« 今年の景気はどうなるか…景気循環論から見る! | トップページ | ああ、ブラック企業は永遠なり! »

2015年1月23日 (金)

仏紙「言論の自由」VSイスラム「テロ」…どう見るか!

 465回目のブログです。

 

“薄き濃き 野べの緑の 若草に 跡までみゆる 雪のむら消え”
 
宮内卿
(鎌倉初期歌人・新古今和歌集)

 

 野辺の若草の緑が、雪のむらになって消えた跡によって、あるところでは薄く、あるところでは濃く見えている…。

 

 もうしばらくすると、あの待ち遠しい春がやってきます。その象徴を、雪のむら消えによる若草の緑の濃淡に見ることができる、と詠った知的で絵画的な新古今和歌集ならではの名歌とされています。宮内卿(くないきょう)は後鳥羽院にお仕えした女房でした。

 

 まだまだ寒い冬の盛りですが、わが国の自然界は春、夏、秋、冬と循環し、厳しい冬の次には必ず暖かい春が訪れます。♪♪ 春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが…という童謡にあるように、本当に春が待ち遠しいものです。

 

 自然界はそのように春がめぐってきますが、人間界はそうはいかず、フランスの言論界とイスラム組織が鋭く根深い対立にあり、なかなか春はやって来ず、それどころか悲惨なテロにまで至りました。

 

 1月7日、仏・パリにある風刺週刊紙を発行しているシャルリー・エブド社にイスラム過激派がテロ襲撃し、12名死亡、11名負傷の大惨事となった。シャルリー・エブド社は、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を度々掲載したが、イスラム教徒からの反発を完全に無視したため、テロ行為に走ったものである。アルカイダ、イスラム国の影響下にある行為とも言われている。

 

 フランス大統領は、この仏紙襲撃テロを言論の自由に対する挑戦として厳しく非難し、フランス全土で370万人のデモ行進がおこなわれた。また、シャルリー・エブド社は、通常は3万部の発行のところを追悼集として300万部の大量部数を発行、完売、増刷して700万部に達したとのこと。

 

 「言論の自由」対「テロ」をどのように考えればよいでしょうか。わたしなりの考えをアトランダムに記します。

 

この対立は、どちらも原理主義に則っていることです。フランスや仏紙は民主主義原理主義および言論の自由原理主義であり、他方はイスラム原理主義の信奉者です。いずれも原理主義(fundamentalism)ですから、容易に合意点を見出すことはできません。

 

留意しなければならないのは、シャルリー・エブド社は左翼だということ。フランスの左翼は、日本のサヨクとは大いに異なり、伝統文化の拒絶、インターナショナル・社会主義・唯物論の徹底した信奉者ですから、宗教を非難することはあっても、寛容ということはないと見るべきでしょう。

 

シャルリー・エブド社の風刺週刊紙は、イスラム教の預言者ムハンマドを徹底して風刺しましたが、その表現は、とてつもなく醜く反吐が出るほどで、例えば同性愛者としても描いたりしているのです。16万人を超えるイスラム教の預言者をこのように根拠なく風刺する姿勢について、私は次のような感想を持ちました…。
 ①これは、風刺ではなく、品性下劣な罵倒とみなすべきだ。
 
 ②厳しい批判、尖った皮肉というよりは、侮辱・侮蔑ではないか。
 
 ③辛辣なユーモアではなく、罵詈雑言・誹謗中傷である。
 
 ④日本人だからでしょうか、どうしても「違和感」を感じます。

 

この風刺画があまりにもえげつないとの判断で、アメリカのマスコミでさえ、過半が風刺画の掲載を躊躇するほどです。

 

かつて、フランスの風刺画週刊紙「カナール」は、福島原発事故を背景にした相撲の土俵上に3本の足(放射能災害で1本増える)が生えた力士を描いて物議を醸し、あまりにも無神経な表現に日本政府が抗議したこともあります。

 

今回のテロに対しては、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、中国、ロシアなどが非難しましたが、イスラム国だけは襲撃事件を「英雄的」だと称賛しています。

 

「テロ」「宗教」「言論の自由」についての、ローマ法王とイギリス首相の相反する発言は極めて重要だと思います。

 

 【フランシスコ・ローマ法王】
 
『表現の自由は市民の基本的な権利である。自らの宗教の名のもとに戦争を起こしたり殺してはならない。神の名のもとに人を殺すのは常軌を逸しており、決して正当化できない』とテロを否定。
『もしわたしの友人が母のことをののしったら、パンチが飛ぶだろう。それは普通のことだ。挑発してはならないし、他の人の信仰を侮辱してもならない。信仰をからかってはならない』表現の自由に一定の限界があることを示唆。

 

 【キャメロン・英首相】
 
『自由社会には信教をめぐって(他者の)感情を害する権利は存在する』とローマ法王に反論。

 

 【ジャーナリスト団体・PEC】
 
Press Emblem Campaign
紛争地でのジャーナリストの法的保護や安全確保などに取り組んでいる組織)
シャルリー・エブド社の風刺週刊紙の最新号発売に『火に油を注ぐ行為だ』と反対を表明、『全ての関係者が緊張緩和に努めなければならない時に配慮に欠ける。プロのジャーナリストは中傷や侮辱をしてはいけない』と批判1/14共同)

 

 日本人の感性から言えば、この風刺画と称するものは、いわゆる「表現の自由」の範疇を大きく超えているものと言わざるを得ません。他人の信仰する宗教、神、仏、預言者などに罵詈雑言を浴びせ、侮辱することは、ヒットラーや共産主義独裁者の言動と同じようなものではないでしょうか。

 

 そうだからと言って、テロ行為を決して容認するわけにはいきません。ゲスな誹謗中傷や侮辱で金を稼いだメディアも、それに対して卑劣なテロ行為で報復した犯罪者、犯罪組織も、どちらも非難されて当然ではないかと考えます。

 

 ここで忘れてならないのは移民問題です。欧州は、下層階級の人的確保を主眼として、移民を積極的にすすめてきており、フランスではイスラム系の移民が95%ですから、今やイスラム系は全人口の12%を占めていると言われますので700万人超となります。

 

 フランスの出生率は1.8人ですが、何と、イスラム教徒の出生率は8.1人。将来の人口構成がどうなるかは言うまでもありません。

 

 現在、フランス、イギリス、オランダ、ドイツ、スエーデンなど欧州は軒並みに移民問題に頭を悩ませ、国政の最重要課題のひとつになっているのです。イスラムとの融合が全く適わず、民族・宗教・経済・社会問題などが複雑に絡み合い、一部ではイスラム排斥運動も発生し、移民問題はまぎれもなく政治・社会の不安定要素のトップとなっています。

 

 その結果、欧州各国が移民政策は大失敗だったと言明し、移民受け入れ廃止など全てを逆回転にしようとの動きが出始め、大きな火種となってきています。そのひとつが、今回の「風刺画+テロ」現象として生じたのではないでしょうか。そう考えれば、これは序の口であり、まだまだ事件が多発する予感がしてなりません。

 

 そんな欧州あるいはカナダ(ここは中国移民問題)の苦い経験があるのもかかわらず、わが国は何と、安倍総理を筆頭に、積極的な移民政策を推進中ではありませんか。

 

移民20万人/年×10年=200万人。それ以後は出来れば20100万人/年。日本の人口1億人の1割、1000万人を移民(結果的にそれもほとんどが中国人+朝鮮人)で占めたいとするものです。

 

 安倍総理は「移民論議」を逃げまくっています。このままいけば反日教育を受けた外国人が移民として日本国の1割を占め、政治を左右できる存在になっていくでしょう。そうなれば、安倍総理は、史上最低の鳩山総理や史上最悪の菅総理を超える史上最暗愚の総理大臣として、わが国の歴史に記される可能性が極めて大きいと思います。これこそ笑えぬ風刺画と言うべきでしょうか。成り行きに任せたら大変なことになりそうです。

 

 安倍総理は実行力のある大政治家です。総理には、本腰を入れて、歴史・文化・民族・社会・経済・政治・宗教・人種・思想・能力・福祉・教育などの広範囲な論点で「移民論議」をすすめて欲しいと思います。

 

そして一日も早い結論を出してもらいたいものです。

 

 みなさまはどのようにお考えでしょうか。

 

次回も
時事エッセー
です

|

« 今年の景気はどうなるか…景気循環論から見る! | トップページ | ああ、ブラック企業は永遠なり! »

コメント

フランスに限らず欧米白人社会には言論の自由を盾に価値観に適合しない民族の風習や文化、宗教を侮蔑した発言や行動を繰り返している。反捕鯨活動などを見れば彼らが一神教のキリスト教文化の独善が思考の土台にある事が明白。日本政府は世界に向けて「テロリズムに断固反対する。また言論の自由は国や文化の違いがあっても人類共通の尊重されるべき権利だと考える。だが他国の文化や宗教への”評価”は当事国にとっても未来への一歩に繋がる可能性があるが、“罵詈雑言”は当事国や当事国の国民と敵対化を招く以外の何物でもないと考える」と発信すべきである。
日本への外国人受け入れ問題は慎重に扱うべきである。我が国はDNA面からは混血民族かもしれないが、二千年の長きに亘って天皇を中心とした日本民族と云う歴史意識のもとに文化が形作られてきた。その文化意識を持たないばかりか敵対視する教育を受けてきた民族を受け入れた場合、皇室問題だけでなく神社仏閣や能や歌舞伎、着物や茶道・華道等、日本固有の様々な文化が破壊される可能性が高い。日系人を中心とした受け入れなら二世代目には日本人に戻る可能性が高いので賛成である。


投稿: 齋藤 仁 | 2015年1月23日 (金) 10時59分

今の日本は労働者人口の減少を理由として、産業の変化、オリンピック開催のための施設建設ラッシュ、高齢者の介護等の多くの問題をかかえています。
外国人に頼らずに切り抜けることが出来ればよいのですが、政府だけでなく我々も知恵を出す必要があると考えます。

投稿: 齋藤甚太郎 | 2015年1月23日 (金) 09時58分

上のブログの間違い部分を訂正します。

 16万人を超えるイスラム教(誤)
       ↓
 16億人を超えるイスラム教(正)

 カナダの苦い経験があるのもかかわらず(誤)
       ↓
 カナダの苦い経験があるにもかかわらず(正)

パソコンの調子悪く本文の修正ができないため、ここに記しました。お詫びして訂正します。

投稿: のんちゃん | 2015年1月23日 (金) 06時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166202/61004534

この記事へのトラックバック一覧です: 仏紙「言論の自由」VSイスラム「テロ」…どう見るか!:

« 今年の景気はどうなるか…景気循環論から見る! | トップページ | ああ、ブラック企業は永遠なり! »