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2012年7月13日 (金)

日本の詩情…自衛隊ブラスバンドで聴く

 333回目のブログです。

“さざ浪や 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな”
平忠度(平安時代・千載和歌集)

 さざなみ寄せる琵琶湖畔の志賀の古い都(大津京)―都の跡はすっかり荒廃してしまったけれど、長等山(ながらやま)の桜は昔のまま美しく咲き誇っている…。

人の世はうつりかわり、平忠度が、落魄の心を、荒廃した大津京跡と自然のたたずまいのなかに咲き誇る桜花を対比した和歌に、何とも言えないもの悲しさを感じます。

 たしかに、歴史は栄枯盛衰とは言いますが、それは、過去を振り返った時にしみじみと静かに述懐することであり、現実を生きるわたし達は、おのれの志にしたがい、拱手傍観(手を出さないで、ただ、ながめていること)せず、勇気をもって「栄」「盛」を求めていかねばなりません。

 つらつらとそのようなことを考えながら、先日、ある演奏会に行きました。

第3回「日本の詩情・熱血歌唱祭」
    ――美しい日本の詩情を、老若男女が集い、
        楽しく歌い継ぐ、日本人の心の歌――
    
出演:陸上自衛隊中部方面音楽隊 他
    会場:大阪国際交流センター
    
主催:関西防衛を支える会

 この集いは5年前にも行き、自衛隊音楽隊の演奏に感激したことを記憶していますが、今回幸いにも抽選に当たりましたので、期待に胸をふくらませて出かけました。

 と言いますのも、わたしは、広島県の田舎中学生の頃、クラブ活動でブラスバンド部に属し、クラリネットを担当。尊敬する非日教組的熱血先生の指導のもとに、関西吹奏楽コンクールには何度も出場し、入賞まで獲得するといった、誇らしくもある懐かしい経験を有していますので、ブラスバンドとなると矢も楯もたまらず出向いてしまいます。

 会場は、老若男女とはいいましても、若干年配者が多いように見受けられましたが、超満員、立錐の余地なく、熱気に溢れんばかりの大盛況でした。

 自衛隊音楽隊は、旧軍隊からの脈々たる歴史を有し、消防庁や警察のブラスバンドを凌ぐ実力ブラスバンドとして著名であり、ブラスバンド経験者にとっては、雲の上の憧れの存在です。

 それは、音楽隊の指揮者の経歴を見れば納得します。音楽隊隊長の酒井伊知郎さんは、3等陸佐ですが、東京芸術大学大学院を卒業したバリバリの音楽エリートですから、その演奏が素晴らしいのも十分うなずけるものです。

 歌唱際の冒頭は、全員起立、自衛隊ブラスバンド演奏のもと、国歌“君が代”を斉唱しました。近頃は、めっきり荘重な調べの“君が代”を歌うチャンスが少なく、久しぶりに心を込めて歌ったからでしょうか、なかなか清々しい気持ちになることができ、感激一入でした。わずかの時間ではありますが、厳粛な気持ちに浸ることが、自分自身の日頃の怠惰な生き様に、反省と活を入れることになったように思われます。

たしかに、国歌“君が代”にまさる清々しくも厳粛な歌曲はありません。それにしても、わたしなどは、日教組などに属する教員や朝日新聞などが「国歌・君が代」を嫌悪する心情を理解できないのです。おそらく左翼リベラルイデオロギーの立場からの嫌悪だと思いますが、素直に歌えば、これほどおおらかで伸びやかで厳かな歌はないのではないでしょうか。

 自衛隊ブラスバンド、ソプラノ歌手、演歌歌手、男女コーラス隊などは、国を思い同胞の真情を胸に刻む軍歌、懐かしく豊かな叙情と四季折々の情景を歌う唱歌や童謡、日本人の心の美学を歌う古歌などを、数多く見事に演奏、歌唱しました。ほんとうに素晴らしく今でも余韻に残っています。

まず軍歌ですが、わが国の軍歌は、とびきり勇ましいだけのものではなく、日本人のもつ「潔さ」「慈しみ」「勇気」を、時には叙情的に、さらには情熱的に、ある時には切々と歌ったものだと思います。例えば「海ゆかば

      海ゆかば
      水漬くかばね
      山ゆかば
      草むすかばね
      大君の
      辺にこそ死なめ
      かへりみはせじ

 これは「万葉集」「大伴家持の長歌のなかの一節」であり、軍歌というよりは、防人の心情を切々と短調で表現した一遍の絶唱と言えるのではないでしょうか。

その他、行進曲では世界最高と称される軍艦行進曲、暁に祈る、ラバウル小唄など、軍歌にはなかなか味があるものが多いと、あらためて感じたところです。

 次に久しぶりに聴いた唱歌・童謡。わが国の歴史の中心を流れる精神に題材を求め見事に歌い上げたものや、同じくわが国の豊かな自然と穏やかな心をあらわしたものなど、心に沁みるものばかりです。

・「青葉の笛」(平家滅亡のあわれを表現)
・「児島高徳」(忠臣・児島高徳の故事を歌に)
・「桜井の別れ」(世界に冠たる軍略家、忠臣・楠木正成と
        その子・正行との悲しくも志を同じくする
        潔い別れを歌ったもの)

 つづいて、蒙古放浪歌、国境の町、岸壁の母、異国の丘などの歌が歌われましたが、「異国の丘」の時に、会場に来られていた老人が紹介されました。ご老人は現在94歳、戦後ソ連のシベリヤに長期間抑留され、昭和31年になってやっと帰国した方でした。ここで、わたし達は、ソ連の非人道的シベリヤ抑留強制労働によって犠牲となった数十万の方々に思いを馳せねばならないと同時に、今も存在する独裁体制の国家や反日勢力に万全の警戒と防衛体制を心しなければならないと考えます。

 さいごに、唱歌、童謡。

 ・「誰か故郷を想わざる」
 ・「里の秋」
 ・「七つの子」
 ・「赤とんぼ」

最後の締めの歌は最も人口に膾炙している「ふるさと」でした。この歌は今や唱歌というよりも「国民歌」と言うべき存在であり、これをブラスバンドの演奏のなかで、会場全員が合唱、感動、感激の一日をすごすことができました。

 この「ふるさと」という歌は、悲しみに連日耐え忍んでおられる横田さんご夫妻など、北朝鮮に拉致されている拉致家族の方々の集いには、最後に必ず歌われています。わたし達国民は、拉致された方々の生還に継続して支援、応援をしなければならず、また、未だに拉致されたままであることを片時も忘れるべきではありません!

   (一)うさぎおひし かのやま
      こぶなつりし かのかわ
      ゆめはいまも めぐりて
      わすれがたき ふるさと

   (二)いかにいます ちちはは
      つつがなしや ともがき
      あめにかぜに つけても
      おもひいづる ふるさと

   (三)こころざしを はたして
      いつのひにか かへらん
      やまはあをき ふるさと
      みずはきよき ふるさと

 それにしても、唱歌は良いですね。唱歌は、自分自身の弱い心を奮い立たせ、浩然の気を持たせてくれるとともに、純真な気持ちから遠く離れ、汚れてしまっている自分自身の心が洗われるのではないでしょうか。唱歌をお薦めします

みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

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コメント

軍歌に言及されているので一言
先ず軍歌は軍の夫々の単位で士気高揚紐帯感高揚のために謳うものであり、本来は戦時歌謡、国民歌、軍をテーマにした流行歌などは含まない。しかし広い意味で軍歌で差支えない。 そこで昭和12年に発表された愛国行進曲を第2国歌にしたどうかと思う。国際スポーツの大会などで外国の殆ど軍歌調の国家が演奏されるとき愛国行進曲の様な格調と荘厳さがある曲で対抗した方がいい場合がある。
歌詞は国民公募、作曲は軍艦マーチの作曲者瀬戸口藤吉である。
嘗て大東亜戦争でアジア各地を占領した日本はこの歌を広めた。そのため戦後40年ほどまでは日本を代表する曲だと思っていた外国人が多かったようだ。作家の阿川弘之は昭和41年山本五十六の搭乗機の残骸を探しにブーゲンビル島を訪れた際ガイドの住民が「ミヨトウカイノ」と歌っていたことを『私のソロモン紀行』に記述している。私も5年前パラオ、ペリリュウ島を訪問した時現地の人と数人でこの愛国行進曲歌を歌った事があった。 また、インドネシアの独立記念行事では独立戦争の関係者達によって歌われたそうである。
これは余談でした。

投稿: 福井成範 | 2012年7月13日 (金) 10時18分

論語では禮樂が重んじられています。樂は人心の反映でもあり、亡国には亡国にふさわしい楽があるとのこと。唱歌や軍歌が今もなつかしく響くのは、あの時代の人々の心情に共感を覚えるからでしょう。今はやりの音楽の、騒々しさ、それでいて虚ろで孤独な叫びは、亡国の樂そのものです。心のふるさとを失い、ばらばらに引き裂かれた日本人の心の痛みからくる絶叫です。それだけに昔の歌の響きと心情を大切に伝えていかなければならないと思います。

投稿: 矢野義昭 | 2012年7月13日 (金) 09時38分

私の高校時代にブラバンでチューバとトロンボーンを
吹いていました。 英国留学時代には、英国風ブラスバンド(金管楽器だけのバンドです)にも在籍していました。懐かしいです。

投稿: 淺沼健一 | 2012年7月13日 (金) 08時19分

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