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2007年9月 7日 (金)

イエロージャーナリズムよさようなら!

 80回目のブログです。

 9月に入りましたが、相変わらず残暑が厳しく、なかなか本格的な秋風を肌に
感ずるところまでに至りません。とは言いながら、秋は旅行、観光のシーズンでも
あり、未だ訪れていない名所や旧跡に行って見たいという気持ちになってきます。

 わたしは、外国へは仕事の関係などで、ほんの数ヶ国訪れただけですから、
本格的なビジネスマンからはほど遠い存在かも知れません。アメリカ、カナダ、
フランス、イギリス、そしてインドの5カ国にしかすぎませんが、トータル期間と
しては、約60日になりますから、それぞれの地をそれなりにゆっくり見たことに
なります。

 そのうち一番長かったのは1ヶ月間に亘るアメリカですが、印象が深かったのは、
20数年前のインドのムンバイ(当時の市名ボンベイ)です。空港からホテルまで
100万人といわれる浮浪者がたむろしており、ある種特異な雰囲気を醸して
いましたが、又、逆に巨大なエネルギーにタジタジしたことが懐かしく思い出され
ます。その折、この国の将来を大いに期待した記憶も残っています。

 最近のインドの成長振りは、目を見張るほどであり、世界の有力国として注目を
一身に集める存在になっています。ここにインドを概観しておきましょう。

    ・首都      ニューデリー
    ・最大の都市  ムンバイ(旧ボンベイ)
    ・元首      パティル大統領
    ・首相      マンモハン・シン
    ・面積      328万k㎡ (世界第7位、日本の8.7倍)
    ・人口      11億人(世界第2位、日本の8.7倍)
    ・GDP      7700億ドル(世界第11位、日本の1割5分)
    ・政体      共和制
    ・議会      2院制、選挙有

 安倍総理は、8月21日~23日までインドを訪問し、戦略的パートナーシップや
環境とエネルギーに関する共同声明に調印しました。インドとわが国との関係は
古くから良好であり、この調印は当然というべきであり、ある意味で遅すぎたとも
言えます。
 安倍総理は、さらにインド国会において『二つの海の交わり』と題して、演説しま
した。
 ・ 太平洋とインド洋の二つの海の交わりにより、東アジア・南アジア→拡大アジア
  →米国・豪州→「オープン&透明なネットワーク」に成長しうる
 ・ 日本とインドは基本的価値と利益を共有する二大民主主義国家である。
 ・ 両国は海洋国家としてシーレーンの安全確保に取り組む。
 ・ インドの経済成長に最大限協力する。
 ・ 環境問題での取り組みを要請。
 ・ 「強いインドは日本の利益、強い日本はインドの利益」
を大まかな趣旨とし、いわゆる価値観外交を表明しました。これに、インド議会人
は、スタンディングオベーションでこたえ、万雷の拍手だったようです。

 わが国がインドと強い連携をとることは、歴史的にも極めて自然のことであり、
アジア全体のためにも有益であることは、言を待ちません。インドとわが国との
かかわりについて、思いつくままに記します。

 ① インドは長い間植民地を余儀なくされていましたが、独立運動家のチャンドラ
   ・ボース
は、わが国に亡命し、わが国の支援のもと、自由インド仮政府首班
   に就任した経緯があります。わが国はインドの独立に側面から援助の手を
   伸べていたのです。(因みに、わたしは見なかったのですが、インドの国会
   議事堂の正面には、チャンドラ・ボース、右にガンディ、左にネルーの肖像画
   が掲げられているそうです。いずれもインド独立の父と称すべき存在でしょう。
   わたし達は、このような歴史の真実を、学校では全く教えられませんでしたが、
   インドの独立に、わが日本が些かの、あるいは多大の貢献をしたわけです
   から、それは誇って良い歴史と言うべきではないでしょうか。)

 ② インドのパール判事は、極東国際軍事裁判(東京裁判)において、「裁判憲章
   の平和に対する罪、人道に対する罪は事後法であり、国際法上、日本を有罪
   であるとする根拠自体が成立しない」という判断のもと、被告人全員の無罪を
   主張しました。国際法を誠実に遵守しようとする強い信念を示したものです。
   一方、パール判事は戦争そのものをはげしく憎んでいましたことも忘れては
   なりません。

 ③ インドのシン首相、平成18年12月14日来日、国会演説概要

   「日本の工業は、自動車や石油化学など、インド産業の発展のために、貴重
    な役割を果たしてきました。90年代の初頭、インドが深刻な経済危機に陥
    った時も、日本は迷うこともなく支援いつづけてくださいました。1952年、
    インドは日本との間で、二国間の平和条約を別途調印いたしまして、日本に
    対するすべての戦争賠償請求権を放棄いたしました。戦後パール判事の
    下した信念に基づく判断は、今日に至っても日本で記憶されております。
    ご来席のみなさま、こうした出来事は、我々の友情の深さ、そして歴史を通じ
    て、危機に際してお互いに支えあってきた事実を反映するものであります。
    日本を訪れますたびに、お国の発展を目の当たりにし、真に鼓舞され、その
    寛大さに心をうたれます。」

   「我々は自由、民主主義、基本的権利、法の支配といった普遍的に擁護され
    た価値を共有するアジアの二つの大国であります。両国間に存在するこの
    共通の価値と膨大な経済的補完性を活用し、互いに相手国を最重要と認
    める強固なパートナーシップを築いていかなければなりません。」

 インドとわが国は本来強い絆で結ばれていますが、更に強固なものにすべきこと
は、万人の認めることだろうと思いますが、先日、奇異な社説を目にしました。

 朝日新聞社説(2007・8・24)抜粋

 ≪首相の訪印―価値観外交のすれ違い≫

   「米国とインド、それに豪州。自由と民主主義という価値観を共有するこれら
   の国と連携して事に当たる。それが安倍首相が唱える価値観外交である。
    そもそも安倍首相の価値観外交は、中国包囲という色彩を帯びている。
    03年度以降、インドは中国に代わって円借款の最大の受け取り国になった。
   価値観外交の展開に伴って、援助額はさらに膨らんだ。
    しかし、日本にとって中国が持つ重みは、インドとは比べものにならない。
   在留邦人でみれば、中国が10万人を上回るのに対し、インドは2000人
   ほどだ。相互依存の度合いが全く異なるのだ。
    中国を牽制するテコにインドを使うような外交は見透かされる。インドにして
   も中国との交流を深めており、利用されることに甘んじるような国ではない。
    価値観を声高に唱えるような一本調子の外交は考え直した方がいい。」

 これをみて、多少幻覚におそわれました。ここは、日本なのかどこなのか、奇妙
な感覚に陥ったのです。軍事力の弱いわが国のことですから、一般的に言って、
価値を共有する国とは深い関係を、価値を共有しない国とは浅い関係を結び、
それなりのバランスを取るのが、真の外交というものではないのでしょうか。
 
 その意味で、インドのシン首相がわが国会で述べた、①自由、②民主主義、
③基本的権利(人権)、④法の支配
は、人類の理想であり、それぞれの国の歴史
と伝統により、いろんな色付けがなされるものだと思います。インドとわが国はこの
4項目に合致しており、連携強化を計ることは当然のことと思えるのですが…。
     
 この社説を素直に読んでみます。この新聞はどうして、日頃、アジアとの関係を
築けという主張に沿う、インドとの友好・連携の強化に反対なのでしょうか。外交
のことですから、まさか、安倍首相に対するかねてからの私憤とは思われません
ので、どうやら、中国(中華人民共和国)を除いた、インド・日本・豪州・米国のネット
ワークに不満なのでしょう。それにしても、どうしてそこまで中国の鼻息を気にしな
ければならないのかよく分りません。現在、中国とは別途いわゆる友好関係が保
たれていますので、どうにも理解に苦しみます。
 
 事実重視、事実報告よりも、偏った視点やセンセーショナリズムを売り物にする
のが、『イエロージャーナリズム』と言われます。多彩な形容詞、情緒的な用語を
多用し、事実の検証不足のままで報道したり、場合によっては偽造、捏造したり
することもイエロージャーナリズムの範疇に入りますから、最近の、わが国の
メディア(TV・新聞・雑誌など)は、多少どころかかなり引っかかる要素があるように
思われます。

 わが国を代表するような新聞が、まさか、イエロージャーナリズムとは些かも信じ
てはおりませんが、真実はどうなのでしょう。イエロージャーナリズムから最も遠く、
国民から信頼される、すぐれたメディアになることを期待します。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です。

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