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2010年7月 9日 (金)

“心に響く言葉”…これが政治家の語るべきもの!

 228回目のブログです。

 梅雨と言えば「しとしと雨」が通り相場でしたが、今年は例年と異なり、時折、滝の
ような「豪雨」に見まわれている状況です。これは、まるで現在の政治状況の写し絵
そのままであり、何か不気味な感じがしてなりません。

 いよいよ明後日、7月11日は参議院議員選挙の投票日です。各党、各候補者
は最後の追い込みに必死であり、連呼する声もガラガラに枯れてきている様子が
はっきりとわかります。

 ところで、いろんな党首の演説がテレビで報道されていますが(もちろん一部は
街頭で直接耳にしますが)どうにも“心に響く言葉”に触れることがありません。特に、
民主党・菅首相と自民党・谷垣総裁の演説は、心に響かない演説としては双璧と
言えるのではないでしょうか。

 こんな印象を持ったのは、わたしの心が冷たく、人の言葉に感激せず、常に
冷笑的・批判的(?)にみているためなのかなと、多少反省する気にもなったのです
が、はたしてどうなのか、とりあえず、メディアに取り上げられた識者の分析を参考
にしてみました。

  首相・抽象的、谷垣総裁・聞き慣れた話…舌戦分析

  舌戦を「政治家の言葉」の専門家はどうみたか。4日、菅首相と谷垣総裁
  の街頭演説を聞いた、東照二・立命館大教授(社会言語学)に分析して
  もらった。

  横浜駅西口で演説した菅首相は、消費税率について「上げたいと思って言い
  出したのではない。本当なら上げたくない」と切り出した。東教授は「有権
  者は政治家に、正しいと考えたことを貫いてほしいと思っている。増税すべ
  きなら、真正面から言うべきでは」
と疑問を呈した。力強い語り口は好印象
  とする一方、「経済も財政も『元気にする』ばかりでは、抽象的すぎて印象に
  残らない」と指摘した。

  新宿駅西口で演説した谷垣総裁は、消費税の低所得者負担のあり方を巡り、
  発言が揺れる菅首相を厳しく追及。「首相というものはもっと自信をもって
  やらなければ。逃げるなと言いたい」と声を張り上げると、拍手が上がっ
  た。この点、東教授は「歴代首相に対する有権者のいらだちを代弁して
  いる」と評価したが、政権追及の姿勢が際立ったのはこの時だけ。中小企業
  対策、教育問題など争点を羅列したことには、「聞き慣れた話が大半。聴衆も
  退屈に感じたかも」
と辛い評価だった。

  東教授は、「明確な将来像を語る『言葉』が政治家には足りない。街頭演説は、
  もっと聴衆を元気付けることができなければ成功とは言えない」
と、双方に
  及第点は付けなかった。
                          (2010/7/5 読売新聞一部抜粋)

 胸をなでおろしました。わたしだけが菅首相や谷垣総裁の言葉に心が動かなかっ
たのではなかったからです。菅氏や谷垣氏は高い地位にいるのですから、政治家と
してはそれなりのレベルでしょうが、いかんせん、国民の心に響かせる「言葉」が
不足しており、その“美学”がないように思えます。

 菅氏は首相ですから落ち着いて堂々と演説すればいいものを、昔と同じ、わめく
ばかりのキャン・キャン総理。谷垣氏は相変わらずの平板谷底総裁。

 なぜ心に響かない言葉ばかりを発するのでしょうか。それは、『責任』というもの
を自覚せず、常に(過去もそうであり現在もそうですが)『責任』から逃げようとする
からであり、その姿勢を続ける限り
、“堂々たる言葉”を発することができません。

 自民党も、永年の与党として果たしてきた為政の結果責任を未だに明確に自覚
していないように見えますし、民主党も、現在、責任与党になっているにもかかわら
ず、無責任な発言を続けています。

 たとえば、玄葉・民主党政策調査会長は7日の産経新聞で、消費税論議をするに
あたり「借金をつくったのは自民党政権」であり、民主党には「責任はない」いわゆる
「無責任」という認識を示しています。

 以前のこのブログで指摘しましたが、民主党は、ほとんどすべての議員が≪悪い
のはすべて「他党」「他組織」「他人」である≫という、まことに能天気な自己中的発言
に終始しています。

  ジミンガー   (自民党がすべて悪い・すべて自民党のせい)
  カンリョウガー (官僚がすべて悪い・すべて官僚のせい)
  コイズミガー   (小泉元総理がすべて悪い・すべて小泉元総理のせい)
  ○○○○ガー

 民主党で若手良識派と言われる玄葉氏でさえ、責任はすべて他にありという発想
に陥っているのは極めて問題です。民主党も政権与党になって10ヶ月も経過、
その中には消しがたい「失政」も数多くあり、もっと責任を自覚すべきではないで
しょうか。

 たとえ、過去、自民党政権の時の問題であったとしても、彼等は民主党として国会
に存在していたのであり、民主党に責任が全くない、ゼロであるとは世間に通用する
話ではありません。さらに、ここが最も重要なことですが、政治は現在から未来を
語ることであり、
過去の責任を追及するのは政治のほんのわずかな一部にすぎない
のです。いつまで「○○ガー」と言えば済むのか、もういい加減にしてほしいと思い
ます。

 それにしても、確固たる責任を自覚した立派な政治家の“心に響く言葉”を聴き
たいものですね。

 聴きましょう! 今回の参議院議員選挙にもそのような尊敬すべき候補者が
います。ぜひ探してみてください。そして、そういう人に投票しようではありませんか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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