日常雑感①…サービスの原点は心配り!
84回目のブログです。
10月に入りました。10月は、古くは神無月(かんなづき)と言い、全国の大国主
系の神様が出雲に集まられるために、出雲以外に神様が居られなくなるから、こう
言うようになったという俗説があります。実際は、来月の新嘗祭(勤労感謝の日)を
準備する月という意味で、神嘗月(かんなめづき)から来たものだと思います。
10月の季語(季題)は一年中で一番少ないようですが、それでも、自然の趣が
豊かなところに特徴があります。山、川、海、すべての自然の多様な恵みを読み
取れますが、以下、代表的な季語を抜書きしてみましょう。
秋晴れ、秋高し、馬肥ゆる(都会では、馬と言えば競走馬でしょうから、この感覚
は全く理解できないでしょう)、秋の空、秋風、初紅葉、初茸、松茸(近年、なかなか
口にできません)、新米、新酒(早く味わいたいものです)、案山子・鳴子(これを知
っている人は少ないのでは?)、鵯・百舌鳥(読みにくい漢字です)、石榴・無花果
(美味しい果物ですが、漢字検定試験に出そうです)、山椒の実、菊人形、砧、肌寒、
べったら市(江戸の人でないと知らないかも)、胡桃、銀杏(わたしは「銀杏会」の
会員です)、蜜柑、金柑、秋深し、紅葉狩(最近の若い人は紅葉の葉や枝を採る
という意味に誤解していますが、これは、山野で紅葉を観賞することです)、鹿、猪、
……。
それにしても、10月は少ないと言っても、季語、季題というのは沢山あるもの
ですね。この言葉を自在にあやつり、俳句や短歌を作りたいという願望はそこそこ
持ってはいますが、なかなか思うにまかせません。そこで、手紙や葉書、あるいは
メールでの書き出しに使える言の葉を拾い出してみました。
紅葉のみぎり 秋涼のみぎり 爽秋のみぎり 仲秋のみぎり 秋気肌にしみ
灯火親しむの秋 天高く馬肥ゆるの秋 木々の梢も色づいて スポーツの秋
爽やかな秋晴れがつづく 夜長の頃となりましたが 紅葉が野山を染め
空は蒼く澄みわたり 金木犀の甘酸っぱい香りがただよい 実りの秋
虫の声が一段とにぎやかに 週末に初紅葉を見てきましたが
さわやかな風、真っ青な空、絶好の行楽日和が続きますね。
秋とは思えぬような寒さを感じますが、北国ではもう初霜ですか?
今年は、酷暑、熱暑がつづきましたので、心地よい空気を胸一杯に吸える好季節
は、この10月からだと思われます。これらの季語、季題、手紙の書き出しを見ても、
何となくそう感じられます。そういう矢先に、わたしは素晴らしい、貴重な経験を
しました。
先日、ウオーキングを兼ねて、夕方、私の家から片道45分のスーパーに買い物
に行ったのです。わたしはスーパー・デパート・商店街などを気侭に、つぶさに見る
のが好きですが、これは、世の中の商品(日用品・耐久消費財すべて)の価格、
デザイン、販売方法、店舗の雰囲気などの変化、動向を肌で感じたいと考えている
からです。
そのスーパーは、ショッピングセンター、イオン系列の「茨木サティ」でした。映画
館、マイカルなどを含む大型のS.C.の中にありますが、その食品売り場で、神棚
に供える「榊一対」や他の商品を購入ましたが、自分の不注意で、榊一対をカウン
ターに忘れたのです。気づいたのが、何と翌朝であり、おそらくもう無いだろうとは
思いつつ、お昼ごろ、又々、ウオーキングがてら行ってみました。
レシートから、購入したカウンターは「#005」と分かっており、早速、榊の忘れ
物は無かったかどうかを係りの女性(おそらくパートの人でしょうか)に尋ねました。
その女性は、本当に明るく、気持ちよく、はきはきと応対し、近くのサービスカウン
ターに案内してくれました。
サービスカウンターの女性は二人いましたが、“はい、榊をお預かりしています。
水気が必要だと思いましたので、切り口のところを湿らしたティッシュペーパーで
包んで保管しておきました。”と返事をいただきました。
吃驚しましたね。非常にささやかなことでしょうが、感動ものです。榊一対で200
円の低価格品にもかかわらず、ティッシュで湿らして保管するという、暖かい心配り
は、真の意味でサービスの極意であり、この三人の女性社員の素晴らしさを示して
いるものと言えるでしょう。ほんとうに清々しい気持ちにさせてもらいました。
この女性社員は、以前ブログで「君はサラリーマンかビジネスマンか」のなかで
述べた、人材3分類法(人財、人材、人罪)でいえば、まさしく『人財』です。この
女性社員の素晴らしさは、どれほど強調しても、し過ぎることはありませんが、この
社員を採用し、人財にまで教育し、その力を発露できる支店風を作り上げた、茨木
サティ店の幹部の力量に敬意を表したいと思います。
それにしても、自分自身の経験から言っても、この女性社員らは、まさしく表彰
ものですね。わたしは、自然と暖かい気分になったものですから、ついつい余分な
商品まで買ってしまいました。
最近はこのような「いい話」を経験することが少なくなりましたが、世の中が荒んで
きているだけに、このような話を広めていくことが必要だと考え、日常雑感として記
しました。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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