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2010年6月 4日 (金)

鳩山総理退陣…真の敗者は誰か!

 223回目のブログです。(6/4 AM6:00発信)

 『鳩山首相退陣、小沢幹事長も辞任』…一昨日、新聞(読売・朝日)の号外を駅
改札口で受取りました。これでもかという最大級の活字で、それも黒ベタ白ヌキ
文字で強調されており、さすが“号外”という印象です。その記事自体は予測されて
いたこととは言え、実際に退陣、辞任となると多少の驚きを隠せません。

 まあ、いろいろな政局がらみでしょうが、鳩山総理の退陣は歓迎すべきことと考え
ます。鳩山氏はあまりにもひどすぎ、このままでは国にとってはマイナスばかりです。
先々週のブログで、わたしは“鳩山総理の罪!”として次のことを列挙しました。
   言動に羽毛の軽さ
   言動に責任感なし
   言動に倫理観なし
   安全保障の知識なし
   希望的観測症候群に罹る

 鳩山総理の退陣は当然だと思いますし、わが国の国益から判断すれば遅すぎる
と言えるでしょう。国民からの信頼、同盟国からの信頼を失墜してしまったわけです
から、今や、鳩山総理は完全に“敗者”となってしまいました。しかも、民主党両院
議員総会における退陣表明で「国民が徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった」
と、最後まで自分の責任を認めておりません。“責任はすべて国民にあり”…という
ことですから、何をか言わんや、口をあんぐりです。

 しかし、よく考えてみたいと思います。果して鳩山首相だけが悪く、彼だけが敗者
なのでしょうか。わたしはそうは思いません。わたしは民主党の国会議員も悪く、
本当は彼等こそ“真の敗者”である
と思っています。

 ほとんどの民主党議員が、大臣も、副大臣も、政務官も、その他の議員も、すべて
の負の結果を鳩山総理に押しつけ、われ関せずという無責任さを示しているのは
問題ではないでしょうか。

 例えば沖縄問題においても、本来は、岡田外務大臣、北沢防衛大臣、前原内閣府
特命担当大臣(沖縄対策担当ですよ!)らが、鳩山首相の「最低でも県外・国外」、
「5月31日決着(日米同意・沖縄県同意・他県同意・閣内同意)」という希望的、願望
的発言に対して、厳しく、真剣に具体的議論を講ずべきでしたが、お世辞にもそれを
実行したということは伺えません。

 さらに、彼等三大臣や、民主党議員すべてが、国益を見据え、国民や米国に誠実
な説得を行ったと言う印象は皆目ありません。鳩山首相の迷走を誰も止めようと
しなかった民主党議員の豆腐や蒟蒻のような“軟弱な体質”が問題なのではないで
しょうか。

 さらに、さらに、民主党には外交の大切さ、日米同盟の重要さを認識している若手
幹部(たとえば、前原氏など国際政治のプロを自認しているではないですか)が多少
は存在しているにもかかわらず、ほんとうに、どうして体を張らなかったのか、無活
力、無気力、無責任と断ぜられても仕方ありません。事が重大になってから、「問題
があった」などと言っても、それは素人(しろうと・アマチュア)の発言であり、玄人
(くろうと・プロ)であるならば、もっと早い段階での発言、積極的な進言、徹底した
議論をすべきなのは当然当為(とうぜんとうい・そうなったりそうするのが当たり前で
あること)のことではないでしょうか。

 たしかに、民主党には、小沢幹事長の専制的な振舞いにより「議論をさせない、
議論をしない」という雰囲気があり、あわせて鳩山首相の場当たり的な言動により
「責任を感じさせない、責任を感じない」という党風が蔓延(まんえん・よくないものの
勢いが盛んになって広まること、はびこること)してきたことは疑いのない事実です。

 だがしかし、国会議員は選挙で等しく選出されてきたのであり、議論を禁じられた
ら、ハイ、ソウデスカ、ワタシハ、ナニヲスレバ、イイノデショウカ、タノクサトリ、ノミデ、
イイノデショウカ…などとんでもありません。真剣な議論を通じて国政に寄与し、国民
の付託に応えるべきです。それが“責任”というものでしょう。

 あらためて指摘しますと、今回の鳩山総理の敗北(退陣)は、単に、小沢・鳩山プロ
ブレムによるもの、すなわち鳩山氏と小沢氏だけが敗者ではなく、真の敗者は、民主
党の悪しき“党風”であり、民主党議員の軟弱な“体質”でもあることを明確に認識
しなければなりません。

 今日(6月4日)にも民主党で代表(実質の首相)が選出されるようですが、メディア
菅副総理が有力と伝えています。どうなりますか。菅氏はいわゆる市民派(市民
運動)の出身者ですから、日本という国家意識、国民意識に乏しく、鳩山氏よりも
大幅に左翼的であると伝えられています。

 その証拠として、菅直人氏が、1989年、韓国政府に対して、北朝鮮の日本人拉致
実行犯・辛光沫(シン・グァンス)の釈放嘆願書に署名
するという、極めて異常・異様
な行動に走ったことを挙げておくだけで十分でしょう。菅氏が拉致については北朝鮮
に同情的であることから判断して、彼は人間性を欠き、国民共同体意識、国家意識
の薄い人物であるということを決して忘れてはなりません。

 そうはいっても、民主党は数の力としては圧倒的な与党ですから、今までの反省
(反省は猿でもできますが、民主党には難しいかもしれません…)に立って、「自由
闊達な議論」
を堂々と行い、「責任」ある発言と行動に徹して欲しいものです。その
上で、日本という国、国民の立場にしっかりと立ち、けっして、あいまいな市民とか、
まだ見ぬ夢の彼方・友愛のアジアとか、謝罪と朝貢と譲渡の中国とか、謝罪と厚遇
の南北朝鮮に基準を置かないことを望みます。それが、最も早い「日本再生」
つながるに違いないと考えるからです。

 政治に期待することは沈黙の敗者にだけはなってほしくないことです。堂々とした
政治、オーソドックスな政治、歴史に根ざした政治を期待します。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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コメント

何時も頷きながら拝読しているものです。
今の政治家は何故国防意識が欠乏している人が多いのでしょうか、戦前の軍事独裁の拒否反応が強いのでしょうか、国防、民防が政治の初歩の初歩だと思いますが。
 又、発する言葉一つ聞いても何か人間的にも軽く感じる人が何故首相に選ばれるのでしょうか。不思議でたまりません。選ぶ今の政治家もその程度ということでしょうか。これではますます若い人の政治離れが進む事を危惧している国民として嘆かわしく思っています。
来る参議院選挙には、本当に日本の事を考えている人に投票したいと思っています。

投稿: 小栗 豊彦 | 2010年6月 8日 (火) 12時01分

ブログを拝見しました。最後の「沈黙の敗者にはなってはいけない」の言葉は、非常に印象的で勇気付けられます。国民は次期政権に甘い妄想を持ちそうですが、菅直人のより危険な思想を暴き、たたかねばなりません。より悪くなることを知らなければなりません。民主党の政策で永住外国人参政権、夫婦別姓法案、地方主権等や国防、経済、教育 何一つ「祖国に対する健全なる思考と情愛」に基づくものはなく、脆弱な国家に成り下がってしまいかねません。我々一人一人が真に国の姿を語る次期に来ております。頑張りましょう。

投稿: 野崎真夫 | 2010年6月 4日 (金) 16時34分

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