「特定秘密保護法案」…破廉恥なマスコミの論調を切る!
406回目のブログです。
“捨てし身を いかにと問はば久方の 雨降らば降れ 風吹かば吹け”
良寛(江戸後期・僧侶・歌人)
俗世間を捨てた身をどう思うかと尋ねられれば、雨が降るならば降るにまかせ、風が吹くならば吹くにまかせ、粛々と過ごしていると答えようか…。
紅葉の盛りが過ぎようかとしているこの頃です。まだ各所で紅葉を見ることが出来ますが、同系色とは言え豊かな色彩の緑の山々を背景に、真っ赤に彩られた紅葉や、落ち着いた黄色に染まりあがった黄葉が、立体的に綾なす配色の妙は、得も言われぬ自然のフィルハーモニー(交響曲)と言っても決して言い過ぎではないように思えます。
自然界が美を誇っている一方、人間界においては、都会の、東京のど真ん中では「特定秘密保護法案」を巡って、魑魅魍魎(ちみもうりょう・私欲のために悪だくみをする者)の動きが顕著になって来ています。その中で、安倍総理は“雨降らば降れ風吹かば吹け”と、粛々、堂々と法案審議をすすめているように見えます。
■「これが民主主義か」怒号飛び交う特別委-秘密保護法案、強行採決
「数の横暴だ」「これが民主主義か」。特定秘密保護法案が衆院特別委員会で可決された26日午前、傍聴席からは激しい抗議の声が上がり、野党議員らが委員長席に詰め寄った。
(2013/11/26時事ドットコム)
特定秘密保護法案は、衆院特別委員会、衆議院本会議で採決、通過し、現在参議院で審議されており、期末の今日、6日採決されるかどうか、予断を許さない状況ですが、またまた、例によって、多数決で決めれば「強行採決」「数の横暴」というワンパターンの非難がマスコミを中心としたサヨクリベラルから投げられるのでしょう。
しかし、今まで数年にわたる衆参ねじれ現象のため、わが日本国や日本社会は『決められない政治』で停滞に次ぐ停滞を来たしたのではないのでしょうか。民主主義は手順を踏んだ多数決によるもの。もう、いい加減、イデオロギーからの判断ではなく、普通の国益重視にもとづく政治を実践し、中国や北朝鮮や韓国からの脅威に純粋に対処する時だと考えます。
テレビ、新聞などの有力なマスコミが煽りに煽っている法案反対の運動は、これまた例によって、左派リベラル文化人を総動員しています。たとえば「特定秘密保護法案に反対する音楽・美術・演劇・映像・出版など表現に関わる人の会」は、京都造形大教授・浅田彰、音楽家・坂本龍一、宗教学者・中沢新市、映画監督・森達也の各氏などを含め91名の多くが発起人になっています。また、法案を参議院で廃案に追い込もうと、国会前ではキャンドル行動などでのシュプレヒコールが鳴り響いたりしています。
政府がすすめている「特定秘密保護法案」は、わが国の安全保障に関して特に重要な情報(①防衛・②外交・③スパイ・④テロ)を特定秘密に指定し、漏洩の罰則を厳しく設けることに他なりません。
これは、アメリカでは防諜法、イギリスは公務秘密法、ドイツはスパイ防止法や保安審査法、フランスは刑法、韓国は国家保安法や軍事機密保護法など、どの国でも制定されているものです。
これに対してほとんどのマスコミは一斉に反発し、知る権利を守れとばかり、反対姿勢を煽りに煽っていますが、ちょっと待ってほしい。彼らマスコミが3年前「尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件」でどんな論説(平成22年11月6日)を掲げたのか振り返ってみて欲しいものです(いずれも一部抜粋)。
■ 朝日新聞: 尖閣ビデオ流出――冷徹、慎重に対処せよ
政府の情報管理は、たががはずれているのではないか。流出したビデオを単なる捜査資料と考えるのは誤りだ。その取り扱いは、日中外交や内政の行方を左右しかねない高度に政治的な案件である。それが政府の意に反し、誰でも容易に視聴できる形でネットに流れたことには、驚くほかない。仮に非公開の方針に批判的な捜査機関の何者かが流出させたのだとしたら、政府や国会の意思に反する行為であり、許されない。
■ 毎日新聞: 尖閣ビデオ流出 統治能力の欠如を憂う
漏えいを許したことは政府の危機管理のずさんさと情報管理能力の欠如を露呈する者である。この政権の危機管理はどうなっているのか。国家公務員が政権の方針と国会の判断に公然と異を唱えた「倒閣運動」でもある。由々しき事態である。厳正な調査が必要だ。
■ 北海道新聞: 尖閣ビデオ 流出は誰が、何の目的で
まず突き止めなければならないのは、映像の出どころだ。問題は政府の情報管理の杜撰さである。一定の期間は非公開としても、本来は国民に開示すべき情報だ。いつ、どのように開示するのか、政府があいまいなままにしてきた結果が今回の事態を招いたとも言えよう。あるいは流出の裏に、日中関係の修復に水を差そうとする意図があったのだろうか。ゆゆしき問題である。
尖閣衝突ビデオ映像が流出した事件は、流出問題ととともに尖閣問題について、日本国民の関心をいやが上にも高めたことはまだまだ鮮明に記憶しています。
上記の3紙(朝日・毎日・北海道)の主張をならべてみましょう。
●3年前<尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件>
『 ビデオ映像の流出は許せない! 』
●今現在<特定秘密保護法案>
『 知る権利を守れ!』
3年前と今現在、180度異なる発言をして全く恥を覚えない神経…これが有力マスコミの実態です!NHKなどテレビも左へならえですから何をか言わんやです。(…もちろん立派なメディアも一部あることは十分承知しています)
これでは、ジャーナリズムという価値あるものではなく、文字通り、単なるマスコミに過ぎません。そこには、軸の無いダブルスタンダード、傲慢な二枚舌、軽薄そのもののご都合主義、硬直した左翼思想のイデオロギー、国民を煽る扇動主義者、ジャーナリズム精神を変質させた煽リズム(アオリズム)、自国を愛せない反国益論者、国民を見下ろした欺瞞性しか見えてこない悲しい存在しかありません。
今、わが国は、中国(中華人民共和国)の軍事的脅威にさらされていることは誰しも認めるところであり、それゆえに、国家安全保障会議(NSC)を設立し、国家安全保障戦略と防衛大綱を制定しようとしています。これらを十分に活かすためには、日米の緊密な関係を築き上げることが肝要であり、それも急を要しています。
その日米間の情報連携の肝になるのが、完全なる「情報の秘匿」であることは論をまちません。それを担保する体制になかったのがいままでの「日本」です。それゆえに、わが国は世界各国から不名誉極まりない「スパイ天国」と嘲笑されてきましたし、国民はもとより、国のリーダーさえも安全保障の意識が薄く、アメリカ頼り、アメリカ依存のままで推移してきました。
しかし、もう、周辺国がそれを許してくれません。わが国は、わが国そのものを主体的に守らねばならず、そのためには、同盟国アメリカをはじめとする友好国と、高度かつ密度の高い情報を、安定的な信頼感のもとに交換することが必須、不可欠になってきたのです。特定秘密保護法案はその重要な一部であることは間違いありません。
それゆえに、本来、メディアは、情報秘匿の必要性を主導的に議論するとともに、情報公開の重要性についても議論する「場」を設けて初めてジャーナリズムといえるのであって、為にするイデオロギーと自らの業界益のための反対論は、国際情勢に無知な反国益主義者と言われても反論できますまい。
いまこそ日米安全保障条約が有効に機能しなければなりません。そのためには、従来からアメリカ側が懸念している「日本は機密保護が不十分であり、高度な機密情報を渡すことはできない」ということを完璧に無くさなければならないのは明々白々ではないでしょうか。
マスコミの所論がいかにいいかげんであるかを指摘しました。
わたしは、マスコミのなかで、誠に残念ではありますが、新聞はmax.3割、テレビはmax.1割しか信用しないことにしています。
みなさんはどのようにお考えになりますか。
次回も
時事エッセー
です
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コメント
ご指摘の「中国漁船の故意の衝突事件」での民主党政権による証拠映像の秘匿だけでなく、「韓国慰安婦問題」でも河野談話の根拠とされている調査資料は秘匿されている。しかもそれを朝日や毎日・東京などのマスコミも支持している。国民のお金で運営されているNHKも反日的な偏向報道を繰り返しながら報道の根拠は曖昧に(すなわち秘匿)している。
かつて朝日新聞のトップが「中国に不利になるニュースは記事にしない」と断言したことがあるが、中国に関するその偏向姿勢は毎日、東京、NHK各社も大して変わっていない。
彼らはまた朝鮮戦争勃発時から北朝鮮に不利な記事は秘匿し、韓国の政情不安については報道の自由を守り続けてきた。ところが北朝鮮の専制政治が世界に明らかになるにつれて北朝鮮への同情的報道を徐々に減らして、今度は反日姿勢の目立ち始めた韓国の対日外交を支持する姿勢をとるようになった。
朝日に代表される我が国のマスコミサヨクの言動を見ていると、「ユダヤ人大量虐殺の犯罪行為をすべてヒトラーとナチスの責任とし、戦後も彼らを糾弾する」ことで生きてきた戦後ドイツ人(歴史的に見ればユダヤ人を忌諱・虐待し続けてきたヨーロッパ人のほとんども同じだが)の姿が重なって見える。
自身の内なる卑怯卑劣を自覚することなく他者批判を続けることで自身の善性を確認しようという行為、それは他者を血祭りにあげて神への生贄とすることで己の罪を免れようとするものである。
彼らにとってマスコミの場とは、日本国民の自由と平安を守り発展させるものか、それとも偏った正義感と自己陶酔の発露の場なのか。
投稿: 齋藤仁 | 2013年12月 6日 (金) 08時23分