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2008年3月28日 (金)

チベット問題…これを自分の問題として考えよう!

 109回目のブログです。

 いよいよ桜の花も開花する好季節を迎えましたが、外では抗議行動と虐殺の
不穏な事件が勃発、内では与野党の堕落極まれりという状況で、とても桜を
ゆっくり楽しむ雰囲気からは遠いような気分となっています。

 とは言いましても、これらの問題を避けて通るわけにはいきません。特に民族
的にも、宗教的にも、本来は平和で穏やかであると言われている「チベット」の
今回の騒乱については、じっくり考える必要もあるのではないでしょうか。

 これも、外国のことだからとか、他人・他民族・他宗教のことだから自分自身には
関係ないことと、ほっかぶりすべきではなく、京都大学中西輝政教授が指摘されて
いるように、「自分の問題」として考えることが大事でしょう。

  相次ぐ対中国抗議広告

    今年8月に北京五輪が開かれる中国で、多数の中国人ジャーナリスト
   が拘禁されている問題に関し、世界新聞協会(WAN・本部パリ)が被
   拘禁者の釈放を求めて、世界中の新聞社などに中国に対する抗議広告
   
の掲載を呼びかけている。海外ではすでに多くの新聞社が広告を掲載した。
   さらに多くの新聞社が同調し、中国政府への圧力が高まることをWANは
   期待している。

    WANの調べによると、現在、中国で30人以上のジャーナリストと約50
   人のインターネット反体制派が服役中である。今回のチベット騒乱でも
   中国は、海外メディアによる現地取材を一切拒否している。「国境なき
   記者団」が発表した2007年の世界報道自由度ランキングによると、
   中国は169カ国中163位。

    WANは、中国が2002年、五輪主催にあたり「すべての側面において
   オープンになり、国際基準に従う」と表明したことは全く守られていないと
   指摘。「実際は表現の自由への弾圧を強め、果敢に口を開いた者の
   投獄やいやがらせを続けている」と非難している。

    世界新聞協会は1948年に設立された非営利・非政府団体。日本新聞
   協会を含む65カ国の新聞協会のほか通信社などがメンバー。
                         (サンケイMSNより一部抜粋)

 さすがに自由世界の新聞は違いますね。今回のチベット騒乱でも、中国(中華
人民共和国)は、海外メディアによる現地取材を一切拒否していますが、米国
「USA TODAY」、英国「Birmingham Mail」、イエメン「イエメン・タイムズ」など
が抗議の広告を掲載したそうです。

 翻って、わが国のマスメディア(新聞・TV)はどういう態度をとっているのでしょう
か。

  わがマスメディアが、いわゆる中国に対して抗議したり、抗議広告を掲載した
   ことを、残念ながら、また寡聞にして、知りません。

  わがマスメディアが、日頃から「人権擁護」を唱えてやまない、政党・政治家・
   宗教団体・人権団体・平和団体・進歩的文化人などに、中国に対して厳しく
   抗議するように主張したことを、これまた寡聞にして、知りません。

  新聞やテレビでは、チベット騒乱に対して「抗議」という言葉を使用せず、敢え
   て『暴動』という言葉を使用。暴動という言葉には、無分別、無思慮という意味
   合いがあり、したがって、わがマスメディアは、中国は善、チベットは悪と捉え
   ていることになります。何をか言わんやです。また、欧米のメディアによれば、
   中国軍隊・官憲は、チベット人をすでに130人以上殺害していますが、わが
   マスメディアは、それをしも「死亡」と言い、決して『虐殺』とは表現しません。
   これまた、何をか言わんや。

  メディアは鈍感すぎます。あるいは異常と言えるかもしれません。たとえば、
     朝日新聞の朝日川柳(チベット騒乱を題材として)
        “五輪前どうにも邪魔な生き仏”
   ダライ・ラマ法王に対して、たとえ川柳とは言え、不謹慎にも程があります。
   作者と新聞社の人間性の欠如を明確に表していると断言します。

  ニューヨークのウオール・ストリート・ジャーナルによれば、3月16日、中国
   からYou Tube(インターネット動画)へのアクセスができなくなりました。
   (You Tubeにはチベットからの映像があふれ、炎上するトラックや通りで
   中国兵に引きずられる僧侶の姿が数多く映っていたためです)。わが国の
   メディアは、これらの言論統制に一切抗議も反論もしていません。これで
   ほんとうにジャーナリズムと言えるのでしょうか。
 
  中国(中華人民共和国)や北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)などの独裁
   政権の国を取材する場合、ほとんど言論統制、言論検閲があるでしょうから、
   その場合は、その旨のコメントやキャプションを付すべきですが、NHKなど
   を含め、ほとんどなされていなことに知的誠実さの堕落を感じざるを得ません。

 マスメディアもマスメディアですが、最も腑に落ちないのは、政府はもちろんのこと、
政党(自民党・民主党・公明党・社民党・国民新党・共産党・新党日本)の態度、
対応です。たしかに昨今は朝から晩まで、与野党入り乱れて、国内問題において
政争と政略を楽しんでいるとしか見えませんが、チベット問題についてどう対応
するのか、態度を鮮明にしてもらいたいものです。

 このまま推移すれば、日本政府と全ての政党は、チベット民族とチベット文化を
抹殺することに力を貸したことになります。また同時に、中国共産党政権の、周辺
民族や周辺国家への弾圧を容認することになり、近い将来のわが国も同じ運命に
なることであろうことも容易に推測できます。中国はすでに、尖閣諸島・琉球諸島
(沖縄)の領有権を表明
していますから、明日はわが国が対象となること必定です。
危ういかな日本!ではないでしょうか。

  チベットと日本のつながり(1)

    チベット「国旗」は雪山獅子旗というらしい。これは20世紀初頭にチベット
   に滞在し「秘密国チベット」を著したことでも知られる日本人の青木文教と
   チベット人のタクラがチベットも日本のように民族独立を勝ち得たいという
   思いを込め、「旭日旗」に着想を得て作成したものです。
    とりわけ、チベットの場合は中国王朝の中華主義によって随分政治的
   干渉を受けてきたから、日清戦争への勝利というのも当時のチベット人が
   「親日」感を抱いた一因でもあるんです。
                             (「風まかせ」より一部抜粋)

  チベットと日本のつながり(2)

    チベット国は有史以来、ただの一度も中国領土だったことはありません。
   1911年、現在の中国で辛亥革命が起こり、中華民国の建国が宣言され
   た際も、隣国チベットは清朝以来の対等外交を保つべく、主権国家として
   の立場を表明、中華民国もそれを認めました。

    太平洋戦争の開戦前、経済封鎖された日本国に対し、チベット政府から
   大量の羊毛が送られて来ました。その理由はただ、「同じ仏教国が苦しい
   思いをしているから」でした。戦争突入後、チベットは一貫して中立を守り
   日本との国交は変わらず続けられていました。

    当時の日中戦線において、中国はアメリカから武器弾薬等をビルマ
   経由で輸入していましたが、このルートが日本軍によって絶たれた後、
   連合軍側はヒマラヤ越えのチベット・ルートを開こうとしました。しかし、
   先代のダライ・ラマ13世はあくまでも中立を貫き、アメリカ大統領特使の
   強硬な要求にも断じて応じませんでした。

    このあまりにも理想主義的な外交が、やがてチベット国に悲劇をもた
   らす結果となりました。1945年8月15日・・・日本の敗戦です。

    日本との国交を継続していたチベットは、なんと国際舞台で「敗戦国
   扱い」をされるようになってしまいました。
 
    その後、戦勝国によって「国連常任理事国」が結成され、中国もその
   メンバーになりました。これが更なる悲劇の幕開けでした。
                          (「チベットの真実」より一部抜粋)

 チベットは中国共産党・毛沢東による「仏教は人民にとってきわめて有害だ」との
考えのもとに、断種、交種などの蛮行も実施され、民族浄化策のもと、128万人が
虐殺
されたと言われています。毛沢東は、まさに、ヒットラーと並ぶ残虐無道な支配
者だったのです。

 今でもこの民族浄化が行われており、中国の現在の胡錦涛国家主席は、
チベットに対する徹底した弾圧で功績をあげた故に抜擢されました。その意味では、
胡錦涛氏はチベット民族、仏教徒、人道主義者、人権擁護主義者の最大の敵、
仇と言うこともできるのではないでしょうか。

 ところで、5月ごろ胡錦涛氏が来日し、天皇陛下に拝謁し、親中派の首相と会談
する予定ですが、マスコミ報道によれば、何と、かのわが国最大の在家仏教組織
「創価学会」の池田名誉会長と親しく会話するとか…?。まさか仏教を最大限弾圧
した人と親しく会話をするということは120%ありえないと信じたいのですが、もしも
そうなれば、普通に考えれば、現代のカリカチュア(戯画)、あるいは下手な漫画、
もしくは悪い冗談と言っても過言ではありません。またその時、わが国最大の宗教
団体の本質がはたして宗教組織なのか、あるいは政治・利権組織であるのかが
明確になるでしょう。

 更に、人権組織・平和団体・進歩的文化人・宗教団体・仏教会などはイラクへの
アメリカの姿勢には極めて厳しく当ったにもかかわらず、なぜ、中国には強烈で厳
しい正義の声をあげないのか、はなはだ理解に苦しみます。ヘタレは人間の屑です。
それこそ、フェアーに行動すべきではないでしょうか。

 さいごに、チベットからの“悲痛なアピール”をお読み下さい。

  日本の皆さまへ(一部抜粋)

    ご存知の通り、今チベットは重大な危機に直面しています。平和的デモ
   の参加者が、銃や戦車で残虐に弾圧されています。中国当局は、大量の
   チベット人を逮捕拘束し続けています。今チベット全土は極度の緊張が
   続いています。
    私は苦しむチベット人全員を代表し、日本の皆様に手を合わせてお願い
   したい
と思います。どうか、中国当局が我々の誠実な気持ちを理解でき
   るよう、また、現在のチベットの状況に国際的な基準とオリンピック精神
   にのっとって対応できるよう、日本の皆様のお力をお貸しください。

                ダライ・ラマ法王日本代表部代表 ラクパ・ツォコ
    
 民族と文化と宗教が滅ぼされることは、想像に絶する苦難であり、辛い辛い悲劇
そのものですが、わたし達はどうすればいいのでしょうか。歴史的にも恩義ある
親日のチベットの人々を勇気づけるためにも、わたし達一人一人はもちろんのこと、
政府を初め、いろいろの組織が積極的なチベット支持、真の人権擁護の発言を
すべきだと考えます。

 みなさんはどのように考えになられますか。

次回も
時事エッセー
です。

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コメント

チベットと日本の関係はかなり昔からあるだろうとは思っていま
したが、チベットが第二次世界大戦中に日本に対して支援してく
れたことは全く知りませんでした。

チベットへの感謝への気持ちを今こそ示すべきでしょう。チベッ
トの自治独立を心より応援します。

マスコミの報道の仕方にクレームをつけておられますが、全く同
感します。マスコミは中国とチベットの両方のバランスを取った
報道をすべきです。

投稿: 春夏秋冬 | 2008年3月31日 (月) 13時39分

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