倒錯思想のオンパレード…異様な菅内閣!
247回目のブログです。
“ 暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき 遥かに照らせ 山の端の月 ”
(和泉式部)
この和歌は平安中期の歌人である和泉式部が個人的感懐を詠ったものだと思わ
れますが、1000年後の今、この和歌を読めば、平成の御世のわが国の現状を
ぴったりと適確に表現しているように思えてなりません。
わが国は、今、暗い道をより暗い道へと歩いており、すべての国民は、凛とした
政治によって国全体を明るく照らして欲しいと望んでいるのではないでしょうか。
しかし、尖閣諸島への中国船侵犯問題で露呈した政府・菅内閣・民主党政治の
不様な対応は、米国はもとより、アジアや世界各国から“えっ!まさか”と口あん
ぐり、こんな下手な外交がこの世の中にあるのかとあっけにとられ、まさに失笑の的
となっています。
中国やロシアなどはまさに、好機至れり、待ってました、とやりたい放題。これで
もわが政府は、“鈍感”“不感症”“無自覚”。次の記事を見れば、これこそ、すべて
の国民が吃驚仰天、椅子から転げ落ちるのではないでしょうか。
■ レアアース代替素材「中国と共同研究」経産相
大畠章宏経済産業相は16日午前の閣議後記者会見で、「中国とレアアース
(希土類)の代替材料やリサイクル技術を共同研究したい」との意向を示し
た。アジア太平洋経済協力会議(APEC)開催中の13日に張平・中国国家
発展改革委員会主任と会談した際に、伝えたことを明らかにした。
(2010/11/16 日経電子版一部抜粋)
またまた、“えっ!まさか”。どうなっているのでしょうか。尖閣諸島侵犯衝突事件
で、中国側が、わが国経済が中国に依存していることを逆手にとって、レア・アース
の禁輸を実施したばかりであるにもかかわらずです。
“バッカじゃなかろうか、バカ、間抜け、鈍感、”“信じられな~い”…これが私の
正直な感想。
大畠経済産業相(元社会党)・菅内閣・民主党内閣のすすめようとする、「レア・
アース代替素材を中国と日本が共同開発」するという政策の意義、意味、が全く
理解できず、大畠産業相は事態に関しての知識、認識を大いに欠いていると断定
せざるを得ません。ポイントをわかりやすく整理してみましょう。
① 日本は技術立国であり、技術開発はお家芸である。特に、産・官・学が共同
で「日本国家の危機」に立ち向かえば成果も顕著である。
② 日本は、従来は資源小国であったが、最近、わが国周辺の海洋資源が極め
て豊富であると判明。(中国の尖閣略奪の狙いはこれだ!)
③ 中国は一党独裁国家であり、歴史的にみても、権力概念は極めて強いが
契約概念は極めて弱く、共同開発には最も不適な国家である。
④ 中国企業はわが国のような独立性を有しておらず、また、知的財産権を
尊重する意識が極めて薄く、共同開発には全く不向きである。
どうも、元社会党などの社会主義を信奉してきた人たち(たとえば、大畠経済
産業相や仙谷官房長官など)は、独裁を賛美する傾向を持ち、権力・軍事力を
恫喝に使うことに憧れを懐いているとしか思えません。(したがって、中国から恫喝
されることにマゾ的な快感を感じているのであり、その意味では、尖閣問題で中国
に膝を屈しているのも、同じマゾの喜びを感じているのでしょう)
レア・アース(rare earth elements・希土類元素)は、Sc スカンジウム、Y イットリ
ウム、La ランタン、 Ce セリウム 、 Pr プラセオジム、 Nd ネオジム 、 Pm プロメ
チウム 、 Sm サマリウム 、 Eu ユウロピウム 、 Gd ガドリニウム 、 Tb テル
ビウム、 Dy ジスプロシウム 、 Ho ホルミウム、 Er エルビウム、 Tm ツリウム、
Yb イッテルビウム、 Lu ルテチウムの17元素を言い、世界の産出量の97%が
中国(とは言っても「内モンゴル」)です。
埋蔵量は、中国が30%、あとCIS(旧ソ連)、米国、オーストラリア、インドと続き
ますが、既に開発中なのが、カザフスタン、ベトナム、オーストラリア、南アフリカ、
米国、カナダ、グリーンランドであり、急ピッチですすんでいるようです。
レア・アースの用途としては、自動車、PC、家電、医療、鉄鋼、エネルギー、精密
機器の一部に使われています。中国が禁輸、減少措置を取ったために、大混乱を
招いていますが、対策としては次のことが考えられます。
① 中国以外の国で鉱山開発する
② リサイクルシステムにより補充する。
③ 代替素材を開発する
上述のように、世界各国が鉱山開発をはじめており、中国に反撃を開始しました。
わが国としては「代替素材の開発」と「リサイクル」が考えられます。大学や企業も
いよいよ本腰を入れ始めており、信越化学、ダイキン工業、大同特殊鋼などは
すでに代替素材に実績をあげていますし、北海道大学の竹本准教授はレア・
アースを使用しない電機自動車の開発に完璧な目途が立ったと伝えられています。
日本の技術者はバカではありません。世界に冠たる優れた頭脳の持ち主です。
要は、政府としてどう方向づけるかを決定し、政策を着実に実行に移すことです。
そうでなければ、中国に脅されるばかりになり、それこそ政府の存在価値はあり
ません。ポイントは次の通りです。
① 代替素材開発かリサイクル方式のどちらを優先するかの順位を即時決定
する。
② 産・官・学開発チームを立ち上げる。
③ 予算をたっぷりつける。
(間違っても、バカな蓮舫大臣のように“2番ではどうしていけないのでしょうか”
というような科学に無知な対応をしないこと)
④ 「Speed is Best」で臨む。
それにしても、菅内閣の閣僚は異常ですね。仙谷官房長官は領海侵犯した中国
船に敬語(敬語ですよ!)でもって敬意を表し、国民には脅しと恫喝。大畠経済
産業相はレア・アース禁輸で脅された中国に、愛想よくニコニコと共同開発の申し
入れ(この開発技術は100%、日本人・日本国家の貴重な財産ですよ!)…これを
“サド・マゾの倒錯”と言わずして何を“倒錯”と言えるのでしょうか。
彼らの言動には国益の観点をうかがうことはできません。無知なのか確信犯なの
か。人類愛なのか売国奴なのか。虐められ、脅され、恫喝され、禁輸されても、そう
されればされるほど、その相手に寄りかかり、極端な喜びを感ずる心理…これ、
まさしく「倒錯の心理」「異様な心理」ではないでしょうか。
“ 蹴られても 踏まれても ついてゆきます 下駄の雪 ”
(都都逸)
日ごろより温厚を旨とする私としては、きびしい言葉であげつらいたくなかった
のですが、わが大臣たちのあまりにも異常・異様な言動に、ついつい、言いすぎた
ようです。(反省!…猿でもできることですが)
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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コメント
いつも興味深く拝見させて頂いております。
今回の話題について、少し補足させて頂きます。レアアースは近年になって分離されたもので、モナザイトやバストネサイトなど、100を超える鉱物種が知られておりますが、厄介なのは放射性物質のトリウムを随伴することです。この点で、中国のイオン吸着鉱はトリウムの含有量が非常に少なくなっております。確かに、埋蔵量は米国、ロシア、中国で世界の70%と考えられており、偏在性はそれ程でもありませんが、この点で中国の資源が圧倒的に有利です。
レアアースについては、まだ、いくつかの論点がありますが、興味がございましたら、明日の村上さんの出版記念会の折にでも、お話させて頂きます。
ひとつだけ、夏のフォーラムで亜細亜大学の小林さんは、中国は、レアアースに関し、日本企業誘致に税制優遇を考えているなどととぼけたことを言っておりましたが、あれこそ技術流出を狙った姑息な戦略です。なぜ、あのような方を講師に選んだのか、最近のフォーラムは質が落ちたというか、テーマや講師の選択など場当たり的に開いているとしか思えません。
投稿: 弘志会の伊藤です。 | 2010年11月19日 (金) 08時07分