事件は、中国国民党の宣伝の材料だった。

 著者の指摘する4点のうち、わたし達一般人が、素人でも、全ての人が納得
できるのは、②の項目でしょう。誰がどう考えても、日本刀で100人も、しかも鉄兜
まで斬ることは、完全に不可能、というよりは絵空事としか言いようがありません。
記者は、おそらく今でいう「バッタバッタと薙ぎ倒す東映時代劇」を参考に、戦意
高揚のために書いたのでしょう。

 しかし、その無責任極まりない出鱈目な記事により、その将校らは処刑され、
その遺族は戦争犯罪者の子孫として、不当にも、永い間、世の指弾を受け続けて
いるのです。それにしても、これほど残酷な話はありません。

 この汚名を晴らし、名誉を回復するのは、日本国の義務であろうとは思いますが、
そのためには、わたし達のすべてが事実を直視し、勇気を振るう必要があります。
 しかしながら、著者の稲田弁護士は、これに大きく立ち塞がる権力を指摘して
います。(帯封より)

 ① 新聞の無責任
   ・ 毎日新聞は「新聞に真実を報道する法的な義務はない」と開き直った。
   ・ 朝日新聞の本多勝一記者(当時)は「私は中国側のいうのをそのまま代弁
     しただけ」と述べたように、事実の検証を怠った。

 ② 司法の不可解
   ・ 裁判所は遺族側の多くの証人を採用しなかった。
   ・ 本多勝一氏の当事者尋問も採用しなかった。
   ・ 遺族への当事者尋問も採用しなかった上に、70年前に「百人斬り」が
     なかったという立証責任を遺族側に負わせた。

 ③ 国家の怠慢
   ・ 処刑された二人の写真が「虐殺者」として中国各地の抗日戦争記念館に
     展示され、教科書に書かれ、日中両国の子どもたちに教えられていること
     を是正してこなかった。

 新聞の無責任、司法の不可解、国家の怠慢、この三点の指摘は非常に分かり
やすく、充分納得がいきます。不幸なことに、この三点セットは100人斬り事件
だけでなく、現在のあらゆる問題点の解決に立ちはだかる暗い闇であり、鵺の
ような存在で、まさしく、わたし達国民の「真の敵」と言えるかも知れません。

 最期に、この本の冒頭に処刑された二人の将校の遺書がとりあげられています
ので、その内から、ここに向井少尉の自筆の遺書を引用します。

      辞 世

   我は天地神明に誓い捕虜住民を殺害せる事全然なし。南京虐殺事件の
  罪は絶対に受けません。死は天命と思ひ日本男児として立派に中国の土
  になります。然れ共魂は大八州島に帰ります。
   我が死を以って中国抗戦八年の苦杯の遺恨流れ去り日華親善、東洋平和
  の因ともなれば捨石となり幸せです。

   中国の御奮闘を祈る
   日本の敢闘を祈る

   中国万歳
   日本万歳
   天皇陛下万歳
   死して護国の鬼になります
                        十二月三十一日 十時記す 向井敏明

 向井・野田両少尉の、100%為にする冤罪(戦争犯罪)で処刑された無念と清冽
な覚悟
、そしてご遺族の心のに胸が締め付けられる思いがします。

 みなさんはどのようにお感じになり、またどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です。

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