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2015年6月12日 (金)

“真の議会政治”…これが民主主義の原点だ!

 485回目のブログです。

 

“なにごとに 思ひ入るとも 人はただ まことの道を 踏むべかりけり”
 
               明治天皇御製
(明治37年<1904>

 

 どのような事に思い入れ取り組むにしても、人として、唯々“まことの道”を踏んで行かねばならない…。

 

 なかなか耳の痛い言葉です。人の常でしょうか、ややもすればわが進む道を踏み違えて、邪な道、外れた道に逸れてしまうことがあります。それでも、わたしたち一般国民は、土俵の徳俵に足をふんばって、まことの道を踏み外さないよう懸命に生きているのではないでしょうか。

 

 それだけに、国のリーダーには道を守り通してほしいとねがうものですが、現実の政治の重要な局面において、まこと…誠」「真」「信」「実」の道を外している例が見えるのは残念でなりません。

 

 安保法制、3学者全員「違憲」 憲法審査会で見解

 

  衆院憲法審査会で、自民党など各党の推薦で参考人招致された憲法学者3人が、集団的自衛権を行使可能にする新たな安全保障関連法案について、いずれも「憲法違反」との見解を示した。
参考人質疑に出席したのは、自民推薦の長谷部恭男・早大教授、民主党推薦の小林節・慶大名誉教授、維新の党推薦の笹田栄司・早大教授の3人。
憲法改正に慎重な立場の長谷部氏は、集団的自衛権の行使を認める安保関連法案について「憲法違反だ」とし「個別的自衛権のみ許されるという
(9条の)論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか」と批判。
            
(2015/6/5 アサヒ新聞DIGITAL一部抜粋)

 

 あきれてモノも言えません。まさに、ヘタな落語以下の落ちのないハナシとはこのことを言うのでしょう。自民党が、自らが推薦する参考人に真っ向から切り裂かれるとは、わたしたち一般のあらゆる組織でも決してお目にかかれない現象ではないでしょうか。まさに、下手なカリカチュア(風刺画・caricature)以下。

 

 長谷部教授が、自民党が主導する「集団的自衛権の行使を認める安保関連法案」に反対なのは自明であったにもかかわらず、彼を推薦し、このような発言を国会の場で許してしまうのは、①自民党1強の勢力を背景にした緊張感を欠く「精神の緩み②議会の重要さを理解していない「教養の不足③もともと有している「品性の傲慢」に起因していると思います。

 

 単なるミス、チョンボ(うっかりして間違えること/麻雀用語)では済まされない重大なる失態であり、野党はともかくとして、与党の自民党には政策執行の責任政党としての真摯な態度が求められるのではないでしょうか。

 

 民主党が無期限キャンペーン「安倍政権の暴走ただす」

 

  民主党は20日、新宿駅西口での演説会で「安倍政権の暴走をただす全国キャンペーン」と銘打ち、政権批判を展開した。国会で自民党の「1強」に甘んじる中、政府が今国会の成立を目指す安全保障法制や労働法制への反対を「国民的運動」に広げる狙いだ。
キャンペーンは「期間無期限」。枝野氏は記者団に「国民から疑問や不安の声が沸き上がれば、国会の議席だけで物事は決められない」と語った。
                 
(5/20 産経新聞一部抜粋)

 

 これもあきれてモノも言えません。枝野幹事長は、あの東日本大震災の時「ただちに問題があるわけではありません」とか「大丈夫だと思います」というようなヌラリクラリした特殊な言葉により人心を惑わした悪名高い政治家であり、極左勢力の革マルとも親しい関係にあります。

 

 そんな政治家だからでしょうか「国会だけで物事を決めてはならない」という発言に至ったものと思います。要するに、本質的には議会制民主主義を否定する思想の持ち主であることを、国民大衆の前ではっきりと発言したことになります。

 

 やはり、左翼のシッポは隠せず、共産主義・社会主義・独裁政治・専制政治を志向し、中国(中華人民共和国)のように選挙がなく、議会制民主主義ではない一党独裁国家がお気に入りなのでしょう。

 

 言うまでもなく、民主主義の3大原則は次の通りです。
 
   ①議論を尽くすこと
 
   ②少数意見の尊重
 
   ③多数決の原理

 

 この3大原則を「粛々と」(…今はやりの言葉)進めて行けば、何ら問題はありません。

 

 議会政治(代議政治)は、国民の代表で構成される議会が国権の最高機関として政治運営の基本になっている政治のシステムです。したがって、これは民主主義の根幹をなすものであり、そのシステムが有効に機能することが重要であり、活性化、充実化が求められています。

 

 ところが、上記2点に記したように、自民党、民主党ともに議会政治の形骸化に力を貸しているという体たらくとなっています。国会の議論をテレビで見ても、汚いヤジの連発、重箱の隅をつつく質問、本題と関係のない議論の応酬、など結構見苦しい場面も多く、議論・討論はお互いに真摯に対処してもらいたいと考えます。

 

 今や、国際政治はいやが上にも厳しさをまし、各国がそれぞれ国益の極大化を志向し、熾烈な外交・軍事展開を図っています。したがって、わが国も、それなりに対応しなければならない重要な岐路にたたされているのですが、如何せん、戦後70年の平和の心地よさ、自覚の乏しいユデガエルのままになっているのではと危惧します。

 

 「ゆでガエル理論」とは。熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねます。ところが常温の水に入れ、徐々に熱していくとその水温に慣れてしまい、熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い飛び上がることができずに茹であがってしまうというもの。

 

 わたしたち日本国民がそうでないことを願うのみです。

 

 その意味で、今こそ、覚醒の時、跳躍の時。

 

  「境の順なるものは怠り易く、境の逆なるものは励み易し」
 
吉田松陰
(『講孟箚記』こうもうさっき)

 

 真の議会政治を築くべく、わたし達国民もそれなりの努力(ex.議員に相応しい人を選ぶ)をしなければならないのではないでしょうか。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回も
時事エッセー
です

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コメント

 一国を代表する国会の場において、「そこにある危機」を直視せず、今日の平穏が明日も続いて当然と等閑視して言論の遊戯に興ずる様は、ペリー来航時の幕府や諸藩の重臣らの姿を彷彿させる。勝海舟が現在の国会議員や憲法学者の言を聴いたら「呵々大笑」でしょう。国民の生命・財産よりも「乱暴狼藉の限りを尽くした強盗が出しなに貼って行った憲法を後生大事にする学者や政治家」、「憲法九条」よりもこんな日本人そのものが「世界遺産」に値します。但し、実体のある人間や国家よりも、それに従属する憲法と云う空文を死守せんというそのイデオロギー優先主義が大衆を戦乱・狂乱に導いてきたことを古今東西の歴史が証明している。小事に拘泥して大事を失うのは専門家(ここでは政治家や学者、マスメディア)の常であることを、我々大衆は世渡りの知恵として持っている。   ちなみに1960年の安保闘争も朝日新聞を中心としたメディアや学者の煽りで国家が転覆するのでは、と云う程の賑わいを見せたが、改定からわずか40日後に当事者である朝日新聞が行った世論調査でも、自民党の支持率が前年度より反って上昇し、逆に社会党の支持率が自民党の半分に落ち込んでいる。“煽り”は所詮煽りである。そこまで日本人は馬鹿ではない。

投稿: 齋藤 仁 | 2015年6月12日 (金) 07時57分

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