ドレスコード…それは他人へのおもいやり!
123回目のブログです。
いよいよ7月、別の優雅な表し方では文月(ふづき)となり、賑やかな夏祭りも
もうすぐの所も多いと思います。夏祭りと言えば、印半纏、浴衣など、暑い季節に
合った姿が美しく、その立ち居振舞いも風流を感じさせてくれます。
ところで、最近といってもかなり以前からですが、若い世代(もちろん若者だけに
限らないのですが)、とりわけ一部の高校生の服装には違和感を感じます。だらん
とした上着、ずり落ちそうなパンツ(ズボン)、外したボタン、踵を潰したスニーカー、
締めないスニーカーのヒモ、…。
今日のご時勢ですから、彼らの服装だけなら大したことではないでしょうが、道路
でのべた座り、プラットフォームでの車座、電車内でのいわゆるウンコ座りなど、
だらしなさに加えて、はた迷惑なことは事実です。(最近はかなりマシにはなりまし
たが…)
こういった現象は、一部の高校生だけでなく、結構成人のなかにもあり、それは、
ある意味で「自由」のはき違えが社会全般に蔓延していることの象徴のような気が
します。そうであるならば、ここで、服装について、今一度考えてみたいと思います。
■ ドレスコードは思いやり
マンハッタンで、東京から来た友人の女性を一流レストランに案内しよう
としたところ、彼女はスニーカーを履いていこうとした。私は「まさかスニー
カーでは行かないわよね?」と聞いた。
彼女は、日本の女性誌で得た知識から、ニューヨークのキャリア女性はどこ
でもスニーカーで闊歩(かっぽ)するものだと思い込んでいるようだった。
しかし、彼女は、その場所には、どんな服装で行くべきかを示す「ドレスコード」
を意識すべきだったのだ。
欧米では、ドレスコードがあるのはパーティーなど特別なイベントだけだと
思われがちだが、家を一歩出たらどんな場所でもドレスコードがある。
マンハッタンでもアッパーイースト(セントラルパークの東側)あたりでは、
家庭内にもドレスコードがあり、古き良き英国式ディナーのたびに家族全員
が着替えて席につくという家庭も珍しくはない。
最近でこそ、どこへ行くにもジーンズとTシャツとスニーカーといういでたちの
人が増えてきたような気がするが、そもそもジーンズは作業着だし、Tシャツ
は下着であり、スニーカーは運動靴だ。
格式のあるフレンチレストランに行くときは、やはり運動靴ではなく、女性
ならパンプスで出かけるのが正解だろう。どんなに高価なジーンズと
スニーカーを身に着けていたとしても、その格好では入れないと露骨に
指摘されるか、予約があっても「今日は満席」と入店を断られるはずだ。
ファッションには内面が表れる。おしゃれになるというのは、モードやブランド
に関する知識を身につけることではなく、相手への気遣いとゆとりを持つこと
から始まる。
他人を思いやる心と装いが、あなたをより美しくする。
(2008/5/18 産経 ひらめき進化論 前田義子 一部抜粋)
なかなか素晴らしい考えだと思います。わたしは以前、ファッション業界に多少
関係したこともありましたが、ドレスコードということに関しては詳しいことは知りま
せん。ところで、TVの深夜番組で、お笑い芸人が「~をするのも自由だ!」と叫ん
で人気を博していますが、実際は、「何を着るのも自由だ」というわけにはいかない
のではないでしょうか。前田さんが鋭く指摘されるように、少なくとも公の場所では、
TPO(時・場所・場合)をわきまえた対応が求められるのは言うまでもありません。
最近では、オフィスパーティが盛んですが、オフィスパーティはビジネスの延長で
あり、服装や言動に細心の心配りが必要です。どんな服装でも自由だというのは
偽りの自由であり、相手を思いやる心で装うことが真の自由というものでしょう。
だいぶ以前の話になります。あるTV局のリポーターが、最愛の家族の理不尽な
死に対し悲しみにくれている所を取材した際の服装がラフで、燃えるような赤色の
ネクタイをしていました。そしてそれを長時間にわたり報道したアナウンサーも
真っ赤なネクタイを締めていたのです。
これに視聴者は敏感に反応。TV局の配慮の無さに抗議の電話が殺到したの
です。
ところで最近のTVを見て気付かれているでしょうか。先日の岩手宮城内陸地震
を報道するアナウンサーの服装は、どの放送局でも、いわゆるシックな上着と渋い
ネクタイを着用していました。同胞の悲しみ、苦しみを報道するにふさわしい服装
であり、まさに、放送界における暗黙のドレスコードと言えるでしょう。常識的な、
良識ある服装…これは視聴者の心情からみても当然の対応だと考えます。
何はともあれ、汚らしく胡散臭い服装や傍迷惑な振舞いの無い、穏やかな世間に
なってほしいものです。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
| 固定リンク
コメント