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2012年7月20日 (金)

「海の日」に思う…異常なテレビ放送界!

 334回目のブログです。

“行きなやむ 牛のあゆみに 立つ塵の 風さへあつき 夏の小車”
藤原定家(平安~鎌倉・百人一首選者)

 炎天下、人はもとより牛車の牛までものろのろと歩むなか、風が吹けば涼しいはずなのに、足元から塵埃が舞い上がる炎天下の風はかえって暑苦しくさせるものだ…。

 今週に入り、長雨のジメジメした梅雨が明け、一転して真夏日、酷暑の日が続いています。酷暑が続けば、今夏の電力の安定供給が心配になりますが、マスコミなどにより、汚い塵や埃が舞い上がり、ますます暑さを助長しているように思えてなりません。

 7月16日、月曜日、この日は国民の祝日である「海の日」でした。海の日は平成8年(1996)に施行され、“国民の間に広く海洋についての理解と関心を深めるような行事が実施されるよう努めなければならない”とされています。

 中心行事である「海フェスタ」は“海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日”という「海の日」本来の意義を再認識するための行事として、記念式典、祝賀会、シンポジウム、船の一般公開や体験航海、マリンスポーツ、コンサートなど、海に関するさまざまなイベントを開催。式典には皇族のご臨席あり。

 わが国の国民の祝日は年間で15日ありますが、年々、祝日意識が薄まり、休日感覚に陥っているように思えてなりません。わが町内でも、祝日に掲揚する国旗日の丸を見る風景が、今や様変わりし、わずかに数軒に掲げられているのが実情であり、誠に残念と言わざるを得ません。

 さて、主要マスコミのひとつであるテレビ放送は「海の日」をどのように取り上げたのでしょうか。驚くなかれ、地上波テレビ(NHK・TBS・テレビ朝日・フジ・日本テレビ・テレビ東京の各系列および地方テレビ)の全番組を見ても海の日を特集で取り上げたところはありません。

 どうして、祝日に、その祝日の意味、意義を特集しないのでしょうか。芸人や女優の離れた、くっついたというワイドショー的なものばかりが目につきます。これは、やはり異常であり、異様でもあります。

 テレビ放送各社は、わが日本国から優遇特権電波の割り当てを受けたものであり、半公共的な立場にあるものとして、各祝祭日には、その意味と歴史を説く番組をメインにしなければならないのではないでしょうか。一刻も早く、現在のテレビ放送業界のあり方にメスを入れる必要があります。

 テレビ放送の、国家意識、国民意識を希薄させつつある現象は、まさに現在の政治の劣化と機を一にしていると見なしてもよく、まことに憂慮すべきことだと考えます。

 島国であり、海洋国家、海洋立国である日本に“海の恵”を欠かすことはできません。海の恵みは、海水、漁業、航路、鉱物資源、既存エネルギー、新エネルギーなどであり、それらは膨大な価値を有しており、まさしくわが国の『将来に亘っての宝』でもあります。

 わが国の領土は38万㎢(世界60位)に過ぎませんが、領海は448万㎢(世界6位)です。まさに海洋国家・海洋立国というべき。この領海は、排他的経済水域を含めた数字ですが、尖閣諸島、沖ノ鳥島、南鳥島、小笠原諸島、竹島、北方領土を何が何でも死守、防衛しなければならないのは、国力の維持、国益のために他なりません。

 領海は、単に広いというだけでは価値がなく、その資源開発、漁業開発などの総合的海洋開発を積極的にすすめることこそ肝要。特に、メタンハイドレード(最低でも100年分のガス)、レアメタルなどの資源が、厖大に眠っているのですから、自前のエネルギーを確保する意味でも、領土・領海の防衛強化は待ったなしと考えるべきです。

 その意味で、テレビ放送界は、今、中国や韓国やロシアから領土の略奪で危殆に瀕している海洋国家日本の、海洋資源、海洋政策、島嶼防衛、そして、海の環境を守る活動や、時に恐ろしい自然の脅威(たとえば津波)から安全を守る啓蒙活動などを特集し、積極的に放映する義務があるのではないでしょうか

 マスコミ、特にテレビ放送界に、国の益(国益)になる番組を制作しようとする勇気あるテレビマンはいないのでしょうか。準国営であり、国益追求に真摯に向き合わねばならないはずのNHKでさえ、ますます反日の姿勢を強めており、憂慮の度合いは深くなるばかりです。

 それもそうでしょう。経済界の人でも、一流の経済人と言われた、あの元伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎中国大使の発言を読んでみてください。

中国の軍拡は、大国として当然のことかもしれない。
戦略的互恵関係のためにODAを増額続行すべきだ。
日本の国民感情はおかしい。日本は変わった国だ。
       (東京都の尖閣購入計画について)

都の尖閣購入計画が実行された場合、日中関係に極めて
  深刻な危機をもたらす。(英国紙インタビュー)

 耳を疑いたくなることばかりです。これが中国大使の発言ですよ。丹羽大使は中国首脳へ阿ることが大使の役目だと認識し、彼の頭のなかにはペコペコした卑屈な商売だけがあるのは明白であり、大使失格です。日本国益よりも中国国益を優先ですから。

 このような発言を繰り返しましたので、民主党政権の玄葉外相は丹羽中国大使を帰国(7月15日)させ、処分するものとばかり思っていましたが、あにはからんや、無罪放免処分なし、大使は任地の北京へ嬉々と帰っていきました。

何たること! 政府もゆるいこと限りなし。日本全国に「ゆるキャラ」というマスコットが存在しますが、ゆるキャラでさえ、3条件のひとつに「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること」となっていますから、郷土愛、愛国心が非常に薄い政府の姿勢はゆるキャラ以下の「ふにゃキャラ」と言わねばなりません。

大使というものは、一方で商人(経済人)であるとともに、一方で武人(国を守る人)でなければならず、そのバランスが必要ですが、最後は武人の感覚、国を守る姿勢が求められるのではないでしょうか。

 あらためて、テレビを考えてみますと、わが国周辺がキナ臭くなってきている時ですから「海の日」を特集し、わが国民に対して、海洋国家日本の実情をわかりやすく解説し、何が何でも海洋権益を守り抜く姿勢を示唆する勇気を持つべきだと思います。

さいごに、テレビ放送界は、国益を基盤に据えた放送でなければならないにもかかわらず、現状はそれと真逆だということを指摘しておきます。

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

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