« “天安門事件”…これが中国の恥部だ! | トップページ | “世界遺産”登録問題…安倍外交の限界と敗北! »

2015年7月 3日 (金)

“自虐”と“自賛”…このどちらに真実があるか?

 488回目のブログです。

 

 “青丹よし 寧楽の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり”
 
               小野 老
(おののおゆ・万葉集)

 

 あをによし ならのみやこは さくはなの にほふがごとく いまさかりなり…言葉も見事、調子もリズミカル、朗々と声に出して読めば、奈良時代から千年を優に越えたこの平成の御代において、古の奈良の都の豊かな春の情景が目に浮かんでくるようです。さすがに、わが国の古典中の古典と言われる「万葉集」の素晴らしさを感じずにはいられません。

 

 古より、わが国人は、赤き、清き、正しき、直き心に大きな価値を置き、上下こもごもこころを通わせ、豊かな文化を織りなす歴史に真摯に向き合い、独自の文明を築くに至りました。これは、わが民族として、わが国として、誇るべきことと言っても決して言い過ぎではありません。

 

 ところが、近年、わが国の歩んできた歴史を、ほとんど全てに亘って否定する人々が大きな顔をするようになりました。それを「進歩的文化人」といいます。彼らのわが国の歴史に対する見方を分かりやすく表現すれば「暗黒史観」「自虐史観」「反日史観」と言えるのではないでしょうか。

 

 進歩的文化人と言えば、朝日新聞、日教組、岩波グループ、左翼政党などに連なる人々ですが、彼らは一つの観念的イデオロギーに基づき、中・韓・北・露(ソ連)を理想とし、わが国の歴史のすべてを断罪してきました。

 

 それは営々と戦後70年も続き、わが国の弱体化に大いに貢献しました。しかし、昨年夏、朝日新聞の「従軍慰安婦捏造事件」によって、わが日本国民に言われなき不名誉をかぶせ続けてきた鉄面皮な薄汚い精神が明らかにされ、国民は、朝日を筆頭とする進歩派の唱える「反日・自虐史観」に疑いを持つようになってきたのです。それは、まだ一部にしか過ぎませんが…。

 

 そうこうする内、昨年来、世の中も多少は変化し、書店では嫌中・嫌韓の本が横積みされ、売れゆきも絶好調、ベストセラー続出となっています。そして、テレビの世界でも、特異な現象が生じています。それは、いままでわずかしかなかった「日本礼賛」「日本ぼめ」「日本すごい」「日本あげ」の番組であり、各局で続々出現し、今や高視聴率を獲得するまでになっているのです。

 

 どのような番組か地上波の一部をピックアップしましょう。

 

 『所さんのニッポンの出番』(TBS系列)
 
Youは何しに日本へ?』(テレビ東京系列)
cool japan 発掘!カッコいいニッポン』(NHK)
『世界が驚いた→ニッポンすごいですね!!視察団』(テレビ朝日系列)

 

 その他、以前から放映されている『和風総本家』、少々趣の異なる『カンブリア宮殿』、あるいは、バラエティ番組のなかでの取り上げ、などを見れば数多くあることに気づかされます。

 

 これらのニッポン礼賛番組はどのような視点で制作しているのかをまとめてみました。

 

 ①日本人が気づいていない「日本」の長所・特徴に焦点をあてる。
 
②現在だけでなくわが国の永い歴史のなかで捉える。
 
③職人&先端技術、慣習、精神風土、四季、観光地、社会システム、
 
 など、あらゆる切り口で捉える。
 
④外国人に感想を述べてもらう。
 
⑤外国人にその国と日本との対比を語ってもらう。
 
⑥分かりやすい内容にする。

 

 ご覧になった方もおられると思いますが、日ごろ、わたし達日本人が気づかないところ、全く意識しないところを、外国人が注目している場面が多く出てきます。なるほどと納得したり、世界はいろいろだなあと感じたりしながら、途中チャンネルを替えることなく最後まで面白く見ることが出来ます。

 

 日本にも良いところがあるんだ、はじめてこんなことを知った、今までこんなことは教えられてこなかった、感心するとともに、ほのかな自信…視聴者がこう感じたからこそ、高い視聴率をとっているのではないでしょうか。テレビは視聴率がすべてであり、流れに乗れと、各局がこぞって同じような番組を制作するに至っているのだと思います。

 

 ところが、日本の長所・特徴を礼賛することに対して、いわゆる進歩的文化人、進歩的メディアは批判的です。ニッポン礼賛は、嫌中・嫌韓の裏返しであり、安倍政治を押し上げようとするものであり、右傾化、ファッシズム、戦争への道をひた走ることにつながると主張しています。

 

 はたしてそうでしょうか。こんな、職人の技能を誇る些細なことなどがファッシズムへの道とは、まったく知性と論理を欠くおどろおどろしいイデオロギー的感情論にすぎません。

 

 高度成長からバブル崩壊、永いデフレ、失われた20年、戦後レジームはそのまま、そこへ福島原発事故の追い討ち、希望を懐かせた民主党政権のでたらめさ、…この永い間、わが国民のほとんどは“自信喪失”に陥っていたと思います。

 

 それが、ここへきて、いわゆるアベノミクスにより相当の範囲の企業が業績の回復から向上への道を歩み始めてきました。そして、この余波はいずれ国民全般に好影響をもたらすであろうことを、すなわち、長く暗いトンネルを抜け出すことができるのではないかとの希望を一般国民に抱かせはじめてきたのです。

 

 したがって、日本礼賛のムードが広がるのは、わたしたち国民の“自信回復”のあらわれと見なすべきではないでしょうか。

 

 先の大戦後70年、今、わたしたちは、朝日を筆頭にした自虐・反日思想のくびきから解き放たれるかどうかの瀬戸際にきています。しかし、永年にわたる学校教育で、その思想を刷り込まれてきましたから、決して、まだまだ油断はできません。特に、彼ら進歩的文化人は上から目線の自虐・反日思想の持ち主ですから、しぶといことこの上もなく、何とも始末に負えないのです。

 

 今や、国際化の時代であり「世界の中の日本」として、その立ち位置を明確にしなければなりません。そのためには、わたしたちは、自分自身の、日本の「自画像」を謙虚に、素直に見つめ直すことが大切ではないでしょうか。

 

 わたしたちは、わが国の弱点は弱点とし、長所は長所として、他国を基準とするのではなく、独立・自尊の立場に立つことが肝要だと考えます。そして、弱点(Fool Japan)はできるだけ克服し、長所(Cool Japan)はずっと維持していく姿勢を保ちたいものです。

 

 冒頭に掲げた“青丹よし 寧楽の都は 咲く花の 薫ふがごとく 今盛りなり”の和歌に詠われるような、日本人はもちろんのこと、世界の人々が仰ぎ見るような、豊かな文明を誇る「日本」にしていく努力を重ねようではありませんか。

 

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回も
時事エッセー
です

|

« “天安門事件”…これが中国の恥部だ! | トップページ | “世界遺産”登録問題…安倍外交の限界と敗北! »

コメント

すごいのは特定の職人なり企業なりであって日本じゃない
日本にはこんなスゴイ人がいる→日本すごい→日本人すごい→だから日本人である俺もすごい→自信回復
こんなのは愚かだ。何の生産性もないオナニーみたいなもの
第一あんたが日本人が自信を失う原因として例に挙げたバブル崩壊デフレ原発事故は何も解決してないじゃないか

投稿: 蘇我☆馬子 | 2015年7月12日 (日) 23時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: “自虐”と“自賛”…このどちらに真実があるか?:

« “天安門事件”…これが中国の恥部だ! | トップページ | “世界遺産”登録問題…安倍外交の限界と敗北! »