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2013年7月12日 (金)

氾濫する外来語…理解不能語の激増を憂う!

 385回目のブログです。

“草深き 窓の蛍は かげ消えて あくる色ある 野辺の白露”
飛鳥井雅有(鎌倉期歌人・玉葉和歌集)

 草深い家の窓辺を飛び交う蛍の光も消えて、それと入れ替わるように、夜が明けゆく光に映えて、美しくきらめく野辺の白露よ…。

 蛍の光、窓の雪、は言い慣らされた言葉ですが、初夏、7月になると、清らかな水がゆったりと流れ、その周辺に豊かな草々が生い茂っている小川には、蛍の光が幻想の美を奏でてくれます。

 それも、都会では見る場所も激減し、自然の持つ優雅さを味わうことが出来ないのは、現代人の即物的な生き方のためとは言え、まことに残念なことです。国民全体が、もう少し自然を、即ち、小川、川、河、湖、海、林、森、丘、山、田、畑、などに心を配り、神社などの杜にも何らかの感謝の意を持つようにしたいものです。

 細やかな情緒を解することは、日本人の特徴ではありますが、最近の世相を見れば、何かザワザワ、ガチャガチャとしており、およそ情緒とは程遠い世の中を目指しているように思えてなりません。

その一因に、マスコミや文化人やビジネスマンが、外来語をめったやたらに氾濫させていることがあると考えます。

  外国語多く苦痛 岐阜の男性がNHK提訴

 テレビ番組で理解できない外国語が多く精神的苦痛を負ったとして、岐阜県の「日本語を大切にする会」世話人の高橋鵬二さんが、NHKに対し141万円の慰謝料を求める訴えを名古屋地裁に起こした。

  高橋さんは、NHKは必要がない場合でも外国語が乱用されていると主張。例として「リスク」「ケア」「トラブル」「コンシェルジュ」などを挙げ「不必要な精神的苦痛を与える」として、民法709条の不法行為に当たるとしている。

  原告の弁護士は「外国語の乱用は全ての報道機関に言えることだが、NHKは特に公共性が強く影響力がある。日本文化の在り方を社会に広く考えてほしいという趣旨もある」と述べた。
             (2013/6/25中日新聞一部抜粋)

 地裁は「140万円を超える請求」を求める訴訟を扱うとされており、高橋さんは、あえて慰謝料を141万円としたとのことです。なかなか、たいしたものです。

 たしかに、ここ10年、意味不明、理解不能なカタカナ外来語が激増しているように思えます。思いつくままに書いてみます。

 【アジェンダ】(agenda・計画・予定表・検討課題)
   みんなの党の渡辺代表がさかんに使っていますが、何の意味かが
   伝わってきません。理解不能な言葉を「政党の公約」代わりに
   使用するようでは国民の大きな支持は得られそうもありませんね。

 【マニフェスト】(manifesto・時期と予算を具体化した政権公約)
本来はちゃんとした意味を持つ言葉だったのでしょうが、民主党
がことごとく違背したために、今や、汚い言葉、嘘の約束、
「負の公約」と化してしまった感があります。

 【コンシェルジュ】(concierge仏語・ホテルの接客案内係)
要するに、総合お世話係、よろず相談承り係のことを、とにかく
カタカナでカッコ良く見せただけのこと。一般的に理解不能。

 【コンプライアンス】(compliance・法令遵守)
企業関係者が良く使うカタカナですが、この概念を感覚的に理解
しているとは思えません。法令遵守に落ち度がないと“錯覚”
させるためにカタカナを使っているようにしか見えません。
相変わらず、法令違反、ルール無視が続出しているのはその証左
ではないでしょうか。

 【アスリート】(athlete・運動選手・陸上.水泳.球技などの競技選手)
最近、特に多用されているカタカナ言葉。従来なら、競技選手、
運動選手あるいはスポーツマンと称されていましたが、新しい
カタカナの方がカッコいいと思っているのでしょう。

 【ディベート】(debate・二つのグループに分かれて行われる討論)
日本語として「討論」や「弁論」と言う言葉があります。それ
にもかかわらず、なぜあえてカタカナ語を使用するのでしょうか。

   「スピーチ」を「演説」に、「ディベート」を「討論」「弁論」
と和訳したのは福沢諭吉です。明治の先人が苦心惨憺して和訳
したことを忘れるべきではありません。
安易に外来語を使うのは母国語を軽視することになります。

 【レジュメ】(résumé仏語・要約・要旨を印刷したもの)
用紙を印刷した配布資料のことを、最近カタカナ語で言うように
なりました。カッコいいからなのでしょうか。(私も、何気なく
よく使うようになっていることに気付きました)

 そのほか挙げればきりがありません。「サーベイランス」(調査・監視)、「ノーマライゼーション」(障害者を健常者と同様に受け容れること)、「インフォームド・コンセント」(患者に説明・同意の上の治療)、「ターミナルケア」(終末期医療および看護)、「コンテンツ」(パソコン通信の情報内容)、「サイバースペース」(コンピューターネットワーク上の仮想的な空間)などなど。

 どうしてこのようにカタカナ外来語が激増しているのかについて、わたしは次のように考えます。

格好よい(カッコよさに重きを置く風潮)
アメリカ、ヨーロッパへのあこがれ(日本文化への自信喪失)
ソフトイメージの醸成(官庁・学術分野の、上から目線)
IT社会の登場(従来言語では表現できない概念多し)

「正式」と「カジュアル」の区別曖昧(カジュアル化への流れ)

 このままいくとどうなるのでしょうか。日本語は表意文字と表音文字との微妙な組み合わせによって、情報量の多さと使いやすさを誇っており、世界に誇る、情緒豊かな日本文化の中心として存在しています。その日本語の中に、正式な外国語ではなく変な外来語がむやみやたらと氾濫すれば、日本語の持つ特質が変質してしまう危険性があります。

 その観点から、官庁文書や、学術文書、企業内書類などの正式なものは、できるだけ外来カタカナ語を排除し、きちっとした日本語で書かれるべきでしょう。そして、NHKのような放送局は、準国営放送としての自覚を持ち、外来語の野放図な受け入れに歯止めをかけるべきではないでしょうか。NHKの自覚と奮起を期待します。

 わが国の先人が営々として築き上げた「漢字かな交じり表記」は、母国語そのものであり、無規範的なカタカナ外来語の氾濫を許せば、その特質が失われることになり、それは、とりもなおさず、わが国の大きな損失になります。

 しかし、一部には反省も生じ始めてきているように思えます。それは、漢字検定の全国的全階層的な広がりであり、漢字電報の人気の高まりです。まことに喜ばしいかぎりであり、お互いに、日本語を生き生きとしたものにするように努めたいものです。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です。 

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コメント

埼玉在住の老人です。コロナウイルスが猛威を振るう中、情報を得ようとテレビを見ていると、厚化粧の老婆が何度も登場、カタカナ語満載の醜悪な注意を述べていてうんざりしたものです。私の世代では難しいことが高尚であるような風潮がありましたが現在では下火に、まともになっています。しかしカタカナ語の氾濫はこれを混乱させ、人がきちんと考えることを阻む方向に向かわせてしまいます。思考の道具である言葉を大事にしていくことに賛成です。

投稿: 匿名 | 2022年1月18日 (火) 18時50分

言葉というのは、それぞれの単語の持つ「領域」なり「雰囲気」があります。 今、「国土強靭化」の議論がありますが、「強靭化」はもともと「レジリエンス」という英語の翻訳です。 「レジリエンス」は、「コンクリートのように頑丈で強い、ハード」な印象より、「柳のようなしなやかだが強い」「したたかな」という印象が強い言葉です。津波から命を守るのは、防波堤などの「ハード」な対策だけでなく、逃げ道を作る、すぐに逃げる教育をする、などのソフト面の充実の方が大切、という意味を含んだ言葉です。 と考えると、文化的な背景をも考察した上での「カタカタ用語」の使い方を考えることも重要と思います。

投稿: 淺沼健一 | 2013年7月12日 (金) 08時08分

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