日常雑感②…祭りは地域コミュニティの中心!
85回目のブログです。
本格的に秋らしくなってきました。秋といえば、学校では体育祭(運動会)や文化
祭ですが、地域社会、地域コミュニティ、有り体に言えば町内会では、体育祭や秋
祭りが行われます。
先日の10月8日(月曜日)は、体育の日という国民の休日(私の主張では、祝日
ではありません)でしたから、町内会などで体育祭・運動会があった地域も多いと
思います。
今回は、祭りについてのあれこれを記したいとおもいます。正確なデータはありま
せんが、全国で、年間4万もの祭りがあるそうです。北から南まで、有名なものから
無名なものまで、大規模なものから小規模なものまで、あらゆる種類を合わせれば
もっとあるのかも知れません。
まつりの種類にはどのようなものがあるのでしょう。
・ 例祭
祭神を祀る重要な行事で、神輿や山車がかりだされ、にぎやかに行われる。
三社祭り、神田祭り、祇園祭り、天神祭りなど。
・ 豊作祈願祭
五穀豊穣を神にお祈りする祭りで、冬から春にかけて行われることが多い。
祈願祭り、防災祭り、天気祭り、感謝祭りなど。
・ 供養
祖霊の冥福を祈るための祭事で、典型が盆踊り。阿波踊り、郡上踊り、
エイサー、針供養、筆供養など。
・ 厄払い・厄病除け
無病息災や病気治癒を願う祭り。ねぶた祭り、なまはげ、おけら詣り、
裸祭り、流し雛など。
・ 年占(としうら)
農作物の作柄や天候などの吉凶を占う行事。相馬野馬追、玉せせり、
川内綱引き、灘のけんか祭りなど。
・ 季節祭り
春の豊作占いや秋の収穫祭、宮中の節会から発展したものが多い。
梅祭り、さくら祭り、かまくら、七夕、東大寺二月堂お水取り、どんど焼き
など。
・ 火祭り
祖霊を招くための明かり、火の粉を浴びての無病息災祈願。
吉田の火祭り、大文字五山送り火、那智の火祭りなど。
・ 偉人・英雄祭り
偉人や英雄をしのぶ祭り。信玄公祭り、赤穂義士祭りなど。
・ 市民祭り
伝統的な祭りとは大きく異なっており、町の活性化や商業目的が強い
イベントというべきでしょう。さっぽろ祭り、よさこい祭り、広島フラワー
フェスティバルなど。
いろんな種類のお祭りがあるのがよくわかりますが、最近、伝統的な祭りの様相
が変わりつつあるのではないかとの危惧が出始めています。その意味で、祭りの
要素とは何かを考えてみましょう。
① 神聖(聖性)
御神体を掲げたり、固有のしきたりに従って、神聖なる時間や空間を
つくりだす。注連縄や禊などにより、神聖さを体現する。
② 日常性からの脱出
通常の仕事から完全に離れ、非日常的な行事に没頭する。
③ 連続的周期性
古くから、毎年、毎年繰り返されてきたことを、今年もまた無事終え、
未来へと続けていく。
この象徴的なことが、伊勢神宮の20年に一度の式年遷宮であり、これ
により、宮大工の素晴らしい技術が後世に伝わっていくのである。
④ 集団意識
祭りでは、仲間意識が高揚し自己のアイデンティティの確認をできる
機能がある。
祭りは、単に騒ぐというものではありません。永い間の伝統とある種の精神性を、
地域の仲間と一緒に、未来に繋ぐという、誠に重要な行事であることがよくわかり
ます。
ところで、今年の浅草三社祭で、ある事件が生じました。ニュースより抜粋します。
<三社祭宮出し、来年中止 みこし乗り続出で浅草神社>
東京都台東区の浅草神社と同神社奉賛会は24日、三社祭のメーン行事で、
境内から本社みこし(3基)を担ぎ出す「宮出し」を来年は中止すると発表した。
今年の祭りで、みこしに乗った担ぎ手が騒ぎを起こし、都迷惑防止条例違反
(混乱誘発)容疑などで7人が逮捕されるなどしたためで、2009年以降に
ついては協議を続ける。
三社祭は江戸三大祭りの一つとされ、毎年5月にあり、3日間で約140万
人が見物に訪れる。
2007/07/24 【共同通信】
如何でしょうか。祭りの要素の一番に挙げた「神聖(聖性)」、即ち、神様を崇める
ことが祭りの根本であることを忘れ、無視した行動が一部に出てきたことに注目し
なければなりません。神社と奉賛会は、神輿の上に乗るな!、浅草神社の神輿は、
伝統的に、神様だけが乗られるものだ!と説明しましたが、それを全く無視した
結果となったため、来年は、「宮だし」を中止することになったのです。非常に残念
なことですね。
最近、青少年の凶悪犯罪が激増しているようですが、これについて、ある新聞
記者から、重要なことを聞きました。確かなデータではないとのことですが、凶悪
犯罪が発生する地域の青少年は、神社・お寺へは、ほとんど足を入れないか、
あるいは、その地域には神社・お寺がないかのどちらかだそうです。ここに、ヒント
があるような気がします。
神社、仏閣での祭りが、一部で変容の兆しを見せようとしている時、わたし達は
それなりの努力を払い、正道に戻す必要があるのではないでしょうか。心を和ま
せる「ハレ」の機会、地域の人とコミュニケーションをとれる絶好の機会が祭りだと
思います。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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コメント
税理士事務所のサイトに全国祭り一覧パーツが掲載されてました。
その中に灘のけんか祭りが・・・・
嬉しかったのでシェアできたらと思い、投稿しました。
http://www.cg1.org/parts5/
投稿: 税理士 | 2009年5月19日 (火) 09時59分
ソムリエ森山英子さんへ
おっしゃる通り、祭りは、神様との関係だと思います。
そう考えれば、祭りは、内面の心も外面の煌びやかさも、
さらに充実したものになるのではないでしょうか。
大阪天神祭りにはそれなりの伝統がきっちりと残って
いるように思われます。いい花火を見られましたね。
投稿: のんちゃん | 2007年10月26日 (金) 06時15分
横浜の新しい街にも祭があります、「~フェスティバル」とか「~まつり花火大会」とかすごく大掛かりで賑やかです。でもなんとなくしっくりこない・・・
どうしてかな~と思っていたら、先日わかりました。
7月に大阪の天神祭に行って花火を見たときです。説明してくれる人が「この花火は天満宮の神様に捧げる花火です。私たちはそれを拝見させていただくのです。」ということでした。祭ってやはり何かわからない神々しいものに捧げるものなのですね。それがなくてただ人間だけが楽しんでいるから可笑しな感じがします。「フェスティバル」というのもキリスト教の神に捧げるものだと思います。
投稿: ソムリエ森山英子 | 2007年10月21日 (日) 16時15分