「真の国民政党」…これが自民党の目指すべきもの!
344回目のブログです。
「新秋夕」 白居易
西風飄一葉(西風 一葉をひるがえし)
前庭颯已涼(前庭 颯として もって涼し)
秋池明月水(秋池 明月の水)
衰蓮白露房(衰蓮 白露の房)
其奈江南夜(それ 江南の夜をいかんせん)
綿綿自此長(綿綿として これより長からん)
秋の風が一枚の木の葉を爽やかにひるがえし、庭先をさっと吹き過ぎてゆき涼しさを感じさせるようになった。秋の池には明月が水に映え、枯れた蓮にはその実に白い露を宿している。さて一体どうやってこの江南の夜を過ごせばよいのか、これから延々と長い夜が続く秋だと云うのに…。(白居易は772~846、中唐の詩人、白楽天は字)
季節の変わり目には漢詩が最適。つい先日秋に入ったばかりですが、季節はいよいよ初秋から中秋へ向かおうとしています。それだけに、読書の秋、沈思黙考の秋を経て、熟慮断行の秋…秋は「あき」とも「とき」とも読みますから、まさに今、今は、わが国の政治が正道を歩み、堂々とした活力と強じんな国民精神をとり戻してほしいと願うばかりです。
9月26日、自民党の新総裁が決まりました。いよいよ総選挙モードに突入でしょうか。民主党野田総理が街頭演説の場で「うそつき民主党!」とヤジられている状況ですから、次期総選挙では、民主党は敗北し、自民党の総裁が総理大臣になるのではないかと予測されていますが、はたしてどうなりますか。
ところで、自民党は過去3年間の野党経験で、本気で反省し、自民党らしさを再確認したのかどうか、まだまだ疑わしいところがあります。
自民党は、左翼から中道まで、媚中・親北・親韓・親露から親米まで、憲法改正反対~賛成、小さな政府~大きな政府、財務省財政維持派~経済成長志向派、自虐史観or自尊史観、靖国神社非参拝or参拝、中国大陸朝鮮半島派or欧米その他派、人権平等擁護派or自由自立志向派、日米安保一方的依存派~相互同盟派、などなど、バラバラ、ごった煮であり、これら重要なことをもっと突っ込んで激論を交わし、大まかなくくりをしなければ、真の団結はできないのではないでしょうか。
特に、今注目されている日本維新の会が、外交、安全保障、国益について定見を持っておらず、竹島を日韓で共同管理してはという橋下市長(実質的には党首)の驚くべき幼稚な発言(親韓&領土領海意識欠如)などからみると、極めて危い政党であると見なすこともでき、自民党が“真の国民政党”として、その存在を明確にしなければならない局面に来ていると考えられます。
今、わが国に求められている「真の国民政党」とはどのようなものでしょうか。
① 特定の階級や集団の利益を代表するのではなく、
日本国民全体の利益を代表しようとつとめる政党
② 党内においても利害調整を積極的に行う政党
③ 日本国の国柄をまもり、日本の国益を追求する政党
過去の自民党は結党時の崇高な理念を忘却の彼方へ置き去り、国民政党を維持することから遠く離れ、さらには国家を意識することが薄弱になり「公」の感覚を喪失し、もっぱら私権と利権に夢中になってしまった感があります。
一方、政権を奪取した民主党は「党の綱領」さえない左翼リベラル政党として、自民党よりも一層愚劣な存在として、上記の3項目から極端に離れてしまったと言わねばなりません。
それにしても、安倍元首相が自民党総裁になって良かったと思っています。安倍内閣の時には、重要な政策(防衛庁→防衛省、教育基本法改正、国民投票法など)を軒並み成立させる手腕を発揮するとともに、経済成長路線を展開し、当時、株価1万8261円という最高値…今世紀最高値(!)…を実現したのですから「政治は結果だ」と言う観点から判断すれば、ここ10年間では、最高の首相だったと断言できます。
(国民は、朝日新聞を筆頭とする反安倍のマスコミイデオロギーに踊らされ過ぎではないでしょうか。私は株価倍増にもなるであろう積極的成長路線を再度展開してほしいと願うものです)
一方、総裁選で敗れた石破氏は党員票で過半数を獲得し、その存在感を示しました。大変な力量の持ち主であり、地方党員から圧倒的な支持を得たことには敬意を表しますが、石破氏の体質にはかなり問題があると思います。次をご覧ください。
■ 石破茂防衛大臣(当時)の発言
(中国共産党系新聞「世界新聞報」独占取材 2007/11/21)
私は防衛庁長官時代にも靖国神社を参拝したことがない。第二次大戦の時に日本の戦争指導者たちは、何も知らない国民を戦線に駆り出し、間違った戦争をした。だから私は靖国神社に参拝しない、あの戦争は間違いだ、多くの国民は被害者だ。
日本には南京大虐殺を否定する人がいる。30万人も殺されていないから南京大虐殺そのものが存在しないという。何人が死んだかとか大虐殺があったかは別問題。
日本には慰安婦についていろいろな見解があるが、日本軍が関与していたことは間違いない。
(中国は日本に対する脅威であるから対中防衛を強化せよという人たちは)何の分析もしないで、中国は日本に対する脅威だと騒いでいる。
日本は中国に謝罪するべきだ。
(雑誌WILL渡辺昇一氏論稿より一部抜粋)
えっ! こんな発言を初めて目にしました。石破氏は東京裁判史観、自虐・謝罪史観の持ち主であることは明白です。軍事や安全保障の知識は一級であることは疑いありませんが、薄っぺらな歴史観や国家観から見れば、それはある種のオタクと揶揄されるのも多少肯づけるところです。石破氏には、反論や言い分もあるようですが、この発言を石破事務所も認めたわけですから、彼が、ほぼこんな見解を持っていることは間違いないでしょう。
石破氏は、問題の人権擁護法案推進、河野談話維持という体質の持ち主であるにもかかわらず、いまや、自民党の大幹部ですから、もう自民党も民主党も全く同一、戦勝国アメリカの意に従った戦後憲法、戦後教育の毒の成果がここに結実したことはあきらかです。
石破氏の歴史観は、村山富市、宮沢喜一、河野洋平、加藤紘一、野中広務氏などと同じ謝罪史観の持ち主だということがはっきりしました。かれらの言動によって、日本国および日本国民が今大変な目に合っていることは事実であり、いつまで謝罪、謝罪、謝罪、賠償、賠償、賠償と、いわれなき土下座をしなければならないのでしょうか。石破氏は自民党の№2であり、次の次の総理候補ですから、今一度熟考し、考えを改めていただきたいものです。
それにしても、自民党総裁選後の、安倍新総裁と谷垣前総裁の挨拶は近来まれに見る素晴らしいものでした。安倍新総裁の、原稿なしで、昂揚感と責任感から発する言葉は迫力満点、“情と理”が尽くされており、聴かせました。また、去りゆく谷垣前総裁の挨拶は、複雑な心境を乗り越えた清々しさを見せ、人間のありようを示してくれたのではないでしょうか。
(www.youtube.com/watch?v=bMs43UHtxEQ)
安倍新総裁には、この心意気で、閉塞感に覆われているわが国を、未来に希望を見出せる活力あるものにしていただきたいと願うものです。
“真の国民政党”こそ大政党の目指すべきもの!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
我後輩の安倍さんを評価してくれて有難うございました。佐々淳行さんと協働して、自衛権確立のための法案を通しました。 石破さんについては貴重な情報を有難うございました。安倍さんが総理だったときの失敗を旨に、「組織の動かし方」については石破さんよりも比較的熟知していると考えています。
投稿: 淺沼健一 | 2012年9月28日 (金) 08時37分