タブー・惰性に挑戦する勇気ある人にエールを!
374目のブログです。
“心しらぬ 人は何とも 言はば言へ 身をも惜しまじ名をも惜しまじ”
(明智光秀・辞世の句)
今、国民に人気の高い歴史上の傑物である織田信長の重臣として、また丹波国主の名君として、そして、本能寺の変の一方の主役を演じた武将・明智光秀(家紋は桔梗)は、いかにも武将らしい潔く淡々とした辞世の句を残しました。
武将は武将らしくというならば、それを現代の全てにあてはめれば「……らしく」ということになります。男女で言えば、男らしく、女らしく、年齢で言えば、青年らしく、壮年らしく、老人らしくとなり、職業で言えば、経営者らしく、官僚らしく、先生らしく、政治家らしくということになりましょうか。
要するに、わたし達国民は、たとえば政治家には政治家としての役割、矜持、姿勢、理想を求めていると言っても間違いありません。もちろん、そこには上下左右の幅がありますが、基本的には政治家らしい凛とした姿勢を求めており、それは「タブー」と「惰性」に果敢に挑戦することではないでしょうか。
ところが、たとえば自民・民主・維新議員の迂回献金による税金還付の蔓延現象に見るごとく、政界には薄汚いものがはびこっており、残念ながら、良識ある姿を感ずることが極めて少ないように思えてなりません。
■ 出退勤「代打ち」横行、静脈認証に市職員猛反発
奈良市が手のひらの血管の情報を読み取る「静脈認証」で、職員の出退勤を管理する計画を発表したのは今年2月。
これまでは職員証を機械にかざして出退勤時間を打刻していたが、職員証をほかの職員に預けて帰ってしまい、同僚に打刻させる「代打ち」が横行。業を煮やした市側が、99%超の確率で本人認証できる方法として、4月からごみ収集を担当する環境部職員260人に導入する方針を発表した。
組合側は「職員を犯罪者扱いし、個人の身体というプライバシー情報を収集するのは許せない」と猛反発。3月の市議会でも「過剰な管理」と指摘され、7台の認証機の設置費150万円を盛り込んだ新年度予算案は認められなかった。
(平成25年4月9日 読売新聞)
奈良市は、平成18年に病気を理由にして5年間に、たった「8日」しか出勤せず、連日愛車ポルシェ(!)を乗り回し、妻の会社の営業活動を行っていた「環境部の職員」が存在していることが判明。
このようなことがほんの一例であることは、関西に住んでいる人々は先刻承知していることですが、いままではそれがタブーとして、アンタッチャブルなものとして扱われてきたのです。関東、東京に住む人々はこんな関西地方自治体が痴呆自治体になっていることを理解しにくいとは思いますが、一度関西の知人に小声で聞いてみれば、やんわりと教えてくれるはずです。
仲川奈良市長は、このようないわゆる極度の不良職員諸々を排除すべく、静脈認証システムを導入しようとしました。「静脈認証」は、指紋のように各個人によって異なる指先や手のひらの静脈パターンを読み取り、本人確認を行う安価で確実な生体認証システムであり、現在、銀行ATMなどでも導入が顕著になっています。
仲川市長の提議した案件に対し、不法、非常識、不道徳を惰性的に擁護しようとする組合は論外としても、タブーと惰性にメスを入れ、立派な市政を追い求めるべき市議会議員、市議会が、これに異を唱え、何と拒否したのですから、唖然とせざるをえません。
民間人の感覚で言えば、静脈認証システムの導入なんて何の問題もありません。いまやセキュリティの観点から積極的に続々と導入しているではありませんか。
この結末を見れば、このような悪の闇が地方自治体周辺に広範囲に根付いており、それを掘り起こすことは容易でないことがわかります。この悪の闇に敢然と立ち向かったのが仲川市長であり、引き続き問題提起されるようエールをおくりたいと思います。
同様の悪の闇は大阪市でも顕著です。たとえば、昨年11月に明らかにされたことですが、4年半の間に病気休暇を380日、加えて偽装結婚による結婚休暇・扶養手当も取得、本来、勤務日数は1110日のところを580日しか勤務していない職員が判明しました。
もちろんのこと、出勤率52%でも、給与、賞与は全額取得。公務員社会ではこれが“当ったり前田のクラッカー”(古い流行語!)なのでしょうか。わたし達民間人から見れば、冗談、戯言としか思えず、これが実態だと聞いて、吃驚(びっくり)、唖然とするとともに、とにかく釈然とせず、激烈な怒りを覚えざるを得ません。
さらに吃驚仰天するのは、その職員の人事評価が4段階(ただし課長代理以上は5段階)での上から2番目のB評価だということです。
大阪市は各自の自己評価を上司の評価者が評価するシステムであり、自己評価項目は、①業績・仕事の成果、②業績・表彰実績、③能力・市民志向、④能力・企画立案力、⑤能力・理解説明力、⑥能力・知識等の習得活用、⑦能力・積極性、⑧組織運営・指導育成力、⑨組織運営・協調性、⑩組織運営・規律性、となっています。
勤務日数の半分しか仕事をしなくても上位である「B」の評価、一体全体、大阪市の人事考課はどうなっているのでしょうか。まさに、口あんぐりとはこのこと、地方公務員の阿吽の呼吸による強面(こわい顔つきで他人をおびやかすこと)回避の互助システムであることはあきらかでしょう。
さらにさらに市営バス運転手への超高額支給など、問題点は山積みです。これらに対し、過去の市長はほとんど手をつけず、橋下徹氏が市長になってはじめて問題点がオープンになってきたのです。
大阪でなぜ橋下さんが人気があるかと言えば、生命を賭さねばならないほどの恐怖のなかで、このような「タブー」や「惰性」から逃げず、果敢に切り込んでいっているのが最大の理由であると言えるのではないでしょうか。
橋下氏が切り込んでいった先は次の通り。
・健全な市政に刃向う既得権擁護の市組合
・不法、非常識、不健全な市職員
・国歌、国旗に反対する公立校教員
・無責任を絵にかいたような教育委員会制度
・その他
これを見れば、橋下市長の真骨頂は市政に切り込んでいくことに見出すことが出来ると思います。国政については、彼は、わが国は中国や韓国に対して加害者として永遠に最大限の配慮を払い、領土・領海はできるだけ譲歩し共同管理をしてはどうかと主張するなど、戦後教育の自虐史観・謝罪史観にどっぷりとつかったままであり、国政を担うには全く相応しくないことは明々白々となっています。したがって、橋下市長には国内のタブーを切り崩してもらうことだけを大いに期待するものです。
タブーや惰性に挑戦と言えば、安倍総理を忘れる訳にいきません! 近年、これほど世界で注目されている日本のリーダーがいたでしょうか。20年間に及ぶデフレに果敢に挑戦し、憲法改正に向けて本腰を入れた取り組みを進めるなど、いろんな批判はあるでしょうが、その凛とした勇気には脱帽しかありません。
わが国のこれからを創造的に築いていくためには、リーダーたちがタブーや惰性に挑戦することが最も大切であり、わたし達はその勇気を発揮する人物に心からのエールをおくらなければなりません。
そして、一刻も早く、この陰湿で淀んだ空気を払拭し、明るく健全で自信に溢れ、創造力豊かな「日本」を築くべく努めようではありませんか。
もう、ぐちゃぐちゃいうだけのマスコミなどは無視し「タブー」「惰性」に挑戦する勇気ある人にエールをおくりましょう!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
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コメント
給与に見合う働きをする人、給与に倍する働きをする人、さらに営利を目的とする民間企業でも「ただいるだけで給与を得ている」と見える人がごく少数であってもいるのではないでしょうか。ただ公務員の場合、「ただいるだけで給与を得ている」人の割合が、職種や季節によって異なるでしょうが、10~20%ぐらいいるように思われます。特に地方公務員の現業職は実質的な労働時間、勤務内容、待遇の三点で優遇されており、改善が必要なことは確かです。
そのため最近、各種の勤務評価法がとりいれられていますが、ただ「まあまあ文化」が未だに蔓延している公務員の世界では、野宗さんが指摘されたように、客観的な評価を下せる上司や管理職は極めて少ないと思います。
事実、小生の関係していた職場では、A~Dの四段階の勤務評価で、毎年、D評価の対象者無しの管理職や、部下全員にAまたはBの評価しかつけない管理職がほとんどでした。
飲み屋で部下に対する愚痴を言う人ほど、職場ではAかBの評価しかつけていなかったように思います。
不満はあるけど対決する勇気がない。中国や韓国に対する現在のマスコミや民主党などにみられる戦後日本人の典型的な姿ですね。
投稿: 斎藤仁 | 2013年4月28日 (日) 17時30分
全く同感です。貴兄ご指摘の様な国家レベルの課題ではありませんが、私は企業活動では自分にに降りかかる大きいリスクを背負って決断したり、社会運動では怪しげな団体からの脅迫も受けながら推進を継続します。
投稿: 岡村昭 | 2013年4月26日 (金) 11時11分