今、「憲法」を考えよう!…日本崩壊を防ぐために
222回目のブログです。
いよいよ、あと3日で5月31日となります。この日は、鳩山内閣総理大臣が国民
に、沖縄県人に、米軍普天間基地を最低でも県外に、できれば国外に移設する案
を決着すると再三再四確約、明言した期日ですが、メディアで騒がれているように、
元の辺野古に決まることが明白になりました。
鳩山総理の食言(しょくげん・前に言ったことと違うことを言うこと、言ったことを
実行しないこと、約束を守らないこと、うそをつくこと)の数々は総理の資質に疑問
符を投げかけるものばかりですが、今回の決定にしても、「これは、現行案(自民党
案)に戻るということではない。なぜなら、環境に配慮しており、また、辺野古では
なく辺野古周辺の違いがある」(5/25毎日新聞)と、相変わらずの詭弁を弄して
います。
この発言を見ると、鳩山総理は、今や、あるいは以前から、精神的に問題が生じ
ているのではないのでしょうか。鳩山総理の頭の中では、辺野古と辺野古周辺は
異なる、すなわち、辺野古≠辺野古周辺と言う認識ですから、まさしく“異様”“異常”
“気が変になった”という言葉以外の言葉を見つけることはできません。
お気の毒ですね。一刻も早く総理を辞任、議員も辞職し、1500万円/月の母親
からのお小遣いで、責任のない気ままな生活をされることが、正常な精神状態に
戻す唯一の処方箋だと思われますが…。
ところで、先日来、南・北朝鮮がきな臭くなってきています。北朝鮮の金正日総
書記が軍に対して臨戦体制をとるように指示したと伝えられており、もはや休戦
協定は破棄されたも同然で、戦争状態にあると言えるでしょう。
こういう時こそ、政治家はもちろんのこと、すべての国民は、わが日本国の安全
保障などの基本的課題について、冷静に考える必要があるのではないでしょうか。
その意味で、わたしは、先日の5月23日、少々遠方ではあったのですが、憲法
の話を聴きに行きました。
『市民参加型憲法フォーラムIN ひらかた』
主催 枚方青年会議所(大阪府枚方市・ひらかたし)
基調講演 「他人事ではない私たちの憲法」
講師 ジャーナリスト 櫻井よしこ氏
パネルディスカッション「~みんなで考えよう、私たちの未来~」
パネリスト ジャーナリスト 櫻井よしこ氏
前衆議院議員 中山太郎氏
PHP前代表取締役 江口克彦氏
立錐の余地がないほどの盛況でしたが、何と言っても、櫻井さんの講演は素晴ら
しいものがありました。元NTV(日本テレビ)ニュースキャスターの経験者ですから、
スッキリとしたスタイルで、言葉が分かり易く、声が通り、抑揚がはっきりしており、
時にはユーモアを交えた話ぶりであり、近年これほど見事な講演は聴いたことは
ありません。
櫻井さんは、現行の日本国憲法の問題点として、①言葉が本来の日本語でない
こと(アメリカ占領軍の1週間で作ったものを翻訳)②“日本人の心”を表現していな
いこと③国家の生存への姿勢が明確でないことを指摘しました。
その具体例として、第3章「権利と義務」での用語の使用頻度を挙げています。
「権利」 16回
「自由」 9回
「責任」 3回
「義務」 3回
えっ、まさかこんな数字とは知りませんでした。おどろきを隠せません。憲法はその
国のありかたを示すものですから、この数字を見ると、現在のわたし達の周りが権利
の主張ばかりして義務を果そうとしない歪な社会になっている原因が日本国憲法に
あることは歴然としています。
さらに、櫻井さんは、「家族」の言葉が全くないことを鋭く指摘しました。わたし達
日本人は本来家族というものを大切にしてきましたが、今や家族の崩壊が叫ばれる
ようになっています。個人も大切ですが家族も大切なことは言うまでもありません。
また、国家は生き残りとして、外交力と軍事力との良きバランスが肝要であるにも
かかわらず、日本国憲法第9条はそれに足かせをしており、生き残りを困難にさせ
ていると指弾しました
櫻井さんは、上のような理由から憲法改正を強く主張したのです。たしかに、この
ままの憲法ですすめば、社会はバラバラになり、国の生き残りは難しくなり、、伝統
ある誇るべき日本文明が崩壊するのは間違いありません。世界のTOP水準から
奈落の底へ急速に落ちつつある今日、その崩壊を防ぐには何はともあれ、憲法改正
以外にないことは明々白々です。
中山太郎さんは85歳という高齢ですが、言語明瞭、主張明快、憲法改正に生涯
をかけてきた“熱い誠の心”が会場の隅から隅までに伝わったように感じました。
非常にオーソドックスな改正を説いており、年配者でもこれだけの立派な政治家が
いることに驚きを隠せません。
江口克彦さんは、憂国の大実業家である松下幸之助の薫陶を受け、道州制の
提唱者としても有名です。憲法については、現状の日本国憲法を「欠陥憲法」と
位置づけ、本来の憲法は国民精神を表わすものであり、①自主独立、②日本人と
してのアイデンティティ、③正直な、現実にあったものに改正すべきであると主張
しました。(③の具体例として、自衛隊を違憲のような存在と表現していることが
問題であると指摘)
今回の三人の論客はいずれも改正論者ですが、青年会議所は時には護憲論者
も呼んだりして「憲法」を正面から見ようとしています。この立派な姿勢には心から
敬意を払いたいと思います。いわゆる護憲派(非改正)と改正派の考え方について、
当日配布された小冊子に憲法の論点をわかりやすく纏めていましたので紹介します。
①人権って?自由って?
(非改正)個人が1番! 個人のために国家があるのです
(改 正)個人も社会の一員です
②公共の福祉って何? 権利と義務
(非改正)公益のために個人が譲るべきではありません
(改 正)個人も公の責任を負います
③日の丸・君が代と思想・良心の自由
(非改正)それは個人の自由です 国家の強制はいけません
(改 正)それは国民の義務です
④政教分離って何?
(非改正)一切かかわってはいけません 参拝してはいけません
(改 正)あまり厳しく考えるべきではありません 参拝してもよいのです
⑤日本は軍隊を持ってはいけないの?
(非改正)軍隊なんか必要ありません
(改 正)外国が攻めてきたときのために、軍隊を持つこともやむをえません
⑥日本は戦争をするの? 集団的自衛権
(非改正)日本が世界中で戦争することになってしまいます
(改 正)仲間と助け合うのはとうぜんです
⑦私たちの町はどうなるの? 地方自治
(非改正)まずは現状のまま地方自治を実現させるべきです
(改 正)新しい地方自治のあり方を定めるべきです
⑧これからの生活に必要な憲法とは? 新しい人権(知る権利・環境権など)
(非改正)今の憲法の保障規定で充分です
(改 正)時代の変化に柔軟に対応すべきです
⑨ねじれ国会って? 国会二院制
(非改正)国民の意見を慎重に反映していくために今のように両院で
議論することが必要です
(改 正)今の衆議院と参議院では役割が大きく変わらない
それぞれの特徴をもっと持たせることで独自性を発揮させる
必要があります
⑩地球環境を守る先進国日本! 環境権
(非改正)今の憲法の規定で環境権もふくまれています
改正する必要がありません
(改 正)地球環境を保全するという権利だけでなく義務を含めて
しっかり規定しておくことが必要です
⑪これからの生活に必要な憲法とは? 国家未来像
(非改正)今の憲法前文では国民の権利を主としており、そのままで充分です
(改 正)憲法前文は日本の顔です 読めば日本とわかるように表現
すべきです
<「私たちの未来」~憲法 はじめの一歩~より抜粋>
ところで、憲法などの国の基本となるテーマに関しては、政治家は、当然のこと
ながら誠実に真剣に考え議論をしているものとばかり思っていましたが、全くそう
ではないことがわかり、今、激しい怒りを覚えています。
実は、5月24日、民主党・小沢幹事長は自分の誕生パーティで、新人議員に対
して「最近の若い議員は自分が天下国家を動かしているようなことばかりを言う。
地元が一番だ。」と発言。要するに、国のことは考えずに選挙区廻りだけでよい、
国の政策は自分が決めるから若手は国会で投票だけすればよいということに他なり
ません。
冗談でしょう! 冗談も休み休み言ってもらいたものです。 国会議員は天下国家
を議論するために選ばれたのであり、そのために、税金から1議員当たり年間総額
で1億1000万円も出ているのです。(参議院議員であれば解散がないので6年間
で6億6000万円確定となります)政治家が天下国家を論じなくてどうするのでしょう
か。それをしないのであれば即刻辞職してもらいたものです。小沢一郎氏は完全に
政治を壟断(ろうだん・いやしい男が利益や権利を独り占めすること)し、政治家を
舐めきっていると言わざるを得ません。
福澤諭吉の言葉にあるように“一身独立して一国独立す”ですから、民主党の若手
議員は、一人ひとり堂々と議論をすべきであり、しないのであれば議員バッジを即時
はずすべきではないでしょうか。あなた方は国会議員であり、国民から選ばれた
代議士としては小沢幹事長や鳩山代表と同格のはずです。一身の独立をなさない
のであれば、日本国民でさえもありません。
わが国は今ガタガタです。こういう時こそ、国の基本問題、特に憲法について深く
考えてみようではありませんか!…わが国の崩壊を防ぐためにも。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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コメント
東田さんへ
コメントありがとうございます。
中山太郎氏の件、85歳でありながら言説が明確であるということに感心したのであり、ご指摘のように、この年で参議院選に立候補するのは感心しません。というより、それこそ明確に後進に道を譲るべきです。“出処進退”をきちんとするという政治家の美学、人間の美を失った人が、いかに憲法改正を主張しても、真の、心からの共感には結びつかないのではないでしょうか。立候補は、即刻取りやめるべきです。
投稿: のんちゃん | 2010年5月31日 (月) 10時19分
腹立たしいこと、閉塞感ばかりのニュースの中、では、私たち一人ひとりは、どのように動けばいいのでしょうか?
例えば、郵政民営化の問題について、5年前の民意で、改革が望ましい、との意向を表明したものが、今、後戻りの改正が成されようとしています。まさに、政治の暴力・裏切り行為であろう、と考えるのですが・・・。こと、郵政民営化は、金融革命の一端であり、橋本内閣が先鞭を付け、小泉・竹中路線で、軌道に乗せたかに見えたのが、今まさに、揺り戻しの状況、と見受けます。いずれにしても、グローバル化は避けられないことであり、今後を静観したいと思っていますが・・・。
そこで、標題の個人としての動きについて、どたばたの沖縄基地問題は、私たち国民に改めて日本という国の存在そのものを問う、問題定義の良いきっかけを与えてくれている、と、見ることが出来ます。憲法の中の、9条に行き着くところでしょう。個人として、何が出来るのか?
とれる行動があれば、ぜひ教えてほしいものです。
私は、日本のデフォルトを視野に入れて、そうなったときに、どういう動きが出来るのか、心の準備だけは、構築しておく必要がある、と考えているのですが・・・。
投稿: 奥田 博美 | 2010年5月29日 (土) 12時53分
まさに共感、同感いたします。政治ニュースを見る(読む)たびに、最近は怒りよりも絶望を感じるようになりました。故山本夏彦氏は「浮世のことは笑うほかなし」と書いていますが、確かに絶望の次は「笑い」が来ますね。ちょっとアナーキーでよろしくありませんが、、、。桜井よしこさんは千両役者ですね。テレビの朝のワイドショーに出てもらって左巻きコメンテーターをバッタバッタとなで斬りしてほしいものです(ディレキターは絶対呼ばんでしょうが)。中山さんがそんなに冴えているとはおどろきです。85歳でまだ立候補したいというのは見苦しいと思ってたので、、、。
投稿: 東田康之 | 2010年5月28日 (金) 07時06分