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2014年1月17日 (金)

“黒髪の流行”…その時代背景を考える!

 412回目のブログです。

“まつりごと ただしき国と言はれなむ 百のつかさよ ちから尽して”
                    (明治天皇御製)

政治が正しく行われている国であると、国民からはもちろんのこと外国からも言われるように、文武百官よ、ともに力を尽くしていこうではないか…。

 およそ20年にわたる仄暗い時代から、明確におさらばしようとする政治が始まりかけた段階で、またぞろ、東京都知事選でポピュリズム(大衆迎合政治/populism)アオリズム(煽リズム)横溢の劇場型政治が演じられようとしています。

 まことに、明治大帝の御製にあるように、政治も行政も、ポピュリズムから離れ、真の知性にもとづき、虚心坦懐にまつりごとを正しく行っていかねばならないのではないでしょうか。

 そんな皮相な姿を見せている社会、その代表が今回の東京都ですが、さはさりながら、時代は確実に変化していることを知らねばなりません。ファッションの流れをごらんください。

  「黒髪女子」復権中 つややか、清楚「逆に新鮮」

 20~30代の女性を中心に黒髪が流行している。人気モデルやアイドルの影響もあり、特集を組む女性ファッション誌が相次ぐ。1990年代から茶髪ブームが続いたことで「意外に新鮮」と受け止められており「清楚(せいそ)に見える」「上品な雰囲気」との声も。東京五輪が決まり、日本女性らしさを見直そうとする動きもあるという。
 昨年9月の神戸コレクション。人気モデルが黒を基調にした髪で登場し、会場を沸かせた。
 ある主婦(24)は、6年続けた茶髪をやめ「黒は逆に新しい感じ。落ち着いて見えると好評で、気に入っている」と声を弾ませる。「JJ」
(光文社)1月号は「おしゃれな人ほど黒髪の時代が来た!」と紹介。
          (111日 神戸新聞NEXT一部抜粋)

 最近、街中や電車のなかで、女性の髪の色が変わってきているなとは感じていましたが、まさか、これがファッションの流れにあるとは気が付きませんでした。猿でもするという自分の感度の鈍さを反省!コムデギャルソンの川久保玲さんによれば、ファッションは時代の精神を表すそうですから、やはり、時代の流れが大きく変わろうとしていることを示しているのでしょうか。

 黒髪と言えば「緑の黒髪」と言う言葉が思い浮かびます。緑の黒髪とはどんな意味をもつのでしょうか。

   【緑の黒髪】(大辞林)
つやつやとした美しい黒髪。女性の髪をほめていう語

 緑(みどり)とは若葉のように新鮮で瑞々しいという意味であり、緑の黒髪とは、艶々とした瑞々しく潤いのある美しい髪を指すものでしょう。また、美しい黒髪を「烏の濡れ羽色」とも言います。

 最近では、茶髪(薄茶から濃茶まで)、金髪、黄髪、赤、グリーン、グレイ、何でもありですが、さすがに緑の黒髪を目にすることはありませんでした。ところが、昔、髪は女の命といわれていた頃の緑の黒髪を、今の若い世代は、新しく新鮮で落ち着いたカラーだと認識するようになっているのです。

 緑の黒髪と言えば、有名な歌曲を思い出します。

  『 惜 別 の 歌 』
(「若菜集」の高楼より一部を採ったもの)
島崎藤村作詞・藤江英輔作曲

  (一)遠き別れに たへかねて この高殿に 登るかな
悲しむなかれ 我が友よ 旅の衣を ととのへよ

(二)別れといへば 昔より この人の世の 常なるを
流るる水を 眺むれば 夢はづかしき 涙かな

(三)君がさやけき 目のいろも 君くれなゐの くちびるも
君がみどりの 黒髪も またいつか見ん この別れ

  (四)君のゆくべき 山川は 落つる涙に みえわかず
柚のしぐれの 冬の日に 君に贈らん 花もがな

 いい歌ですね。「君がみどりの黒髪も」は何となく情感豊かなイメージを湧き立たせます。色合いから見れば、単に黒単色よりも、黒色に緑色の顔料や染料を加えるレシピ(配合・レサイプ)の方が、より深い黒色、よりつやのある黒色になるのは間違いありません。

 わが国には、豊かな伝統色の言葉があります。たとえば黒系の伝統色では、漆黒(しっこく)・檳榔子黒(びんろうじくろ)・濡烏色(ぬれがらすいろ)・墨染(すみぞめ)・鈍色(にびいろ)・藍墨茶(あいすみちゃ)・涅色(くりいろ)・鉛色・素鼠(すねずみ)など。

 緑系の伝統色では、若葉色・萌葱色(もえぎいろ)・鴬色・抹茶色・常盤色(ときわいろ)・木賊色(とくさいろ)・青竹色・緑青色(ろくしょういろ)・青磁色など挙げれば切りがありません。

 わが国の伝統色は、自然の動・植・鉱物の微妙な色合いを極限まで突き詰めて創りあげたものであり、その素晴らしい工芸精神に感嘆せざるを得ません。それらの組み合わせは自由自在であり、何十万色、何百万色の色合いが出せるのではないでしょうか。

 さて、つい最近“日本”(にっぽん/Nippon/Japan)が世界から注目を浴びるようになりました。

① オリンピック・パラリンピックの開催決定
② 和食の無形文化遺産登録
③ 富士山の世界遺産登録
④ アベノミクスと安倍外交の推進

 わたしの単純な連想かも知れませんが、黒髪女子の復権、流行は、上記の項目と同じ流れにあると見るのは、穿ちすぎでしょうか。第2次世界大戦(大東亜戦争)後およそ70年。時代の潮流として、わたし達日本人が、日本の伝統的価値とその価値観に真摯に目を向けてみたいという、内面からの自然な発露があらゆる局面に吹き出そうとしているように思えてなりません。

 一方、その潮流に真っ向から対峙し、その言動を陰に陽に圧殺してしまおうとするイデオロギストが、これまた、多数、広範囲に存在しているのも事実です。がしかし、彼らの力をしても、流れに逆らって掉さすことは無理ではないかと考えますが如何でしょう。

 さはさりながら、どちらの流れになるのか、また、どちらの流れに与するのか、他人事ではなく、自分自身のこととして、虚心坦懐に思いを廻らすことが肝要だと思います。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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