観梅…大阪城公園の自然に親しむ!
155回目のブログです。
昨年の秋から、わが国はもとより、世界の政治経済が混沌の坩堝(るつぼ)の
なかで、もがき苦しみ、未だにその打開策や行く末も不明な状態が続いています。
こういう時は、心身をリラックスするために、身近な自然に親しむなかで浩然の気を
養うのも一考かと思われます。
◆ 梅の花、大阪城・早咲きの50本がほぼ満開
大阪城公園の梅林で28日、早咲きの梅約50本がほぼ満開となり、訪れた
市民らが一足早い春の香りを楽しんだ。
同公園には100種約1270本の梅が植えられており、早咲きの「寒紅」や
「冬至梅」の濃紅色や白の花が咲きそろい、見頃になっている。同公園
事務所によると、開花時期は平年並みで、梅林全体が色付くのは3月上旬
という。
(2009/1/28 読売新聞抜粋)
京阪神の梅林は、北野天満宮(京都)2000本、月ヶ瀬梅林(奈良)1万本、南部
梅林(和歌山)100万本、田辺梅林(和歌山)30万本などが有名ですが、その他いたる
ところに小さな梅林があります。
大阪城公園は、オフィスから歩いて数分であり、特に、梅や桜は定評があり、大阪
城梅林は種類の多いのが魅力で、そのほんのりした色合いの可憐な花はわたし達
の心を和ませてくれます。また、その名称もなかなか日本的な優雅さを醸し出して
いると言えましょう。
寒紅梅
浮牡丹
道知辺(みちしるべ)
緑萼(りょくがく)
南高
月の桂
佐橋紅
大杯
冬至
初雁
鹿児島紅
八重海棠(やえかいどう)
小梅
豊後
なかなか乙な名前ですね。梅はバラ科サクラ属ですから、梅も桜の仲間であり、
道理で収まりの良い印象を持つことができます。子どものころ冬休みや春休みに
遊んだ、花カルタ(花札)には、“梅に鶯”という「役札」がありますが、これもなかなか
風雅なものです。
わたし達は、今日、日本の四季における花鳥風月を絶妙に、簡潔に表現した花
カルタなどで遊ぶ心のゆとりを失っていますが、その一方、表面的な環境問題など
には熱心という風潮がはびこっているように思えます。環境を語るには、日頃より
花鳥風月に触れることがベースになっていなければならないのではないでしょうか。
梅の花言葉は、全体としては「高潔な心、澄んだ心」ですが、梅もいろいろな色が
あり、色別に花言葉もわかれています。
黄梅 ひかえめな美
紅梅 誠意ある約束
老梅 慈愛にみちて
ところで、梅、梅花と言えば、天神様・天満宮・菅原道真公を忘れるわけにはいき
ません。天満宮は、九州の大宰府、京都の北野天満宮、大阪天満宮、湯島天神など
の有名な神社を含め、北海道から九州まで全国いたるところにあり、その祭神である
“菅原道真公”は学問の神様として全国民から崇敬されています。
梅田と大阪城の中間には「大阪天満宮」があり、こじんまりとした見事な梅林を持ち、
毎年いまごろ「大盆梅展」が催されます。菅原道真公はおよそ1100年前の、わが国
の歴史が誇る大人物ですが、道真公には“飛び梅伝説”(京都自宅の梅の木が道真
公を慕って一夜のうちに大宰府に飛来したと伝わる話)など、梅にまつわる話が数多
くあります。
特に有名な和歌二首。
うつくしや紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある
(5歳の時・梅の花を見て)
東風(こち)ふかば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ
(大宰府へ赴く時、自宅紅梅殿にて)
人口に膾炙(かいしゃ)した和歌“東風ふかば…”は、わたし達に、道真公の寂しく
も清らかな誠の心を感じさせてくれる名歌だと思います。
梅林の梅の花を見ていますと、その他の梅にまつわる和歌や俳句を思い起こし
ました。
春さればまず咲く宿の梅の花 ひとり見つつや春日暮らさむ
(万葉集・山上憶良)
梅一輪 一輪ほどの あたたかさ
(服部嵐雪)
春もやや けしきととのう 月と梅
(松尾芭蕉)
テレビの名文句ではありませんが、“いやあ…、梅っていいものですね!”と言いたく
なりますが、世間がこんな薄暗く不安定な状態ですから、梅林を見て、わが日本の
恵まれた四季に感謝し、浩然の気を養うのも、これまたいいものです。わたしも、もう
一度大阪城公園の可憐な梅の花を観賞したいと思います。
季節です。お近くの梅林を見に行かれることをお薦めします。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
| 固定リンク
コメント