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2011年6月17日 (金)

“日本人の誇り”…これが日本再建のキーワードだ!

 277回目のブログです。

“ 時により 過ぐれば民の なげきなり 八大竜王 雨やめたまえ ”
(源実朝・みなもとのさねとも)

 恵みの雨であっても、時によって降りすぎれば、民の嘆きとなります。八大竜王よ、どうか雨を止めてください!…。

 これは、長雨による洪水に困窮する国民のために、八体の竜神で雨を司ると信じられていた八大竜王に、ただ一心に祈念した源実朝(鎌倉幕府第3代征夷大将軍)の絶詠であり、教科書にも載っている有名な和歌です。

そして、間違いなく「為政者としての責任感」から出たものでもあります。

 それにひきかえ、現在の為政者、特にその最高位である菅首相においては、多少の危機感はあっても、責任感の希薄さは「超希薄」とも言えるほどであり、大いなる失望と落胆を覚えざるを得ません。(もちろん、現首相を源実朝に比べること自体が言語道断であり、そんなことをすれば実朝に申し訳ないのですが、あえて言えば、月とスッポン以下というべきか)

 こんな体たらくに陥ったのは、単に為政者だけでなく、わたし達全国民が「日本国民」としての矜持を失ってきたことに原因があるように思えてなりません。

 わたし達国民のこのような精神的劣化について、その根本原因を剔抉(てっけつ・えぐりだすこと)した好著をご紹介します。(…すでに読まれた方もあるかも知れませんが)

書 名  『日本人の誇り』
著 者  藤原正彦(お茶の水女子大学名誉教授)
出版社  文藝春秋(文春新書)
価 格  780円(税別)

第1章 政治もモラルもなぜ崩壊したか
第2章 すばらしき日本文明
第3章 祖国への誇り
第4章 対中戦争の真実
第5章 「昭和史」ではわからない
第6章 日米戦争の語られざる本質
第7章 大敗北と大殊勲と
第8章 日本をとり戻すために

 著者の藤原正彦教授は、数学者として著名な方ですが、作家の新田次郎・藤原てい夫妻の子息であり、6年前に著した『国家の品格』は、何と、265万部という空前の大ベストセラーになっています。

 著者の筆は、さすがに両親の血筋でしょうか、流れるような達意の文章であり非常に読みやすく、わが国を憂い、わが祖国を愛する切々とした心情と凛とした精神が、ひしひしと伝わってきます。

    日本人の覚醒と奮起を期待したい

 これが、帯に書かれているフレーズですから、著者はこのことを述べるために、渾身の力で書き下ろしたものだと思われます。

なぜならば、この本に書かれていることは、わたし達が戦後教育として教えられたこと、戦後から現在まで蔓延している言論、わが国歴史の否定、自虐思想、日本弱体化政策などについて、真っ向から、オーソドックスに批判、鉄槌を下したものであり、まさに、目からウロコ、現在のわが国を覆っている暗闇を煌々と照らさんとする太陽の明かりと言っても決して言い過ぎではありません。

 それでは、私の印象に残ったところを一部ピックアップしましょう。

  日本が祖国への誇りを失うという致命傷は、占領後実施された厳しい言論統制によるものだった。それは罪意識扶植計画(WGIP・War Guilt Information Program・戦争についての罪の意識を日本人に植え付ける宣伝計画)に基づいたものである。

『この「罪意識扶植計画」は、日本の歴史を否定することで日本人の魂の空洞化をも企図したものでした。ぽっかりと空いたその空地に罪意識を詰めこもうとしたのです。そのためにまず、日本対アメリカの総力戦であった戦争を、邪悪な軍国主義者と罪のない国民との対立にすり替えました。三百万の国民が米軍により殺戮され、日本中の都市が廃墟とされ、現在の耐乏生活がもたらされたのは、軍人や軍国主義者が悪かったのであり米軍の責任ではない。なかんずく、世界史に永遠に残る戦争犯罪、すなわち二発の原爆投下による二十万市民の無差別大量虐殺を、アメリカは日本の軍国主義者の責任に転嫁することで、自らは免罪符を得ようとしたのです。…』

  自国を卑下し、恥ずべき国だと思っている学生たちには、次のわかりやすい事実でその誤りを諭し、日本は逆に誇るべき国だと教えている。

『西暦500年~1500年の十世紀間に生まれた英・仏・露文学は「ベーオウルフ」と「カンタベリー物語」くらいしか頭に浮かばないが、日本は、万葉集・古今和歌集・新古今和歌集・源氏物語・平家物語・方丈記・徒然草・太平記…と際限なく文学を生み続けましたね。しかも万葉集などは一部エリートのものではなく、防人など庶民の歌も多く含まれています。それほど恥ずかしい国の恥ずかしい国民が、よくぞ、それほど香り高い文学作品を大量に生んだものですね』

また、理系の学生には『行列式は天才ライプニッツの発見ということになっているが、実はその十年前、元禄のまえの天和三年に、関孝和が鎖国のなかで発見し、使っていたものだ』と。

  (これを話すと学生は完全に沈黙とのこと。痛快!感心します)

  『GHQが種をまき、日教組が大きく育てた「国家自己崩壊システム」は、今もなお機能しています。特に教育界、歴史学会、マスコミというGHQによる締め付けのもっとも厳しかった部分においてです。…このシステムは容易には壊れないのです。東京裁判への批判、新憲法の批判、検閲により言論の自由を奪い洗脳を進めたアメリカへの批判、愛国心の用語、原爆や無差別爆撃による市民大量虐殺への批判、などは、すべて正当でありながら、公に語られるのは稀です。むろん、教科書に載ることもありません…』

  『東京裁判はまやかしである』…これは「勝利国による敗戦国への復讐劇」に他なりません。また、平和に対する罪、人道に対する罪という「法の不遡及」に反するものであり、正当性を欠くものです。

  『南京大虐殺は歴史的事実ではなく政治的事実』

  『日本近代史における戦争を考える時に、満州事変頃から敗戦までを一くくりにした十五年戦争や昭和の戦争がありますが、このように切るのは不適切と思います。その切り方はまさに東京裁判史観です。

…ペリー来航の1853年から大東亜戦争を経て米軍による占領が公式に終ったサンフランシスコ講和条約の発効すなわち1952年までの約百年を「百年戦争」とします』

  日本文明の価値観

○ 個より公
○ 金より徳
○ 競争より和
○ 主張するより察する
○ 惻隠(あわれみの心)や「もののあはれ」を美しいと感ずる

  誇りを回復するために

第一、戦勝国の復讐劇にすぎない東京裁判の断固たる否定

第二、アメリカに押し付けられた、日本弱体化のための憲法を廃棄し、新たに、日本人の、日本人による、日本人のための憲法をつくりあげること

現憲法の前文において、国家の生存が他国にゆだねられていることや、自衛隊が明らかな憲法違反であるにもかかわらず、自衛隊は軍隊ではないという子供にも分かる「嘘」が堂々と採用されている

  第三、自らの国を自らで守ることを決意して実行すること

他国に守ってもらうというのは属国の定義である。屈辱的状況にあっては誇りも何もない。少なくとも一定期間、自らの力で自国を守るだけの強力な軍事力を持った上で、アメリカとの対等で強力な同盟を結ぶべきである

 藤原教授の筋の通った明確な主張に心から敬服します。素晴らしい以外の言葉が見つかりません。藤原正彦先生は、おそらく、今の日本人の在り様と将来の祖国日本に対し、言いようのない危機感を覚え、抑えようのない祖国への愛情(真の愛国心)から、やむにやまれず、今までタブーとされ、オブラートに包んだ議論しかされなかったことについて、堂々とした言論を発露されたものに違いありません。

 著書の最後には次のように書かれています。

 歴史を振り返ると、国家が苦境に立たされた時代こそ、もっとも実り多い時代だった。それを乗り越えて初めて、国家はさらなる高みに到達するからである
            (スマイルズ・19世紀英国人著述家)

 “現代の日本はまさにその苦境に立たされています。日本人の覚醒と奮起に期待したいものです
          (藤原正彦・21世紀日本人数学者&著述家)

 藤原正彦著「日本人の誇り」をぜひお読みください。強く推薦します

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です

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