映画「はやぶさー遥かなる帰還」…その熱き心に拍手!
314回目のブログです。
(ブログをはじめてから丸6年経過しました。何とか続けることができましたが、これも偏に、みなさま方のあついご支援の賜物と感謝しています。お読みくださる方が時には一万人を超すこともありますので、こんな拙文ですが、それなりに読まれているものと思い「日本の春」を期して、しばらくは続けますので、今後ともよろしくお願いいたします)
“ 冬ごもり こらえこらえて 一時に
花咲きみてる 春はくるらし ”
野村望東尼(のむらもとに・幕末)
冬の間は引きこもり、厳しい寒さにじっと耐えていれば、いっときに花が咲きほこる春が来るもの、人生も同じように思えますよ…。
野村望東尼は高杉晋作をはじめとする幕末の勤皇の志士を支えた女流歌人ですが、時代がかわって今日、この和歌で詠ったように、混迷を極めるわが国に、花が咲き誇る真の春は果たして来るのでしょうか。
そんなことをつらつら思いながら、気分一新、明るい話題を求めて、先日久しぶりに、映画を鑑賞してきました。
■ 映画『はやぶさー遥かなる帰還』
原 作 山根一眞「小惑星探査機はやぶさの大冒険」
監 督 瀧本智行(「犯人に告ぐ」など)
出 演 渡辺謙・江口洋介・吉岡秀隆・藤竜也・山崎努
配 給 東映
上 映 2時間16分
(あらすじ)
2003年5月9日。小惑星探査機“はやぶさ”を搭載したロケットが鹿児島県内之浦観測所から飛び立つ。その最大の目的は、小惑星“イトカワ”へ行き、太陽系の起源、地球の起源を探る手がかりとなる石や砂を持ち帰ること。しかしそれは、世界でも例のない困難なミッションへの挑戦でもあった。ロケットを見守る“はやぶさ”プロジェクトマネージャーの山口駿一郎教授(渡辺謙)や新聞記者の井上真理(夏川結衣)たち。
2004年5月、“はやぶさ”は地球の重力と交点速度を借りて方向転換とスピードアップを行なう“地球スウィングバイ”、7月には“イトカワ”の撮影に続けて成功。
その後も様々な困難を乗り越えた“はやぶさ”は、2005年11月に“イトカワ”のサンプル採取に成功。だが、化学エンジンの燃料が漏れ、姿勢制御も不能になる。藤中仁志(江口洋介)と森内安夫(吉岡秀隆)は、イオンエンジンの燃料噴射によって姿勢制御に成功。危機を脱したものの、姿勢制御に時間を要したことで地球への期間が予定より3年延びてしまう。さらに通信途絶やイオンエンジンのトラブルなどが重なり、2009年11月に最後のイオンエンジンが停止。
最大の危機に直面した時、山口はリーダーとして決断する。“はやぶさ”を地球へ帰す。決意を同じくした藤中と森内は、イオンエンジンに最後の指令を送った。満身創痍になりながらも地球へ帰還しようとする“はやぶさ”のため、チームの技術と想いがひとつになる。(goo映画より引用)
いやあ、なかなか素晴しい映画でした。輝かしき成功に導いた日本の先端技術群、技術開発に欠かせない中小零細企業のふんばり、苦難を乗り越えたストーリー、マネージメントの際立った凄さ、広報とメディアの役割、充実した個性派俳優の集団、卓越した隙のない演技力…どれをとっても大満足の映画です。
映画のキャッチフレーズもいいですね。
「絶対にあきらめない」
日本の技術力・人間力が世界を変える。
「日本の男は、あきらめない。」
歴史に名を刻む本物の映画、誕生
平成15年(2003)打ち上げられた小惑星探査機はやぶさは、平成17年(2005)小惑星イトカワ(半径160m、長径500m、日本のロケット開発の父・糸川英夫博士の名前にちなむ)に軟着陸、サンプル収集、平成22年(2010)6月帰還。期間2592日(7年超)、距離60億Kmを克服しての壮大な成果と言えるでしょう。
皇后陛下は、はやぶさが大気圏に突入した時のことを和歌に詠まれました。開発関係者の必死の努力によって達成された、日本の輝かしき栄光と栄誉を、率直にのびやかに称えられたものではないでしょうか。
“ その帰路に 己を焼きし「はやぶさの」
光輝かに 明かるかりしと ”
長期不況、少子化、教育力低下、大震災、財政不均衡などに加えて、政治の幼稚化と混迷が著しく、社会の雰囲気はいわゆる閉塞感とあきらめの気分に満ち満ちている今、わたし達に、自信と勇気を与えるとともに、わが国とわが国民が有する優れた技術にあらためて注目させる、一級の映画だと思います。
プロジェクトマネージャーの川口淳一郎教授(映画では山口教授)役を演じた主演俳優の渡辺謙氏は、試写会で感極まり男泣きをしながら、次のように語りました。
「多くの人に見ていただきたいという気持ち以上に、大きな災害を受けた日本に、この映画がどんな役割を果たせるか考え続けた」
「精神的に“ほふく前進”するような撮影だった」
「映画を見ていただくことで、こんなにすばらしい日本人がいることを自慢し、誇りに思ってほしい」
渡辺謙氏は「日本人」としての「熱き心」を持った世界的な俳優であり、その熱い心に全ての俳優陣が引っ張られ、スクリーンは、手に汗、ぐいぐいと迫るものがありました。
この映画は“日本人よ、目を覚まそう”“日本人よ、自信を持とう”“日本人よ、沈滞ムードを打ち破ろう”という求められるべき時代精神の発露でもあり、次代の創造への力強いメッセージでもあります。
わが国は技術立国。技術革新(イノベーション)無くして将来はありえず「はやぶさ」に習って、政府も、企業も、研究所も、学者も世界一を目指してほしいものです。間違っても、民主党・事業仕分け・蓮舫大臣の「2位でもいいのではないか」というバカ発言、世迷い発言を許してはなりません。2位でもよいとすればどんどんレベルは下がり、終いには最低に陥ることになるのは必定。こんなのが大臣ですから、とほほ…。
この映画はわたし達日本人の魂をゆさぶる素晴らしい映画ですが、そうであればこそ、教育映画と言っても決して言い過ぎではありません。その意味で、教育委員会は即刻予算を組んで、中学生や高校生には全員鑑賞させるべきではないでしょうか。
これまで教育委員会が全く機能していなかったことが大阪府松井知事や大阪市橋下市長のもとで白日に晒された訳ですから、他の自治体もほぼ同じようなものでしょう。とすれば、教育委員会はここで起死回生、映画『はやぶさー遥かなる帰還』を中高校生に鑑賞させ、失点を少しでも回復してはいかがでしょうか。
何はともあれ、映画『はやぶさー遥かなる帰還』は全国民が鑑賞すべき映画として推薦します。
みなさんも、ぜひ、映画館に足を運んでみてください。元気、勇気、希望が心の底から沸々と湧いてくること間違いありません。
次回も
時事エッセー
です。
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