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2010年10月 8日 (金)

“デフレ脱却”こそ最重要課題だ! 

 241回目のブログです。

    “ 君待つと 我が恋ひ居れば 我が屋戸の 簾動かし 秋の風吹く”
                              (額田王・万葉集)

 本格的な秋を迎え、肌に触れる風がまことに爽やかであり、まさしく額田王の
万葉歌にある“秋の風”を感じさせてくれます。1300年前の万葉時代の秋の風も、
平成22年の秋の風もおそらく同じものであっただろうし、世界に誇る万葉集あれば
こそ、日本人として、自然と歴史の絶妙さを、又、感じることができます。

 歴史あればこそ、自然あればこそ、それを誇ることができますが、わが国土が
尖閣諸島の例に見られる如く累卵の危うき事態に陥ったり、歴史や国を否定する
国家リーダーが存在しているような今の状況では、将来が危ぶまれると言っても
過言ではありません。

 このようなとき、わが国全体が元気を出し、活力ある社会を築き上げることが
肝要ですが、その根幹は「経済の活性化」にあると考えます。大東亜戦争(第2次
世界大戦)以後のわが国は、民、官、学、政を挙げて、死に物狂いで経済を活性化
してきた輝かしい歴史を有しています。今、それに謙虚に学ぶべきことは言うまでも
ありません。

 現在の日本経済の課題は、為替、株価、雇用、消費、投資、財政、ODA、中小
企業、地方、資源、などなどいろいろあるでしょうが、何と言っても「デフレ」の克服、
脱却が最重要課題
ではないでしょうか。

 ここ十数年、先進国のなかで、わが国のみが経済の停滞を余儀なくされています
が、この要因は真の政治主導(=知性に基づく政治)がなされなかったことによる
政策の貧困にあります。

 まず、日本という「国の借金」を考えてみましょう。国の借金は政府の借金とは
異なりますし、マスコミでは国家を個人レベルと同一なものとしてセンセーショナル
でセンチメンタルな表現をし勝ちです。国は企業に近いと考えるべき。

           【日本国家のバランスシート】

              借方(資産)  貸方(負債+純資産)
   政府              482     1002
   金融機関        2755     2744   
   非金融法人企業     848     1188
   家計              1453      374
   民間非営利団体      53       19
   純資産                      264
     (計)             5591     5591(兆円)

 これは経済評論家の三橋貴明氏の論考(日銀統計・除不動産)から若干修正
したものですが、これを見れば、わが国は世界でも最大の金融純資産を有して
おり、もっと大胆な政策、経済政策を打ち出すことができるのではないでしょうか。

 よく国が借金漬けになっており、何らかの大胆な政策は打ちたくても打てないと
いう議論が多いのですが、上記をみれば、それがまやかしであり、責任逃れの姿勢
だということができます。

 そもそも、デフレギャップとは何でしょうか。公式は次の通りです。

       デフレギャップ =「供給能力」―「需要(GDP)」

 デフレギャップをなくすには、本来の供給能力を削減するか、需要を上げるかの
どちらかです。バブル崩壊後はリストラによる供給削減策を講じましたが、現状を
見れば、上手くいっておらず、雇用問題はいよいよ深刻さを増していることを考え
れば、今求められるのは需要の喚起以外にはありえないのではないでしょうか。

 さて、わが国の現状を眺めれば、全般に不景気ムード、活力が失われ、雇用は
大幅悪化、地方は疲弊などデフレスパイラルという、ど壷にはまった感がしてなり
ません。

 そうとすれば、国内政治の役目は決まったも同然でしょう。それは、デフレからの
脱却のみに焦点を絞った経済政策を、大胆に、敢然と、速やかに実行に移すこと
にほかなりません。それ以外はすべて捨象、八方美人は避けるべし!

 財源は、国債発行、国有資産売却、いわゆる埋蔵金など、デフレ脱却までの期限
付きで調達可能であり、そのことによる問題は特に発生しないことは、上述の「国家
のバランスシート」で明白です。

 それではどのような政策を考えるべきでしょうか。

  積極的な公共投資を!

   「コンクリートから人へ」というのはあくまでスローガンであって、公共投資は
   削減すればいいというものではない。自然災害への対応や水道管の寿命
   対応など、ライフ寿命のきたインフラは数え上げればいくらでもある。それら
   を含め、民間・官僚・学者を総動員し、あらゆる意見、政策を集め、緊急に
   実行に移すべきであろう。
  
  明確なインフレターゲットを設けよ!

   デフレ脱却への道の一つに「インフレ目標」を掲げることであり、それを財務
   省と日銀が協働しなければならない。名目では4%が妥当であろうし、タイム
   スケジュール(ロードマップ)を明確にすべきである。特に日銀は過去のイン
   フレ退治には積極的だが未知のインフレ目標にはかなり躊躇しているようで
   ある。10/5発表された包括的金融緩和策のなかに、「中長期的な物価安定
   の理解」に基づくインフレターゲット気味の策が盛り込まれたが、より明確な
   表現にすべきであろう。未知に挑戦しない日銀であれば、存在価値はないし、
   もしもそうであるならば、「日本銀行法」を改正しなければならない。国家あって
   の日銀であり、日銀あっての国家ではないはずだ。

  新産業分野の長期育成を!

   新しい産業分野を育成するための政策、法整備・助成をはかる必要がある。

  強力な国家防衛政策を!

   尖閣諸島や北方領土をみてもわかるように、強固な防衛システムの確立を
   急がなければならない。
    ・防衛費の大幅増額
    ・防衛・軍需産業の強力な育成(武器装備の防衛省への移管なども含む) 
     ・軍事物資、レアメタルなどの戦略的備蓄
     ・自衛隊員の大幅増強(雇用対策と国防対策の一石二鳥)
   
  乗数効果の高い政策を!

   緊急に必要な国防関連は除いて、乗数効果(政府支出や投資により増える
   国民所得の効果・経済学基本用語…菅首相は知らず)の高い政策を取り
   上げるべきである。

 その他いろんな政策はあるでしょうが、わたしが非常に疑問に思っていることは、
わが国のほとんどの経済学者がデフレ克服の処方箋を明示していないことです。
先日ある新聞で著名な教授が長文の論考の最後に、デフレ克服が議論されなけ
ればならないと述べていますが、ちょっと変ですね。彼等こそその具体策をすでに
提示していてもおかしくないのですから。

 今では、きちっとした評論家の方が具体的政策を明示していると思います。経済は
政治と密接な関係があり、なかなか難しいとは思いますが、是非、具体的な処方箋
を提案してほしいものです…今や、待ったなし!

 それにしても、どのような政策であったとしても、実施へまで持っていくのは政治
です。あやまちのない、日本国家のための政治を期待するばかりです。

 真の政治家、真の官僚、真の学者、真の経営者の一大奮起を期待します。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です。

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コメント

いつも拝見しております。
私は、1ヶ月程前に、三橋貴明さんのブログにたどり着きました。本当に目からうろこでした。

日経ビジネスオンラインでの三橋さんの連載が好評だったそうで、多くのビジネスマンも、「そうだったのか」と気付くことを祈ります。

あとは、政治家が実行してくれれば・・

三橋貴明 暴論?あえて問う! 国債増発こそ日本を救う
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100727/215597/

投稿: のびー | 2010年10月 8日 (金) 10時57分

全く同感です。今私は”世論”なる魔物に怯えています。世論形成は全てメデイア(第一権力)にあります。
 経済問題における報道は全てと言っても過言でないほど政府提供記事です。 メデイアのこの壁を打破しないかぎり日本の未来はないと感じ、一国民として懸命に努力しています。    岡村昭

投稿: 岡村昭(神戸市) | 2010年10月 8日 (金) 07時34分

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