西国三十三箇所…心落ち着くお寺巡り!
141回目のブログです。
世界的に金融の嵐と景気の減速があきらかとなり、先行きに明るい材料を見出す
ことが難しくなるとともに、国内では、政治の混乱、官の腐敗(高級官僚から自治労
まで)、教育の堕落、外交の敗北(拉致・領土・内政干渉に象徴的)、自己中国民の
増加、家族の弱体化、傲慢なイデオロギーなどなど、問題山積みと言わなければ
なりません。
このような社会、世間であれば、誰しも、日がな一日不安な気持ちを抱き、一時も
心の平安、やすらぎを覚えることができない状況ではないかと考えられます。
そうであれば、わたし達はどうすればよいのでしょうか。簡単な解決策があれば
それに越したことはありませんが、識者はなかなかそれを示してくれません。そこで、
わが国の歴史的風土のなかに見出すとすれば、それは、神社で祈り仏閣で拝むと
いう伝統的な精神文化に行きつくと思われます。
神の御前で、わが国の歴史の流れにゆったりと身を置き、祈りのなかで心の
鎮まりを体感できるのは神社であり、また、御仏の懐に身をゆだね、拝むなかで
心の落ち着きを実感するのが仏閣でもあります。
先日、わたしの住む家から自転車で20分の所にある、西国三十三箇所のひとつ
である「総持寺」にはじめてお参りしました。前々から一度行きたいと思っていまし
たが、近くにあるため何時でも行けると思い、行っていなかったのです。
総持寺は高野山真言宗、西国二十二番札所、平安時代創建の古刹。千手観音
がご本尊ですが、正式には千手千眼観世音菩薩と言い、千本の手と千個の眼を
持っているそうです。年中行事として有名なのは、「包丁式」です。総持寺を開いた
山蔭卿が千日料理の包丁道の祖として崇められている関係で、毎年4月に山蔭
流包丁式が行われます。
ふと手にしたお寺のパンフレットになかなか良いことが書かれています。
■ 無財の七施
七施とは七種の布施のことでありますが、この教えは、お金を使わず
誠心で人と交際する秘訣であります。
① 眼施 いつも人々に優しい目を向ける
② 顔施 いつも笑顔で人に接す
③ 言施 誰にでも親切な言葉をかける
④ 身施 手助けをさせていただく
⑤ 心施 相手に対して愛情を持つ
⑥ 座施 座席を譲る
⑦ 舎施 来訪者をきもちよく迎える
言施について。毒を含んだ言葉や棘のある言葉は人を傷つけますが、
へつらう言葉もおなじです。十善戒のうち、不妄語、不綺語、不悪口、
不両舌と、言葉について、多くの戒律が制定されています。
「ありがとう」「お世話さま」というような心のこもった言葉が大切
なのです。
(山主・中西隆英、観音経より抜粋)
含蓄のある言葉であり、そうありたいと念ずるばかりです。西国三十三箇所は、
平安時代以前からの由緒を伝える観音信仰の場であり、今も多くの参拝者が訪れ
ています。近畿2府4県と岐阜県にまたがり、全長約1000kmもありますが、わたし
もゆっくりと巡ろうかなと考えているところです。
巡礼と言えば、四国八十八箇所のお遍路(1400km)が最も有名ですが、他にも、
数多くあります。
① 観音菩薩霊場(ex.西国三十三箇所・坂東三十三箇所)
② 弘法大師霊場(ex.四国八十八箇所お遍路・関東八十八箇所)
③ 円光大師霊場(ex.法然上人二十五霊場)
④ 薬師如来霊場(ex.中部四十九薬師霊場)
⑤ 不動明王霊場(ex.北海道三十六不動尊霊場)
⑥ 七福神めぐり(ex.深川七福神)
⑦ その他、善光寺参り、高野山、熊野詣で、伊勢参りなどなど
本格的に巡礼するとすれば、四国八十八箇所のお遍路でしょうが、なかなか骨
が折れるでしょうし、覚悟も必要となります。とすれば、まずは身近な西国三十三
箇所巡りとならざるを得ません。
■ 西国三十三箇所
1、那智山寺 和歌山県
2、紀三井寺 〃
3、粉河寺 〃
4、槙尾山寺 大阪府
5、藤井寺 〃
6、壷阪寺 奈良県
7、岡寺 〃
番外、徳道上人廟 〃
8、初瀬寺 〃
9、興福寺 〃
10、御室戸寺 京都府
11、上醍醐寺 〃
12、岩間寺 滋賀県
13、石山寺 〃
14、三井寺 〃
番外、元慶寺 京都府
15、今熊野観音寺 〃
16、清水寺 〃
17、六波羅蜜寺 〃
18、六角堂 〃
19、革堂 〃
20、善峰寺 〃
21、穴太寺 〃
22、総持寺 大阪府
23、勝尾寺 〃
24、中山寺 兵庫県
番外、花山院菩提寺 〃
25、清水寺 〃 (加東市)
26、一乗寺 〃
27、園教寺 〃
28、成相寺 京都府
29、松尾寺 〃 (舞鶴市)
30、宝巌寺 滋賀県(竹生島)
31、長命寺 〃
32、仏法興隆寺 〃
33、華厳寺 岐阜県
今まで巡礼という意識は全く持っていませんでしたが、過去を振り返ってみれば、
33ヶ所のうち、石山寺、三井寺、清水寺(京都)、善峰寺、総持寺、勝尾寺、中山
寺の7寺を訪れ参拝していました。有名なお寺も多く含まれていますので、結構訪
れていたことになり、あと残りは26ヶ所となります。
清澄・清浄なる聖なる場において、永い歴史の共感のなかで、心の鎮まりとやす
らぎと、出来得るならば、凛とした精神を自らに取り戻す…そのための神社仏閣
巡りをあらためて考えてみたいと思う今日この頃です。
みなさんはどのようにお考えでしょうか
次回も
時事エッセー
です
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コメント
平田さんへ
わたしもいずれは四国八十八箇所と思っていますが、今はまず、
身近からと西国三十三箇所、“ぼちぼち”と考えています。
ところで、このブログ、時々硬派と思われていますが、ブログ
診断(NTTグループ)によれば、まだまだ主張度は弱く、
5段階の1だそうです。若い世代は、もっとズバリの発言を
求めているようです。
いろいろとご意見をお聞かせください。
投稿: のんちゃん | 2008年11月17日 (月) 11時01分
こんにちは!ご無沙汰致しております。
なかなか硬派の面も垣間見られるこのブログを時々読ませて頂いております。確かに最近の世相には航空幕僚長や兵庫県知事の暴言など不見識な腹の立つことが多くてやりきれませんが・・・・。
そんな時ほど古寺巡礼で自分の過去を振り返り、心の安らぎを求める意義も多いでしょう。
私も一昨年バイクで四国遍路し、昨春は一ヶ月半近くかけて歩いてみました。
その旅日記をホームページに掲載したところ、いまだに全国津々浦々からご意見やお問い合わせが入ります。
それだけ多くの人が、心の癒しをどこかに求めているのでしょうね。西国巡礼ですか・・いいですね。私もまた歩きたいな。
投稿: 平田 健夫 | 2008年11月14日 (金) 11時37分
ソムリエ森山英子様
ここ2~3日前から急に寒くなりました。
京都、奈良、滋賀、兵庫などの紅葉もこれで加速されて深紅のあじわいを醸し出すようになるのでしょう。あらためて、ゆったりと神社仏閣を巡りたいものです。「無財の七施」心掛けたいものですが、人間ができていないので、なかなかその境地に届きません。それでも心したいと思います。
投稿: のんちゃん | 2008年11月11日 (火) 15時23分
もうすっかり秋ですね。
美しい紅葉やはらはらと落ちる枯葉の中での神社仏閣での散歩は、普段の慌しい生活の流れで忘れている自分の内面を見つめなおすのに最高です。何かふっと柔らかな気持ちが突き上げてくるのがわかります。私も先日京都でお寺や神社を訪れましたよ。良いひとときでした。「無財の七施」心に留めていきたいです。
投稿: ソムリエ森山英子 | 2008年11月 7日 (金) 11時48分