鳩山総理の罪!
220回目のブログです。
いわゆる大型連休最後の5月9日は、青い空と暖かな気温に恵まれた絶好の
五月晴れであり、躑躅(つつじ)を見ようと、わが家からほど近い万博公園(大阪
万国博覧会記念公園)に出掛けました。つつじはすでにほとんど咲き終わっており、
真っ盛りを見ることはできなかったのですが、若く青い緑の空気を胸一杯に吸う
心地よさを満喫することができました。
この週末か来週には皐(さつき)が満開になりそうで楽しみではありますが、世
の中は、特に政治の世界は「沖縄問題」などで大変なことになっており、麗しい花々
をゆっくり鑑賞するような雰囲気にはほど遠く、まさに、狂い花が乱舞しているよう
な危機的な状勢となっています。
こんな状況を齎した主役の一人が鳩山首相(民主党代表)であることは、衆目の
一致するところでしょう。ここで、“鳩山首相の罪”を考えてみたいと思いますが、
あらゆる事柄において、あまりにも多くの事象がありすぎ、整理することも難しい
くらいですが、気付くままに一応纏めてみます。
① “言動に鴻毛の軽さ”の罪
鳩山首相の言動の軽さは、以前から指摘されてきました。「迷走を迷走でない
と言い、場当たりを場当たりでないと言う。そのうえ公約を公約でないには
あきれた」(5/10読売新聞)。この3月末までには沖縄普天間基地移設を決める
と言いながらそれも不可。5月末も実質的に不可。“最低でも県外、できれば
国外移設”を公約に掲げながら、それも、ふらふら。詭弁、食言の繰り返し。
ブレのオンパレード。要するに、言動が軽すぎるため、それも鴻毛(こうもう・
おおとりの羽毛)のように軽いため、国民から“信”を置けない存在に成り下が
ったと言っても言い過ぎではありません。わが国の首相をそんなに悪くは表現
したくないのですが…。
② “言動に責任感なし”の罪
かつて、鳩山首相は「秘書の罪は政治家の罪」であると“再三再四”力説して
きましたが、いざ自分自身のことや、自分を支えてくれる小沢一郎幹事長や
小林議員のこととなれば、馬耳東風、知らんぷり。こんな責任感のない人は
わたしの身の回りには一人もおりません。これまた、国民から“信”を置けない
存在と見られているひとつの要因ではないでしょうか。
③ “言動に倫理観なし”の罪
アメリカ合衆国は日米安全保障条約に基づく“同盟国”であり、オバマ大統領
はそのアメリカの“元首”という立場にあります。それにもかかわらず、わが国
の宰相である鳩山氏は、アメリカの元首であるオバマ大統領に対し、普天間
問題に関して“Please trust me”と言いながら、その発言をすぐさま覆すなど、
全く、倫理観、誠実さを欠いた言動に終始しています。これでは、アメリカ政府
も鳩山首相を信用できないでしょう。
まことにひどい話であり、鳩山首相は日米同盟に亀裂を入れることを望んでいる
としか考えられません。もしそうであるならば、わたし達国民に説明して欲しい
ものです。
ビジネスの世界では企業間の信頼を築くにはかなりの年月を要しますので、
それを維持するために不断の努力を払います。同じように、政治の世界に
おいても国家間に信頼を築くには長年月を要し、それを崩壊させるのは瞬時で
あることを歴史は教えており、このことをゆめゆめ忘れるべきではありません。
④ “安全保障の知識なし”の罪
「学べば学ぶほど、沖縄の米軍の存在全体の中での海兵隊の役割を考えた
時、すべて連携している。その中で抑止力が維持できるという思いに至った。
…浅かったと言われればそうかもしれない」…これは、わが一般人の言葉では
なく、誰あろう、政治家、日本国総理大臣・鳩山氏が記者会見で語った言葉
なのです。
鳩山首相は安全保障に関する認識不足(無知)をあっさりと認めたわけですが、
首相という立場は、国防の最高責任者であり、国家、国民の安全を守ることが
最重要であり、それがこの程度の認識具合では、誠にお寒い限りと言わねば
なりません。鳩山首相は本来ベテランの政治家であり、この段におよんで基礎
理論を学ぶ学生さんではないと思うのですが…。
また、国の安全保障を政争の具にした鳩山氏の愚かさは、強く指摘しておかね
ばなりません。
⑤ “希望的観測症候群”の罪
鳩山首相は、何でもかんでも「希望的観測」を述べれば、周囲が暖かく支えて
くれて、その“思い”が実現するはずであり、実現して欲しい、実現できないのは
自分に要因があるのではなく、外部(周辺、国民、場合によっては同盟国など)
に要因があると考えているのではないでしょうか。
それは、まさしく、母堂・鳩山安子さんから毎月1500万円ものお小遣いを、
脱税しながらいただいてきた風景と同一と思われます。欲しいもの、やりたい
ものが全て実現したのは、すべて大金持ちの母という優しい存在があった
からです。
しかし、政治の世界に“優しい母”は存在しません。存在すると思うことがそも
そも甘えであり、危ういことなのです。特に外交においては“友愛”という希望的
観測は百害あって一利なしであり、逆に、理想を求めるには“現実”を直視し、
緊張関係のなかに信頼を醸成し、それによって国益につないでいくべきなの
ではないでしょうか。
さらに、鳩山首相の致命的欠陥は、自身の希望的観測でもって、CO2(二酸化
炭素)25%削減を、科学的根拠と徹底した議論なくして、国際的に公約したこと
です。心ある識者はこれによる国力の低下を真剣に憂慮しています。
(わたしの尊敬する、碩学・京都大学名誉教授・市村真一先生は、現実を直視
できない鳩山首相を「希望的観測思考」(Wishful Thinking)と表現されています。
“Wishful Thinking”…わかりやすい英語ですね)
以上、鳩山首相の罪を列挙しましたが、わたしは、首相としては、少なくとも“綸言
汗の如し”言葉に責任を持っていただきたいと思います。
しかし、もうここまで来ました。鳩山首相の残された道は内閣総辞職か総選挙の
どちらかでしょうが、できれば衆参同一選挙を行い、国家感、思想、手法の同じ
議員が政党を構成する形になるよう、ガラガラポンを望みたいものです。
とはいうものの、首相にはどんな人が一番相応しいのでしょうか。ここで、冷静に
考えてみたいものです。
◆ 宰相の条件とは!
一、国民を奮い立たせる能力のあること
ニ、私的偏見のないこと
三、他人の考えや気持ちを敏感に捉える直観力
四、あくまで、確実で限られた目標を追及すること
<これは、月刊誌「日本」4月号(日本学協会発行)に掲載された
“鳩山首相の辞職を要望する”と題した市村真一名誉教授の論稿の
なかで歴史家トインビーの所説を援用されたものから一部抜粋した
ものです>
市村名誉教授の論稿は、わが国を憂い、その行く末に心をこめ、やむにやまれぬ
心情の発露から記された珠玉の論稿であり、他の一般的時局論など足元にも及ば
ない素晴らしいものであり、何より品位・品格が違います。ぜひ、一読されることを
お薦めします。政局混迷の今、最高の“指針”になることまちがいありません。
財団法人 日本学協会『日本』編集部
電話:03-3386-0422 Fax:03-3385-0970
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今回は多少厳しい首相批判となりました。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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コメント
先輩毎週拝見して溜飲を下げております。
>今回は多少厳しい首相批判となりました。
「多少」は余分です。ご遠慮なしでどうぞ。
投稿: 東田 | 2010年5月14日 (金) 09時07分