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2014年3月14日 (金)

「移民受け入れ」…これは是か非か! 

 420回目のブログです。

   『題焦心録後』(焦心録後に題す) 高杉晋作
内憂外患迫吾州(内憂外患、わが州に迫る)
正是存亡危急秋(正にこれ、存亡危急のとき)
唯為邦君為家国(ただ、邦君の為、家国の為)
焦心砕骨又何愁(焦心砕骨、また何ぞ愁えん)

「焦心録(内憂外患、危急存亡の今こそ、志あるものは身分に関係なく立ち上がれ、対処せよという本)を書いて説き、騎兵隊を編成した後に作った詩」

国内の政治は混迷を極め、諸外国の脅威が我が国に迫っている。
  まさに、今こそ、国家存亡の危急の時である。
  かかる時こそ、藩主の為、国家の為に、粉骨砕身、尽くすべき。
  他に何を悩むことなどあろうか。

 数年前にもこの漢詩を選んだ記憶がありますが、漢詩の持つ力強い言葉とリズムにあらためてその素晴らしさを実感。

29歳の若さで亡くなった幕末の志士・高杉晋作のこの名詩は、当時のわが国の現状を冷静に分析、その厳しさと危うさを認識し、救国のために“一身を投げ出す”情熱と気迫を示しています。心にズシンと響く見事な漢詩ですが、さすがに維新の志士、その“心意気”に感動を覚えます。

 「内憂外患迫吾州」(内憂外患、吾が州に迫る)…幕末もそうであったかもしれませんが、これは、まさに、現在、平成26年、西暦2014年のことかと錯覚します。内政での混迷いまだ収まらず、外政においては中国、韓国の露骨極まりなき反日政策、加えて米国の腰のふらつき。外国勢力の推し進める着々とした侵略姿勢は、ある意味で幕末の混沌とした時代背景と同じように思えてなりません。

  移民受け入れなら1億人維持=年間20万人で-内閣府人口推計

  内閣府は、日本の将来の人口推計について、出生率の回復と移民受け入れを仮定した場合、1億人以上を維持できるとの試算を発表した。(2015年から移民を毎年20万人受け入れるとともに、2030年に女性が生涯に生む子供の数の推計が2.07まで上昇すると仮定)
2012
10月現在の人口は1億2752万人。
           (H26/2/24 時事ドットコム一部抜粋)

 わが国の人口問題は大変大きな課題ですが、これの解決策として提示された「移民政策」について考えてみたいと思います。2/13安倍総理は「人口減少は、労働力人口の減少や消費者の減少を通じ、日本の成長力に影を落とす」と指摘、移民の受け入れについては「わが国の将来のかたちや国民生活全体に関する問題として、国民的議論を経たうえで多様な角度から検討していく必要がある」との認識を示しました。

 妥当な発言だと考えますが、過去の政治家や政党の発言からみればかなりの怪しさと危うさを指摘しなければなりません。平成20(2008)自民党の外国人材交流推進議員連盟は、50年間で1000万人の移民受け入れをまとめ、移民庁の設置などをすすめるとしたり、民主党は、平成15(2003)有力議員達が「1000万人移民受け入れ構想」を提案していますが、いずれも単純な観点からの主張であり、まったく説得力を有していません。

 自民党や民主党の移民1000万人受け入れ案は、わが国の人口減少が国力や生活水準(一人当たりGDP)の低下をもたらすことと、労働者不足で企業経営が成り立たなくなるということを前提にし、その唯一の解決策として提示したものであり、プラス面は強調、マイナス面は軽視、無視、楽観視しています。

 本来、移民政策は、多様な角度から検討すべきであり、次のような観点からなされるべきではないでしょうか。

人口の減少が続けば経済成長は本当に困難になるのか
移民による長期的かつ国家的リスクを検討しているのか
先進国における移民問題の実例を分析しているのか

 まず、人口減少が続けばGDP(国内総生産)が減少するのは当然。しかし問題は、一人当たり実質GDPが減少するのかどうかということ。世界に目を向けると、生産年齢人口が減少している国が13ヵ国あり、その平均一人当たり実質GDP成長率は3.6%となっていますが、一方、日本は0.8%と際立って低位です。これは、人口が減少しても、一人当たり実質GDP成長率でみた経済成長には影響はなということであり、それが伸びないのは人口以外に原因があるとみるべきです。(高橋洋一教授の所論より)

 したがって、人口減少に絶望的になり、その解決策として単純に移民政策を取り入れ、人口の維持をはかろうとするのは大いなる誤りであり、およそ知性と知恵を欠くものと言わねばなりません。

 次に考えなければならないのは、移民が巻き起こすであろう様々な社会問題ではないでしょうか。わが国は、実質的に単一民族であり、2700年という永い歴史と文化を持つ伝統ある国家です。

 文明、文化、生活習慣、宗教などにおいて、わが国と際立って異なる外国人が、たとえば1000万人も移民してきて、日本社会にはたして馴染めるのかどうか、はなはだ疑問を持たざるを得ません。そうなれば、彼らは、閉鎖的なコミュニティ、ゲットー(マイノリティの密集居住地)が数多く出現する可能性が高いと思います。また、従来からの日本人がはたしてスムーズに受け入れるのかについても疑問符がつきます。

 移民推進論者は、この点を非常に楽観視したり無視したりしますが、いったん受け入れれば、帰還させることはできないということを肝に銘じ、もっと真摯に考えるべきでしょう。考えるポイントは、単に経済面だけではなく、社会、文化、民族、人種、倫理道徳、宗教、自然観なども含め、多面的な分析が必要ではないでしょうか。

 今でも、帰化手続きには大きな疑問があります。先般、著名な評論家・石平氏の講演を聴いたのですが、石平氏の、中国人から日本人への帰化手続きが、①在日日数はどれくらいか、②安定した収入はあるか、③犯罪歴などの前科がないか、の3点のみだったそうです。石平氏は

なぜ日本人になりたいのか
日本の皇室や伝統文化をどう思うか
日本に忠誠を誓うか

などの「日本人としての決意」をどうして聞かないのかと憤慨しています。今日、中国人・朝鮮人の帰化が激増しようとする時、このような移民管理システム、入国管理システムで、はたして日本は日本たり得るでしょうか。

 さいごに、外国での移民問題を“他山の石”して参考にしなければなりません。

まず、直近のことでは、スイスが2月9日の国民投票で「外国からの移民を規制するよう求める」スイス国民党の動議に有権者の50.3%が賛成しました。これは、移民問題で難問を抱き続けている欧州に多大な影響を与えているようです。

 スウェーデン、フランス、イギリス、ドイツなど外国人移民による暴動が多発してきており、ヨーロッパの移民受け入れ先進国のなかで移民政策に成功した国はひとつもありません。まったくの皆無。これは厳然たる事実なのです。彼らは、移民先の言語や文化に馴染もうとせず、犯罪率も高く、非就労者であっても社会福祉は享受しているため、一般国民との摩擦、暴動がしばしば生じています。ここ至り、ヨーロッパ各国は移民の大幅制限に本格的に取り組みだしました。

 カナダでは、中国人移民激増に懸念が深まり、つい先日、移民受け入れ基準を厳格化することを発表しました(実質移民停止)。中国人は、大都市に容易にチャイナタウンをつくりコロニーを形成します。都市によっては中国人が過半数を超えるような事態に陥っており、もうそこは「従来カナダ」ではなく「今日チャイナ」となっており、大問題ではあるのですが、もはや旧に復すことはできず、中華人民共和国カナダ自治区の一部という存在になってしまいました。

 移民問題は、反省した段階ではもう手遅れ、遅いのです。カナダもドイツもスイスもスウェーデンも、今、大反省をしていますが、まさしく遅かりし由良之助(歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」で、大星由良之助が主君の切腹に間に合わなかったことから、時機を逃して用をなさないこと)と言わねばなりません。

欧州・カナダの識者は、日本に対して、絶対に欧州・カナダを真似るべきではないと忠言してくれています。

 現在のわが国は、総在留外国人225万人の内、中国68万人・韓国朝鮮57万人と圧倒しています。これに不法侵入者を加えれば、中・韓・朝で150万人を数えるでしょう。彼らが帰化予備軍であり、すでに帰化した人を加えれば大変な人数となるのではないかと思われます。

 彼らが、帰化するに際して、真に「日本人」として生きていくのであれば問題は少ないのですが、わが国の反日的サヨク、人権/人道/平和憲法論者と結託し、中国語や朝鮮語をも国語とせよ、生活習慣も中国風や朝鮮風も認めよ…というようなことになるのは火を見るよりも明らかです。

 そして、いまだ鮮明な記憶として残っていることですが、長野オリンピックで、約4000人の在留中国人が「中国共産党の指令」のもとに集結し、日本人に暴行した事件です。わが国官憲も手をこまねくままであり、この事件は、外国人(特に一党独裁国家・中華人民共和国)がいつでも暴動を起こし得ることを証明したことになりました。
20143131

与野党の政治家が、前向きに、急いで、喜んで、中国人や朝鮮人の大量の移民/帰化の受け入れをしようとする姿勢に危惧と戦慄を覚えるのはわたしひとりでしょうか。現状の日本はあまりにも無防備すぎるのではないか。化学の実験では可逆反応は容易に可能ですが、国家がいったん移民を受け入れれば、それを元に戻すことは不可能に近いことを知るべきです。

自民党や民主党の、歴史と事実に無関心な知性には憐れみ以外の何も浮かびません。自民党は、安易に「移民立国」などというキャッチコピーをばらまいていますが、現状認識があまりにも甘いと言わざるを得ないではないでしょうか。あゝ…!

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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