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2014年4月 4日 (金)

“橋下徹”…この希代の政治家をどう見るか!

 423回目のブログです。

“誰もみな 春は群れつつ 遊べども 心の花を 見る人ぞなき”
夢窓国師(鎌倉/室町・禅僧)

 春は、おおぜいの人達が花の下に集まって遊んでいるけれども、桜の花は見ていても、人の心の中の美しさを見る人はいないものだ…。

 桜の花が満開となっています。世界遺産でもある京都の苔寺(西芳寺)や天龍寺などの庭園を設計した偉大な禅僧である夢窓国師は、この和歌を通じて、内政、外交の厳しい時代、わたし達が単に浮かれているだけで良いのかを、高僧としての立場から静かに諭しているのではないかと思います。

 さはさりながら、われらは凡人。年に一度来る絶好の季節・春。その春の頂点を極めるのが桜であり、これを見逃すのはあまりにも悲しく惨めというものであり、何が何でも、桜花爛漫(桜の花が満開になりみごとに咲き乱れているさま)の風情を心行くまで楽しみたいものです。…そして、出来得るならば、人の心の花をも見たいもの。

 さてつい先日、3月23日、大阪市長選が行われ、橋下徹氏が出直し市長として再選されました。ところが、投票率は23.6%と過去最低、無効票が13.5%と過去最高という記録ずくめだったことが物議を醸しています。

  橋下 徹  44() 大阪維新の会 377,472() 87.5%
  藤島利久  51   無所属     24,004    5.6
  マック赤坂 65  スマイル党   18,618   4.3
  二野宮茂雄 37  無所属     11,273    3.0

<無効票>     一般無効票   22,408     4.5
                  
白票          45,098     9.0
                 (合 計)   (67,506) 13.5

 この結果に対して、マスコミは、無効票の多さ、とくに白票が45,000票もあったことで、無謀な選挙を仕掛けたとして橋下市長を厳しく批判しています。特に日ごろから橋下市長から論破されつくしてきている朝日新聞や毎日新聞、毎日放送などが、白票はアンチ橋下票だと決めつけているように思えます。

 しかし、世間的な印象では反橋下票かも知れませんが、よくよく考えてみれば「白票」は、どのような結果になっても全投票結果に自己を委ねることを意味します。確かに、市長選をしたところで「市会」(大阪市ではなんと市議会とは言わないのです…誇りが高いのでしょうか)の勢力図は変わりませんが、あまり白票だけに注目するのではなく、377,000票にも着目しなければ片落ち(片手落ちの人権配慮語)というものではないでしょうか。

過去の市長選での獲得票数をみてみましょう。
平成26年(2014)  橋下 徹  377,000()
平成23年(2011)  橋下 徹  751,000
平成19年(2007)  平松邦夫  367,000
平成17年(2005)  関 淳一  279,000
平成15年(2003)  関 淳一  368,000

 この数字を見て、あれっ、こんな数字だったのかと驚かされます。それは、マスコミ論調の印象から史上最低の得票だと思い込んでしまっていたからに他なりません。投票率の低さと白票の多さからマスコミは“信任されていない”と繰り返していますが、37万票の得票は過去の得票数から比較しても全く遜色はないと判断せざるを得ません。今のマスコミは、事実を冷静に客観的に見る視点を欠き、いたずらに勝手な主張をくりかえし、市民を煽り過ぎているのではないでしょうか。

 橋下徹市長(/日本維新の会共同代表)について、最近はマスコミも総じて批判的に取り上げることが多くなった感がありますが、ここで、彼の功罪を考えてみたいと思います。

 橋下氏は、弁護士にして特異なキャラクターを演じたテレビコメンテーターから、大阪芸能文化人のカリスマと言われたやしきたかじん氏のバックアップにより、大阪を根本から大変革する政治家を志しました。

その言動は今までにない斬新なものでしたが、大阪、関西、全国に「風雲児」としての橋下旋風を巻き起こした現象は、まさしく、閉塞感にとらわれ縮こまっていた大阪を中心とする国民大衆の熱い支持を背景にしたものであったと思われます。言動に迫力と情熱と理論(弁護士らしい理屈)が交錯しているところは今までにない新鮮な魅力だと言えるのではないでしょうか。

 その結果は議員数に集約していると考えるべきであり、何ごとも、政治は結果です。四の五の言ったところで、机上の空論では力たり得ず、政治勢力こそが力です。

    【国会の議席配分】
        衆議院   参議院   衆+参
 自民党    294   115   409
 民主党     57    59   116
 
日本維新の会  53     9    62
 
公明党     31    20    51
 みんなの党    9    12    21
 結いの党     9     6    15
 共産党      8    11    19
 その他     19    10    29
 (総数)  (480) (242) (722)

           【大阪府議会】 【大阪市会】
    
大阪維新の会   51     32
    公明党      21     19
    自由民主党    14     17
    その他      23     18
    (総数)   (109)   (86)

 日本維新の会は、衆議院で53議席、参議院で9議席の有力野党、大阪維新の会は大阪府、大阪市で圧倒的な第1党ですから、短期間にここまで大きくした橋下徹市長は希代(きだい・世にもまれなこと)の政治家と言っても決して過言ではありません。

 毀誉褒貶(きよほうへん・ほめたりけなしたりすること)は世の習いといいますが、国民、市民、マスコミは、橋下市長の政治姿勢や人格に対しての好悪、好きか嫌いかは別にして、少なくとも、力量ある政治家として認めなければなりません。近年、これほどの新人政治家はいなかったと思います…まだ44歳です。

 ところが、橋下市長は大きな失敗を重ねました。それは、大阪市が24区で公募した区長のうち4人が退職するという異常事態を招いたことです。東成区長は部下の女性職員への露骨なセクハラ、鶴見区長は市の受注業者との不適切な交際による退職、さらに北区、城東区の区長もいわくある退職。

 人材を選ぶことはなかなか難しいことですが、橋下市長が、こんなに適任者を選ぶ目をもっていなかったことには驚きを通り越し唖然としてしまいます。橋下市長は、民間人は公務員よりも優れているとの思い込みが強すぎるのではないでしょうか。民間人にも公務員にも、同じように不適切な人材が存在することは当たり前のこと。現状の選別基準は即刻止めるべきであり、橋下市長の責任は免れないと考えます。もっと責任を自覚すべではないでしょうか。

 今年のNHK大河ドラマの主人公である「軍師・黒田官兵衛(黒田如水)」の言葉をかみしめてみる必要があります。

その職にふさわしくない者はすぐに処分したりするが、よく考えてみると、その役を十分に務めてくれるだろうと見たのはその主だ。目利き違いなのだから、主の罪は臣下よりもなお重い。”

 「大阪都」という名称が不適切だという認識が欠如。石原共同代表が言うように「都(みやこ)」は天皇陛下のおられる東京都以外にはありえません。大阪は上方(かみがた)、永い歴史にある豊かな言葉の中から適切な語彙を選択すればよいのです。橋下市長は言葉がどうも荒すぎ、誤解が誤解を生む現象を来たしているのは誠に残念。「大阪都」はどう考えても間違っており、変更すべきだと思います。

 今、わが国は外交、内政に大きな課題を抱えており、日本維新の会および大阪維新の会の一挙手一投足が大きく影響する重要な局面に来ているのではないでしょうか。その意味で、それを率いる橋下氏には、江漢、自重を重ねつつ、堂々たる政治に邁進してほしいと念願するものです。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回も
時事エッセー
です

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コメント

 大東亜戦争や原発問題など国策の根幹たる歴史観や政策について見解が大きく異なるにも拘らず、石原氏は橋下氏の政治家としての資質と社会変革のエネルギーを高く評価しています。共同体表として身近な立場で接してもなお石原氏から評価されているのは橋下氏の政治力がテレビ型アジテータやコメンテータの力量をはるかに超える何かをもっているからではないでしょうか。彼の得意な発想力からするとこれからも私たちを驚かすような問題を引き起こすでしょう。しかし朝日・毎日等の左派マスコミの口撃で瞬時のうちにあえなく自沈した数多の保守政治家を思い起こせば、橋下氏の孤軍奮闘する姿は事の是非を超えて感動的ですらあります。五年十年という時間をかけて彼を見守りたいものです。

投稿: 齋藤仁 | 2014年4月 4日 (金) 18時48分

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