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2011年4月22日 (金)

菅総理よ“身を捨ててこそ”!…東日本大震災に思う⑥    

 269回目のブログです。

     “ よくみれば 薺(なずな)花さく 垣根かな ”
(芭 蕉)

 普段、気にもとめない垣根の根元に、よくよくみると、薺の花がひっそりと咲いている…芭蕉の有名な句ですが“万物静観すれば皆自得なり”の気持ちを詠んだものであり、与えられた運命を嘆くのではなく、その運命の立場に居て幸せを求めて行こうという、いわば仏の境地でしょうか。

これは芭蕉ならではのものであり、憂いには憂い、哀しみには哀しみ、苦しみには苦しみ、悩みには悩む、常に安らいだ境地を指すものと思いますが、わたし達凡人はそんな心境には到底達しそうにはありません。

 さて、わたし達一般国民はほとんどが凡人でしょうが、わが国の最高の藩屏(国家を守護する人)でありトップリーダーである総理大臣は、政治という場において立場が立場ですから、高邁な精神と高い見識と正しい勇気の持ち主であることが期待されています。

 …が、しかし、実態は真逆であり、誠に残念ながら、それは現下の大問題であると指摘しなければなりません。

  原発事故想定の防災訓練、首相「詳しくは記憶してない」

 18日の参院予算委員会で菅直人首相が自ら参加した原発事故を想定した防災訓練の内容を問われ、「詳しくは記憶していない」と答弁する一幕があった。

 自民党の脇雅史氏が「原子力総合防災訓練のテーマを覚えているか」と質問。首相は「詳しい内容は記憶していないが、いろいろな地震等を想定したことではなかったか」と答弁した。首相は昨年10月、本部長として中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を舞台にした原子力総合防災訓練に参加。放射性物質放出の恐れが出たという想定だった。

 脇氏が「今回と同じ想定だ。何の記憶もないのか。何のための訓練か」と詰めると、首相は「原子力事故は過去に多くあったので、一般的な認識は持っていた」などと釈明した。
           (2011/4/18 asahi.comより引用)

 こんなことってあるんですかね。全く信じられない事実です。わたしは参議院予算委員会でのこのやりとりをTVで偶々みていたのですが、正直、椅子からのけ反り落ちそうになったほどです。

 昨年10月20、21日に行われた「原子力総合防災訓練」は、asahi.comでは“放射性物質放出の恐れが出たという想定”と好意的に表現していますが、実際は、前おきの重要な言葉があり、“非常用冷却装置と複数の設備故障により、放射性物質が放出された時を想定”されていたものであり、まさに、今回の原発事故と全く同様のケースを想定しての防災訓練だったのです。

 インターネットは良いですね。パソコン上で原子力総合防災訓練の模様を詳しく見ましたが、それを指揮する最高責任者である日本国総理大臣「菅直人」の振舞は、緊迫感も真剣さも何もなく、全く、単なるセレモニーのようです。

 不真面目!の一語。だからこそ、原子力総合防災訓練を行ったことさえ記憶していないという、無責任極まりない事実…これは重大かつ深刻なことと言わざるを得ません。

 今回の原発事故も、菅首相が、もしも、昨年の「原子力総合防災訓練」のマニュアルにそって冷静に、機敏に、そして真剣に対処していたら、また、違った展開になったと言えましょう。

 わたしも会社経営に携わったことがありますが、防災訓練は真剣に行いました。それは、いざ事故が発生すると、人命が失われ、資産が減少し、契約が不履行となり、近隣に迷惑を及ぼすなど、自社のみならず公に多大の損害をもたらすからに他なりません。そういう観点から、要請されて一日消防署長などもつとめたこともあります。

 このような菅首相の政治姿勢には大いなる疑問符を付けざるを得ません。首相の双肩には1億2500万人の日本国民の生命がかかっていますが、はたして菅氏はそのことを真剣に考えてきたことがあるのか、はなはだ疑わしいと考えます。

 彼は、今回獅子奮迅の行動を組織的に粛々と遂行している自衛隊に対して、従来はその存在価値を無視、冷笑していましたが、このような事態に遭遇するや、掌を返したように大いに持ち上げています。しかし、よく見れば、パーフォーマンス的に利用しているのは明々白々です。

 菅氏は、尖閣諸島や竹島や北方領土というわが国土を防衛することについて深刻に考えたこともなければ、真剣に取り組むべき危機管理についてもおざなりにするなど、首相として最も基本的な任務である「国民の安全」を守るに相応しい人物かどうか、大いに疑問があります。今、国民のほとんど(世論調査によれば70%前後)が菅首相に信頼感を持っていない事実を、わたし達は直視しなければならないと考えます。

 さらに、驚愕の事実あり。

菅首相は3月11日の国会で、外国人からの違法献金104万円を追及され、その事実を認めました。最早首相の地位はこれまでかと、進退に窮したまさにその折、東日本大震災が生じたのです。最大の国家危機が発生しました。

こういう時こそ、菅首相には、行政の最高責任者として、危機管理の司令塔として、適切な判断力、機敏な対処行動力、有効な組織統率力が求められました。まさに国家危急存亡の秋。全身全霊をかけて「公」のためにつくす…これが、危機における政治家の務めでなければならないことは言うまでもありません。

 ところが、菅首相は何をしたのか。大震災の翌日の3月12日、外国人政治献金者に電話、お互い旧知の間柄でなかったとの口裏合わせと政治献金返却の合意を取り交わし、翌々日には104万円返却したのです。

 何たることでしょうか。この大震災(地震・津波・原発)の緊迫した事態において、特に原発初期対応の最中に、わが国最高司令塔の菅氏(=首相・宰相・総理大臣)が、違法政治資金の返却対応の電話をしていたという驚愕の事実に、わたしは激しい“怒り”を覚えます。彼には権力の保身という「私」以外には何もないことは明白です。

 菅氏には「首相」としての資質は皆無なのではないでしょうか。

 このままでは、日本国民が不幸と言わざるを得ません。朝日や毎日などのマスコミは、民主党・菅首相を中心に、全政党、全政治家が一致協力して、大震災の復旧・復興に手を貸すべきだと主張していますが「資質」のない首相の下ではろくでもない結果になるのは目に見えています。

 菅首相には“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”という言葉を贈りたいと思います。本来、この言葉の意味は、身を捨てる覚悟さえあれば窮地を脱して物事に成功するということですが、菅氏には、真実、身を捨ててもらいたいのです。もしも身を捨てれば後世高い評価があるかも知れませんが、このまますすめば、菅氏は史上最悪の総理という汚名がかぶせられる可能性も大であり、国民も、悲劇に次ぐ悲劇となるに違いなく、これはぜひ避けなければなりません。

 それでは、どうすれば良いのでしょうか。

 わたしは、この国難を乗り越えるためには、菅氏が首相を即時辞任し、他の有力政治家(民主党以外・たとえば小政党党首平沼赳夫氏が最有力)が総理となり、来年3月末までの期間限定、臨時復興連立内閣を組むのがベストだと考えます。

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です

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コメント

菅総理の信じがたい劣悪な資質につきましては昨年秋から継続し述べさせて頂いてます。今回のお説には100%同感です。 総理の精神状態の含めど明白な異常状態であっても居座れる日本のシステムの方を恐ろしく思っています。
                  

投稿: 岡村昭(神戸市) | 2011年4月29日 (金) 12時39分

毎週貴重なご意見をお送りいただき感謝しております。
弘士会の例会でお会いした比賀江です。
今回の震災、原子力発電事故で日ごろ当たり前に思っていた電力の供給がこのような危険な綱渡りのような状況下で行われていたことに驚愕しました。どのように毎日の生活を改めていけばよいのか考えるきっかけを与えられたように思います。筆者は保守の立場から論陣を張っておられ、若干ですが違和感のある記述もないとは言えないのが正直あります。ただしブレのない正論を述べていらっしゃるので毎回愛読しています。比賀江 克之

投稿: 比賀江 克之 | 2011年4月22日 (金) 15時20分

いつもありがとうございます。

「原子力総合防災訓練のテーマを覚えているか」のニュースは知りませんでした。

動画は、こちらで見れますね。↓
(2分2秒頃~ 原子力総合防災訓練 )
http://www.youtube.com/watch?v=3Akowg4eIPQ&t=2m2s


自分のブログでも書いてみました。
http://ameblo.jp/nippon-no-hokori/entry-10868948166.html

投稿: のびー | 2011年4月22日 (金) 13時10分

駆逐艦の艦長が、連合艦隊司令長官として、勤まるか?
(役職が、人をつくるといいますが・・・)
歴代日本の総理大臣で、野宗さんが合格点をつけられる方がおられるでしょうか。非常時に、相応しくない人物が、総理として在任中だったということも含めて、今回の震災を、うけとめる外ありません。民主政治の弱点がモロに露呈しています。それにしても、被災地の町長さん方の、廉直な振る舞いには粛然たるおもいがします。

投稿: 被災者Kawasaki | 2011年4月22日 (金) 09時03分

子供の時から思い込みが強いほうで、損ばかりしている。
子供のころは、「日本は必ず勝つ」という軍国主義の神話を教えられ、それを固く信じていた。
この軍国主義は、原爆であえなく崩れ去った。
戦後は、「平和利用の原発は絶対に安全である」という原発主義の神話を教えられ、それを信じていた。
この原発主義の神話は、今回の東日本大震災であえなく崩れ去った。

何せ、我々は、丸暗記と受け売りの学校教育しか受けていないので、もちろん問題を解決する能力は持っていない。
だが、事態を台無しにする力だけは持っている。だから、世の中は難しい。
この無軌道が我が国を迷走させる原因となっていて、自分自身にとって危険なものになっている。

日本人に危機管理はできない。
自分に都合の良いことは思惑通り、悪いことは想定外とする。
縁起でもないことを口に出してはいけない。言霊の効果が恐ろしい。
だから、最悪のシナリオなどというものが他人に知らせられるはずがない。
あとは、他力本願・神頼み。
はらいたまい、清めたまえ。

我が国が核攻撃を受けたらどのような事態が発生するか。
我が国の原発が大事故を起こしたらどうなるか。
疾走する弾丸列車が貨物列車に激突したらどのようになるか。

悪夢は見たくない。いつまでも能天気でいたい。
天下泰平の気分を壊したくない。

自分に都合の良いことだけを考えていたい。
それ以外の内容は、想定外になる。

ただ「間違ってはいけない」とだけ注意を与える。
「人は、誤りを避けられない」とは教えない。
「お互いに注意を喚起し合って、正しい道を歩まなくてはならない」とは、考えていない。

もしも自分にとって都合の悪いことが起こったら、びっくりする以外にない。
そして、「私は、相手を信じていた」と言い訳するしかない。だから、罪がないことになる。

危機管理は大の苦手。
だが、ナウな感じのする犯人捜し・捕り物帳なら大好きである。毎日テレビで見ている。

日本語には時制がないので、未来時制もない。
未来の内容を鮮明に正確に脳裏に描きだすことは難しい。
一億一心のようではあるが、内容がないので建設的なことは起こらない。
お互いに、相手の手を抑えあった形である。すべては安全のためか。不信のためか。

問題を解決する能力はないが、事態を台無しにする力を持っている。
親分の腹芸か、政党の内紛のようなもの。
今回の事件はわが国の国民性を色濃くにじませている。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812


投稿: noga | 2011年4月22日 (金) 09時01分

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週刊総理ニュースで、 昨年10月20日、21日に行われた「原子力総合防災訓練」の様子が youtubeで見れます。 是非、見てください。↓ --- ■原子力総合防災訓練、待機児童ゼロ特命チームほか -週刊総理ニュース- (2分2秒頃~ 原子力総合防災訓練 ) http://www.yo... [続きを読む]

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