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2014年11月28日 (金)

紅葉真っ盛り…四季の色をかんがえてみよう!

紅葉真っ盛り…四季の色をかんがえてみよう!        平成26年11月28日

 457回目のブログです。

“嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり”
 能因法師(『後拾遺集』)

 山風が強く吹いている三室山(みむろやま)の紅葉が、竜田川(たつたがわ)一面に散っているが、まるで錦の織物のように絢爛たる美しさではないか…。

 百人一首にも採られている名歌。三室山と竜田川の対比、流ちょうな調べ、この和歌を口ずさめば、色鮮やかに織り成す紅葉の錦が目の前に浮かんできます。特に竜田川と言えば“千早ぶる神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは”(在原業平・百人一首・古今集)という、色彩感あふれる和歌を連想させてくれます。

 先日、京都東山にある高台寺辺りをゆっくり歩きながら紅葉狩りしましたが、こころもち早かったようです。しかし葉の色合いは、真緑から黄色、橙、赤、真紅までの多様な色調を見せており、秋の深まりを示すに十分な雰囲気を感じ取ることが出来ました。

 古の万葉の時代には「もみぢ」を表わす漢字に「黄葉」を当てていました。万葉集には、もみぢを詠った歌はおよそ140首あり、ほとんどが「黄葉」であり「紅葉」は1首にすぎないようです。季節は秋から冬へ、緑の葉が黄色から紅色に変っていく季節の大きな変化を、総体的な色彩として捉えるとすれば、黄葉でも紅葉でも同じものとしたのではないかと推測しています。

 現代では、もみじと言えば「紅葉」を指し、わたし達は「かえでもみじ」の燃え立つように鮮やかな、えも言えない紅色に晩秋の情緒を感じるのかも知れません。

 ところで、わが国日本は豊かな四季に恵まれていると言われますが、四季の色彩についてはどのように捉えているのでしょうか。

 夭折の少女詩人が小学生の時ノートに書いた詩を鑑賞してみましょう。

『四季の色』 (堀 明子)

ももいろと
若草色の春がきて
うららかな日々が
楽しくすぎてゆく

えんじいろと
マリンブルーの夏がきて
木々のみどりが
こくなってくる

もみじいろと
黄金色の秋がきて
実りの日々は
とぶようにすぎてゆく

純白と
ゆうやけ色の冬がきて
こごえながら
日々がすぎてゆく

 素晴しい詩!堀明子さんは16歳の時水難事故で短い命を閉じましたが、自然に対する、みずみずしいまでの感受性に息をのむばかりです。これが小学生の時の詩とは。彼女は、四季の色彩を細やかな子どもの心で素直に表現したのではないでしょうか。
        ももいろ・若草色
        えんじいろ・マリンブルー
        もみじいろ・黄金色
        純白・ゆうやけ色

 人によっては、四季の色の表現の仕方が、それこそいろいろあると思われます。

 色相 : 春/パステル・夏/ブライト・秋/シック・冬/モノトーン
色調
: 春/緑・夏/青・秋/茶・冬/
    春/青葉の緑・夏/太陽の橙・秋/紅葉の赤・冬/雪の白
    春/桜色・夏/青色・秋/橙色・冬/白色

 季節の印象をどこにポイントを置くかによって各自各様になるのでしょう。上記でも、春の印象を、青葉の緑におく人と桜のピンク色におく人の両方があり、夏でも、海や空の澄み切った青色にポイントを置く人と太陽の鮮やかな眩しいほどの橙色の光にそれを置く人とがあります。

 中国からの言葉では、自然の季節を表す言葉ではなく、人生の季節を表象するものとして「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」という言葉があります。

 人生の春、これが青春と言う言葉で代表され、この言葉には輝くばかりのオーラがあります。青春…青い春、人生のまだまだ未熟な上り坂、前途洋々、将来に夢ありというところでしょうか。

朱夏(しゅか)、青年期につづく人生の盛りを言いますが、わが国ではほとんど使われない言葉です。

白秋、人生の実りである熟年期。詩人の北原白秋はこの言葉から採ったといわれます。

玄冬、人生の最後とも、また青春に還るとも。玄冬は黒冬とも言います。これから名を採った幻冬舎と言う有名な出版社があります。

 この4つの言葉「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」は中国(支那文明)の陰陽五行説に由来。陰陽五行説はわが国でも多方面に援用されています。

【五行】【四神】  【色】   【方角】【季節】【人生の四季】
 木 … 青龍 …         東 … 春 …  青春
 火 … 朱雀 …         南 … 夏 …  朱夏
 土 … 皇帝 …        中央 … 土用 …
 金 … 白虎 …         西 … 秋 …   白秋
 水 … 玄武 … 玄()    北 … 冬 …   玄冬

  四季の色を中国のいにしえに尋ねれば、宇宙の観念のひとつである陰陽五行説からくる青・朱・白・黒というとなるのでしょうが、わが国では、万葉の昔から、もっと“自然”に触れた言葉を選んできたように思います。

 わたし達は、それこそ自由に発想し、森、林、山、川、河、海、空、雲、土、水、動物、鉱物など、あらゆる“自然”から色彩のヒントを得、言葉を創造してきたのです。わが国の伝統色をみてください。たとえば、赤系の一部だけでも…

牡丹色・躑躅色(つつじいろ)・紅色・緋色・猩々緋(しょうじょうひ)・朱色・辰砂(しんしゃ)・蘇芳色・葡萄色(えびいろ)・茜色・臙脂色(えんじいろ)・檜皮色(ひわだいろ)・栗色・小豆色・ 退紅(たいこう)・薄紅・撫子色・今様色・紅梅色・薄紅梅・桃色・桜色・一斤染(いっこんぞめ)・鴇色(ときいろ)・東雲色(しののめいろ)・珊瑚色・灰桜……

 これらの伝統色を見れば、日本人がいかに豊かで繊細な色彩感覚を持っているかという証になるでしょう。その意味から言えば、わたし達が、四季をどう表現するかは、各自が、自由に自在に感じたままを表現すれば良いのではないでしょうか。

 そして、未来に向かって、文化・芸術の華を開かせるよう、一部のガサツな政治家を排し、心ある国民がそれなりに努力することも大切なことだと考えます。折角の民族の文化感覚をさらに向上させるために。

 みなさんは四季の色をどのように表現しますか。

次回も
時事エッセー
です

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