ピアノ・チェロ・尺八…「古武道」を聴く!
163回目のブログです。
早、桜前線は東北に行ったそうですが、桜はいつ見ても心ウキウキ、厳しい世
の中を一瞬忘れさせる効用もあります。桜の種類は多く、一般的な染井吉野から
重厚感あふれる八重まで、まだまだ目の保養ができそうです。
桜は目の保養となり、視・聴・覚の順番から言うと次は耳・聴くことですが、耳
の保養とは言いませんね…何と言えば良いのでしょうか。目の保養の意味は、心を
なぐさめ楽しむことですから、耳の保養は、心静かに楽しむことでしょう。とすれば、
それは森や林での小鳥のさえずりや、草むらでの虫の声に耳を傾けるか、
あるいは、心をなごませる音楽を聴くことではないでしょうか。
先日、息子から演奏会のチケットをプレゼントされ聴きに行ってきました。会場は
大阪城にある最高クラスの「いずみホール」でしたが、圧倒的に若い世代が多く、
完全に満席、まことに素晴らしい演奏会でした。
演奏者の名前…それは「古武道」です。わたしはこの名前を全く知らず、息子
からその名を最初に聞いた時は、古い武道、剣道・柔道・柔術の類かなと誤解を
したほどです。
◆ 古武道―KOBUDO―
和の伝統をクラシカルに表現する尺八、チェロ、ピアノのスーパーユニット。
クラシック、邦楽、ポップスのそれぞれのジャンルの第一線で活躍する3人に
よるユニット
古川展生(チェロ) → 「古」
妹尾 武(ピアノ) → 「武」
藤原道山(尺 八) → 「道」
いずれも30代の若手一流実力者であり、世界的な活動もしており、三人の各自
の一文字を取った「古武道」、なかなか洒落た、ユニークな名前です。チェロと尺八、
ピアノと尺八、まさに「和」と「洋」のコラボレーション(合作・協力・共同)。
それにしても、和と洋の美しいハーモニーには吃驚しました。なぜなら、尺八の狭
い音域でピアノの広い音域をカヴァーできるのか、いささか疑問があったからです。
藤原道山さんは、長さ、太さの違う7本の尺八を使い分け、音程、リズム、メロディ、
自由自在、ピアノ、チェロと素晴らしいハーモニーを奏でました。まるで、魔法に掛
けられたような夢見心地であり、聴衆は万雷の拍手。
本当に見事なコラボ…演奏の合間に、このユニット結成の動機が語られました。
三人は、各自がお互いの音楽に関しての心構えが同じであることがわかり、さらに、
心の琴線に触れる関係にまで至ったので、固い決意で結成したそうです。(これは、
ベンチャー企業の精神と同じであり、まず志・心ありき、それから組織へすすんで
いくのが成功への道となるのもの)
和洋のコラボレーション(ピアノ・チェロ・尺八)を気持ち良く聴いたわけですが、
音楽、オーケストラ、クラシック、演奏、コラボと言えば、出光興産提供のTV番組
「題名のない音楽会」(テレビ朝日系列)があります。現在は、世界的な指揮者・
佐渡裕氏が司会・プロデュース、あらゆるジャンルの音楽を取り上げている極めて
上質の番組です。出光興産はこれを昭和39年(1964)から提供しているわけです
から、これぞ尊敬すべき企業と言わなければなりません。
さて、古武道の2時間にわたる演奏を聴いた後、そのCDを買い求めましたが、
すべて完売という状況。凄まじい人気であり、自宅配送を依頼して帰宅の途に
つきました。
昨日、そのCD「風の都」が自宅へ配送されてきましたので、さっそく先日のライブ
演奏を思い出しながら聴きました。あらためて感激。
◆ 「風の都」(CD・演奏 古武道)栞より
春の花起こし、
夏の薫風
秋の雁渡し
冬の木枯らし
いつもココロに
風の都
時に優しく、時に厳しく、
風はいろんなものを運びながら私たちの記憶の中を
吹き抜けてゆきます。
変わらないもの、変わるもの。
徒然なる風景のなか、この美しい国に生まれたことを
誇りに思いながら書いた曲です。
このCD「風の都」には11曲が収録されていますが、栞に記された詩や言葉を
見ると、彼らは、演奏や作曲だけでなく、優れた詩人でもあります。彼らは、真の
日本人である感性を、純粋に、謙虚に表現しており、わたしは絶賛したいと思い
ます。
若い世代には、このように素晴らしい“真の日本人”がいます。まだまだ捨てた
ものではありません。というよりも、若い世代の方が優れた精神を持っているので
はないでしょうか。
今の社会は、薄汚れた思想、くたびれた精神、人間性欠落、良識欠如の人々が
社会の指導層に居座っており、それを駆逐しなければ、わが国の未来に展望が開
けないと考えます。
何はともあれ、優れた芸術、立派な音楽に耳を傾け、真の日本人の心を、ほんの
少しでも吸収しようではありませんか。「古武道」を強く推薦します。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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