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2009年10月16日 (金)

古都で聴く…観月の夕べ・コンサート!

 190回目のブログです。

 政治は混沌、経済は不振、社会は不安、何となく重苦しい世間ですが、季節は
10月・神無月、本格的な秋、天高く馬肥ゆるの秋ですから、時には自然に親しみ
心を落ち着かせることも大切なことのように思われます。

    “さらぬだに 玉にまがひて 置く露を いとどみがける 秋の夜の月”
                             (藤原長実 平安時代の歌人)

 そうでなくてさえ玉と見紛うように置いてある露を、一層磨きをかけて輝かせている
秋の夜の月よ…というような意味。このような光景はどこでも見ることはできるので
しょうが、一度は、秋の夜の月を、悠久の歴史ある自然の静寂のなかで、あるいは
心和む虫の声のなかで、眺めてみたいものと思っていました。

 それが先日、幸いなことに実現したのです。縁あって、京都の古くからの神社で
催されたコンサートを聴きに行きました。

  『 京都 観月の夕べ コンサート 』

  日  時  10月10日 17:30~
  会  場  京都・上賀茂神社「細殿」(ほそどの)
  出演者  チェコ・フィルハーモニー八重奏団
          (第1ヴァイオリン・第2ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ
           ・コントラバス・ホルン・ファゴット・クラリネット)
         許可(シュイ・クゥ)
                      ニ胡

 素晴らしい演奏でした。世界的な名門オーケストラ=チェコ・フィルの名手たちから
選りすぐったチェコ・フィルハーモニー八重奏団と中国民族楽団の許可(シュイ・クゥ)さん
が奏でる二胡のコラボレーション。東洋の弦楽「ニ胡」の美しい調べと西洋の弦楽の
融合は、初めての経験ですが、えもいわれぬアンサンブルとして、そのハーモニーに
痺れるほど堪能しました。

 演目もわたし達でもよく知っているものばかりであり、肩肘もこらず、ゆったりと
聴くことができたのです。

  ドヴォルザーク   「新世界」より      “ラルゴ(家路)”
  スメタナ       「わが祖国」より    “モルダウ” 
  チャイコフスキー 「くるみ割り人形」より “花のワルツ”
  ビゼー       「カルメン」より     “序曲~”
  チャイコフスキー 「アンダンテ・カンタービレ」
  ドヴォルザーク  「ユモレスク」           
  他

 それにしても、司会者が豊かな感覚の言葉を駆使して分かりやすい解説をして
いたのが印象的でした。演奏者を称えるのは当然にしても、会場(上賀茂神社)
を称え、季節を称え、聴衆も称え、全体が渾然一体となって、秋の夜長に音楽を
楽しむ雰囲気に盛り上げていったのです。こういう催しは司会者の役割も大きい
ものがあることを学びました。

 「上賀茂神社」は別格官幣社として京都で最古のお社であり、葵祭で有名ですが、
正式名は賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)と言い、
平成6年には世界文化
遺産
に登録されました。京都の世界文化遺産は、上賀茂神社、下賀茂神社、宇治
平等院、東寺、清水寺、銀閣寺、金閣寺、龍安寺、比叡山延暦寺などの17神社・
仏閣・城です。

 当日、開場のすこし前ごろ、突然、空に暗雲が漂い、にわか雨が降ってきました
が、これも、上賀茂神社の正式名が賀茂別雷神社ということですから、やんぬる
かな。その後は一転、空は晴れ渡り、幻想的な夕闇が迫るころから美しい星が満天
に輝き
、まさに、非のつけどころのない天然のバックグラウンドとなったのです。

 さらに、舞台装置は、アップライトにより周囲の鬱蒼とした樹々の緑が一層濃く鮮
やかになっている中に、悠然と鎮座している国の重要文化財である「細殿」という
社殿ですから、これこそ“幽玄”の極致であり、これ以上を望むことはありえないで
しょう。

 わたしは中学生のころブラスバンドでクラリネットを担当していました(全国的には
そこそこ知られた音楽部でした)が、クラシック音楽に詳かでない者として、音楽を
鑑賞する雰囲気や環境にも大いに関心があります。

 その意味では、もちろん、コンサートホールで聴くのがオーソドックス(正統)とは
思いますが、神社、仏閣、庭園などで、その環境と一体となって音楽を楽しむのも、
なかなか素晴らしいものがあるのではないでしょうか。

 昨秋は千葉県市川市の大本山・中山法華経寺で、クラシック&ジャズを聴きまし
たが、わたしにとっては、この時が、神社仏閣での音楽鑑賞の初体験でした。この
感動はいまだに脳裏に焼き付いていますから、今回の上賀茂神社での印象も忘れ
られない存在になると思います。

 どのコンサートでも常にアンコールがありますが、今回は、「浜辺の歌」(♪あした
浜辺をさまよえば~)、「フニクリ・フニクラ」(♪行こう行こう火の山へ~)という、最も
ポピュラーな曲が選ばれ、手拍子なども入った和やかな最後となり、心から大いに
満足しました。

 神社・仏閣で演奏を聴く!…本当に素晴らしい体験をしました。

 このような機会があれば、ぜひ行かれることをお薦めします。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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コメント

ソムリエ森山英子さんへ

元気にしていますが、なかなかじっくり落ち着いた時を確保
できない日頃です。
今回、やっと観月の音楽会という素晴らしい時を得ることが
でき、心の洗濯をしました。
やはり、わたしのような素人には、舞台装置も大切ですね。
これからも、このようなチャンスは逃がさないようにしたいと
思っています。

投稿: のんちゃん | 2009年11月 9日 (月) 10時04分

のんちゃん、お元気ですか?
私は11月を向かえ、「ボジョレーヌーボー」で、
だんだん慌しくなっています!
京都の神社で聴く、素晴らしいしらべ・・・
なんてロマンチックで素敵なのでしょうか~
二胡の調べも西洋の音楽に溶け込み、
月の明かりに照らされて
生きてる喜びと感動を得られたことでしょうね。
うらやましいです!!!
私も二胡が好きです(*^-^)

投稿: ソムリエ森山英子 | 2009年11月 7日 (土) 19時34分

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