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2008年10月 3日 (金)

「教育非常事態宣言」…教育に風穴を!

 136回目のブログです。

 自由民主党の総裁に引き続いて、日本国の総理大臣に麻生氏が選ばれました
が、わたしは、自民党の総裁選・民主党の代表選に関して大いに疑問を持って
います。それは、彼等がほとんど経済、財政、生活のことだけしか論じなかった
ことです。

 石波氏だけは、安全保障の大切さを切々と訴えていましたが、憲法、外交、防衛、
教育など、国家の基本的な問題
に関して言及するのが極めて少なかったと思いま
す。確かに、国民の関心事が今すぐの飯の種にならないテーマに向かっていない
のは事実でしょうが、総理を目指すのですから、そういう大事なことにも触れてもら
わなければ困ります。

 教育問題については、積年の膿が露呈してきました。教育内容の正常化は、
わずかばかり進みつつありますが、大分県教育委員会の教員採用の暗い闇(教育
関係者間の不正の跋扈)、学力テスト市町村別データ公表拒否問題(教育委員会
制度の極端な歪み)など、戦後改革がなされなかった神聖不可侵の場が永年の間
に、腐ってしまってきていることが明るみになったのです。

  橋下知事、大阪府の「教育非常事態」を宣言

   大阪府の橋下徹知事は5日の記者会見で、全国学力テストの成績が2年
   連続で低迷したことを受け、「府の現状について『教育非常事態宣言』を
   発する」と述べ、教育力向上への取り組みを徹底する考えを示した。

   橋下知事は「府教育委員会が前回の(学力)テスト後に『方策を取る』と
   言ったのに、全く改善されなかった」と理由を説明。「教員が逃げている
   だけ」として、正答率も含めた学力テストの市町村別結果を公表する必要
   性を強調した。

   今後は生活習慣や経済事情など府特有の課題がある点を考慮し「学校に
   全部任せるのをやめて、地域や家庭に教育の責任を持ってもらう」と指摘。
   さらに「駄目教員は去ってもらう」として、不適格教員に対する分限免職の
   厳格な適用を府教委に求めると述べた。

   また「戦後の教育委員会制度は検証しないといけない」とした。
                   (2008/9/5 産経MSNニュース一部抜粋)

 この8月29日公表された全国学力テスト(国語、算数・数学)結果では、上位、
下位とも昨年とほぼ同じ顔ぶれとなっています。(47都道府県公立小中学校)
  
   (上位G)  小学校  1、秋田    中学校  1、福井
                 2、福井         2、秋田
                 3、青森         3、富山
                 4、富山         4、岐阜
                 5、東京         5、石川

   (下位G)  小学校 43、三重        43、岩手
                44、長崎        44、北海道
                45、山口        45、大阪
                46、北海道       46、高知
                47、沖縄        47、沖縄

 大阪府は、小学校は41位、中学校は45位と、大都会であるにもかかわらず、
低位安定という良からぬ結果となっていますが、これに教育委員会はほとんど
無反応、無視、馬耳東風。それに怒りを発したのが、かの知的暴れん坊である、
橋下知事でした。

 橋下知事は大阪府教委が市町村教委に対し全国学力テストの市町村別データ
を公表するよう、強く要請しましたが、一部を除いて、ほとんどの市町村教委は
消極的な姿勢をしめしています。

 これらのデータ公表が、公教育を変える「特効薬」「劇薬」かは、いろいろ議論
の分かれるところですが、こどもの父母は圧倒的に公表に賛成です。教員は反対
の方がはるかに多いようです。

 市町村別データの公表を求める動きは、橋本知事に続けと、鳥取県知事や秋田
県知事は、公表する方針を表明しました。教育予算などを人質にして、揺さぶりを
かけ、摩擦を恐れず実施に持っていき、教育の充実を目指そうとしているのです。

 公表すれば確かにメンツの問題や摩擦は生じるかも知れませんが、立命館小
副校長の百ます計算で有名な陰山英男先生の、素晴らしいお話に目を通してみま
しょう。

  子どもと伸びる “方法より結果重視を”

   子どもを伸ばすのにもっとも有効な方法は、従来の常識からすれば、
   悪いやり方だったり、横着なやり方だったりした。

   例えば、1年分の漢字を2週間、国語の時間をすべてまとめて教えて
   しまう方法で、漢字の指導をしたとき、漢字テストはいつも30点しか
   取れなかった子がいきなり90点を取った。そのときの作文がおもしろい。

   「鉛筆が動く」。この鉛筆が動くという表現に彼の喜びが凝縮されている。

   どうあっても、子どもを伸ばしたい。そのためには、体裁もメンツも
   こだわらないし、手段も選ばない。学力向上の鍵は、結果へのこだわり
   であった。ところが、多くの学校は、方法にはこだわるが結果にはこだ
   わらない。

   全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果は一般に公開しない
   となっているが、実はその学校の教職員にも教えない校長も多い。結果
   を市民に公開しないだけでなく、学校設置者の市長にすら教えない教育
   委員会もあるそうだ。いい結果がでるはずはないと思う。
                     (2008/9/13日本経済新聞一部抜粋)

 府教委の井村委員(北京五輪シンクロ中国代表ヘッドコーチ)などは、橋下知事
に、性急にことをすすめるべきではないという考えで、対峙しました。だからと言って、
昨年から一年間、何も手を打たなかったのです。当然再任は拒否されました。

 学力テストの結果が、昨年に引き続いて、大阪府が下位のままであることは冷厳
とした事実であり、紛れもない結果
です。わたしは、問題はあるにしても、このこと
に危機感を表明した橋下知事は大した政治家だと考えます。今まで誰もこのこと
に関して問題提起をしなかったではないですか。

 大阪府・大阪市は今までぬるま湯過ぎたと思います。全国には、広島県福山市
や東京都墨田区のように、公表することにより好結果に繋がっている所もあります
から、参考にすべきでしょう。

 もちろん、教育は先生だけではなく、先生・家庭・地域の三位一体のものですが、
戦後数十年、手付かずのままになっている「教育委員会制度」は速やかに検証
されなければなりません。単に形骸化の観点だけでなく、教育正常化への妨げの
観点からも検討する必要があるように思われます。国政に当たる人は何をモタモタ
してきたのか。廃止も視野に、徹底した議論を起こすべき時ではないでしょうか。

 HOTな話題について考えてみました。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか

次回も
時事エッセー
です

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