政治家よ“明治維新”をもてあそぶなかれ!
237回目のブログです。
“ 秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる”
(藤原敏行・古今集)
まだまだ暑い日が続き、各地で熱暑日の記録が更新されていますが、それでも、
早朝には、風を含んだ空気に、ほんのわずかな秋の兆しを感じられるようになり
ました。
いよいよ9月14日には民主党代表選挙が行われますが、これは、とりもなお
さずわが国の総理大臣を選ぶことでもあります。菅氏と小沢氏との激しい争いが
繰り広げられていますが、何か白々しい印象を払拭することはできません。
この民主党の内輪の争いについて、東北の有力地方紙である河北新報(ニュース
サイト・コルネット)に載った、ある人の言葉をごらんください。
「総理になる資格のない人と、資質のない人との戦いだ」
ニヤリ。まさに言い得て妙。絶妙の表現ですね。3ヶ月前に政治と金で幹事長を
辞任した人は当然総理になる「資格」はありませんし、参議院選に敗北した最高
責任者が責任をとることもなく、空前の経済混迷の時にもかかわらず政治空白と
無策を続ける人は総理になる「資質」はありません。その人とは、言うまでもなく。
総理になる資格のない人 ⇒ 小沢一郎・元幹事長
総理になる資質のない人 ⇒ 菅直人・首相
ところで、菅直人首相はこの選挙戦を明治の西南戦争だと発言しています。菅氏
をはじめ民主党の多くの政治家は、自らを明治維新の志士や英傑に仮託し、ある
種の高揚感を味わっているようですが、全くもって、とんでもありません。
明治維新の志士は、迫り来る先進欧米列強の植民地化への圧力に対して、
日本国家存続発展のために、国家統一、近代国家建設に全身全霊をかたむけた
のです。今の政治家たちのレベルとは全く異なり、心構え、歴史観、国家観、覚悟
の点では、月とスッポン、雲泥の差があります。
もう、自らを明治の志士になぞらえることを止め、身の程をわきまえてほしいもの
です。明治維新の志士や英傑に対して失礼千万。自分の薄汚い心を明治維新に
なぞらえるのではなく、その鮮烈な精神に学ぶことが大切であることを指摘しておき
ます。“明治維新”は、二千数百年を数えるわが国悠久の歴史の流れのなかで、
復古・革新・創造の精神を紡いだ、世界に誇る一大叙事詩というべきものであり、
その明治維新を弄ぶことは厳に慎むべきではないでしょうか。
二人の論戦のなかで、看過できないことが明白になりました。それは小沢一郎氏
の安全保障の考え方です。小沢氏は、基本的には日米安保の解消と国連依存を
唱えており、これは冗談ではなく本気であることがはっきりしました。
しかしながら、国連依存(国連軍)の考え方は間違いであり、完全に狂っていると
しか言いようがありません。ちょっと考えれば解ること。国連安保理には、中国や
ロシアが常任理事国として「拒否権」を持っており、国連軍は、わが国の脅威国で
ある中国やロシアに対しての抑止力にはなり得ないのです。
それどころか、とんでもない事態が生じます。たとえば、中国が、近年その所有を
強く主張している「尖閣諸島」を軍事占領した時、国連軍は日本の防衛に対処する
はずがありません。中国の拒否権によって動くことができないのは明々白々でしょう。
それによって、尖閣諸島は容易に中国に侵略されて終わり。嗚呼!……。
さらに奇怪なのは、場合によっては、国連軍の配下にある日本の自衛隊が日本を
攻撃することもあり得るのです。なぜなら、その時は、自衛隊はすでに日本の主権
から離脱した存在であり、国連軍の指揮下にありその指揮に従わなければならない
からです。
マンガ…まるでマンガですね。一国の軍(自衛隊)を日本の国家主権の及ばない
国連に委ねるなんて、子どもでも考えない幼稚な絵空事というべきです。こんな考え
は、中国をはじめ南・北朝鮮やロシアに頭を下げ、膝を屈し、媚を売り、近い将来
の国家解体を企んでいるのと同じことを意味しており、それが、何と次の日本国総理
大臣を目指している人の考えとは、いやはやどうなっているのでしょうか…。
先日、小沢氏は小沢一郎政治塾で「アメリカは単細胞(monocellular、simple-
minded)だ」と述べましたが、民主党への政権交代を強く主張したFT(フィナンシャル
タイムズ)は“日本の夜明けは勘違いだった”と落胆しているようです。民主党の惨状
はもっとも好意的な外国紙にさえも自らの読みが間違いだったと思わせているのです。
その意味で、民主党はオーソドックスな道を歩むべきであり、巷間伝えられる、
「小沢さんの狙いは国民生活が第一ではなく、政党助成金など約170億円を自由
に支配し、それをもって人事権、公認権を握りたいだけだ」というようなことだけは
ないように願いたいものです。
最もオーソドックスなことといえば、「憲法の大改正」ではないでしょうか。明治維新
に学ぶならば、今、憲法改正を骨太に考え、実行することなくして歴史に名を残す
ことはできません。混迷状況が続いているこの時こそ、逆に憲法改正のチャンスだ
と判断すべきです。これこそが、真の平成維新です。
さいごに、民主党の欠陥を指摘します。民主党は党員資格(サポーター含む)に
外国人を含んでいますが、外国人に自国の総理の選定を委ねるのは大間違いです
(憲法違反)。真面目な政党の体をなしていません。もしも、民主党が日本国の
民主党であり、外国(中国・南北朝鮮)に支配される政党でないとするならば、即時、
党員資格を改正すべきです。 本来ならば、選挙告示前に外国人投票権剥奪の
処置を行うべきであり、それを行っていないとは、国家意識の薄弱さを証明した
ものであり、明治維新とはまるで真逆、何たる無様なことか!
それにしても、「総理になる資格のない人と、資質のない人との戦いだ」という言葉
は、誠に残念ながら名言だと思います。
民主党代表選についての感想を述べました。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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