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2011年4月15日 (金)

“天皇陛下のお言葉”…東日本大震災に思う⑤

 268回目のブログです。

    “ 被災地や 稚児の笑顔に 風光る ”

 わたしは、毎月一回、政治、経済、社会、文化について真摯な議論をおこなう異業種(産・官・学)の集まりに参加していますが、この会で今月は“句会”なるものがありました。句会と言っても、10人程、一人を除いて全くの素人ばかりですが、季題として「風光る」「子猫」が与えられ、各自4句を発表、その中で、多くの人が上に掲げた句を選びました。この句は、残念ながらわたしのものではないのですが、なかなか印象に残る俳句のように思えます。

やはり、今の世相を反映しているのでしょうか、大震災がらみの句が多く見受けられました。東北から遠く離れた地域に居ても、同じ日本、震災や原発のことは頭から離れませんから、しばらくはこんな状態が続くのではないでしょうか。

 さて、先週、たまたま買った週刊誌(週刊新潮)に、歌人・斎藤茂吉の孫である斎藤由香さんが、素晴らしいエッセーを書いています。

 『…心配なのは、日本人が忘れやすいことだ。阪神大震災の時も、しばらく経つと新聞やテレビから情報が消えていき、まるで何事もなかったかのように日常に戻っていった。

  …テレビ局には、天皇陛下が被災地の方々に贈られた五分三十秒のお言葉を全部流してほしい。過日、民放は「天皇陛下がお言葉を述べられました」と、たった数十秒流しただけ。毎日、余震やら計画停電で、東京に住む友人らも天皇陛下のメッセージの存在を知らない人が多かった。

  ましてや被災地の方々は見る余裕がなかっただろう。天皇陛下は文章ではなく、初めて映像でお言葉を伝えられたのだ。NHKで少しだけ流れた天皇陛下の映像を見たが、NHKも民放も何故一部分だけ切り取って報道するのか。

  政治家のように眉をひそめて話すのではなく、落ち着いた心優しいご様子は、平常時と同じであられた。何と慈愛に満ちた美しいお言葉だったことか。心が和らぎ、明日への勇気がわき、日本人の誇りを感じさせられた。

  民放テレビ局にはACの広告の代わりに、この天皇陛下の映像を被災者の方々が毎日見られる環境をつくってほしい。朝食を食べ終わった時間に、やるせない不安な午後に、そして寒さが身にしみる哀しい夜にぜひ放映してほしい。』
        (「窓際OLのすってんころりん日記」より一部抜粋)

 ほんとうに、斎藤由香さんの言われる通りです。テレビ局は今からでも遅くなく、斎藤由香さんの“心の叫び”に耳を傾けるべきであることは論を待ちません。今の政権や政治が国民の信頼感を失墜していることに鑑み、二千数百年のわが日本国を体現しておられる天皇陛下のお言葉を、一言も割愛することなく伝えることは、テレビ局の義務であり、また、それが日本の真のジャーナリズムというものでしょう。

 国難にあたっての、皇室や天皇がとてつもなく大きい存在であり、かけがえのない存在であることは、近年の歴史を顧みれば一目瞭然。明治維新の明治大帝、大東亜戦争(第二次世界大戦)終戦の御聖断を下された昭和天皇しかりでしょう。

 今回の大震災に対しても、たとえば、天皇、皇后両陛下は、那須御用邸の職員用の風呂を近隣地域にいる避難者に開放するよう宮内庁に命じられましたが、これは「光明皇后の施浴」の故事を彷彿とさせるものです。その他報道されないことも多々あるに違いありません。

 さて、何はともあれ、斎藤由香さんをはじめ、多くの日本国民が感動した「天皇陛下のお言葉」を掲げます。謹んで読みたいと思います。

天皇陛下のお言葉全文】 (平成23316日)

 “この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています。地震や津波による死者の数は日を追って増加し、犠牲者が何人になるのかも分かりません。一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています。また、現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています。

  現在、国を挙げての救援活動が進められていますが、厳しい寒さの中で、多くの人々が、食糧、飲料水、燃料などの不足により、極めて苦しい避難生活を余儀なくされています。その速やかな救済のために全力を挙げることにより、被災者の状況が少しでも好転し、人々の復興への希望につながっていくことを心から願わずにはいられません。そして、何にも増して、この大災害を生き抜き、被災者としての自らを励ましつつ、これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています。

自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の人々、諸外国から救援のために来日した人々、国内のさまざまな救援組織に属する人々が、余震の続く危険な状況の中で、日夜救援活動を進めている努力に感謝し、その労を深くねぎらいたく思います。

  今回、世界各国の元首から相次いでお見舞いの電報が届き、その多くに各国国民の気持ちが被災者とともにあるとの言葉が添えられていました。これを被災地の人々にお伝えします。

  海外においては、この深い悲しみの中で、日本人が、取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。これからも皆が相携え、いたわり合って、この不幸な時期を乗り越えることを衷心より願っています。

  被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています。”

復旧、復興への道のりは長いでしょうが、あらためて、わたし達も心を一にして、陛下の“大御心”に応えなければならないと思います。

みなさんはどのように感じられたでしょうか。

次回は
時事エッセー
です

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コメント

「鎮魂の 読経響いて 花の散る」KAWASAKI

 皇居では、計画停電のサイクルにあわせて、今も自主的 な停電を実施されておられるとのことです。

 被災者と思いを共になさることの、ありがたさ。いわゆ るボランテイア活動家とは、何かが異なっておられるよ うに拝察いたします。

投稿: 被災者KAWASAKI | 2011年4月15日 (金) 08時35分

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