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2010年2月 5日 (金)

「七つの社会的大罪!」…鳩山施政方針演説から…

 206回目のブログです。

 いよいよ通常国会が始まりました。実りある論戦を期待したいところ
ですが、例の「金・かね・カネ・Money」にまつわる“小沢・鳩山”
事件
が決着しないことには、どうにもなりません。

 わたし達は、政治家に清廉潔白を求めることは、八百屋で魚を求める
ことと同じであり、そんな人格の持ち主は一人もいないことは百も承知、
ニ百も合点と、一応、納得はしています。

 が、それでも、このお二方を見れば、潔さと責任感は皆無であり、誰
から何を言われようが、どんなに指摘されようが、馬耳東風、馬の耳に
念仏、蛙の面にションベン、まことに、鈍感というよりも、強烈な面の皮
の厚さに唖然とせざるを得ません。

 面の皮の厚さを外交と国益に発揮してもらいたいものですが、この方面
では、一方では叩頭・朝貢・土下座外交であり、一方ではヨタヨタ・フラ
フラ外交として全く腰が定まりません

 さて、先日、衆参両院議会で鳩山首相が施政方針演説を行いましたが、
さすがに首相でした。その面の皮の厚さでは天下一品、鈍感さも並外れて
いることを証明しています。

  目指すべき日本のあり方”       

 私は、昨年末、インドを訪問した際、希望して、尊敬するマハトマ・
ガンジー師の慰霊碑に献花させていただきました。慰霊碑には、ガン
ジー師が、八十数年前に記した「七つの社会的大罪」が刻まれています。

   
「理念なき政治」
  
「労働なき富」
   
「良心なき快楽」
   
「人格なき教育」
   
「道徳なき商業」
   
「人間性なき科学」
   
「犠牲なき宗教」

まさに、今の日本と世界が抱える諸問題を、鋭く言い当てているので
はないでしょうか。資本主義社会を維持しつつ、行き過ぎた「道徳
なき商業」「労働なき富」を、どのように制御していくべきなのか。

          (H22/1/29 鳩山首相 施政方針演説一部抜粋)

 これは鳩山首相の演説第2章の一部です。50分に及ぶ大演説、一般的
に言えば格調の高い演説と言えるのでしょうが、“いのちを守りたい。
いのちを守りたいと願うのです……”というフレーズを冒頭に入れ、さら
に宇宙が137億年、地球が46億年、人類が1万年の話をもちだし、
国民の耳目を集めようと苦心しました。

 この草稿は、劇作家の平田オリザ氏等が書いたと言われていますが、
日本という国(鳩山氏はここの総理大臣ですが)を明確に表現せず、
曖昧、優柔、博愛で捉えどころのない“友愛”感覚で満ち溢れています。

 わたしはこれを読んで、「詩」というよりも、ポエムであり、まさしく
その牧歌的、叙情的、物語的、情緒的なポエム(詩)の朗読を聴いている
ような錯覚
に陥りました。

 これが政治家の言葉であり、発言であるとは驚きを隠せません。現実の
厳しさを直視せず、“わたし(総理)はこうやります、こんな明るい社会
になります、みんな豊かな世界になります、みなさんご心配なく、友愛
精神で世界を信じましょう、平和はすぐ近くです…”といったような
ムードですから、何をか言わんや!

 “今日・現在”は、国内状況(経済、教育、治安など)はもとより、
国際関係においても、そんな情緒的な甘さが溢れているはずもなく、国民
には特段の厳しさを求めなければならないとの認識は、鳩山総理には全く
見当たりません。

 もちろん、国民に厳しさを求めるのであるならば、「民無信不立」
(民、信なくば立たず・論語)
、国民の信頼感が背景になければなりま
せん。しかしながら、鳩山氏自らが脱税をした事実はそれに反するもの
であり、現在、民には信がなくなっているとみるべきでしょう。その意味
では鳩山総理は全く能天気だと言わざるをえません。

 さて、鳩山氏はインド独立の父の一人であるガンジー(因みに、独立の
父は他にチャンドラ・ボース、ネルー)の言葉を引用しましたが、まさか、
鳩山氏が引用するとは思いもよりませんでした。なぜ臆面もなく立派な
哲人の言葉を引用しようとするのか、恥も外聞もないとはこのことを指す
と言っても過言ではありません。

 よく見ていただきたいと思います。特に②の「労働なき富」が社会的
大罪とするならば、鳩山さん!あなたがそれに該当するのではありません
か。
少なくとも月間1500万円・7年間合計12億円を「労働なき富」
として脱税、摘発されて、厭々、渋々、5億7000万円納税させられて
いたのではありませんか。

 そんな実質的犯罪者、道義上許されない非国民的な総理が、臆面もなく、
哲人の言葉を引用して「道を説く」なんて、まさしくブラックユーモア
そのものです。
こんな感受性のない、常識のない人が「労働なき富」が
大罪であり、「友愛」が大切であると述べるとは、ほんと、「臍(へそ)
で茶をわかす」(ばかばかしいほど滑稽なこと)と言っても言いすぎでは
ないでしょう。かの、世界で尊敬される偉人・ガンジーが草葉の陰で
泣いています。インドにもガンジーにも失礼ではないですか。

“恥を知れ!”

と言わなければなりません。鳩山総理としては、少なくとも、道義的な
ことを説くべきではなく、その資格を持ち合わせていないことを認識す
べきではないでしょうか。資格がないのですから、道義的なことには一切
触れない方が“実(じつ)”があるというものです。

 と、いくら申しあげても、無駄も無駄でしょうから、一刻も早く総理を
退き、
どなたかにバトンタッチされることを望みます。

       “お笑いも やがて悲しき 鳩の舌”

 わたしの感覚は間違いなのでしょうか。ご教示くだされば幸いです。

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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