さあ投票に行こう!…選挙報道アラカルト
459回目のブログです。
“朝露に 競ひて咲ける 蓮葉の 塵に染まざる 人の尊さ”
良寛(江戸末期、禅僧・歌人・書家)
朝の露と、その清らかさを競っているかに見える蓮の花のように、世俗の塵に染まらない人の何と尊いことであろうか…。(蓮葉→はちすば)
良寛和尚の理想としたであろう世俗の塵に染まらない人間、そんな人は稀有な存在であり、わたし達は世俗に住めばこそ、そのなかにまみれてしまいがちでもあります。
次の日曜日に総選挙が行われますが、政治、その中でも、総選挙こそは、権力の腐臭にまみれる塵芥の世界と自らの理想を極限に表現する世界が交差する場でもあります。裏と表、不浄と清潔、建前と本音、嘘と真、私と公、言葉と行動、…わたし達国民は、総選挙において、政党と立候補者の「真の姿」「真の力」を見極めなければなりません。
どういう結果になるのか予断は決して許されませんが、報道のなかで気づいたことを一国民として書いてみたいと思います。
『選挙の大義』
・マスメディアは、今回の解散総選挙では、こぞって「大義」がないと批判しています。解散には明確な争点が必要であるにもかかわらず明示していないこと、野党の再編が遅れている時にあえて解散を実施し混乱させようとしたこと、にご立腹なのです。
・しかし、争点・力点は与野党の立場、各政党の立場で異なるものであり、それは大義というものではなく、大義は“政権選択”に決まっているではありませんか。衆議院の選挙(これを総選挙と呼びます)は常に政権、権力の争奪であることは自明の理。マスコミの知性を疑わざるを得ません。
・本来の大義は衆議院議長が朗読した詔書そのものにあります。詔書とは、天皇が発せらる最高の公文書であり、畏くも御名御璽のある文書、これを理解しないのは、国民ではないと言っても言い過ぎではないでしょう。
『解散詔書』
日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。
御名 御璽
平成二十六年十一月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三
『選挙予測・調査・アナウンス効果』
・12月8日(月)、毎日新聞は「衆院選中盤情勢 与党、3分の2超す勢い」と報道。RDS法(自動電話法)による全国調査から次のような表現となっています。
【定数475・過半数238・3分の2数・317】
自民 300議席を上回る勢い・単独で3分の2超えも視野
民主 小幅の伸びにとどまりそう
公明 30議席半ばをうかがう
維新 小選挙区は4~5議席にとどまる・比例は20前後
共産 一気に倍増以上の20議席まで躍進する可能性あり
・12月9日(火)、産経はFNN(フジTV)との合同調査で「衆院選終盤情勢 自民 単独3分の2に迫る」と報道。主要各党予想議席数は次の通り。
低 予想 高 (公示前)
自 民 306 ~ 311 ~ 331 (295)
民 主 63 69 79 (62)
維 新 21 26 31 (42)
公 明 31 32 33 (31)
次世代 1 2 3 (20)
共 産 14 15 18 (8)
生 活 1 2 3 (5)
社 民 1 2 (2)
無所属 5 6 8 (14)
・すべての新聞やテレビは自民党圧勝との報道を繰り返していますが、自民党の谷垣幹事長は、300を超える圧勝なんて信じられないと発言しました。はたしてどうなりますか。
・マスメディアの選挙世論調査の報道によって、残念なことに人心が動かされることが考えられ、それが「アナウンス効果」として問題視されます。アナウンス効果には2通りあり。
負け犬効果(アンダードッグ効果)…激励票や同情票が集まる
勝ち馬効果(バンドワゴン効果) …組織等が優勢候補を支持
・選挙世論調査の報道は、選挙民の判断に余計な刺激を与え、冷静な感覚を阻害するのではないでしょうか。フランスでは投票1週間前は選挙世論調査の公表を禁止、ドイツでは投票終了前の出口調査の公表禁止、イタリアでは投票15日前は選挙世論調査の公表を禁止となっています。
・わたしは、わが国では、公示後から投票終了までは選挙世論調査の公表を禁止すべきだと考えます。
・なぜそう考えるかと言えば、わが国の大半のマスコミは、過去の例からみても、意図的な情報操作を行うことに罪悪感を些かも感ずることがなく、学問的に客観的なデータが出される保証がないのと同時に、やはり国民に冷静に考えた上での投票を期待したいからでもあります。(…たとえば、あのクオリティペーパーを自称するA社の調査結果を信用できるでしょうか、原発や慰安婦の捏造記事によって日本国家の毀損・日本国民の誹謗を平気の平左で行ってきたのですから)
『平和ぼけ』
・わたしは、前回のブログで、今回の大きな争点は、いわゆるアベノミクスを中心とする経済政策と日本国家の安全保障政策だと述べました。ところが、報道をみると、アベノミクス是か非か、アベノミクスは経済および生活を向上させるのか低下させるのか、などの議論がほとんどであるような印象を持ちます。
・こんな議論だけやっていれば、安倍首相がアベノミクスにより大きな経済変化をもたらしたことだけは事実であるだけに、自民党の方に分があるのは当然ではないでしょうか。
・その意味で、野党は「安全保障」などに力点をおくべきであり、報道も、憲法、防衛、地方などの「国家の基盤をなす課題」での論争をもっと大きく扱うべきだったと思います。
・特に、小笠原周辺への中国珊瑚密漁船軍団の領海侵犯への具体策、尖閣諸島対策、わが国の歴史に大きな役割を果たした対馬をどうするのか、北方4島にどう取り組むべきなのか、これらに論戦の場を与えるのがマスメディアの重要な役割だと考えます。…が、平和ボケでしょうか、とんと盛り上がっていません。
・そして極めつけが、日本国の主権を侵害した「北朝鮮拉致事件」に最大限の怒りを爆発させ、与野党一丸となって対処することこそ、真の「国会議員」というべきものですが、ほとんどの立候補者がわれ関せずの姿勢だということです。…とすれば、ここで本来のジャーナリズムの出番として積極的な発言の場を設けることが肝心であるにもかかわらず、これもなし、“平和ボケ”極まれりと言わざるを得ません。
何はともあれ、選挙に行き、貴重な一票を投じ、自分自身の考えを反映させようではありませんか。特に若い世代は是非とも国政選挙に参加し、現在および将来の国造りの一端を担うべきだと思います。
若人よ、一歩前に進もう!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回も
時事エッセー
です
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