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2013年4月19日 (金)

フレッシュマン(新入社員)に期待する!…②         

 373目のブログです。

“散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか久しかるべき”
詠み人知らず(伊勢物語)

 <狩りをした後の宴席で、美男で名高く六歌仙のひとりでもある在原業平が詠んだ歌“世の中にたえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし”(世間に桜というものが全くなかったなら、花の咲くのを待遠しがったり、雨や風に散るのを惜しんだりして気をもむこともなく、春の人の心はのんびりするだろう…)に対して詠み返した和歌です>

 桜は惜しまれて散るからこそ一層素晴らしいのだ、このつらい世の中に久しく続くものは何かあるだろうか、つらい世もきっといつかは良くなるものだ…。

 フレッシュマンも、もう仕事に携わっている人が多いのではないかと思います。なかなか慣れない環境と、未だ十分にコミュニケーションが取れない中で、将来への希望を抱えながら、仕事に従事するのは大変でしょうが、早く自分自身のリズムを確立してほしいと祈らずにはおれません。

 新入社員は、いわば若葉マーク付きで運転しているようなものであり、モラトリアム(社会的猶予期間・学生が社会に出て一人前の人間となる事を猶予されている状態)であった学生時代とは全く異なる厳しいビジネス社会の洗礼を受けることになります。

 その事始めが、耳慣れない「ビジネス用語」であり、先輩たちはそれを暗号のように自在に操っているように見受けられます。新入社員は一日も早くこれらを自分のものにしなければならず、そうしなければ、先輩はいつまでも一人前に扱ってくれません。

 それに関して、WEBサイトのgoo2013/3月期のランキング調査で興味あるデータを発表しています。(gooリサーチ登録モニター対象・インターネットアンケート方式・1083名有効回答)

新入社員が知らないビジネス用語ランキング

1位:『リスケ』
「リスケジュール」の略。スケジュールを立て直すこと。
日程の再調整をすること。

2位:『あいみつ』
 「あいみつもり」の略。複数の取引先などに同条件で
 見積もりを提出させ、比較すること。

3位:『コモディティ化』
   類似の商品の機能・品質に差がなくなり、どれを買っても
   同じだから安い方がよいという状態になること。

4位:『五月雨』
  断続的にいつまでもだらだらと続くことのたとえ。

5位:『ブレスト』
  「ブレーンストーミング」の略。自由な雰囲気で、他を批判
  せずにアイデアを出し合い、最終的に一定の課題によりよい
  解決を得ようとする方法。

6位:『NR』
   「No Return」の略。会社には戻らずそのまま帰宅すること。
   
  直帰。

7位:『アサイン』
  assign、物事を割り当てること。任命すること。

8位:『OJT』
on-the-job training(
オン・ザ・ジョブ トレーニング)
職場での実務を通じて行う従業員の教育訓練。

9位:『ASAP』
  「as soon as possible」。できるだけ早く。

10位:『ステークホルダー』
企業の利害関係者のこと。株主や債権者・取引先・顧客など。
地域住民・地域社会を含めていう場合もある。

 これ以後の用語は、⑪『ペンディング』(未解決の状態にとどまること)、⑫『いまいま 』(たった今)、⑬『アジェンダ 』(計画)、⑭『コーポレートガバナンス 』(企業統治)、⑮『Mtg /MTG(ミーティング)、⑯『コミットメント』(責任を伴う約束)、⑰『花金』(花の金曜日)、⑱『プライオリティ』(優先順位)、⑲『コンセンサス』(意見の一致)、⑳『コンプラ』(法令遵守)と続いています。

 21位~30位は、『タスク』(課せられた仕事)『なるはや』(なるべく早く)『アーカイブ』(書庫・保存記録)、『デフォルト』(あらかじめ設定されている値また動作条件)『オリエン』(オリエンテーションの略。依頼主が依頼先に、計画・企画の基本的な考え方、内容説明、留意点、予算、スケジュールなどを示すこと)『直帰』(出先での勤務が終わったら職場に戻らず、そのまま家に帰ること)『キャパ』(キャパシティーの略。収容能力・容量)『モニタリング』(監視、観察・記録すること)『取り急ぎ』(「いそぎ」を強めていう語)『DM』(ダイレクトメール、その人個人に直接メールを送ること)

 わたしも知らない用語がありますが、なかなか面白いデータだと思います。コミュニケーションの基本は“ことば”ですから、会社において、業界において、そして社会において一般的に使用されている用語や流行っている言葉を理解し、使えるようになることは極めて大切なことです。

 わが国は、言霊の幸映える国と言われてきており、社会や企業のリーダーは言葉というものを豊かに、自在に、丁重に扱っていることは間違いのないことです。したがって、ビジネスにおいて、わたし達は、心して的確な言葉づかいをする必要があります。そのための三原則を列記しましょう。

  言葉は論理的に使うこと
 ビジネスにおいては、起承転結の明確さが求められます。
 (漢詩を鑑賞することが最適)

 感性豊かな言葉を使うこと
 ビジネスにおいては、感性の豊かさが相手の胸襟を開きます。
 (小説・和歌・俳句に触れるのが効果的)

  知性あふれる言葉を使うこと
 ビジネスにおいては、豊かな知性が人間的魅力となります。
 人間性の特徴は敬語にあります。
 (正統な歴史や古典を学ぶことが重要)

 フレッシュマンのみなさん、さあ、社会人としての長い航海のスタートです。これから、山あり、谷あり、いろいろ経験を積まれることと思いますが、先週の和歌、今週の和歌にあるように、遅れても咲くべき花は咲き、つらい世も長続きせずきっといつかは良くなるという覚悟のもとに、自信を持って航海に出発してください。

 幸あれと祈ります!

誰も皆フレッシュマン時代を経験しています…。みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です。

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