民主党圧勝・自民党惨敗! …衆議院選雑感…
184回目のブログです。
朝夕は肌寒さも感ずる時もあり、空を見上げれば一点の曇りもない時もあるなど、
いよいよ凌ぎやすい秋となりました。
8月は、特に街中や駅頭では衆議院議員選挙の騒がしい1ヶ月ではありましたが、
月末30日の投開票で、それも収まり、再び静けさを取り戻しています。とはいう
ものの、前回の郵政選挙と真逆の結果(民主党圧勝・自民党惨敗)となり、その余韻
は当分続くように思われます。
それにしても、民主党の完勝は見事であり、一方、自民党の無残な敗戦は気の毒
ではありますが、自業自得、その結果については甘受しなければなりません。この
選挙についての感想をアトランダムに記します。
■ 自民党惨敗の理由
7月の都議選に自民党が敗北した時、その真の敗因をブログで指摘しましたが、
あらためて列挙してみましょう。
①「立党の精神」を喪失!
昭和30年(1955)党の政綱(国民道義の確立と教育の改革・政官界の刷新
・経済自立の達成・福祉社会の建設・平和外交の積極的な展開・独立体制
の整備…憲法の自主的改正と自衛軍備の整備…)を発表しているが、これ
を実現するための不断の努力を怠ってきた。
特に、「年金」に関して、深刻なる謝罪と反省と対応を行わなかったことが
徹底的な致命傷となった(国民目線である“国民政党”の忘却)。
②「絶えざる組織改革」の放棄!
自民党政治の世界で、相変わらず、政・官・業のトライアングル癒着が続いて
おり、国民は、それを極めて胡散臭いものと見ている。この古い体質の塊の
ような幹部がゴロゴロおり、それを排除できない組織のままであり、組織改革
を放棄してきた。
③「志ある政治家」を育成・擁立せず!
単にマスコミで人気があるとか、世襲というだけで、国政、地方政治の議員
に立候補させたりする、愚かな実体、これが自民党の大きな欠点である。
特に世襲議員が35%いるとは論外。政治は本来、高貴な行為であり、国民
の生命、財産、主権、歴史を双肩に担う覚悟に欠けていた。「志ある政治家」
の激減が自民党の実状。
④「真の広報」が欠如!
広報はプロパガンダ(特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する宣伝)では
なく、意志ある真実の言葉を発信することであるにもかかわらず、今回は、
その逆を推進した。
⑤「戦い方」が拙劣!
自民党のイメージは、胡散臭さ・汚い権力(自+公)など、負のイメージが
ついていたにもかかわらず、その反省を欠いていた。また、マスコミを敵に
まわした。さらに、一部には、自民党議員が比例区を公明党にと呼びかける
など、全く、真剣さと誠実さと清醇さを欠くお笑い種と見られた。
⑥「麻生首相」の特異なキャラクター!
麻生首相の言動に問題あり、特に言葉の貧困さが輪をかけ、不人気を
大幅に拡大した。
■ 民主党圧勝の要因
①「政権交代」というスローガン1点に絞った。
② 選挙至上主義を貫き、その点で党内は一致団結。
③ マニフェストに工程表を掲げるなど工夫をこらした。
④ たとえポピュリズムと言われようとも、国民大衆の関心度の高い、家計、
教育費、社会保障などの経済や、官僚への嫉妬・反発に最大の力点を
置いた。
(一方、党内対立の安全保障などはうまく棚上げして逃げた)
⑤ 他の野党との共闘体制を敷く。
⑥ 国民の、長期にわたる自民党政治への飽き、および自公体制の胡散臭さ
への反発。
⑦ 自民党の滑稽なほどの『自転』(自ら坂道を転がり落ちること)。
勝因、敗因はその他いろいろあるでしょうが、プロ野球野村監督の名言 “勝ちに
ふしぎな勝ちあり、負けにふしぎな負けなし”にある如く、今回の自民党惨敗は当然
の帰結だと言えます。
メディアでは、前回の郵政選挙と今回のいわゆる政権選択選挙が真逆になった
ことで、「ポピュリズム」(大衆迎合主義)のあらわれではないかと主張する向きも
ありますが、わたしはそこまでは思いません。
国民は、たしかに大所高所からの議論には弱く、身近なことにのみ関心を抱き
がちですが、それは致し方ないことであり、国家の総合的政策(安全保障・経済・
教育など)については、国政を預かる政治家が心を配り、それを常日頃から国民
に熱く、分かりやすく説明、説得するのが使命というものです。
たしかに、ポピュリズムの風潮が流れているきらいはありますが、それを煽りに
煽っているのがマスメディア、特に、テレビ、新聞であり、わが国の健全な発展を
望むのであれば、無自覚から脱却して“自戒”をしてもらいたいと思います。
それにしても、わが国を取り巻く環境は、内外を問わず、容易ならざるものがあり
ます。国際経済(金融・ドル・米経済・資源)、国際政治(安全保障・日米・近隣アジア、
核、領土・拉致・テロ)、国内経済(雇用・経済成長・公共投資・地方経済・年金・
社会保障)、国内政治(教育・統治体制・憲法・官と民)どれをとっても難問ばかり
であり、民主党政権でも大変なことに変わりありません。
とはいうものの、民主党が新しい政権として政治に取り組むわけですから、次の
ことを望みたいと思います。
① 公約(マニフェスト)のうち、経済面の重点施策は実行してほしい。
せっかく政権交代がなされたのであり、重点項目を実行すべきですが、そう
すれば、必ず「しわ寄せ」が生ずるでしょう。仕方ないでしょう。プラスがあれば
マイナスがあるのは世の常ですから。
② 「国家主権」の意識を持ち、まちがっても主権の譲渡は行わないでほしい。
民主党のアキレス腱は、主権と安全保障と言われていますが、領土の譲渡
や外国人参政権など、国家の弱体化に直結する政策は即時中止してもらい
たいと思います。
③ 経済成長戦略の構築を望む。
新しい観点から見直しをするにしても、所詮、経済成長ナシには前進できない
と考えます。民主党の欠陥は経済成長の視点を欠いていることであり、早急
に対応しないと、諸外国から非難されることは必定です。
民主党新政権には、わが国の道を誤らない範囲で、諸課題の解決にむけて全力
を傾注してもらいたいと思います。
また、自民党には、健全野党として力を蓄え、早急な政権交代をめざしてほしい
ものです。民主党の左翼リベラリズムには限界があるため、自民党としては、若さ
あふれる国民政党として再起すべきでしょう。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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