校舎倒壊の危険…なぜ耐震改修を急がない!
129回目のブログです。
まだまだ暑い夏であり、頭の中の思考回路がこんがらがったまゝの状態が続い
ています。先日たまたま、このボケた頭に冷水を浴びせるような、すこし前の記事
を目にしました。学校は今、夏休みで危険度は小さいでしょうが、公立の小中学校
の校舎が、震度6強の地震で、いつ倒壊してもおかしくない状況にあるということ
です。
えっ!まさか、この日本で。先般の中国四川省での大地震で、学校がいわゆる
「おから工事」(手抜き工事)で倒壊し、多数の犠牲者がでましたが、わが国では、
手抜きは無いようですが、耐震強度に問題が残ったままになっています。
阪神淡路大地震から既に13年も経過しているにもかかわらず、未だに学校校舎
の耐震改修が100%済んでいないのです。
■ 校舎1万棟 倒壊の危険(震度6強の地震)
全国の公立小中学校の校舎や体育館約12万7000棟のうち、現行の耐震
基準の適用前に建てられ、未改修の建物が約4万3000棟(33.9%)あり、
このうち約1万棟(8.4%)は震度6強で倒壊する危険性が高いことが20日、
文部科学省の調査で分かった。危険な校舎などは大阪府や埼玉県、東京都
など都市部に目立っている。
市町村の耐震化事業が全国で進められているが、耐震化率は62.3%で
前年より3.7ポイントの改善にとどまった。文科省は同日、都道府県教委
の担当者を集めて取り組みを急ぐよう求めた。
(2008/6/21 産経新聞 抜粋)
耐震診断はほとんど実施されていますが、耐震化率はまだまだです。
<耐震化率上位5都道府県>
〇神奈川県 90.4(%)
〇三重県 86.5
〇静岡県 86.4
〇宮城県 85.5
〇愛知県 81.7
<耐震化率下位5都道府県>
・長崎県 39.0(%)
・山口県 46.1
・茨城県 46.5
・徳島県 48.2
・北海道 48.4
<倒壊の危険性が高い棟数上位5都道府県>
・大阪府 1045(棟)
・北海道 605
・埼玉県 524
・新潟県 496
・福岡県 467
これを見ても分かりますが、耐震化率は都道府県により大きな差があり、かなり
のバラツキが見られます。耐震化率上位県は東海地方ですから、予想される東海
地震に早くから対応してきたのでしょう。
それにしても、大阪府では倒壊危険棟数が1000棟を優に超えており、これは、
7/18のブログで指摘した府下市町村の財政難による遅れと判断できます。しかし、
これも「身から出た錆」。大阪府には43の市町村がありますが、数値には強烈な
バラツキがあります。
<平成20年4月1日耐震化工事進捗状況>
(診断実施率) (耐震化率) (学校名公表)
・田尻町 100% 100% ○
・茨木市 100 46 ×
・吹田市 95 33 ×
・高石市 100 7 ○
たしかに財政難であれば、耐震化工事に着手できない事情は理解できますが、
これは最優先すべき案件であるはずです。今まで非効率、不公平、馴れ合い、
利権、惰性の地方自治体政治を続けてきた結果であり、許せるものではありま
せん。どうして、中華人民共和国(いわゆる中国)四川省公立学校(おから工事)
の地震倒壊を笑うことができましょう。万一、震度6強の地震が生じれば、この、
自分の足元も同じ悲惨な結果になるのではないでしょうか。
さらに、上の表で理解に苦しむのは、耐震化工事をしていない学校名を公表し
ない自治体が数多く存在することです。そこで、わたしは先日、大阪府茨木市の市
役所管理部施設課に電話し、「なぜ、公表しないのか」と質問しましたが、彼らは
「今後検討する」との一点張りで拉致があきません。お役人が今後検討するという
意味は、やらないということと同じ意味です。
要するに、市民・国民から“怠慢”を指摘されたくないからでしょうし、いつ地震が
来るかも知れないことに、一々かまっておれないということでしょう。それにしても、
「児童・生徒の安全」、「地域住民の安全」にかかわる重大なことであり、当然公表
すべきものと考えます。
本来は、地方政治家が、市民の安全のために公表を求めるべきですが、公表
されていない市町村が多く存在するということは、地方政治家がその責務を果たし
ていないことを意味しています。
地方政治家は信頼できず。わたし達は、お役人に直接、市民・国民パワーを発揮
しなければ、子どもや孫の安全は守れないところに来ています。メディアを通じての、
橋下大阪府知事と府下各市長の予算編成のバトル劇を見て、いかに市長などの
意識・志が低いかがよーく分かりましたので。
安全の確立は国民の強い意識によってなりたちます。全都道府県において、
いまだに公立小中学校校舎のすべてが耐震安全基準に達していないことに対し、
市役所などの地方自治体に、怒りをぶつけていくべきだと思います。
これは、北朝鮮拉致問題での、国会議員に怒りをぶつけることと同じようなもの
です。今、国会議員の「国の安全」意識は低さも低し、いわゆる、あの卑劣な主権
侵害の拉致問題でさえ、33.9%の議員しか関心がないのです。(7/28拉致
家族へのアンケート回答率)何たることでしょうか。
2ヶ月前の記事でしたが、この耐震改修のデータには驚かされますね。わたし達
は良識ある積極的な行動を起こさなければならないと考えます。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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