朝日の異様さ…参議院選報道に見るマスコミの劣化!
388回目のブログです。
“ 花いばら 故郷の路に 似たるかな ”
蕪村(江戸中期の俳人)
細い野路をたどると、野生の茨の花が咲き乱れている。この色、この香りは幼い日に遊んだ故郷の道によく似ているなあ…。
花いばらの白い色彩と清純な芳香に呼び覚まされた幼い時の郷愁を詠んだ蕪村の名句です。郷愁、懐旧、センチメンタル、ロマンチシズム漂う名句を鑑賞すれば、心も清々しくなってきますが、現実の世の中は汚濁にまみれた側面を生々しく映し出しており、何となく、やりきれない不快感にみまわれます。
■ 1強下の野党―与党の2倍働こう
野党がいつまでも「多弱」のままでいいはずはない。自民党にとって代わり得る手ごわい野党がなければ、議会制民主主義は健全に機能しないからだ。
1強体制をつくり上げた選択の機会に、4割から5割近い有権者は参加していないのだ。棄権した人たちの考えは一様でないにせよ、1強ではすくいきれない民意があることは間違いない。
「1強」がすくえない民意を受け止め、政策として練り上げることに全力を挙げるべきだ。
(2013/7/ 23・朝日新聞社説一部抜粋)
この朝日の社説は「棄権が4~5割あるからには、選挙結果は民意を表すものではない」との見方をしていることになります。驚くべき幼稚な議論、無知蒙昧、政治学のイロハのイも知らない教養の無さを示しているのではないでしょうか。
① 過去の参議院議員選挙での投票率推移(過去10回)
昭和61年(1986)7月 71.3%
平成 元年(1989)7月 65.0%
平成 4年(1992)7月 50.7%
平成 7年(1995)7月 44.5%
平成10年(1998)7月 58.8%
平成13年(2001)7月 56.4%
平成16年(2004)7月 56.6%
平成19年(2007)7月 58.6%
平成22年(2010)7月 57.9%
平成25年(2013)7月 52.6%
となっており、44.5~71.3%の大きな変動幅の中を動いていることがわかります。もしも、今回のことで民意を表していないというのであれば、民主党が大勝した時も、同じ主張をしなければならないにもかかわらず、そんなことはおくびにも出していません。要するに、朝日のイデオロギー的ご都合主義というべきでしょう。朝日は、安倍総理を、思想的にも、生理的にも大嫌いであり、若宮啓文論説主幹が「安倍氏を叩くのは朝日の社是」だと語ったほどですから、異常と言えば異常、異様と言えば異様。
② 新聞に限らず、テレビ朝日も選挙特番で、わざわざ次のようなパネルまで作り視聴者を煽りました。
<参議院選挙区結果>
自 民 野党系
議席数 47 22
(64.4%) (30.1%)
得票数 2268万 2767万
(42.7%) (52.1%)
このパネルが煽ったことは、自民党は野党系の得票数よりも少ないので、本当の民意を代表していないということでした。しかし、よくよく考えてみれば、好き嫌いは別として、与党は自民と公明であり、あえて自民党の得票数だけと比較することはあまりにも見え透いた恣意的な行為であり、悪意の誘導でもあり、決して真のジャーナリズムの振舞ではありません。
わが国の左翼リベラルマスコミは、ジャーナリズムというよりも、アオリズム(煽リズム)というべきではないでしょうか。
③ そもそも、民主政治における選挙の意味は、選挙が最終的な民意を集約したものであり、その結果、多数派に政権を委ねることに他なりません。選挙結果を無視、度外視して、棄権者に目を向けろと言う主張は、反民主主義の理屈であり、朝日は民主政治を求めていないことを意味します。どうりで、朝日が、一党独裁の中国や、金王朝独裁の北朝鮮や、国際条約無視の韓国が大好きな理由がわかります。
④ 民意=投票の結果だ!棄権というのは全てを民意に任せるということ、すなわち、投票の結果に従うということに他なりません。
⑤ そうは言っても、投票率を少しでも高めることは必要でしょう。若い世代に積極的に政治に関心を持ってもらうための工夫をこらさなければなりません。今回、選挙前の報道は、連日にわたり自民党圧勝のオンパレードでしたから、当然投票率も下がるではありませんか。朝日はわが国のリーダー的なメディアとして、マスコミ業界の音頭をとって、公職選挙法で「選挙期間中の世論調査」や「選挙期間中の予測報道」の禁止を提唱すべきではないのでしょうか。安倍叩きをやるのではなく、もっと本質的なことをやれと言いたい。
⑥ それにしても、大朝日の主張は、反民主主義であり、とち狂っているとしか言いようがありません。まさに、大マスコミの知識、教養、精神の劣化がこれほどとは思いも知りませんでした。あゝ!…。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です。
◆ 本を出しました…お読みいただければ幸いです
小ブログ「ビジネスマン育成塾」の1回目~38回目に書いた趣旨を、現代の若い人(20代後半)をターゲットとして、全面的に書き直したものです。
書 名 『君の働き方は サラリーマンか、ビジネスマンか。』
著 者 野宗邦臣
体 裁 単行本(ソフトカバー) 192ページ
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発売日 平成25年(2013)7月31日
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コメント
朝日新聞の国内・国際の政治スタンスは戦後一貫している。それは、「事実に基づいた客観的な報道」ではなく、朝日新聞の上層部が望む方向へ国民を善導する、という社会運動の前衛としての選民意識をもとに、発生した事実を取捨選択したうえで針小棒大にニュースを創りあげる、という報道スタンスである。
占領軍下の憲法制定という国際法違反を批判せず、逆にそれを改正しようという国民としての正常な活動を行う政党を糾弾し続けるのも、朝日新聞当局が望む方向と異なるからである。もちろんそれは日本国民の多くが願う方向とも異なっている。戦後半世紀以上にわたって朝日新聞を先導とするマスコミや左派学者、日教組を含む官民労組などが反自民の運動を展開し続けてきたにもかかわらず、選挙で国民が支持してきたのは自民党政権だったということは、朝日新聞の願う世界が日本国民の多くが願っているそれと乖離していることの証である。特に朝日新聞が国政に関して一大キャンペーンを張ったときは、朝日と反対の政策をとるのが日本国民にとってベター・ベストの策であることは過去に数多の例証がある。日米安保の問題、対中国共産党の問題、対ソ連東欧の問題、対北朝鮮の問題等々。現在朝日新聞が進めている運動は、占領憲法の護持と反原発の二つであろうが、その逆をいくことが日本力再復活につながる。
投稿: 齋藤仁 | 2013年8月 2日 (金) 08時30分