心温まる、明るいニュースを多くせよ!
92回目のブログです。
優雅で、多少物思いに耽る雰囲気を醸し出す霜月、11月も最終日となりました
が、世情は、物騒なニュースに満ち満ちているように思えてなりません。
TV、新聞、WEBでも、暗いニュースが異常に多いように見えますが、本当は、
世の中には、もっと明るい話題も結構多いのではないでしょうか。先日のブログ
でも指摘しましたが、わが国のメディアは、欧米に較べて、暗いニュースに力点を
置きすぎています。
わたしは、時折、他のブログなどを読みますが、このことを明快に指摘された
メールマガジンが目に入りましたので、ここに、引用させていただきます。
(もちろんのこと、編集長のご了解をいただいていますが、それにつけても、WEB
の便利さを実感しますね)
「Japan on the Globe 国際派日本人養成講座」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/
編集長 伊勢雅臣
≪心温まるニュース≫
暗いニュースばかり伝える日本の新聞は、もっと明るいニュースも流すべき。
■1.暗いニュースばかり伝える日本の新聞■
日本の新聞は、どうしてこうも犯罪やら事故などの暗いニュースばかり伝えるの
だろう。たとえば、9月28日の讀賣新聞の社会面で見出しの大きい順に記事を並
べてみると、
・「間違いであって・・・」ミャンマーで長井さん死亡
知人ら言葉少な 紛争地巡り傷跡伝える
・力士急死 「親方なら止めるはず」父親「真実知りたい」
父親が涙の会見 真相究明訴え
・中3が刺し高3重傷 千葉「盗みに入り追跡され」
・鉄くず代6億所得隠し 名古屋国税局 解体会社を告発
こうした気が滅入るようなニュースが中心なのは、他紙も同様だ。これでは日本
全国、事故や犯罪ばかりのように思えてしまう。現実にはそんな事はありえない
のだから、これも一種の「偏向報道」ではないか。
そういう問題意識を持つ人が新聞人の間にもいたようだ。日本新聞協会は平成
16年から、「HAPPY NEWS キャンペーン」を始めた。読んでハッピーな気持ち
になった記事とその感想を募集したところ、8千件もの応募があり、その中から80
余件が選ばれて『心がぽかぽかするニュース』として出版された。
ハッピー・ニュースと言っても、「三つまたのナスができた」とか、「太陽系で10
番目の惑星が発見された」など、珍談・奇談もあるが、とりわけ心を打つのは、
世のため人のための善行である。本号では、そのいくつかを紹介しよう。
■2.心を暖める座布団■
しなの鉄道の大屋駅。明治29(1896)年に開業した際の旧国鉄時代の木造駅舎
がそのまま使われている。その待合室の3つのベンチに久留米絣(かすり)の座布
団12枚が敷いてある。
座布団は25年前に始めて置かれた。駅員もだれが置いていってくれたか、知ら
なかった。翌年の夏、ある女性が座布団を洗濯のために回収に来て、初めて真相
が判明した。駅前で写真館を営んでいる女性で、冬の夜、冷たい風の吹き込む
駅舎に「せめて座布団を」と置いたのが始まりだった。
大家族だった家には当時、使わなくなった布団がたくさんあった。仕事の合間を
使って、その布団の綿を、これまた着なくなった久留米絣の着物の布地に入れて、
座布団を作った。
大屋の駅や町、空気が好き。古くて素朴な大屋駅には、絣がよく似合うと思いま
した。
女性は70歳になった今も、年一回の座布団の洗濯と補修を続けている。今年も
座布団を持って行くと、観光客の男性が「こんな所に住みたいな」とつぶやいた。
嬉しかった。
そこに気持ちを置かせてもらっているだけ。どうってことない。大屋に来て心が休
まればいい。
高校一年の男子生徒は「毎日使うけど、知らなかった。感謝しないといけません
ね」駅員の山辺真一さん(56)も「木のいすじゃ冷たくて座れない。今ではあって
当たり前になったけど、ありがたいことです」
この女性は、新聞記事でも名を明かしていない。
■3.心を癒すランプ■
100個以上の手作りランプの温かい灯りが民家を浮かび上がらせる。東京都
江戸川区の静かな住宅街にある草木新生さん(81)の家だ。一目見ようと訪れる
人が増えている。
10年以上前から、空き瓶や陶器を拾い集めては、ランプを作り、自宅を照らし
てきた。電気工事などの仕事で身につけた技術が役立った。
「泣いてしまいそうな夜はここに来ます。クリスマスイブは夜中もつけてください」
という匿名の手紙を貰ったこともある。その依頼通り、イブには翌朝まで光を絶や
さない。
3年ほど前、心臓病が悪化して、もう続けられないと、すべてのランプを捨てた
が、通りを行く人々の「寂しい」「またつけて」の声で再開した。その秋、ランプ作り
をしていると初老の女性が声をかけた。「平安な気持ちになります。今年も見る
ことができて良かった」
また元気が湧いてきた。
ランプを見つめる人の心までのぞくことはできない。ただ、ほっとすると言われ
れば、うれしい。
■4.「まあちん」の日課■
石川県志賀町の中学一年生・奥下雅士君は、月曜と火曜の週2回、午前6時半
に起き、家を飛び出す。緩やかな100メートルほどの坂を、ダッシュして登る。
そこに一軒の駄菓子屋さんがあり、足の不自由な川口菊子さん(76)が住んで
いる。奥下君は、川口さんのために、週2回、ゴミ出しをしてあげているのだ。
きっかけは、ある雨の朝に見た光景だった。川口さんが右手に傘、左手にごみ
袋を持ち、足を引きずりながらごみを出す姿を見て、決心した。最初は、両親も気
づかずに「朝早くからどこへ行くのかな」と思っていた。
ラムネやガムなど10円、20円の駄菓子が並ぶ川口さんの店は近所の子供の
たまり場になっている。奥下君も小さい時からこの店に通っていた一人だ。
川口さんは言う。
まあちんに小遣いをあげようといっても「ぼく、それが欲しくて、しとるんじゃない
げん」と言う。そんなまあちんが好きで。いつも心の中で手を合わせています。
川口さんはゴミを軽くするために生ゴミを減らそうとするが、奥下君は「大丈夫、
大丈夫。重くても平気だから」
「年も年だし、もう2年で店おこう(やめよう)かと思っている。いつかまあちんの
お嫁さん見られたらいいな」と川口さんが言うと、まあちんは照れたように笑う
ばかりだった。
■5.思いやりのランドセル■
山陽新幹線・徳山駅近くの周南市。市内中心部の商店街にある野村カバン店
の経営者・野村利夫さん(57)は、今年も8個のランドセルを持って、市社会福祉
協議会を訪れた。「子供たちに、お願いします」とランドセルを手渡す。ランドセル
は市内の生活保護世帯の8人の入学前の子供たちに届けられる。
利夫さんの父親・章さんが、ランドセルの寄付を始めたのが昭和27(1952)年。
その前年の春、ランドセルの品定めしていた母子が値段を見て立ち去ったのが、
きっかけだった。
最初の年に、約50個のランドセルを贈った。「本当にうれしそうでした」と妻の
幸子さん(現在87歳)。章さんが昭和48(1973)年に亡くなると、幸子さんと章さん
がランドセル寄贈を引き継いだ。章さん以来、もう55年。最近は少子化で個数は
減ったが、通算では約2千100個になる。
ランドセルを贈られた子供が社会人となって、店を訪ねて来て、感謝する事も
ある。感謝の手紙が届くと、章さんの仏前に置く。
「もう半世紀を過ぎるんですよね」と幸子さん。「必要な子供がいる限り、続け
ます」と利夫さん。
こんな思いやりのこもったランドセルを背負う子供たちは、感謝の心を知る立派
な大人になるだろう。
■6.思い出のランドセル■
ランドセルにちなむ佳話をもう一つ。埼玉県鳩山町の増田利政さん(60)は役目
を終えたランドセルをミニランドセルに作り替える仕事をしている。
増田さんがミニランドセルを作り始めたのは、平成2年の春。近所のおばあちゃ
んが「捨てるに捨てられない。これで何か作って欲しい」と孫のランドセルを持ち込
んだのが、きっかけだった。
眼鏡ケース、財布、新聞入れ、、、いろいろ考えた末に「これならずっと手元に
置いておけるだろう」と思いついたのが、ミニランドセルだった。評判は瞬く間に
広がり、次から次へと使い終えたランドセルが持ち込まれるようになった。
ミニランドセルの標準サイズは高さ11センチ、幅9センチ、厚さ6センチ。
小さな背当て、肩かけベルト、名札ポケットまでついている。
素材のランドセルにカッターの刃を入れる時、革の表面の傷を残すかどうか迷う
という。懐かしい思い出の傷かもしれないし、逆に嫌な出来事を思い出させる傷
かもしれない。そんな時は、持ち主によく聞くようにしている。「良い思い出と一緒に、
いつまでも大切にしてもらいたいですからね」
こうしてミニランドセルを作り続けて15年。1万2200個余りとなった。途中、
無理がたたったのか、突然、右腕が動かなくなり、箸も持てなくなった。医者から、
ランドセル作りをやめなければ治らない、と言われた。だが、楽しみに待っている
人たちがいる。左手と両足、それに歯を使って、作り続けた。半年ほどして、よう
やく右腕は動くようになったが、まだ時々しびれるため、一日1個作るのがやっとだ。
それでも工房では今日もミシンの音が響く。
■7.山道を5時間歩いても郵便物を運ぶ局員■
増田さんのように、自らの職業の中で人々に感動、感銘を与える人も少なくない。
平成17年9月、宮崎県の山間部に位置する椎葉村は、台風14号で村外に通じ
る道路が寸断され、電気、水道、電話も止まって孤立した。
日本郵政公社九州支店(熊本市)は職員約40名を宮崎県に派遣。職員たちは、
東隣の南郷村から約2時間半の山道を歩いて、3日分溜まっていた郵便物を同村
南部を担当する尾崎郵便局に届けた。
尾崎郵便局は配達を再開。さらに約20キロ先の大河内簡易郵便局へ、約5時
間歩いて峠を越えて、郵便物を運び、そこから6人の配達員が約150世帯に徒歩
で配達した。
郵便物を受け取った村民の一人は「郵便受けを見てびっくり。近所の人と『ヘリで
運んだのかな』と話していた。郵便が届いて外とつながった気がしてほっとしました」
と喜んでいた。
何時間も山道を歩いて郵便物を届けた局員たちの使命感には頭が下がる思い
がする。
■8.海を越えたまごころ■
郵便局員に続いて、今度は警察官の話である。平成17(2005)年5月末、京都御
所のすぐ西側にある中立売(なかだちうり)警察署に一通のエアメールが届いた。
オーストラリア・シドニーのジョン・マクニーベンさんという男性からの手紙で、
「4月に家族で京都を訪れた際、娘のキティがショルダーバッグをタクシーに忘れた。
発見に力添え下さい」との依頼であった。
さっそく拾得物を調べてみたところ、七条署にそれらしきショルダーバッグが届け
られていた。英語の得意な安藤栄二警部補(42)が、エアーメールに記載されて
いた電子メールアドレス宛に、バッグが見つかったことを知らせるメールを送信。
以後、返す手順などを含めて8回ほどメールのやりとりをした。バッグは6月初旬
に航空便で送り返された。
7月4日、少女から感謝の気持ちを伝える手紙が安藤警部補に届いた。「この
カバンはお気に入りで、貴重なものが入っていました。大変感謝しています」
府警本部長にも父親からお礼の手紙が届けられた。「日本人がいかに親切か。
友人にバッグが返ってきたことを話すとみんな驚いた。府警の皆さんは称賛に
値する」
安藤警部補は「丁寧な礼状で逆に恐縮しています。娘さんが学校でこの体験
を披露するというメールももらいました。これを機会にもっと日本を好きになって
ほしい。」
遺失物を管理するのは警察の仕事である。しかし、そこに込められたまごころが
人を感動させる。それは国を問わない。
■9.心温まるニュースを■
新聞を授業で活用しようというNIE(Newspaper In Education)という教育活動が
ある。しかし犯罪や事故のニュースばかりでは、多感な青少年に対して、かえって
悪影響を及ぼすのではないか。中学生がいじめで自殺した、とか、高校生が
親を殺したなどというニュースが報道されると、よく似たような事件が続くのは、
そのようなニュースが青少年を触発しているからだろう。
本号で紹介したような心温まるニュースなら、良い刺激を青少年にも与える
はずだ。近所の足の不自由なおばあさんの為に、ゴミ出しをしてやるなど、子ども
たちにもすぐにでも出来ることである。
また、5時間も歩いて郵便物を届ける郵便局員や、オーストラリアの少女の
ために忘れ物を見つけ出す警官の話などは、子どもたちに、将来の職業への夢を
与えてくれるだろう。日本の子どもたちには、将来への明るい夢が少ない、という
国際調査がよく報道されるが、暗いニュースばかり流しているマスコミにも責任の
一端があるのではないか。
日本を美しい国とするためにも、ここに紹介したような美しい行い、美しい心を
もっと丹念に集め、報道して欲しいものである。 <以上が引用です>
初等教育の場において、今最も重要なこととして、読み書きそろばんに加え、
普通の道徳であることは、広く認識されています。それにもかかわらず、初等
教育の見直しにおいて、ゆとり教育の見直しだけは決まりましたが、どうした訳
でしょうか、肝心の、人間形成に最も大切な「徳育科」の創設は見送られました。
したがって、今回はじめて素晴らしいWEBの引用をさせていただきましたが、
「心を打つ話」、「こころ温まる話」は、折りに触れ、時に触れ、青少年に語るべき
ではないかと感じた次第です。
あわせて、マスメディアに対して、悪辣な、非道な、暗いニュースばかりでなく、
人間性のある、正道な、明るいニュースをもっと多く報道するよう求めるべきで
しょう。わたし達、ひとりひとりの積極的な行動が、世の中を、社会を良くしていく
のではないでしょうか。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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コメント
Thank you!
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投稿: Janice | 2007年12月 9日 (日) 23時47分
Well done!
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投稿: Lori | 2007年12月 9日 (日) 23時45分
だいぶ前に小さな親切運動というのがあったと記憶していますが、敢えて運動と言わなくても、このような心温まるニュースがあるのですね。わたしたちも自分の身辺から、このような明るいニュースをピックアップして、周辺の人たちに伝えていくことが大切だと思いました。このブログをきっかけに、自分の目を幅広くしたいと思います。
投稿: 東京の人 | 2007年12月 3日 (月) 10時29分
ソムリエ森山さんへ
おっしゃる通りですね。世の中、見方を変えれば、視点を変えれば、結構、「美しい風景」・「麗しい人情」・「素晴らしい社会現象」があるものですね。
TVや新聞が早朝から殺人事件ばかり報道するのには、例えそれが事実だとしても、何とかならないのでしょうか。もう少し工夫して欲しいものです。
見方を変えるには、時には小旅行はいいものだと思いました。
投稿: のんちゃん | 2007年12月 1日 (土) 06時50分
ホンワリと暖かいニュースをいろいろと教えていただき有難うございました。私も、どうして新聞を開くとこんなにも世の中が(日本が)悪い国のように感じるのだろう、街の中を歩いていたらけっこう良い光景もあるのになぁ~と思っていました。のんちゃんもきっと美しく雄大な由布岳を眺めてきて、世の中の綺麗なことを、もっともっと見つめたくなったのですね。
投稿: ソムリエ森山英子 | 2007年11月30日 (金) 20時32分